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「野菜は1日350g」「果物は200g」「食塩は7g」――数字を見ても、実際の食事で何をすればいいのか迷いませんか?
2026年、健康日本21(第三次)のベースライン値が決まり、食生活に関する目標値も一部見直されました。
今回は管理栄養士ゆきなべが、変わった目標値と、今日の食事でできることを忙しい人向けに分かりやすくまとめます。
■健康日本21(第三次)、食事の目標は何が変わった?
健康日本21(第三次)は、2024年度から2035年度まで進められている国民健康づくりの取り組みです。
栄養・食生活だけでなく、身体活動・運動、休養・睡眠、飲酒、喫煙など、幅広い分野に目標があります。
2026年6月3日の厚生科学審議会では、健康日本21(第三次)のベースライン値設定と目標値の見直しについて審議され、了承されました。
今回、食生活で特に注目したいのが、
「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事」
です。
令和6年度(2024年度)のベースライン値では、
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日が、ほぼ毎日の人は52.8%。
もともとの令和14年度(2032年度)の目標値は50%でした。
ベースラインの段階ですでに目標値を上回ったことなどから、
50% → 70%
へ目標値が見直されました。
■まず保存しておきたい「350・200・7」
健康日本21(第三次)の食生活について、忙しい人にも覚えておいてほしい数字をまとめます。
【令和6年度ベースライン → 令和14年度目標】
●主食・主菜・副菜を組み合わせた食事
52.8% → 70%
●野菜摂取量
258.7g/日 → 350g/日
●果物摂取量
78.1g/日 → 200g/日
●食塩摂取量
9.6g/日 → 7g/日
※野菜・果物・食塩は20歳以上の平均値です。
※主食・主菜・副菜は「1日2回以上の日がほぼ毎日」の人の割合です。
普段の食事でまず覚えるなら、
野菜350g
果物200g
食塩7g
「350・200・7」です。
ただし、とても大切なことがあります。
これらは健康日本21における国民全体を対象とした目標値です。
「今日、野菜を350g食べられなかったからダメ」
という意味ではありません。
今の食事を少し整えるための目安として使ってみましょう。
■野菜350g。でも現在は約259g
健康日本21(第三次)では、野菜摂取量の目標を
1日平均350g
としています。
一方、令和6年国民健康・栄養調査による平均値は258.7g。
目標との差は約91gです。
でも、
「毎日あと91g量って食べましょう」
では続きにくいですよね。
そこでおすすめしたいのが、
「今の食事に野菜をもう少し足す」
という考え方です。
たとえば、
・朝食のパンにミニトマトを添える
・昼のみそ汁を野菜入りにする
・夕食に冷凍ブロッコリーを追加する
・カット野菜を主菜の横に添える
これなら、料理を一品ゼロから作らなくてもできます。
2026年度の厚生労働省「食生活改善普及運動」でも、野菜・果物をもう一皿ずつ増やすことが呼びかけられています。
■野菜350g=大盛りサラダではありません
「野菜350g」と聞くと、
「そんなに生野菜を食べられない」
と思うかもしれません。
でも、生野菜だけで350g食べる必要はありません。
みそ汁
スープ
煮物
炒め物
蒸し野菜
などでも取り入れられます。
キャベツや白菜、ほうれん草などは、加熱するとかさが減って食べやすくなります。
忙しい日に特に便利なのが、
「冷凍野菜+汁物」
です。
冷凍ほうれん草やブロッコリーなどを常備しておけば、
「夕食を作ったけれど野菜が少なかった」
というときにも追加しやすくなります。
