2004/10/30
XML
カテゴリ: 詩集感想
 ネルーダ詩集の解説でネルーダとセットみたいな語られ方をしていたので南米の詩人かと勘違いしていた、パリの人。「共産党」「レーニン平和賞」あたりが共通項か。1965年『ネルーダへの悲歌』という本を出している。内容はよく分からない。検索したところフルネームはルイ・アラゴンと思われるのだが、この本の中には手がかりになるようなことが何も書かれていない。詩の断片と写真を組み合わせて冒頭に何ページか載せることよりもっと他に気を配るところがあるだろう。ネルーダと同じく角川書店カラー版世界の詩集1973年発行。
 あとで思い出す時にネルーダとごっちゃになりそうだが、ネルーダの方がいくらか優れている。アラゴンは名前の通り言葉が荒く、修辞も月並なものが多い。恋人・妻・祖国であるエルザという女性への愛も、政治的な事に関しても、うるさい。この詩人は映画にするには似合わない。
 そんな中にも好きな詩句はある。


三人称で書かれた詩は あの胸の底からほとばしり出て
ひとのこころをゆさぶる叫びでは けっしてない
そうして 愛を語るには わたしじしんの心臓を
あの厚顔無恥なやからの餌じきにしなければならぬのだ

『ひとは遠くからやってくる』


 この断定は気持ちよく、正解に見える。


歌ごえ湧き起こるパリ 怒りに燃え立つパリ
だが旗は 洗濯場で水びたしになったままだ
北極星にも似た 光放つ首都パリ だがパリは
舗道の石畳をひっぺがしてこそ パリなのだ


 新潟の地震の日、何故か最寄り駅の石畳が一つ剥がれていた。「遠い地の地震聞いたか石割れる」、やっぱり見たまんま詠んでも全然面白くない。


角川書店 1973年





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004/10/31 02:03:47 AM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Comments

nobclound@ Vonegollugs &lt;a href= <small> <a href="http://hea…
Wealpismitiep@ adjurponord &lt;a href= <small> <a href="http://ach…
Idiopebib@ touchuserssox used to deliver to an average man. But …
HamyJamefam@ Test Add your comments Your name and &lt;a href=&quot; <small>…
maigrarkBoask@ diblelorNob KOVAL ! why do you only respond to peop…

Profile

村野孝二(コチ)

村野孝二(コチ)

Keyword Search

▼キーワード検索

Archives

2025/11
2025/10
2025/09
2025/08
2025/07

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: