閑古鳥の巣箱

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2005.11.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
私自身の取り扱い説明書が欲しいものである。

教えてくれないのだろうか。
そのせいで、思わぬ惨事が起こるかも知れないではないか。
神に対して製造物責任を問いたいところである。

そもそも私の存在理由(レーゾンデートル)とは何だろう。
鋏はかみを切るために存在し、消しゴムのカバーは
英単語を書き込むために存在し、バールのようなものは
金庫をこじ開けるために存在する。


これといって得意なことがないのに、
致命的な欠陥ばかり有しているが一体何に使えるのだろう。
全ての物に目的があるという前提を疑ったほうが良いかも知れない。

だが、少なくともこうしたら危険だという注意は促して欲しい。
だいたいは言われなくても分かる。だが、矛盾に満ちている。

極めて内向的なので人と長時間一緒だとストレスで故障します。
寂しがり屋なので人と長期間接していないとストレスで故障します。

二律背反の命題をどう解決しろと言うのか。
他にも頭の痛い問題は山ほどある。
正直手に余っている。

だが、取り扱い説明書がないということは、

一見、何の使い道もないように見える私も、
使い方を知らないだけで、知られざる能力が
埋蔵されている可能性もないわけではない。

そこで、私は休日を利用し、潜在能力の解放を試みてみた。
何か1つ超人的な才能があれば、他の全ての欠陥を


まずは、ゆっくりと腹式呼吸をして心を静めていく。
次第に大宇宙と一体になるイメージが掴めてきた。
これが明鏡止水の境地というやつなのだろうか。
次に体中のエネルギーを右拳に集中してみる。
心なしか熱を帯びてきているような気がしてきた。

それを証明するために、冷凍庫から氷を取り出し
握り締めてみる。その時奇跡が起きた。
何と、わずかながら氷が融けているではないか。
私の拳から気の力が解放されてきているに違いない。

自信をつけた私は、今度は氷を手から離し、
3mくらい離れた地点でにらめっこしてみる。
気を送り氷を溶かす訓練である。
ゆっくりと息を吐きながら、気を氷にぶつけてみる。
直に触るより時間はかかったが、
ゆっくりと、しかし確実に氷は融けていった。

私にはこんな才能があったのか。
なぜ今まで気づかなかったのだろう。
熱エネルギーを支配することが出来れば、
世界を変えることも不可能ではない。

私は猛る心を沈めつつ外に出てみた。
今度はもっと長距離で強大なものに挑もうと思い至ったのだ。
それは雲だ。氷を溶かせられるなら雲も消し去れるはずだ。
別次元の話のような気もするが、全ては観念なのだ。

目標をふわふわとした小さな積雲に絞り、
拳に神経を集中させ、ゆっくりと開いていく。
しかし数分それを繰り返すも、あまり変化は見られない。
それよりも冬の寒空の下、時折吹き付ける風が冷たくて、
コートを着てこなかったことに後悔の念を禁じえなかった。

だが、10数分目にして私の願いは天に通じた。
目標の雲は少しずつ小さくなり始め、
とうとう跡形もなく消滅したのである。
なるほど、距離が遠かったために私の気が到達するまでに
時間がかかってしまったのだろう。

こうして私の能力は確固たる事実とともに
証明されたのであった。
さらなる修行を積めばもっと自由自在に雲を操れよう。
そうすれば世界中の水不足は解消され、
台風や竜巻などの天災を回避することも
可能になるだろう。何とすばらしい能力なのだろう。
私はこのために生まれてきたのだ。

これは面接に使えるな。



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Last updated  2005.11.21 12:57:33
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