電子レンジ調理をよくする人なら、加熱から食卓まで使える耐熱容器があると、別の器へ移し替える手間や洗い物を減らしやすくなります。
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もちろん、専用の容器を新しく買う必要はありません。
自宅に電子レンジ対応の耐熱容器があれば、まずはそれを活用してください。
■果物200g。現在は約78g
もう一つ注目したいのが果物です。
健康日本21(第三次)の目標は、
1日平均200g。
令和6年度のベースライン値は78.1gです。
「果物は好きだけれど、毎日は食べていない」
という人も多いかもしれません。
そんなときは、
「料理として増やす」のではなく「朝食や間食へ入れる」
と考えてみてください。
たとえば、
朝食のヨーグルト+果物。
午後のおやつに果物。
夕食後に梨やりんご。
これなら、夕食のおかずを一品増やすより取り入れやすい人もいると思います。
果物は種類によって、ビタミンC、カリウム、食物繊維などを摂る食品の一つにもなります。
季節や価格、食べやすさに合わせて選んでみましょう。
■食塩は平均9.6g、目標は7g
令和6年国民健康・栄養調査では、20歳以上の食塩摂取量の平均値は、
9.6g/日
でした。
健康日本21(第三次)の目標は、
7g/日。
だからといって、
「今日から全部薄味にしなきゃ」
と極端に考える必要はありません。
食塩は、しょうゆやみそだけではなく、
・麺類の汁
・汁物
・漬物
・加工食品
など、さまざまな食品から摂っています。
まず一つ変えるなら、
「いつもの食べ方を少し変える」
くらいからでOKです。
たとえば、
●麺類の汁を全部飲まない
●しょうゆはたっぷり「かける」より、必要な分だけ「つける」
●みそ汁は具を増やして汁を控えめにする
●酢やレモンなどの酸味を利用する
●しょうが、しそ、こしょう、七味などで香りや風味を加える
といった方法があります。
一度にすべて変えるより、自分が続けやすいものを一つ選んでみてください。
■「主食・主菜・副菜」は3品手作りすることではありません
今回70%へ目標値が見直された「主食・主菜・副菜」。
ここは、忙しい方にぜひ知ってほしいポイントです。
「主食・主菜・副菜をそろえましょう」
と言われると、
ごはんを炊いて、
魚を焼いて、
煮物を作って、
野菜料理も用意して……。
そんな食卓を思い浮かべませんか?
でも、
毎回3品を一から手作りする、という意味ではありません。
主食は、ごはん・パン・麺など。
主菜は、魚・肉・卵・大豆製品などを中心とした料理。
副菜は、野菜・きのこ・いも・海藻などを使った料理です。
冷凍食品、市販品、缶詰、カット野菜なども活用しながら、
「今の食事には何が足りないかな?」
と考えることから始めれば十分です。
■帰宅が遅くなった日の3パターン
「今日はもう料理したくない」
そんな夜もありますよね。
その場合は、こんな組み合わせでも考えられます。
【パターン1】
パックごはん
+納豆
+冷凍野菜入りみそ汁
【パターン2】
おにぎり
+サラダチキン
+野菜スープ
【パターン3】
冷凍うどん
+卵
+冷凍ほうれん草・きのこ
特に3つ目なら、一つの丼の中に主食・主菜・副菜に相当する食品をまとめられます。
健康的な食事=全部手作り
ではありません。
忙しい日は便利な食品を使って、足りないものを補う。
これも立派な食事の整え方です。
■5分で作りやすい「野菜+卵のレンジスープ」
野菜が少なかった日に追加しやすい一品です。
【2人分】
冷凍ほうれん草……100g
冷凍ミックス野菜……100g
卵……2個
水……400ml
顆粒鶏がらスープの素……小さじ1
こしょう……少々
【作り方】
1.耐熱容器に水、冷凍野菜、鶏がらスープの素を入れます。
2.電子レンジで野菜が十分熱くなるまで加熱します。
3.溶き卵を加え、再び電子レンジで加熱します。
