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木枯 真

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2006年06月04日
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カテゴリ: 勉強:倫理
さてはて。


あんまりむつかしいことないので、
すんなり読めると思います。



・デモクリトス

アブデラ生まれ。胸像みる限り、ハゲオヤジ。
FF7のハイデッカーを彷彿とさせる顔してます。
何を隠そう、このおっちゃんが、原子論なんてもんを確立した偉い人なんですな。


『笑う哲学者』と称されるほどの、陽気なおっちゃんだったようで。
エチオピアやインドにも渡り、金を使い果たして故郷の兄弟に扶養していたけれど
著作の公開朗読でお金もらって、最後は国葬。百歳まで生きたそうな。

うん。やっぱり笑いは最高っ(何


さて。このおっちゃんの原子論。
元々エンペドクレスの
「地・水・火・風の元素が、結合することで、世界が成り立っている」
っていう話を発展させたものなのです。
つまり、『四元素がアルケーである』と言ったわけだな。

悲しいかな、この原子論は唯物史論に発展したため
宗教的にも社会的にも危険思想とみなされてしまう。


それにたいして、
「まあね~、自然の探求なんてさ、やっても結局、机上の空論にすぎないよねえ(笑)」
こんなこと言うおっちゃんだから、まぁ長生きするわな。

で、このおっちゃんのいう原子ってのは分割不可能な物質の最小物質。
こいつがくっついたり離れたりして全てを構成してるってわけです

そこまではエンペドクレスと大差ないのだけれど、

違いはその原子(アトムって名づけたのはこのおっちゃん)の動く場所
つまりは空虚(ケノンという、真空っていうとこもあるみたい)があるっていう理論。

何が凄いって、
『「ない」ということは「ない」という存在が「ある」』という考えを
はじめてしたおっちゃんだからである。

それまでの哲学は
「ないものはない」だから、物凄い発展ですな。

結果、人の死も原子がばらばらになるだけで、
死後の世界なんてあったこっちゃねーよ。

ってな唯物史観に移行して、原子論は埋没するわけです。

ここで、アルケーを中心としたギリシア哲学は一区切りってわけですな。
原子論以上は、科学の発展待つしかないわけで。


・プロタゴラス

アブデラ生まれ。デモクリトスの弟子です。
ソフィストの代表。詭弁を使って人を言いくるめる。

なんだか、ガハハなハイデッカーおじさんのデモクリトス師匠とかみ合わない。

まずは主張から
有名な言葉。
「万物の尺度は人間である」
から。

すなわち――
「ある物質をAと感じるも、Bと感じるも人間次第で」
「絶対基準においてAなのかBなのか決定することはできない」
ということですな。

簡単簡単。

まぁ、デモクリトスでも書いたように、
ここで「アルケー」どうこうっちゅう話は一応終わったわけですな。

どちらかというと、自然科学より哲学に近くなったかなーって素人気分で感じる。


しかぁし。ゴメン皆さん。
興味深い論文を見っけちゃいました。

はい。一気に僕のアタマがハイボルテージ。


上記の理屈でソフィスト批判したのが、ソクラテスなわけですが、
ソクラテスはテアイテトスという人との対話の中で、
二者択一を迫りました。
「風はそれ自体が冷たい」のであるか
「風は寒く感じている者にとっては冷たく、そうでないものには冷たくない」のか。

前述の通り、テアイテトスはソクラテスの意としたとおりに
『後者』を選ぶわけですね。

それを、プロタゴラスの『万物の尺度は人間である』の解釈とし、
ソフィストは詭弁使いだーっ
てな主張に向かったわけです。

さてはて。
ここでこの論文(後リンク、参考文献参照)での主張は。
ここに足りない中間選択肢があると。

「風は冷たい、まさにそのように現れている」

チンカラホイですよね。

それを説明するときに、『真理』の定義が入り込んできます。
『真理』とは「風が冷たい」というときが真であっても偽であっても、
成り立たなければならないということだそうで。

ソクラテスの言った様な「各人における相対性」ではなく
「真理」が「真理」として成立するための、
それが「真理」でない可能性も含まなければならないという「相対性」

すなわち「相対性」とは何物かに対する「真理」との相対性ではなく、
既に「真理」というものは根源的に相対性をもっている。

つーまーりー。
「万物の尺度は人間である」

「現れ」の出現こそが
「真理」の可能性の大もとにあり、
「真理」は「現れ」に依存していて、
それは「端的な事実」からは転落している。

わーかーるー?w

ちなみにこの場合の「真理」は「万物の尺度」
そして、この場合の「現れ」が人間です。


まぁーぶっちゃけ、
むつかしすぎて、ぼんやりとしか理解できませんけれど。
この理論によれば、
前述のソクラテスの
「風はそれ自体が冷たい」のであるか
「風は寒く感じている者にとっては冷たく、そうでないものには冷たくない」のか。
という二択に欠如があるということに納得はいきませんか?

ぶっちゃけ、風が冷たいと感じるかどうかは関係ないんです。
「風が冷たい」が現れたときに「真理」の可能性が展開され、
その「真理」の可能性が前述の相対性、「万物の尺度」であり、
そこには「風が冷たいと感じるかどうか」という端的な現象は含まれない。


わかりました?

まぁ、これで
プロタゴラス→万物の尺度
は忘れませんね。

やっぱり、偉大なおっちゃんデモクリトスの弟子は偉大でしたと。



ぁーぁ、ぜってぇこんなんでねぇょ(´Д`;


参考文献。
wikipedia:デモクリトス
デモクリトス
「デモクリトス」~猿でもわかる哲学史~
プロタゴラスとゴルギアス:猿でもわかる哲学史
wikipedia:プロタゴラス
プロタゴラス説のあるべき姿
 cf:この文献は読みきってないので、気が向くかたどうぞ(´Д`;
   素晴らしいアタマの痛くなる論文でございますorz





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最終更新日  2006年06月08日 00時17分31秒
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