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久々に漫画の紹介。週刊イブニングで連載中の「おせん」です。

知る人ぞ知る、笠置の名店「花茶屋・一升庵」。そこの大看板が女将である半田仙、通称「おせん」。彼女の鮮やかな料理の技と、人情味あるストーリーがツボを刺激する、和テイストの料理漫画です。
今回は、僕の好きなエピソードを一つ抜粋して、丸々紹介してみます。
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コミックス第3巻より「卵と鶏と丼の粋な関係」
美味しそうな鶏鍋。一升庵の仲居・玉ちゃんの実家は、下町の鳥料理屋で、「神田の玉よし」といえば、食通の間では名の通った名店だそうです。

ここの先代が急死して、後を継いだのは玉ちゃんの兄、4代目・進さん。わずか1年足らずで先代の味を受け継ぎ、常連さんの評価も高いようですが…。

「親父がやらなかったことをやってみたい!」と、先代がなぜか客には出さなかったという親子丼を作ってみました。試作とはいえ、熱々ご飯に半熟卵がふんわり絡み、タレも抜群、肉はシコシコと、申し分の無い出来栄えです。
そこへやってきたのは、先代の頃からの常連客、作家・川波周五郎氏。舌も確かな周五郎氏に、試食を願い出る進さん。すると…。

こんなもんはこの店の味じゃねえ
先代が客には出さなかったはずの親子丼なのに、川波氏は「この店の味じゃねえ」と斬って捨てました。どうやら幻の先代親子丼を食べたことがあるようです。
ショックを受けた進さんは、それ以来店を閉めて、親子丼の改良に試行錯誤しますが、

どこが足りないのか、何がいけないのかさっぱりわかりません。一つも手を抜いていないのに、今まで以上の物にならない。八方ふさがりです。
進さんの悩む姿に居た堪れなくなった玉ちゃんは、おせんさんに相談しました。おせんさんも、何かヒントさえあれば…と困った様子です。
すると玉ちゃん、「そういえば、以前に客から親子丼を頼まれた時、『出前でなら作れるんですけどねぇ』って先代が言ってました」と。それでピンと来たおせんさん、進さんのところにタネ明かしに行きました。
そして出来たのがこの親子丼。

なんとも綺麗な見栄え!具や黄身の上に白身が透けて、まるでガラスが覆ってるみたいです。しかし進さんは「だからそりゃあ生ってことだろ」といぶかしげ。でもひと口食べてみると…。
「生なのに、ちゃんと火が通ってる…。この卵が割り下をたっぷり含んだメシにまとわりついて、うめぇぇぇ!」これぞ先代の親子丼だったようです。川波先生のお墨付きも戴き、めでたしめでたし、と。
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この親子丼、作り方は下記の通りです。
2.中火にかけた割り下に、薄くそぎ切りにした鶏モモ肉を重ならないように広げます。
3.鶏が煮える間に、熱々丼に炊き立ての熱々ご飯をふんわり盛ります。
4.鶏に八割方火が通ったら、細切りネギをパラリと広げます。
5.溶き卵は、卵のコシを折らないよう、黄身と白身をサッと切る程度に混ぜます。
6.その卵を肉の上に回し入れ、煮立った瞬間火を止めます。卵はほぼ生状態でOK。
7.ご飯の上に6.の具を乗せ、丼にふた(無ければラップ)をし、更に風呂敷で包みます。
8.30分寝かせれば、熱々丼と熱々ご飯の余熱で生状態のままの卵に火が通るというワケです。
先代が客に出さなかったのは、30分もかかるメニュー、待たせられないってことだったわけです。しかし僕は何度もこれをやってみました。卵かけごはんと親子丼の中間の食べ物になって、非常に美味いです。皆さんもヒマがある時に、是非試してみてください。
「おせん」には、こんな感じのレシピが多々載ってます。主婦の方々は、今晩のお献立に使ってみるのもいいかもしれませんよwww