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不思議な画像を見つけた。静止画なのに、動いて見える。脳内での補正作業が原因のようだ。
2018年07月21日
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脳は、人生最初の28年間、著しい入力装置なのである。だが28歳が脳のピークであり、後は老化と呼ぶのには、疑問がある。 私たちはこの世にたったひとつの脳を持って生まれてくる、遺伝子の組み合わせの妙と体験とによって形づくられる、脳という装置は、この宇宙時空で過去にも未来にも、たった1つの装置なのである。 その装置の目的が、世間を知り、一般モデルを踏襲した優等生になることにあるとは到底思えない。 「その脳にしか見えないもの」。「その脳にしか出せないことば」。それを見つけてこそ、この世で唯一の装置なのではないだろうか。 大人の脳は思い込みの強いのなのである。それぞれの人なりの、思考回路の型枠ができあがっているのである。 親戚のおばさんに、「あー、あんたはあれよね」と決めつけられて、内心怒りに震えた経験は無いだろうか。おばさんは、大雑把な型枠で世の中を切り取っているので、こちらの繊細な心情をいくら、言い募っても、型枠からはみだした部分を脳が認知しないのだ。 大人の脳と言うのは、多かれ少なかれそんなところがある。優秀なビジネスマンは、「エリートの型枠」で世の中を見る。ナチュラリストは「植物系が体にいい。の型枠」で世の中を見る。男女の溝は「男性脳の型枠」と「女性脳の型枠」の違いで生まれる。 さまざまな型枠を持ち、それらをチャンネルを切り替えるように使える、汎用性のある脳の持ち主が、頭が柔らかい人センスのいい人と言われるのだ。そしてこの汎用性は、失敗が作り出すのである。脳が失敗を認めてフィードバックすることで、異なる型枠を使ったり、切り替えのポイントを知ったりする。その型枠の引き出しが、多ければ多いほど、組み合わせ方が一気に増えていく。 失敗が多い人生は、お得な人生なのである。 49歳。人は生殖のために生きてきた人生を、別の人生に切り替えるのである。多くの人は生殖能力をしまって、異性にモテる要素が消えてくると「人生は、おしまい」と感じるようだが、それは違う。生殖だけが人生の目的なら。100を超えて生きたりはしない。脳を研究してみて、深くわかったことがある。脳は、決して無駄な事はしないものなのだ。 脳が100を超えて生きる以上、人類の脳には、生殖以上の目的があるのだ。 29歳から56歳までの第二ブロックでは、膨大な数の回路の中から、余計な回路は切り捨て、必要な回路だけを残す28年間である。 無駄なところに電気信号が行きやすい状態では、人は他者に翻弄されやすく、本質を見失ってしまう。いらない回路を捨てることによって、人の思慮は深くなっていく。 それを見極めるためのエクササイズが失敗なのである。失敗して痛い思いをすると、その晩、眠っている間に脳内では失敗に使われた関連回路に、電気信号が行きにくくなるように調整する。 つまり失敗の数だけ、人は失敗しにくくなり、判断に迷わなくなる。失敗が心に痛いほど、取り返しがつかないほど、脳の学習効果は大きい。失敗は脳をよくするために、人生で最も有効な入力なのである。 歩き始めた子供は、何度も転んで、痛い思いをする。そうしてバランスの取り方のセンスを、身に付ける。人生も一緒である。痛い思いをしなければ、センスは良くならないのだ。失敗を避けていては、人生は先に進まない。良い結果の出る方向に進め。 ただし、失敗を他人のせいにする人は、その失敗を、脳に反映することができない。せっかく痛い思いをしたのに、脳が失敗だと認知しないからだ。失敗は他人のせいにしてはいけない。もったいなさすぎる。 失敗したら、潔くそれを認めて、清々しい気持ちで寝ればいい。くよくよする必要は無い。