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今日、もらった感動へのお礼を綴りたい。
そう思って書いていると嬉しさがよみがえって
笑っているうちに楽しくなる。
読み返した時、また嬉しくなる。
だから、明日が楽しみ!
October 13, 2010
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カテゴリ: 歌舞伎・古典芸能


来週、平成中村座、大阪に行くまえに
染丸ちゃんのご参考に。

きママさんも、sachikoさんも
はじめて観に行く方のお役にたてたら
ウレシイです。

私が平成中村座大好きになった2008年の
浅草平成中村座・仮名手本忠臣蔵の「桜席」です。
「桜席」は舞台の両袖に設えた中村座ならではの
お席です。上(右)下(左)それぞれ約10席くらい。



待ってました!の桜席

黒御簾(くろみす)の上の席。
足の下から下座音楽が聞こえる不思議な席です。
黒御簾は舞台の下手にある簾のかかっている黒い部屋。
舞台の様子を見ながら演奏するところです。

CプロはAプロの松の廊下の刃傷事件の時に
塩冶判官をとめた加古川本蔵(桃井若狭之助の家老)が
中心、本蔵役の仁左衛門さん大活躍です。

本蔵の視点でみる忠臣蔵って面白いことを考えるね。

小判1枚.jpg
(奥山風景で買える小判)

大序

さて、まだ定式幕は閉まっているけどすでに役者さん達は
スタンバイ。Aプロと同じ兜改めの場面です。

そう、登場人物たちは、口をつぐんで頭を垂れていて
名前が呼ばれると頭をあげていく「人形身」です。
人形に魂が吹き込まれるように、人間に戻ります。

幕があがる15分くらい前から皆さん、その姿勢。

立ち廻りなどアクティブな芝居も
このジッと動かない芝居も
両方決まっているのはサスガです。

幕が開く前の口上の時は桜席ご一同様は、大移動。
実際に口上を述べる人形が見える位置から見下ろします。

そしてユルユル幕が開き、いよいよ・・・

お、置鼓(おきつづみ)でいいのかな。
下手の端で立ったまま鼓をポン、ポンと。
その位置だと上手桜席のここからしか見えないのでは、
おお、なんと贅沢、桜席!

舞台を飾る七ツ割丸に二引の紋は足利家の紋でしょうけど
仁左衛門さんとも同じですよね、サッチーホッコーさん(*^_^*)

真上からのぞくんですもの、
そりゃあ、よーく見えます。

大体は表情まで見えますが
役者さんの立ち位置によっては、
背中から見ることも。

そうすると鉢巻だとか、帯だとか
普段はじっくり見る機会のない
衣装の細部までよくわかります。

一番嬉しかったのは戸無瀬の勘三郎さんの髪型、
「片はずし」が見られたこと。

「鏡山」の時に知った武家女房や御殿女中の役の髪型。

代表例に伽羅先代萩の政岡や鏡山の岩藤、
そして戸無瀬と

資料にはありましたが、
実際どんな髪型か詳しい写真はなく…。

桜席からは勘三郎さんの動きに合わせて、
「片はずし」がようく見えました。

オペラグラスでもはっきり見る事はできるけれど
一人に絞って見るので、アップを見る時は誰か一人に絞り
他は犠牲になってしまうけど、
ここは、全員の動きがちゃんと見える。
その臨場感たるや、他の席との比ではありませぬ。

キャッツのジェリクルギャラリーよりも近く、
回転席より広範囲で見えます。

彌十郎さんの高師直が挨拶をしようと
何度も試みる橋之助さんに
プイ、プイと顔を背けるイヤーなヤツのところも
迫力ありo(*^▽^*)o~

小判1枚.jpg

二段目


ここは34年ぶりの上演となる
加古川本蔵の屋敷のシーン。

若い恋人同士の七之助さんと新悟君が初々しくて
可愛らしい。

場面転換。

定式幕が降りた後は、
たくさんの人達が手際よく作業を進める。
想像していたより舞台裏は静か。

どうやってたくさんの書き割りや小道具を
出し入れしているのかと思っていたら、
舞台の後ろがパカッとひらいて、外が見える。

そうなんだ!終わった物は順繰りに後ろに
ずらしていくわけです。

小判1枚.jpg

三段目


松の廊下、Cプロの判官は勘太郎さん。

10人くらいに押さえつけられ、
抗う姿を間近に見ると

お芝居なのに思わず助けに行きたくなる。

クヤシそうな顔がグッとこちらを
向いている。

小判1枚.jpg

八段目

ずっと緊迫した場面が続くと疲れるので
骨休めのような場面だと
イヤホンガイドが解説してくれる。

恋人大星力弥に会いたい小浪(七之助)と
継母の戸無瀬(勘三郎)が
山科に大星由良之助をたずねる道中のくだり。

舞台と客席を仕切る定式幕があがったのに、
桜席と舞台を仕切る黒い幕だけあがらない。
他の席の人は舞台を観ているはずなのに、なぜ?

