ラジオと映画とちょっとジャジーな日々

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渋谷毅さんのこと ♪-1



なんて思うと嬉しくて、

一人で道を歩いている時でも、
「ふふっ」って笑ったりしてしまう。

私はちょっと変な人に見えるかもしれない。

渋谷さん2.jpg

ジャズピアニストで作曲家、アレンジャーでもある、
渋谷毅さんの純粋なファンには、申し訳ないけれど、

私が渋谷さんを知ったのは、

「小沢健二の曲でピアノを弾いている人」

だったから。

10年くらい前かなぁ。

小沢健二のことから書くと相当長くかかるので、
いつか別の機会に。

ただある時期、彼の曲をかなり真剣に聴いて
思うところがあり、会社を辞めてしまったのだから、

人生を変えた音楽と言えるかもしれない、

もし、あのタイミングで小沢健二に出会わなかったら、
今の仕事も、人間関係も違ったものになっていただろう。

彼が姿を現さなくなって久しいけれど、
私にとっては、今も変わりなく大きな存在だ。

それで、小沢健二の曲なら、
もう朝から晩まで聴いていた私だったが、

ある時、彼がすごく伸びやかに、
しかもやさしげに歌っている曲を耳にして、とても驚いた。

それが、 ピアノ 渋谷毅さん ベース 川端民生さん
一発録りで歌った「美しさ」という曲だった。

このトリオでは、アルバム「球体の奏でる音楽」、
シングルでは「大人になれば」という曲の方が知られているのだが、

その時は「なんで、ジャズ?」
という思いの方が強かったせいか、あまりピンと来なかった。

「美しさ」という曲は、
以前出した「さよならなんて云えないよ」というシングルの
タイトルとアレンジを変えているのだが・・、

同じ曲とは思えないほど、印象が違う。

何と言うか、ある種決意を秘めように歌っていた彼が、
「美しさ」では、渋谷さんと、川端さんの音に包まれて

うっとりと、夢見る様な雰囲気なのだ。

こんな声が出るのか・・・と思うほど、
歌い手を変えてしまう魔法のピアノとベース

「この人たちは只者ではない!」
その頃二人の名前さえよく知らなかった私は、ただそう思った。

テクニックだとか、リズムだとか、音の種類だとか、
そういうことは、私は全然わからない。

でも、渋谷毅さんのピアノは、

「そこにいる人を自由にしてくれる」

ということは、感じずにはいられない。

相手を引き立たせていて、出過ぎない、
それなのに、ちゃんと存在感がある。

川端さんのベースもそうだ。

会ったこともないのに、
「きっと良い人に違いない!」と思ってしまった。

そして、この二人の音に絡み合って、
小沢健二の声からは、

うっとりと、伸び伸びとした気持ちだけが伝わってくる。
なんだかわからないけれど「すごい!」と思った。

そんな人たち、そして小沢健二を
生で見られる機会がやってきた。

小沢健二がゲストで出演することとなって話題になった
97年「八ヶ岳ジャズ・フェスティバル」に行ったのだ。

(つづく)

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