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2年半ほど前に出されたアルバム、「21世紀への贈り物~OFF COURSE Merodies」を、ふと思い立って聴いてみた。以前にレンタルして、テープに入れておいたもので、その時はオフコースの歌を他の人が歌うことに違和感があって、一度聴いたきりだったのだ。「愛を止めないで」・・・岡本真夜「I LOVE YOU」・・・米倉利紀「さよなら」・・・小谷美紗子「時に愛は」・・・スクーデリア・エレクトロ「秋の気配」・・・山口由子「YES-YES-YES」・・・中西圭三「言葉にできない」・・・辛島美登里「ひとりで生きてゆければ」・・・SALT&SUGAR「夏の終わり」・・・矢野顕子「愛の唄」・・・小田和正と言うラインナップ。初めて聴いた時よりは違和感は少なかったけれど、なんだかみんなオフコースのオルジナル(小田さんの歌い方)とは違った個性を出そうとするあまりやたらに感情移入した歌い方をしすぎているような気がする。考えてみると、小田和正という人はスコーンとストレートな歌い方、というか、へんにこぶしを回したりビブラートをつけたりしない、まっすぐな声で歌う人なのだ。感情表現はしているのだけど、べたべたしていない。(あー、なんかうまく言えなくて歯痒いな)だから、結構気恥ずかしいような、ねちっこいような歌詞でも清清しく聴こえるのだと思う。そして私はそういうところがとても好きなのだ。このアルバムで歌っている歌手達も、みんなそれぞれ素敵な歌声の持ち主ばかりなのだろうけど、数人を除いてはどうしてもべたべたしすぎた印象になってしまっているように思う。個人的には中西圭三の歌声は好きなので、彼の歌う「YES-YES-YES」は結構好きだ。からり、さっぱりとしている印象。「ひとりで生きてゆければ」は唯一オリジナルのアレンジを生かしている。歌っているのはあの佐藤竹善だ。(SUGARは「サトウ」なのだ)これもなかなか良いけれど、やっぱり小田さんのほうが...と思うのは小田ファンなら当然。圧巻は終りから2曲目の矢野顕子。初めて聴いた時は、これは何の曲だ!?と思ったほど、完全な矢野顕子ワールドになっている。好き嫌いは別にして、いやぁ参りました、という感じ。「夏の終わり」がこんな風になってしまうのか、という軽いカルチャーショック状態になる。実は彼女の歌い方は好きではないのだけど、彼女の歌にはいつも圧倒されて聞き入ってしまう。とにかくすごい。そこを通って、ラストの小田さんの「愛の唄」に行き着くと、物凄くホッとした気分になる。たとえて言えば、片言の英語で海外旅行に出かけていて、さんざん冒険をして、やっと懐かしの我が家にたどり着いた、といった感じ。やっぱこれだね。ところで、この「愛の唄」は、LB2バージョンに似ているがちょっと違っている。あれよりちょっとシンプルだ。LB2が完成版といったところだろうか。このバージョンがあることを実はすっかり忘れていた。これで聴くと、この前皆さんにご協力をお願いしたコーラス部分もかなりよくわかる。(あれはやっぱり繰り返しに間違いなさそう。どうもお騒がせしました)やっぱり小田さんの曲には小田さんの歌い方が一番!と確信。このアルバムをまだ聴いていない方でそれを確かめたい方は、どうぞ一度お聴きになって。
2002年06月16日
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