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今日、もらった感動へのお礼を綴りたい。
そう思って書いていると嬉しさがよみがえって
笑っているうちに楽しくなる。
読み返した時、また嬉しくなる。
だから、明日が楽しみ!
February 23, 2010
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浅草歌舞伎を観に行った時に浅草の常連、亀鶴さん主演の
を知った。

エレベータ

陰膳(かげぜん)とは、
旅行や出征その他に出た不在者のために、
その者が旅行中に飢えたり、
危害を加えられ安全を脅かされたりしないように祈り願って、
留守番がその者のために留守宅で供える膳である。

とWikiに書いてありました。
最近は聞かなくなった言葉。

正直言って、その陰膳がタイトルなのは
気が進まなかったのですが
お正月、「悪太郎」の智蓮坊で好演していた
亀鶴さんは観たいしな~

ご縁があって会場である「あうるすぽっと」へ。
ここはメトロ、東池袋駅6、7番出口から直結で便利!
降りたら、改札を抜け、まっすぐ。その後左折。

あうるすぽっと メトロから直結

4階、5階は豊島区の図書館、
6階以上は民間のオフィス

目指す劇場は客席数301のコンパクトだけど、
最新設備と居心地の良い空間で、私はここ、好きだな~。

開演時間よりだいぶ前に到着したから閑散としたホワイエ。

などのキャラクターで飾られ
芝居とは真逆のポップさがユニーク。

ディズニー大好き 亀鶴さん

時間が近づくと、BGMで戦時中の流行歌が流れる。

開場時間までは、
建物の突き当たりを曲がったところにある椅子で待つ。
ここは細くて、行き止まりになっているから
座った人は人目を気にせず、腹ごしらえできる。

会社帰りに駆けつける人には大助かり。
他の劇場は椅子だけあって、通る人から
ジロジロ観られちゃうところが多い。

明るいところで食べているのを見られるのは
気恥ずかしいので、食べる人しか居ない、
よその人から見られない、ほの暗いスペースは
食べる人も食べない人もお互いシアワセ。

あうるすぽっと ホワイエ

さて、前置きが長くなったけれど、

亀鶴さんせっかくの初舞台
うまくいくといいんだけど、
とホントは心配だった。

観終わった後は、
そんなことは杞憂に過ぎなかったとホッ!

亀鶴さんは存在感あるし、
声が通るからセリフがよく届いてくる。

今日の席、前から6列目は、ちょうどイイ感じ。

オペラグラスなしで良く見えるし、
近すぎない、ほどほどの距離。

セリフを言い終わった時や、
動きが歌舞伎らしく鷹揚な気もするけど
昭和初期という時代背景と、
達者な共演者にいい具合にマッチしてる。

とりわけ、亀鶴さんが堂々としているところで、
結婚詐欺の主人公が本当は誠実で愛すべき男であることに
信ぴょう性が増すってもんだ。

ディズニーランド大好きの亀鶴さん。
浅草歌舞伎の「お年玉」の時のご挨拶もひょうひょうとして
「タッチ」のタッちゃんみたいなイメージだったのに
「かげぜん」ではワイルドな亀鶴さんでしたね~。

可愛らしくて
天然にみえるおばあちゃんを演じているのは
「フランダースの犬」で
ネロの声を演じていた声優さん。喜多道枝さん。

この人の声が気持ちいいのだが、ここぞ!
という場でよく噛む。

ニッコリ笑顔でなにもなかったように言い直して
先に進むけれど、噛むことで観ている側が(私が)
グーっと惹きこまれた気持ちが薄れちゃうことは
ないんだな~不思議と。

だいぶ、ご高齢にお見受けするし、
この膨大なセリフの量だから
噛んでも仕方ないよ!とも思えるし、
ふだんの生活だって見せ場!の
ようなところって誰でも力がはいってしまい、
意外と噛んでること多いよね。

なのである意味、リアル。

そして「こんな娘、お嫁さんにしたいな」

と観てる間中、思ったのは
亀鶴さんのお嫁さんになるタエを演じた女優さん。

グラビアアイドルで名を馳せた人らしいけど、
出身地でもない青森弁がとっても上手で、
明るくて健気で、涙出そうなくらい愛しい人でした。

今後も とエールを送りたい!

そういえば、
元総理大臣夫人、ファーストレディと
同じ名前のグラビアアイドルの人がいるな~と
電車の吊広告を見ながら漠然と思った記憶が
今、よみがえってきたわ。

佐藤寛子さん。
明るさと切なさと両方魅力的な彼女はいいですよ!

出番が少なかったけれど、
詐欺仲間の女の子も印象に残った。

「黙秘を続けるならば指を折る」と脅されても
「意地がありますのさ」と特高にはむかう姿に
ジーンとしちゃった。
藤森麻由さんって言うんだって。

一人暮らしのおばあちゃんを訪ね、なにくれとなく世話を焼く近所の
奥さんも好演で、さりげなく面倒を見ている姿がボランティアの原点
だよね、って思いながら観てた。伴美奈子さん(扉座)

戦時中のことを知らない世代の作家がよく調べないで書くと、
言葉遣いとか、時代考証が曖昧になって興ざめし、
ああ、戦争というインパクトの強さを狙っているだけだなって
がっかりすることがあるけれど、「かげぜん」にはなかった。

才能あるおばあちゃん俳優さん、歌舞伎役者、アイドルなど
それぞれの良さを十二分に発揮させた演出の力も秀でていたと思う。


女優さんが皆素敵に見えたのは、4人の出演者がお互いに
理解しあい、思いやり合っているからだし、
本当のことが言えない男たちに比べ、本音を言っていた。
その優しさと強さが心地よかったんでしょうね。

父に愛されて育ったのびやかさと、配慮のあるタエ。
こんな人が嫁に来てくれたらと理想の花嫁そのもの。

「男所帯で育ったので気が利かないところもあるかと思いますが」
嫁ぐと決まった時に嬉しそうに挨拶するのが印象的。

他のシーンでも、失われつつある美しい心遣いが
随所に見られて好き!

そういえば「かげぜん」の意味は知っていた。

芝居の中で、
誰が誰のために「かげぜん」を備えていたか
それを知った時は、それまでもすすり泣きだったのが
一気に涙腺決壊、号泣!

ハンカチ必携だからね。
これから観に行く人は出来れば上手(かみて)がおススメ、
亀鶴さんは右にいることが多く、

視線がこちらにまっすぐ向かってくると、
ワタシに言ってるみたいに勘違いしそうだった。

ね、せっかく観に行くんだから臨場感があったほうが、ねー。

連続ドラマにして、
全国の多くの人、劇場に来られない人たちに
見せてあげたい中身の濃いお芝居。




ミッキー&ミニー

そして、終演後、もひとつ感激的なことが
なんと
も観にいらしていたの。

「リトルプリンス」
「マドモアゼル・モーツァルト」
大好きな音楽座の舞台を手掛けた
憧れのあのお方にお声をかけるのは、
憚られましたので

同じエレベータに乗っただけの
数秒でしたが、

うちの母よりさらに10歳ほどお姉さんの摂さんは
小さくて大きな人でした



(dashプロデュース『かげぜん』あうるすぽっと'10年2月22日・25日(木)迄)





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最終更新日  March 14, 2016 07:10:09 PM
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