こけだまのつぶやき がんになって今思うこと

こけだまのつぶやき がんになって今思うこと

再手術



点滴も外れて、抜糸を待つのみというところまで来ていました。

あとちょっとで退院できる、と信じていて点滴が抜けて

すっきりした反面やることがなくてちょっと退屈を感じていたりもしました。

卵巣膿腫だったと信じて疑わず、退院後の仕事の事も考えたりしていたかな。

抜糸を前に主治医の回診がありました、今の回診は夜討ち朝駆けというか

先生もいつ来るのかわかりませんが、この頃の回診は先生は看護婦さんを

引き連れて大移動でした。回診が始まると放送が入って部屋にいるように

指示されます。

先生は「あー順調ですね」とか「えーどっか痛い?」とかなんとかいいつつ

ベッドを一つ一つみて回るのでした。

医師と患者の関係も今とは雰囲気が全然違っていたと思います。

あんまり質問もできなかったし「はい」「そうですか」くらいしか

話ができなかったものです。

その時、回診に来た先生の顔が少しこわばっていたように感じました。

口を開くと明るめの声で(明らかに作っていたと思います)

「あの~卵巣膿腫だと思っていたけど病理の結果、腫瘍だということがわかってね。

あ、でも決して悪いものじゃないからね。

でも右の卵巣残しちゃったでしょ。

ごめんね。この病気は卵巣残しておくとマズイとされているから

残った右もう一度手術させて」

思わずベッドに倒れこんだ。大げさでなく「ガーン」と。

「もう一度?だって、もうじき抜糸なのに?

糸抜いてまたすぐ手術?どうして?

だったらなんで最初から右の卵巣全部取ってくれなかったの?」

すぐには返事しなかったと思います。

看護婦さんに説得され結局は再手術することになったのだけど

嫌で嫌で落ち込んで泣いていました。

そんな状態の私に追い討ちをかけるように、たまたま見ていた雑誌に卵巣の

手術のことが載っていました。

そこには 忘れもしない記事が載っていました。

「膿腫と思って一度手術しても悪性だと(つまりガン)と
わかったら再手術する」と。

ドラマのヒロインみたいですが、真相(?)を知ってしまった私…どん底まで

落ちました。

今は、すべて本人に告知しますが、当時は本人には隠すのが当たり前でした。

だから本当はがんではなくても 疑って思い込む、ということもありました。

でも、今になって思うとあの記事は正しかったということですね。

当時の私には確かめる方法がありませんでした。

主治医は精一杯私がショックを受けないように言ってくれたのだと思うのですが

、当の私は不信感で一杯になりました。

あの時もしちゃんとした病名を告げていてくれて、

詳しい説明や今後の方針の説明を受けていたら、きっと違ったと思います。

またどうせ切っちゃうのに…と内心ぶーたれながら抜糸の処置を受けました。

再手術は一度目の手術から数えて約10日後。

月曜日。「朝一番に手術してあげるから」って言われたけど

ちっとも嬉しくありませんでした。

相変わらず落ち込んでいたら、

ダンナに「逃げるなよ」と病院からの逃亡も察知され

「万事休す」になっちゃった。

一度目と同じ手順を踏んで再度手術室に向かうのですが、

相変わらずふてくされていて、もうどうでもいいやという気持ちでした。

同じ手順で麻酔をかけられ 同じように意識を失って…。

麻酔から覚め、ほっぺたをピタピタ叩かれます。

「pasochikoさぁん。目開けて」と先生に言われても最初は目が開きません。

すると「舌出して」と言われました。

目は開けられなくても舌は出す事ができるんですね。

2度目はこの先どんな手順で回復していくかわかっていたので

やっぱり妙に冷めていたっけ。

術後の痛みも「明日になればよくなるし・・・」安静度も「今 ○日目だからここまで。

明日はこうなる」予想が付き、看護婦さんに何か聞かれても

「別に。慣れたし」カワイクない態度でいたのです。

私は一度目にはなかったストレスを感じるようになっていました。

それは今も続いているけれど。

それまではなんともなかったのに、その頃から採血、点滴時に血管が出なくなってしまったの
でした。
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