4.卵にしっかり火が通ったことを確認し、こしょうで味を整えます。
【調理時間の目安】
約5〜7分
電子レンジによって出力が異なるため、加熱時間は様子を見ながら調整してください。
【おいしく仕上げるポイント】
仕上げのこしょうで風味をプラス。
調味料を増やさなくても味にメリハリをつけやすくなります。
【失敗しにくくするポイント】
卵を加えたあとは、一度に長時間加熱するより、様子を確認しながら加熱してください。
卵にはしっかり火を通します。
【時短ポイント】
冷凍野菜なら、洗う・切る工程を省けます。
【管理栄養士の栄養ポイント】
野菜だけのスープに卵を加えることで、たんぱく質源も一緒に取り入れられます。
主食が足りなければ、ごはんやパンを組み合わせると一食を整えやすくなります。
【1人分・目安】
エネルギー:約110kcal
たんぱく質:約8g
脂質:約6g
炭水化物:約7g
食物繊維:約3g
食塩相当量:約0.8g
※冷凍野菜や鶏がらスープの素など、使用する商品によって栄養価は異なります。
■包丁なし「豆腐と野菜のレンジ蒸し」
「今日は包丁すら使いたくない」
そんな日の主菜+副菜に。
【2人分】
木綿豆腐……300g
カット野菜……200g
ポン酢しょうゆ……大さじ2
すりごま……小さじ2
【作り方】
1.耐熱皿にカット野菜を広げます。
2.豆腐をスプーンですくってのせます。
3.ふんわりラップをして、野菜がしんなりし、豆腐が十分温まるまで電子レンジで加熱します。
4.加熱後に出た水分を軽く切り、ポン酢しょうゆとすりごまをかけます。
【調理時間の目安】
約5分
【おいしく仕上げるポイント】
加熱後に出た水分を軽く切ってからポン酢しょうゆをかけると、味が薄まりにくくなります。
【時短ポイント】
豆腐は包丁で切らなくても、スプーンですくえばOK。
カット野菜を使えば、まな板も包丁も使わずに作れます。
【管理栄養士の栄養ポイント】
豆腐を主菜、野菜を副菜として考えられる一皿です。
ごはんなどの主食を組み合わせると、主食・主菜・副菜を意識した食事にしやすくなります。
【1人分・目安】
エネルギー:約150kcal
たんぱく質:約12g
脂質:約9g
炭水化物:約8g
食物繊維:約3g
食塩相当量:約0.9g
※カット野菜やポン酢しょうゆなど、使用する商品によって異なります。
■朝食なら「ヨーグルト+果物」
果物を食べるタイミングを逃しやすい人は、
朝食に組み込んでしまう
のも一つの方法です。
【1人分】
プレーンヨーグルト……100g
バナナ……1/2本(約50g)
キウイフルーツ……1個(可食部約80gを目安)
オートミール……10g
【作り方】
器にヨーグルト、食べやすくした果物、オートミールを入れます。
キウイは半分に切り、スプーンですくえば皮をむく手間も省けます。
【調理時間の目安】
約2〜3分
【時短ポイント】
朝に切る時間がなければ、バナナだけでもOK。
毎日同じ果物に固定せず、食べやすいものを選びましょう。
【管理栄養士の栄養ポイント】
果物だけで終わらずヨーグルトを組み合わせることで、たんぱく質やカルシウムも一緒に補いやすくなります。
【1人分・目安】
エネルギー:約160kcal
たんぱく質:約6g
脂質:約4g
炭水化物:約28g
食物繊維:約3g
食塩相当量:約0.1g
※ヨーグルトの種類や果物の大きさなどによって異なります。
■忙しい人ほど「引き算」だけでなく「足し算」
健康を意識すると、
「塩分を減らさなきゃ」
「お菓子をやめなきゃ」
「もっとちゃんと料理しなきゃ」
と、やめることばかり考えてしまうことがあります。
でも、忙しい生活ではそれが負担になることもあります。
そこで、
「今の食事に何を一つ足せる?」
と考えてみてください。
パンとコーヒーだけなら、ヨーグルトや果物。
麺だけなら、卵や野菜。
丼だけなら、冷凍野菜を使った副菜や汁物。
この「ちょい足し」なら、献立を一から作り直さなくてもできます。
