くんちゃんの・・・

くんちゃんの・・・

術後

術後(’96年10月5日~)


 一般的に癌の手術後、患者はそれまでの身体的・精神的苦痛から解放され一時的にハイになるケースが多いようだ。私の場合もご多分に漏れず「悪いところは全て取り除いたんだ。これで自分は生まれ変わったんだ。」と妙に気分が高揚していた。術前の悩みや苦しみは、opの時腫瘍と一緒に捨てられたような、そんな気分だった。

 目を覚ますとそこには愛すべき大事な人がいて、第2の新婚時代を迎えられたような軽いウキウキ気分もあった。キズも思ったほど痛くないし、術後も随分楽だ。op翌日には術創からぶら下がった 廃液瓶を抱えて個室内を歩くことも出来た。若いので(?!)術後の回復は至って順調で5日後には個室から大部屋へ。患側上肢のリハビリもばっちり!

 唯一私に課された重要な宿題が‘手術の傷跡’を見ること…だった。ナースや同病の先輩患者から
「退院までにちゃんと向き合っておいた方が良いよ!」
とのアドバイスは受けていたが、どうしても向き合う勇気がなかった。結局、意気地なしな私はキズと向き合うことなく退院の日を迎えることになってしまった…。


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