ふと思い当たったのは、浅葱幕。

定式幕があがっても、
さらにふわっと水色の薄い幕がかかっていて
何も見えません。

それをパッと取り払うと
一気に場面が変わる仕掛けです。

これは、たいてい「わーっ」とタメイキをもらす
美しいシーンがあらわれることが多いです。

やはり浅葱幕がかかっていました。

目の前の黒い幕が降りたままでは何も見えないので
桜席は皆、ドドドドドっと移動して、花道を観ます。

移動もなにやらユーモラスで良かったけれど、
美味しいところだけ観ちゃってすみませんって
感じもしましたよ。


母と子の踊りのシーン。

クルクル動くので
勘三郎さんも七之助さんも
良く見える。

(動かないシーンだと、座っている場所
 立っている場所が見づらかったら、ずっとそのまま)

赤い着物のお母さん、
埃よけのつのかくしでこちらがお嫁さんのよう。

七之助さんの小浪、娘らしくて可憐で眼福♪

ラストの九段目

幕があがる前から、
一番最初に来てスタンバッテ居るのは

あ、小山三さん。

小山三さん、ここです!
ha-t.gif
Cプロは小山三さんを観るために来たのです!
手を振りたくなるのを必死でこらえて、

目で追うと
孝太郎さんとなにやらお話していました。
もちろん、ここまでは聞こえませんけど。

ここでの孝太郎さんは大星の妻お石。
ここでも抑えた演技で印象に残りました。

仁左衛門さん、勘三郎さんの名演技は言うまでもなく。

ちょっとややこしいんですが、
判官役だった勘太郎さんがここでは力弥。

高師直の屋敷の図面を見ながら
雨戸をはずす工夫を張り切って披露。
ちょうど桜席の真下にある木のところでの演技だったので
桜席大喜びq(≧∇≦*)

サラサラ雪が降りしきる仕掛けも見えちゃいましたが、
だからといって興ざめする心配は無用。

落ちた瞬間から仕掛けの事は忘れるくらい、
ハラハラと舞う姿は、はかなげで素晴らしいです。

娘の幸せのためにわが身を犠牲にした本蔵の最期。

タブン、
客席からは本蔵の苦しそうな姿が見えるのでしょうが

桜席からは、本蔵のうしろに隠れ、
客席からはほとんど見えない部分で
勘三郎さんと七之助さんが
ずっと切なそうな表情や仕草をしているところとか

仇討ちに行く息子と添わせることができないので
心を鬼にして戸無瀬と小浪達に冷たく当たるお石のつらさが
手に取るように伝わって

ただの観客と言うよりも、お芝居の中に入り込んでしまった感じ。
至福の時を過ごすことができました。

小判1枚.jpg


こんなに近くで見ちゃっていいんでしょうか?
演じながら気が散ったりしませんか?

と恐縮するけれど、ワクワクがいっぱいの桜席でした。

あ、そうそう。
これから桜席でご覧になる方!

ここは舞台に近いので照明がほぼ直撃です、暑いです!

ま、この日が快晴だったこともあるけれど、
私は夏の名残の薄手のブラウス一枚で
ちょうど良かったです。

ha-t.gif

いつも助かってる名解説のイヤホンガイド。
保証金1000円、レンタル料は650円。
イヤホンガイドが11回借りられるカードを買うと便利。
保証金なしで1回あたり600円弱で借りられます♪

イヤボンガイド.jpg

9日に来た時はなかった舞台写真が売ってました。

1枚500円。
仁左衛門さんの写真は何種類も売り切れになってました。


舞台写真1枚500円.JPG

(平成中村座・浅草 2008年10月16日 Cプログラム)

ha-t.gif
おまけ・桜席の座席に置いてあったお手紙

Cプログラム
桜席のお客様へ

本日は平成中村座にご来場いただき、誠にありがとうございました。

『平成中村座十月大歌舞伎 通し狂言仮名手本忠臣蔵』では、
演出の都合上、桜席と舞台の間の幕を上げ下げさせて
いただくことがございます。
何卒ご了承くださいませ。

 また、大道具が手すりのすぐ脇を通ることがございます。
身を乗り出したり、手すりに手をかけたりすることは危険ですので
お控えくださいますよう、お願い申し上げます。

 なお、先の定式幕前でも芝居がある際は、
幕より前の通路からの立ち見でもご覧いただけます。
その際には、係の者がご案内させていただきます。

大序 鶴ヶ岡社 頭兜改めの場・人形口上
八段目 道行旅路の嫁入・幕切れ 

 それではごゆっくりお楽しみくださいませ。









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最終更新日  October 15, 2010 02:53:53 AM
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