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カテゴリ: 本の感想
…読んでみました

白夜行

★★★★☆

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。
容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。
被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―
暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、
その後、全く別々の道を歩んで行く。
二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。
だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。
息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。

《裏表紙より》


数年前に一度、読んだ作品です。
今回、ドラマ化されるという事で、
あの作品をどう映像化するのか興味が湧き、
ドラマが始まったら観てみようと思いました。

が、その前にもう一度、読み直しておくべきかと…。
そんな訳で、2ヶ月ほど前に文庫本を改めて購入…。

分厚い…重い…持ちにくい…三重苦だわ…(-_-;)

通勤時間を読書タイムに当てているkobuti的に
荷物が重くなるのは致命的…(単純するぎる理由)
いつ読み出そうかと悩んでいたのでした。

あと…

また胸が苦しくなるんだろうな…いろんな意味で…と
思うと、なかなか手が出せませんでした。

しかし、ドラマのスタートはkobutiのそんな気持ちを
考慮してくれるわけもなく、放送開始日がどんどん迫って
来たわけでして…、悠長な事は言っていられなくなり


で、昨日の夜、やっとの思いで読み終えました。
そして…疲れた…。
ドラマ開始日には全く間に合いませんでしたがね(~_~;)

で早速、感想を書きたいと思います。
(長い前フリを読んで下さっ方、ありがとう)



まず一言…予想通り、またも読後感の悪い作品でした。
しかし、愚作と言いたいのではありません。
読後、どうしようもないモヤモヤ感に襲われるのです。
ほんと辛い…。すっきりしない。

計算された時代背景といい、
登場人物の人物描写といい、
さすがは、東野圭吾だわ…と思います。

おまけに主人公の二人(亮司と雪穂)は周りの人間の目を
通してだけ描かれている…。
彼らの感情は書かれていないんです。
そして、この二人は接点を持つ場面が無いにも関わらず
同じ時代を同じ思いを持って生きて来たのだ…と感じさせられる。
この作品が評価される最大の理由がここにあるんだと思います。
しかし、物語が解りにくい点でもある。

そんな感じで二人の男女の19年間を描ききっている作品なのです。
凄いぞ…東野圭吾…(しつこい)

19年の間に起きた様々な出来事が
ちゃんと後でつながって行く…。
伏線のはり方が巧妙です。

なぜ?どうして?…と思い、
もっと深く描いて欲しい箇所がいくつかありますが
きっと、読者それぞれの想像にまかせるという事なのでしょう。
そうする事で余計に謎めいた作品になっているような…。


これが、この二人の愛のかたちなのでしょうか。

亮司は自分の人生を犠牲にし、どんな方法であろうと
全てをかけて女を守っていく。

雪穂はその思いに応えるかのように、成功していく。

二人はどんな思いで生きてきたのだろう…。
お互いの存在が唯一の光…そんな二人。

光を失ったとき、どうなるのか…。

どんな状況でも、二人の気持ちは通っていた…
そうであって欲しい…かな。

そうじゃないと、まったく救われない話なのです。ほんとに。

本の後半になると、真相がハッキリしてきます。
こんなに長いお話なのに、実に最後は展開が早い…。

そして、事件の真相を知ったとき、
kobutiは亮司がなぜ、雪穂にそこまで人生を捧げるのかが
解った気がするのでした。

そして最後…いろんな意味が込められた終わり方をしています。
読み手にいろんな想像をさせる終わり方ですね。

と、ここまでが良い解釈での感想です。


詳細はこちら → 白夜行


それにしても…
過去にどんな理由があるにせよ、罪も無い人を陥れちゃダメだよ。
自分が這い上がるためには手段を選ばない悪女の話だわ…これ。

利用できる男性はしっかり利用する。
冷徹で目的のためなら感情を切り捨てる強い女…。
どんな汚いことでもやってのける影の男…。
この二人の悪行三昧ぶりに圧倒されちゃうね。
同情できないよ。そこまでやると…。

とにもかくにも濃密な物語なのです。

と、書きながらkobutiは終盤、少し涙がでました。
奥深い作品です。良いも悪いも、心に残る作品です。
まだの方…是非、一読あれ。

物語りも長いが、kobutiの感想も長いな…m(__)m

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Last updated  Jan 24, 2006 08:38:16 AM コメント(6) | コメントを書く
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