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2006年05月19日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、「英国留学回想録」


「第一週目のとまどい」。

ということで、いってみましょう。

英国人の先生や学生が本気でしゃべっている
英語がまるで何を言っているかわからないまま、
初日の「コースの説明」が終わったわけだが、
そのままいきなり2日後の火曜日には
授業がスタートした。


必修の「比較政治学」「社会科学の諸理論」
と選択の「福祉の理論」。

えっ?たった3コマ??
と言うなかれ。

アメリカは知りませんが、
英国の大学院修士ってそんなもん。

この3コマもいわゆる講義ではない。
セミナーと言って、学生同士がテーマについて議論して
先生はそれをサポートするだけ。

要は大学院というのは、
個人の自主的な勉強が中心ですよと。

貴方の勉強のサポートをするだけですよということだ。

ちなみに、学部は違って経済学部だが、
日本の役所から派遣されてきている
BMWのオープンカーのH君。

「えっ?大学院って週に3コマくらいしかないんですか??


って狂喜乱舞していた。

確かに、私もこの3コマが火・水曜日にあるだけで、
木金土日月と5連休になっていた。
本当に毎週旅行にいけそうな感じだったのだが、
実際には始めてみると無理だった。

英語の不自由な上に、
政治学の知識も欠けている私は、
授業の準備だけで5連休は全部つぶれてしまった。

H君も、最初にそう言っただけで、
毎週旅行なんて行けなかったと思う。

それで、授業は火曜日の「福祉の理論」から始まったわけだが、
これは学部長のアンディ・ルーニー教授の授業であった。

大学の授業というと、
普通立派な教室でやるのかと思いがちだが、
指定された教室に行ってみると、
なんとルーニー教授の研究室だった。。。

まあ、7人の少人数コースだからね。

で、部屋をノックして中に入ってみると、

うわっ!

と思った。

ぶわーっと
葉巻のにおい(?)となにやら酒臭いにおいが
小さな部屋中に充満している。

部屋のあちらこちらには、

どどどどどどどどどっと

本が山積みされていて、
一歩足を踏み出すと崩れそうで、
思わずおっかなびっくり歩いてしまった。

そして、

「ハーイ、いらっしゃい」

と小声で言うなにやら痩身で
頭の上に白髪のカーリーヘアが
ぶわああああっと乗っかっている
不健康そうな紳士が。

これがアンディ・ルーニー教授らしい。
顔を見るとまだ時間は昼の12時だと言うのに、
顔が真っ赤だ。すでに酒が入っているらしい。。。。

少し座って待っていると、
学生たちが部屋に入ってきた。
授業が始まる。

ぼそぼそぼそぼそ。。。。。

ルーニー教授の声は小さすぎてなんにもわからない。
この方はオックスフォードを出ているので、
多分、きれいな英語なんだろうが、
とにかく、声が小さすぎ。。。

「OOOOOOO、XXXXXXX」

相変わらずなのだが、学生の早口でなまった英語は
さっぱりわからない。

しかし、部屋が小さくて、
日本の大教室の授業のように
後ろで静かにしているなんてことはできない。

こういう空間で、
なんにもわからないというのは
すごい圧迫感があって、
実につらい。。。。

「ところで、かみぽこは何かコメントはないかね?」

ずっと黙っていたら、
ルーニーさんが私に聞いてきた。

なんだかよくわかんないのだが、
とりあえず福祉の定義みたいなのを
百科事典に書いてあるように言ってみた。

「INTERESTING!(興味深い)」

とルーニーさんは一言言って、
別の学生を指名して、話題が変わった。

きっと、私は全然授業に関係のないことを言ったのだろう。(苦笑)

そんなこんなで、
非常に圧迫感のある2時間が終了。。。

授業の後、コースメートに
ちょっと授業の内容について
質問をしようと思って、
声を掛けようとしたが、
みんな、

ぴゅーっ

と帰ってしまった。

「あらら。。。なんだ?
こいつらって授業の後
ちょっとお茶したりしないのか??」

と、ちょっとびっくりした。
これがいわゆる

「英国人の個人主義」

ってやつに
私が初めて触れた瞬間だったかもしれない。

2つ目の授業は翌日の水曜日、12時からだった。
これがヘーゼル・ハリーという女性教授の
「社会科学の諸理論」
という授業だった。

このヘーゼル・ハリー教授とは
後から知ったのだが、
なんでも芸術会館大学が誇る
世界的大哲学者だそうだ。

それがどうすごいかというと、
ノーベル経済学賞を取った
アマルティア・センと
対等に議論している人だと言えば、
ノーベル賞好きの日本の方には
説得力があるだろうか。

彼女の授業は、哲学部との合同のもので、
学生の人数も多く、
割に大きな教室で行われる。

この教室に入って、初めて
なんとなく大学に入ったという気分になった。

それで、ハリーさんなのだが、
これが50歳くらいなのだが、
ロングスカートにブーツなんか履いて、
おっしゃれで美人な先生であった。

日本で女性の大学の先生と言うとねえ。。。。(笑)

それを思うと、ほんとに素敵な方で。

しゃべりも非常にクリアで、
わかりやすかった。

何で他の人もこうしゃべってくれないのか。。。

後からわかったのだが、
何で彼女の英語が聞き取りやすかったのかというと、
彼女はアメリカ人だったのだ。

我々に多少なりともなじみのある
アメリカン・イングリッシュを
彼女は話していたからだった。

しかし。。。。

英語はなんとなくわかっても、
それで安心はできなかった。

ハリー先生。
とんでもないことを言い出したのだ。

「コースのガイドブックを見てね。
毎回の授業に推薦図書が20冊くらいあるでしょ。

これを毎週1人1冊担当して、
読んで、紙1枚に要約してきてください。

そして、授業でまず1人ずつ発表して、
議論しましょーね。」

毎週1人、1冊?
紙一枚にまとめて、
毎週プレゼンテーション??

これ、1冊ったって、
何百ページもある哲学書だったりするわけでしょ?

ええええええええええええええ?

そんなむちゃな。

隣の英国人の学生の顔をチラッと見ると、
やっぱり青い顔をしている。。。。

そんな学生の唖然とする姿におかまいなく、
ハリーさんは1人1人当てて、
担当する本を決めていく。。。

「かみぽこは?」

は、はい?
え、じゃ、じゃあこれを。。。

「チャールズ・テイラーね。
頑張って読んできてね。」

ハリーさんはニッコリ笑った。

私は、じゃあこれをと言ったものの、
適当に指差してみただけで、
チャールズ・テイラーが誰なのか
さっぱり知らなかった。(苦笑)

ということで、
この授業も呆然とするだけで
終わってしまった。。。。。

しかし、この日はもう1つ、
2時半から授業があった。

それが、

ソフィア・デラ=ロッサ博士の

「比較政治学」

という授業だった。
ご存知の通り、
ソフィアさんとは現在、
私の指導教官なわけですが、
まあ、この方との初対面というか、
最初の授業は、
私にとって一生忘れられない
悲惨な体験となったのです。

それでは、また。(笑)





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最終更新日  2006年06月09日 00時38分04秒


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