私は失敗したら「しめた!」と思うくらいだ。何しろ、今夜、頭が良くなるのだ。他人の失敗も「私も、〇〇してあげればよかった」と言って、自分の脳にフィードバックすることにしている。失敗の横取りだ。 人の失敗も横取りして、自分のものにしてしまおう(笑) 40代の「正解」は確かに正解なのだが、周囲を「一点の曇りもなく」動かすパワーに欠けるのである。 さて、50代。脳が十分に「失敗しにくく、成功しやすい」状態になってくる。失敗の時と同じように、成功してうれしい思いをした時、脳は眠っている間に、成功回路に信号が伝わりやすいように、回路を書き換える。成功回路の優先順位が上がるのである。 複数種の成功に共通して使われる回路は、さらに優先順位が上がって、いっそ信号が通りやすくなる。 そして、あらゆる成功に使われる、共通の回路、最高水準の優先順位を誇るそれこそが、成功の秘訣「本質」の回路である。 56歳近くなると、その回路が目立ち始める。 30代の惑い(失敗事例の蓄積)。40代の苛立ち(成功事例が増えてくるものの周りの理解を得られない)を乗り越え、脳は50代に「本質」を知る。 誰もが人生の達人になる「本質」の回路は膨大な失敗の果て、成功事例をいくつも重ねて仕上げられる回路である。だから人に教えられてもだめ。一方向の成功事例だけを、なんとなくに繰り返すだけでは手に入らない。 長く生きること。たくさん泣くこと。転んで傷ついて立ち上がる。それだけが、脳を成熟させる。つまり人生そのものである。 見方を反転させれば、人生は脳を成熟させるために、わざと過酷なようにデザインされている、という捉え方もできる。私たちの脳に宿った意識は、本当は宇宙の外からやってきていて、意識のレイヤを上げるために、この宇宙で修行しているのかもしれない。 なぜなら、才能がある人ほど、人生から大きな苦難を突きつけられるからだ。そして、それを乗り越えて、大輪の花を咲かせる。脳科学的には、苦難を乗り越えて、脳がよくなったから成功した、と言えるのだが、才能のある人には、そもそも凡人に降りかからないような苦難が、降りかかることが多いように思えてならない。 というわけで、苦難が降りかかったときには、「私には、特別な才能がある。神に選ばれた人なんだ」と思えばいい。私が保証する。 60代、理由のいらない納得。60代に入ると「本質」の回路の抽象度が上がり、直感の域に入ってくる。存在の真理が腹に落ちる。言葉にならない納得が、降りてくるのである。 野に咲く花にも、人生の真髄を感じるような達観の域に入ってくると、これが本当の脳の成熟期だ。この世の生きとし生けるものの存在、あらゆる事象の意味を知る。言葉ではなく、腹に落ちると言う感覚で。 老人が「ことばのいらない納得」脳で出す結論は、めちゃくちゃ早い。「あーだから、こう」という因果関係で答えを出すわけではない。腹に落ちる結論なので、議論の余地もない。 頑固でせっかち、とんでもない。見事なほどに、即断・即決・即行の、脳なのだ。瞬時に出た答えであっても、40代までの、熟慮、深慮より、深いところで出す答えである。即断・即決の中に人生の全てが詰まっている。軽率とは程遠い、成熟脳のいうことには、従っておいて間違いない。 どうも私たちは、生まれたときに、「この度の、この宇宙で過ごすバカンスは、やや短期で行く」とか、「今回は覚悟を決めて、長期滞在形にする」と決めているような気がするのだ。 どの脳もその脳が決めた、人生と言うバカンスを堪能して、最後は何らかのこの世の秘密を知って、旅立つのなら、長いきかどうかなんて、この際どっちでもいいのかもしれない。 長生きを、憂うこともないし、早めに枯れても、敗北感を持つこともない。誰もがそのような最高の人生を生きているのである。 宇宙バカンスをご一緒する皆様、これからもぜひ共に楽しみましょう。
2018年09月04日
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