2002/04/21
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 短編小説再発見とあるが、私がこの本を手にとる理由は、今まで知らなかった作家を知る手がかりとするため、私にとってこれから重要になるかもしれない作家を「発見」するためだ。

私たちは「戦後」という時代に書かれた厖大な数の短編小説のなかから、一人の小説家について一作のみを収録するという原則で、さらにこれまであまり知られることのなかった「名作」を選び出すという作業を行った。

らしいが、他の巻に収録されている作品の題名を見て、知ってる作品を思うに、どうもその言葉をあまり信用出来ない。のっけから「完全な遊戯」では。

・太宰治「眉山」
・石原慎太郎「完全な遊戯」
・大江健三郎「後退青年研究所」
・三島由紀夫「雨のなかの噴水」
・小川国夫「相良油田」
・丸山健二「バス停」

・田中康夫「昔みたい」
・宮本輝「暑い道」
・北杜夫「神河内」
・金井美恵子「水の色」

 太宰・三島については私が両者を読んだ時にいつも感じるのと同じことをまた同じように感じた。「巧いけれど、私にとってはそれほど重要ではない。どちらかというと太宰は好きだが、他にいろいろ読みたいものがあるのを差し置いてまで別の太宰作品に手を伸ばそうとまでは思えない」と。
 石原・大江は既読作なので飛ばした。「完全な遊戯」に関しては二度と読みたくないという気持ちも強かったからだが。
 田中康夫・宮本輝・北杜夫、よく考えるとどの人も初めて読むが、何も感じるところがなかった。私には縁がなかったようで。
 丸山健二は少ししか読んだことがないが、好きな作品はある。いろんなところで叩きに叩かれてる「千日の瑠璃」だ。
 そうして、今回私が「発見」したのは小川国夫と中沢けいとなった。特に小川国夫は素晴らしい。この一編のためだけでもこの一冊の価値はある。
 金井美恵子のは最後まで読む理由が何一つ見当たらなかった。

戦後短篇小説再発見〈1〉青春の光と影(講談社文芸文庫)





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Last updated  2002/04/21 01:57:18 AM
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