2002/04/17
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 ホルヘ・ルイス・ボルヘスとピエロ・パオロ・パゾリーニは似ている気がするという今日この頃。BS2で特集をやっているらしく、昨日は「アポロンの地獄」その前は「奇跡の丘」今日は「アッカトーネ」がある。しかし最近映画は、ビデオとるだけとって全然観ていない。いつの頃からか、テレビの前に数時間じっとしていることが苦痛になっている。 私には嫌いな詩のタイプがある。「人生を粘土に喩えるような詩」と「やたらとギリシャ神話の神々の名前を使う」詩である。前者は安易なメタファーを使うという理由から、後者は、ギリシャ神話を知らない人には意味が通じない、素直に読ませることを拒否しているという理由から。もちろん大抵の本には注釈がついているし、ギリシア神話系の辞典が一冊あれば問題はないことなのだが(私は持っているが)、その詩で、何も知らない子供を感動させることは出来ないだろう。あと、韻律に拘りすぎるものもつまらない。
 ボルヘスも「鉄の貨幣」序文でこう書いている。

われわれの時代はピンダロス風のオード、骨の折れる歴史小説、あるいは韻文による弁述などの不可能な時代だと私は信じている。同時に、甘い考えかもしれないが、変幻自在のソネットやホイットマン風の自由詩などの無限の可能性はまだまだ探求され尽くしてはいないと信じている

 無限の可能性があるからこそ拡散しすぎて何が良いか分からなくなっているジャンルでもありますが。
 そういうわけで、1975~76年に出版された詩集二冊をまとめたこの本、ボルヘス77、8歳の頃。ギリシャ神話の神々の名前が出てくる詩は多い。それらはつまらない。自身の盲目のこと、先祖への憧憬、鏡や夢について書かれた詩についてはいいものもあるが、好きになれるほどでもない。ただ、詩について、訳されたもので出来の良し悪しを判断するのは間違いである。

ホルヘ・ルイス・ボルヘス「永遠の薔薇・鉄の貨幣」鼓直・清水憲男・篠沢眞理 訳(国書刊行会 在庫切れ)





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Last updated  2002/04/17 07:26:19 PM
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