PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄

今日、もらった感動へのお礼を綴りたい。
そう思って書いていると嬉しさがよみがえって
笑っているうちに楽しくなる。
読み返した時、また嬉しくなる。
だから、明日が楽しみ!
October 2, 2009
XML





昨日、渋谷駅の階段を降りたら、

そこに
血だらけの男性が
ストレッチャーに乗せられていた。

救急車が来るのを
待っているのかもしれないけれど

救急搬送の方など
20近い男性が取り囲んで物々しかった。

気づいている人はごくわずかで、
野次馬さも群がっていなかった。

その寂かさに
逆に不安が高まったけれど。

緊張しながら、駅を抜けシアターコクーンへ。

20周年のBunkamura

第3部では
名前しか出ていなかった水野美紀さん熱演。


テレビで見る男の子みたいにさっぱりした
自然体が好感度高い彼女ではなく

珍しくオンナ!ってカンジの壮絶な役を
好演していた。


第1部のサトエリ、
第3部の栗山千明ちゃんと同様

舞台女優のキャリアは少ないかもしれないけど

それを補って余りあるひたむきさとか、
華のある人をうまく起用し


芸達者の共演者達が、

どんなカーブも
剛速球も受け止めますよ!と

余裕で演じてるいるから
魅力的な作品に仕上がってる気がする。

こういうところ蜷川演出巧いな!と
いつも思う。

旬の人を主役に持ってきて
もちろん時分の輝きも満足しつつ

お気に入りの舞台俳優さんが
いつの間にか増えている。


第3部では舞台はフラット。

第1部は
片方の1/3くらいに
15センチくらいの段差。

そして第2部は
それが両端にあって
真ん中がくぼんでる。


そのへこんだ部分に
絨毯を敷くと

子ども部屋になったり、
マネの草上の食卓をイメージさせる
ピクニックシーンだったりする。


一番効果的に生かしていたのが
森のシーンで、

片側に
思想家ゲルチェン(阿部寛)の夫人である水野美紀。
茂みで恋人に愛をささやいている。

その反対側は同じ森の中の別の場所。


キノコを採りに行ったまま
帰らぬ二人を心配する
ゲルチェン達の姿を、
観客は同時に見ることになる。



痺れを切らしたゲルチェンが
迎えに出るべく舞台から降り、
険しい顔つきで私の席のすぐ横の通路を走り行く。

左目でそれを見ながら、

右目は夫人(水野美紀)が
皆の元へ戻らなくちゃと身づくろいする姿を
ハラハラ見つめる。


そんな風に
実際はありえないけれど、
緊迫した時間を共有するのは刺激的。



第3部では

終始ヒステリックだった
栗山ナターシャが

ここではニコニコと
春の陽のような笑顔で
無邪気に笑っている。


そのナターシャに
夫オガリョーフ(石丸幹二)を奪われた



オノヨーコのように
長い髪をたらした自由な芸術家。

最近では、ヨーコでも山本容子かな。


麻実さんはどれだけ引き出し持っているんだろう。

スゴイ。

文芸評論家として活躍はするものの
健康を害するベリンスキー。


ツルゲーネフは彼を敬愛し、
行動を共にしている。


別所ツルゲーネフ、受けの芝居がいいね。

農奴(自由を奪われた農民)制を

擁護するゴーゴリに宛てて書いた
「ゴーゴリへの手紙」が
ロシアで出版されずにいることを

仲間たちは

自由の国フランスで出せば
受け入れられるとか
成功するとか、

口々に励ますけれど、

控えめだけれど
力強くベリンスキー(池内博之)が
放った言葉が素晴らしかった。


よその国での名声が目的ではない、

あくまでもロシアでの出版に意義がある。


それができないなら、
できないまでも、
その理由を考えることだけでも意義があるし、

(実際、心ある人たちが手書きで伝えていったらしい)


そして出版されるように
世の中を動かしていき、


読んだ人たちが
社会をさらに良いほうに変えていくことこそ
自分の求めるものだと。


(ロシアでは
文学の中でだけ
自由に意見が述べられるとか

そんなセリフがたくさんあったのだけど、

全部把握仕切れなかった。
そうなの、膨大なセリフ、分厚い台本)

そしてその言葉にハッとし、

深呼吸するように
その想いを受け入れた仲間たちが

次々と
彼をギュッとハグするところが好きだ。


どうも私の感想は
サイドストーリーに偏りがちだけど、


阿部ゲルチェンもいいとこいっぱいあったし、
ほかにもたくさんたくさん見所が…


それは、ほかの方のブログなどを
ご覧くださいませ(^^)v



全部で9時間、

3部をセットで買ったり、
一日通しで観ると27000円。

このお芝居を観るのは
ハードル高い。


蜷川さんが作ろうとし、
俳優達がそれに応えた大作を

嬉々として観に集まった観客、
熱い熱い空間だったわけです。




もういっぺん、
第3部を観たいなと思った!


わからなかった部分の
ピースがはまったら快感だろうな。



ゴーゴリやロシアの歴史に
もうちょっと詳しくなったうえで

改めて格調高いセリフ劇を
堪能したいもんだ♪


コーストオブユートピア

('09年9月30日 
シアターコクーン)



ア 
click or  tap!



漂着
click or  tap!

もう一度上演したら、絶対観たいです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  February 23, 2024 08:48:43 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: