April 7, 2009
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わたくしの妻は初産の時から立ち会い出産を希望していました。
もちろんわたくしは、自国の利権しか考えない国連常任理事国のように拒否権を使い、赤ちゃんが生まれるまで、TVドラマで演じられる若いお父さんのように落ち着きなくロビーでうろうろして生まれるのを待っておりました。

歩夢が生まれる時には、四人目ですので妻もわたくしもベテランの域に達しており、陣痛が始まった妻もわたくしに立ち会いを求めてくることもなく、わたくしも同じ病院で出産すると3人目からの特典で、特別料金無しで利用できる個室の特別室で、ゆったりとソファーに寝ころんでTVを見ながら、四人目の誕生を待っておりました。

しばらくうとうとしていたのですが、ドアが開き看護婦さんが入って来ました。
おっ!生まれたかな?と立ち上がりましたが、看護婦さんは笑顔で「まだですよ、まだしばらくかかりそうです、心配は要りませんけどね。奥さんが持って来て欲しい物があるので、来て欲しいそうです。付いて来て下さい」と言うので、言われるままにぶらぶらと付いて行きました。

看護婦さんが「ああそこです」と言うので、ドアを横に引いて入ると…
何とそこは分娩室で今まさに赤ちゃんが生まれようとしている真最中でした。
助産婦さんが「早くこっちへ!何もたもたしてるんですか!早く」とわたくしを睨みます。

やられた!!!嵌められた!!!この卑怯者!!!と気づいたときには、もう後戻りは出来ない状況でした。
これから妻の産みの苦しみを一緒に味わうことになるのか?参った!とドット額を汗が流れて来ました。
助産婦さんと看護婦さんに「こっちに来て励まして上げなさい!」「早く手を握って!」とか、怒られながら妻の頭の横に立って「頑張れ、もう少しだよ」とか、わたくしには全く似合わない言葉を使って一緒に頑張っていたのですが、あまりの妻の苦しみように心の中では「おい大丈夫か?だから立ち会い出産は嫌だって言ったろう!でも本当に辛そうだ、助けて~」と叫んでおりました。

とてつもなく長い時間が経過して、やっと歩夢が元気よく生まれました。その時には本当に嬉しかったのですが、よっぽど力んでいたのかわたくしの足はガクガク震えていました。

助産婦さんが笑顔で「良く頑張りましたね、ご苦労様でした。部屋で休んでいて下さい」と言いましたので、「ありがとうございました。立ち会いさせて頂いて良かったと思っています。でもとても長い時間力んでいたので、身体がガクガクです。」と言うと。

「あれ、お父さん、今回の出産は軽かったですよ。たったの20分位ですから、良かったですね」と言われました。

わたくしの感覚では1時間は経過したと思っておりましたので、緊張状態では時間の感覚も制御出来なくなるのだなと、驚いたことを思い出します。

今更ながら、この時の事を思い出して見つけ出した新理論があります。
発見した新理論で、呑んでいる時間の感覚について一考察致しますと。
6時間も呑んでいるのに感覚的には2時間位としか感じないわたくしの脳内を科学することが出来ることになります。








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Last updated  April 7, 2009 12:42:22 PM


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