■冷凍野菜を「買っただけ」で終わらせない工夫
冷凍野菜や食材を常備していても、
「冷凍庫の奥に入って、そのまま忘れていた」
ということがあります。
食材を冷凍するときは、次に使う量を考えて小分けしておくと便利です。
さらに、食材名や冷凍した日を書ける保存袋を使うと、中身を確認しやすくなります。
冷凍用 保存袋 ダブルチャック袋 ヨコ型 80枚入 フリーザーバッグ キッチン用品 キッチン雑貨
もちろん、新しい保存袋を買いそろえる必要はありません。
今使っている冷凍対応の保存袋や容器があれば、それを活用してください。
大切なのは、
「何を・いつ冷凍したか分かる状態にすること」
です。
食材名と日付を書くだけでも、使い忘れを減らす工夫になります。
■管理栄養士ゆきなべの一言
健康日本21の数字を見ると、
「野菜350gも食べられていない」
「果物も毎日は無理」
「塩分も多そう……」
と心配になるかもしれません。
でも、健康日本21の数字は、
あなたの今日の食事に点数をつけるための数字ではありません。
健康日本21の野菜350g、果物200g、食塩7gなどは、国民全体を対象にした健康づくりの目標です。
個人に必要な食事内容は、年齢、体格、身体活動量、健康状態などによっても異なります。
だからこそ、
「全部できているか」
より、
「今の自分なら、どこを一つ変えられそうか」
を考えてみてほしいと思います。
昨日野菜が少なかったなら、今日はみそ汁に冷凍野菜を追加する。
最近果物を食べていなかったなら、買い物で食べやすい果物を一つ選ぶ。
麺類を食べるなら、今日は汁を全部飲まずに残してみる。
それくらいから始めて大丈夫です。
■保存版|食事の前に「3つ」だけ確認
毎日の献立に迷ったら、食べる前にこれだけ確認してみてください。
1.主食はある?
ごはん・パン・麺など。
2.主菜になるものはある?
魚・肉・卵・豆腐・納豆など。
3.野菜はある?
生野菜でなくてもOK。
冷凍野菜、カット野菜、煮物、汁物などでも取り入れられます。
足りないものがあったら、
「もう一品作らなきゃ」
ではなく、
「簡単に足せるものは?」
と考えてみてください。
■今日から覚えておきたい「350・200・7」
健康日本21(第三次)の食生活で覚えておきたい数字は、
野菜350g
果物200g
食塩7g
そして、
主食・主菜・副菜を組み合わせること。
ただし、毎食すべてを完璧にする必要はありません。
今日からできることは、とてもシンプルです。
今夜の食事を食べる前に「主食・主菜・野菜」の3つを一度だけ確認する。
足りないものがあれば、
納豆、豆腐、卵、冷凍野菜、カット野菜など、手間のかからない食品を一つ足してみてください。
次は、
「野菜350gって実際どのくらい?」
を料理や1日の献立に置き換えてみると、さらに実践しやすくなります。
旬の食材を使ったレシピや、忙しい日の時短献立、体重管理や食習慣についての記事も紹介していますので、毎日の食事に迷ったときにまた読んでいただけたらうれしいです。
管理栄養士ゆきなべとして、これからも難しい栄養の話を、
「今日の食卓で何をすればいい?」
まで分かる形にしてお届けしていきます。
最後にひとつ。
今の食事で一番増やしたいのは「野菜」「果物」「主食・主菜・副菜をそろえる」のどれですか?
よかったらコメントで教えてください。
【参考資料】
・厚生労働省「第61回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会」(令和8年6月3日)
・厚生労働省「健康日本21(第三次)の目標一覧」
・厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」
・厚生労働省「令和8年度 食生活改善普及運動」
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