【恋の行方】

【恋の行方】

2025.07.10
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7月1日、トーハンの週間ベストセラーランキングが発表された。新書部門の1位は、案の定というか、やっぱりというか、二宮和也の『独断と偏見』だった。2位は『生きる言葉』、3位は『知らないと恥をかく世界の大問題16
トランプの“首領モンロー主義時代”』。まあ、妥当な線だろう。二宮和也。あの国民的アイドルグループ、嵐のメンバー。42歳の誕生日に満を持して発売された初の新書。編集者が用意した四字熟語をテーマに、全10回のインタビューを収録。人生観、仕事観、死生観……。要するに、二宮和也という人間をこれでもかと掘り下げた一冊、というわけだ。しかし、この本の話題性を決定づけたのは、アイドルや芸能界について語ったパートだろう。特に、故・ジャニー喜多川氏への言及、そして旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)に関する見解。俯瞰的でありながら、率直で、どこか他人事のような、それでいて核心を突いている。あの事務所の内情を知る人間だからこそ語れる、生々しい言葉の数々。国分太一からかけられた言葉、松本潤の独立への喜び、竹内結子への追悼、プライバシー侵害問題への言及、Mrs.
GREEN
APPLEの大森元貴からの影響、実写版『【推しの子】』で演じたキャラクターについて……。まるで、炎上商法かと疑うほど、話題に事欠かない。そして、嵐の活動について。《いつ動き出すのかは、正直、リーダー(大野智)じゃないとわからない部分が多すぎて》。まるで他人事のような言い方。しかし、その後に続く言葉には、かすかな希望が滲んでいる。《全員の気持ちがひとつになって「やろう」って動かないと、皆が見たいものにも僕らがやりたいものにもならないだろうし》。慎重かつ前向き。まるで、解散危機の夫婦が、ぎこちなく手を取り合っているかのようだ。二宮和也は、この本で何を語りたかったのだろうか。アイドルとしての自分、一人の人間としての自分、そして、芸能界という特殊な世界で生きる自分。そのすべてをさらけ出すことで、彼は何を得ようとしているのだろうか。結局、私たちは、二宮和也という偶像(アイコン)を通して、自分自身の人生を見つめているのかもしれない。彼の言葉に共感したり、反発したり、あるいは、ただただ消費したり。いずれにせよ、『独断と偏見』は、現代社会における偶像(アイコン)消費の縮図を、鮮やかに描き出していると言えるだろう。そして、私たちは、その縮図の中で、今日もまた、何かを探し求めているのだ。





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Last updated  2025.07.14 21:20:51
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