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2006年03月05日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
2.入国審査のトラブル


さて前回は、わたしもいよいよ
ロンドン・ヒースロー空港に降り立った、
というところまで書いた。

しかし、まだ入国審査を通過していない。
ここで最初のトラブルが起きたのである。

ヒースロー空港の入国審査も成田と変わらず、
自国民(英国の場合は英国およびEU加盟国のパスポートを持つ人)

外国人のコーナーは長蛇の列ができる。

列にならんでから、カウンターにたどり着くまで
その時は20分くらい掛かっただろうか。。。。

ようやくカウンターにたどり着いた時、
眼鏡をかけた岩のようで無表情な顔の係員が目の前にいた。

わたしが「ハロー」と言うと、
その人はわたしと目を合わせず、
わたしのあまりに大きなバックパック
(手荷物として機内に持ち込んでいた)
をちらりと見た。

今回、うちの学校から出国前に

荷物を置くスペースがないので、
荷物を送ってきても困る。
送ってきても受け取りません」
みたいなことを言ってきていて、
仕方がないので、

プレセッショナルの2ヶ月間、
最低限必要な荷物を
スーツケースとバックパックに
ぎゅうぎゅうに詰めて持ってきていた。

そのバックパックがぱんぱんに膨らんでいたのが、
まず係員の目には異様に映ったのであろうか。

(えらい無愛想だな、この男。。。)
とわたしは内心思いながら、
バックの中から
入国審査に必要な書類を取り出し、
係員に渡した。

うちの学校からの修士コースへの条件付入学許可書
プレセッショナル・イングリッシュ・コースの受講許可書
銀行口座の残高証明書(日本のシティバンク)
IELTS試験の成績証
健康診断書(これは実際には必要なかったようなのだが)
などだったと思う。

岩のように無表情な係員は、
パラパラ書類をめくりながら、
おもむろに口を開いた。
彼がわたしに言った言葉は、

「英国に友人はいるか?」

だった。
わたしはブリティッシュカウンシルで、
入国審査の対処の仕方も一応習っていたが、
こんな質問は全く予想をしていなかったので、慌てた。

1、2秒、間があってから、

「イ、イ、イエス。。。」

と答えたが、
不必要に動揺した姿を彼に見せてしまった。

「友人の名前と、どこに住んでいるかを言いなさい」

彼が続けて聞く。

わたしは、ブリティッシュカウンシルのBUPSコースにいて、
10月から同じ学校に進む予定になっていた
U美子のことを思い出していたので、
彼女の名前を言った。

「U美子・アイカワ。
同じ『芸術会館大学』に進むことになってます」

これがまたいけなかった。。。。

係員はコンピューターのキーボードを
がちゃがちゃたたきながら言った。

「U美子・アイカワという人は入国していないが。。。」

わたしは自分の間違いに気づいた。

「ああ、間違いです。
U美子・『アイカワ』ではなく
U美子・『アイハラ』です。」

ちょっと焦ってしまったための単なるミスなのだが、
彼は許してはくれない。

「友達の名前を、普通間違うかね??」

眼鏡の奥が光った。。。

彼はキーボードをたたき続けながら、
さらに言った。

「U美子・アイハラはいま『芸術会館大学』にいないではないか。

彼女は今、LSEのサマースクールを受講してるね」

わたしは、ミスを重ねていることに気づいて、
さらに焦った。

「あ、ああ。そうでした。彼女は10月から『芸術会館大学』に入学する予定でした」

と慌てて言い直したものの、
彼の疑いの眼差しはさらに鋭くなった。。。

こうやって今、日本語で書くと
どうってことのないやり取りに思えなくもない。

しかし、相手の英語が聞き取れず
何度も聞き直したり、
片言そのものの英語で答えて、
しかもその答えを間違ってしまって
動揺を見せたりしたので、
日本人同士だとありえないような
ものすごい不信感を
相手に与えてしまっていたのだろう。
コミュニケーションが取れないとは、
恐ろしいことだ。

さらに、係員は銀行の残高証明書を見ながらこう言った。

「1年のコースに入学するには、額が多すぎないか?
それに、あなたは無職なのに、
なぜこんな多額のお金を所有しているのだ?」

わたしは言葉がなかった。
こういう時、どう言い訳したら
いいのかもわからなかったし、
何しろ、ちゃんと話すだけの
英会話力もなかった。
首を小さくかしげるしかなかった。。。

ただ、なんとなくわかったことは、
わたしが大学院に入学すると言って
入国を希望しているけど、
実は不法に英国で商売でもしようとしているのではないか、
と疑われているらしい、ということだった。

最後に係員は岩のように無表情のまま言った。

「あなたは、『芸術会館大学』の入学許可を
正式に受けているわけではない。
プレセッショナルコース後の英語の試験の結果、
入学が正式に決まったら、
Home Officeに行って、
学生ビザの延長を申請しなさい。」

彼はわたしのパスポートにバンッっと判子を押して、

「2000年9月20日まで」

という学生ビザを発行した。

2000年9月20日まで。。。。。

わたしは愕然として力が抜けた。
今日からわずか2ヶ月間の入国許可である。
わずか2ヶ月間の。。。。。

しかも、プレセッショナルコースは9月23日に終了だ。
プレセッショナルコースの最後まで、
わたしは英国にいられないではないか。。。。。
このおっさんはわたしにどうしろというのだ?

しかし、ここで係員ともめたところで、
どうしようもないと思ったので、
わたしは力なく、

「さ・ん・きゅ・う~」

と言って、カウンターを後にした。

それにしても、
観光ビザでも普通6ヶ月もらえるものだというのに。
学生ビザで2ヶ月とは。
こんなひどい扱いを受けるなんて。とほほほほ。。。。。

重い荷物を引きずりながら、
出口を出て、英国に正式に入国した。






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最終更新日  2006年04月19日 06時20分38秒


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