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2011.08.10
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カテゴリ: SF

第1章終わりの始まり2008年 第2章最後の希望・最終章ぼくらの旗2009年

監督 堤幸彦
出演 唐沢寿明 豊川悦司 常盤貴子 平愛梨 香川照之 石塚英彦 佐々木蔵之介

 皆さんご存知、浦沢直樹の本格科学冒険漫画「20世紀少年」及び「21世紀少年」の実写映画化作品です。ぼくも思いっきりはまった作品なので、映画化は非常に楽しみでした。結論から言いますと、残念の一言です。

 それは、原作を描き切れていないということです。そもそも原作は、単行本にして22+2巻あります。それを3本の映画、合計時間約7時間で納めるというところに無理があるのです。しかも、大ゴマの連続で単行本1冊を5分ぐらいで読めてしまうような、どこかの死神の漫画(でも好きです)とは違い、内容がしっかり詰まっていて、1巻読むのにたっぷり30分から1時間くらいかかるものなのです。
 確かに、話は3つに分けることが可能です、ひとつめは、2000年「血の大みそか」まで、ふたつめは2015年の西暦の終わりまで、そして、ともだち歴3年(2017年)です。そこから3部作という計画が生まれたのだと思いますが、はっきりいって、無理ありすぎです。2本目なんて、単行本にして、10巻分ぐらいありますから。

 案の定、第1章、第2章は切りまくりで、内容的には半分以下になっています。そのため、最終章の話を変えなければならなかったほどです。

 第1章では、まず、ケロヨンの結婚式と関連する思い出の忍者部隊ごっこ、ロックに夢中になっているケンヂ(中学、大学)、ドンキーとの思い出のジャリ穴のこと、田村マサオ(13番)の描写と草野球、ともだちコンサートに出ていて大阪でウィルスをまく漫才コンビ、万丈目と市原弁護士の絡み、同窓会でのスプーン曲げの思い出とフクベエの家でのケンちゃんライス、オッチョのタイでのことのほぼ全部、敷島教授と万丈目たちのロボット会議、洞穴の思い出とカラのロボット格納庫で見つけた“ともだち”のメッセージ(実は、あの有名なセリフ「ケ~ンジくん、あーそーびーまーしょ」はここにある。)、などの場面が省かれています。敷島リカの彼氏(実は彼は、“ともだち”一派の最も初期から参加しており、キリコの彼を殺し、敷島リカをたぶらかすという重要な仕事をし、物語の最後まで出ていながら、名前が出ていないのです。)に至っては、存在そのものを消されています。彼のやったことはすべて、万丈目がやったことになっています。


 第1章は単行本にして6巻分くらいなので、カット分も少なく(でも、書き挙げてみたら、意外とたくさんあってびっくり)、物語の大筋は変えることなくすんでいるのですが、第2章はかなり大幅に切られ、物語が変わっています。

 まず、ともだちランドの描写が、極端に少なくなって、カンナと小泉が同時に入ることになっています。原作では、まず小泉だけが行き、カンナは後から過去のことを探るために、ヨシツネと一緒にバーチャルアトラクションに入るのです。また、万丈目や“ともだち”本人も入っています。そのため、過去の描写が極端に少なくなっています。
 また、カンナとマフィアたちの絡みが、少なくなっており、カジノの場面に至っては全面削除です。そのため、赤ん坊のカンナがお菓子の入っている手を当てる場面(第1章)と、スプーンを簡単に曲げる描写、つまり、超能力を発揮する場面が、まったく無駄になっています。これは、第1章でスプーン曲げの思い出をカットしたため、“ともだち”が超能力者ではなくなってしまったことも関係あるでしょう。
 サダキヨの出番も少なくなっていて、特に、彼が恩師に会いに行き、貴重な素顔の写真をもらう場面は全面カットです。そのため、どうしてバーチャルアトラクションの中でサダキヨの顔だけ大人なのか、どうして彼が“ともだち”を裏切るのかよくわかりません。(最終章公開前の第2章のTV放映では、その上にサダキヨの出演場面がすべてカットされていました。ユースケさん怒ったでしょうね。ひどいもんです。)
 春波夫さんの過去の描写はすべてなくなり、どうしてマルオがマネージャーをやっていて、“ともだち”お抱えの国民的演歌歌手の彼がケンヂたちの味方なのかわかりません。
 法王がらみのエピソードもすべてカットです。(法王は“ともだち”と会談をしたというTV報道が出るだけ)これでは、仁谷神父がどうしてケンヂたちの味方なのか分からず、ただたんにカンナとマフィアたちの行きつけの教会の神父に成り下がっています。
 そして、何といっても、“ともだち”が死んだ時(死に方も変わっていますが)と前後して、みんなが“ともだち”の正体にいろいろな方向から気づくところが全くなくなり、その正体がわからないまま、すぐに万博開会式での復活になり、そのまま、終わってしまうのです。
 もちろん、他にもカットされている場面は膨大にあり、書き挙げていると大変なので、重要と思われるところだけ書かせていただきました。

 最終章は、第2章で“ともだち”の正体が明らかにならなかったため、原作で第2の“ともだち”となる人物が真の“ともだち”となり、大阪万博関連の描写、「1970年のウソ」が、大変縮小され、“ともだち”がなぜ新しい万博に固執するのかわからなくなりましたが、おかげで、内容は大変減りました。
 また、ともだち歴となった、日本の人々の悲惨な生活の描写が、ほとんどなくなり、最後の戦いと音楽祭の様子だけが印象に残り、内容がほとんどないものになっています。(それでも上映時間は一番長く2時間半あります。)
 最後に「21世紀少年」の部分のケンヂが最後の後始末に行く場面はありましたが、カンナがお母さんに会う場面がなくて、かわいそうでした。



 漫画の映画化というのは、ほんとに難しいですね。1本の映画にうまくまとめられるのは、せいぜい、単行本3巻くらいでしょうか。でも、映画化の企画が持ち上がるほどの人気作はたいてい何十巻もあるものですが。

 ところで、この映画、キャスティングは見事でした。豪華キャストで、イメージぴったりの皆さんを配置しています。とりわけケンヂの仲間たちはアラフォーで、ぴったりの人を見事に配置しています。ただ、2017年は彼らは57歳のはずで、少し無理がある人がいますね。特に僕がぴったりと思ったのは、小泉役の小南晴夏さんと高須役の小池栄子さんと、仁谷神父役の六平直政さんです。
 しかし、カメオ出演でしょうか、名の知れた人がチョイ役でたくさん出ているのは参りました。藤井フミヤさんとか、徳光和夫さんとか、タカトシとか、オリエンタルラジオとか、竹中直人さんとか、高嶋政伸さんとか、ロンブー淳さんとか。意味ないじゃんと思いました。





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Last updated  2011.08.10 17:33:36 コメント(1) | コメントを書く


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