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2011.08.05
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カテゴリ: 戦争

                2008年  アメリカ・イギリス映画

監督 マーク・ハーマン

 ついさっき見ました。レンタルビデオ屋で、前からちょっと気になっていたので、借りてきたのです。ショックが大きかったので、書いています。

 8歳のブルーノは、軍人である父親の仕事の都合でベルリンから田舎に引っ越します。友だちと別れるのはいやだったが仕方ありません。両親と12歳のお姉さんと暮らす新しい家には、頻繁に軍人が出入りし、父親は「所長」と呼ばれています。ブルーノの部屋の窓からは、遠くに「農場」が見え、「縞模様のパジャマ」の人たちが大勢働いているようです。ブルーノは、友達がいなくて退屈なので、ある日、こっそりと「農場」にやってきて、電気の通った鉄条網の向こうにいる、「縞模様のパジャマ」の少年シャムールと友だちになります。

 第二次世界大戦中のドイツの話です。「農場」というのは、もちろんユダヤ人強制収容所です。ブルーノの父は、ナチスドイツの高官で、そこの所長として、家族を伴って赴任してきたのです。
 これは、戦争映画です。戦闘シーンは出てきませんが、ナチスドイツの所業を描いた戦争映画です。90分台と短い映画ですが、ナチスの悪行がよくわかるエピソードが盛りだくさんなので、ショックなラストがネタばれしない程度に、書かせていただきます。

 田舎なので学校がないようで、姉弟に勉強を教えるため、家庭教師が来ることになります。結構年輩の男の先生で、使うテキストが、ナチスドイツの思想や業績を書いた本です。小さいブルーノは理解できず、つまらなそうですが、お姉ちゃんはみるみるナチスに染まっていきます。引っ越してきたとき持ってきたたくさんの人形は地下室にしまってしまい、お姉ちゃんの部屋は、ナチスのポスターでいっぱいになります。

 一家の台所には、縞模様のおじさんがひとりいます。いろいろな汚れ仕事をするための使用人です。ある日、庭の古タイヤで作ったブランコからブルーノが落ちてけがをします。おじさんは手際よく手当てします。話していると、おじさんは元医者だといいます。そのことをブルーノはシャムールに話します。「元医者なのに今はうちでイモの皮むいているよ。」「うちのパパは時計職人だけど、今はクツ作ってるよ。」と、シャムールは答えます。



 中尉は一家の夕食に呼ばれた席で、所長に父親はどこにいると聞かれ、答えられませんでした。中尉の父親は、ナチスが嫌で、海外に亡命していたのです。それを上官に報告していなかったので、しばらくして、中尉は前線に飛ばされてしまいます。

 「農場」の煙突からは黒い煙が出る日が時々あります。その時はひどいにおいもします。ブルーノにそのことを聞かれた母親は、中尉の言葉に耳を疑います。「あいつらは焼いても臭いですからね。」彼女は、夫の残酷な所業を知り、嫌悪し、混乱します。

 ある日、お父さんが、同僚たちと何やら映画のようなものを見ています。ブルーノは、ドアの上の窓からのぞきます。それは、ユダヤ人収容所の様子を宣伝するフィルムでした。ユダヤ人は昼間働いた後は自由時間があり、スポーツをしたり、映画を見たり、カフェでおしゃべりしたり、快適に過ごしていますという内容でした。もちろん国民を安心させるためのウソの映像ですが、ブルーノは真に受けてしまいます。

 おじいちゃんから電話が来ます。新居を見に行きたいが、おばあちゃんの具合が悪いので、ひとりで行くと。実はおばあちゃんはナチスが嫌いで、行きたくなかったのです。そんなおばあちゃんが爆撃で亡くなります。お葬式でナチスの高官である息子は総統からの花束をささげます。そんな夫をますます嫌悪する妻でした。

 そんなエピソードが続く中、ブルーノは何回もシャムールに会いに行き、友情を深めます。無邪気なブルーノは幼いが故に、お坊ちゃんが故に、無知でした。シャムールや縞模様のおじさんがユダヤ人であることを知りながら、「農場」が収容所であることを知りながら、それがどういう意味を持っているのか、知りませんでした。ドイツは戦争中で、父やその周りにいる人たちがどういう人たちなのか、知りませんでした。

 ラストは、なかなか衝撃的です。思わず「えっ、うそ!!!」と叫んでしまうでしょう。この後、描かれてはいませんが、間違いなく夫婦は離婚し、父親は軍をやめてしまうかもしれません。もしかしたらこの家族の中に自ら命を絶つ人がいるかもしれません。家庭崩壊は免れないでしょう。





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Last updated  2011.08.06 00:52:51 コメント(1) | コメントを書く


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