名無し人の観察日記

名無し人の観察日記

2005.01.06
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テーマ: 戦争反対(1197)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 スマトラ沖地震の津波災害による被害が拡大の一途をたどっているようです。既に死者は十五万人に達し、非公式ではありますが、三十万~五十万人に達する恐れもあるとか。地震による死者が史上最も多かったのは中国唐山地震(約二十四万人)ですが、それを超える人類史上空前の大災害になる可能性もあります。
 そうした中で、政府は五億ドルの無償支援とともに、約八百人規模の自衛隊の派遣を決定し、既に先遣隊は現地へ向けて出発しました。タイ・プーケット島沖合いで漂流者の捜索に当たったインド洋派遣部隊に続く自衛隊の人的貢献です。大災害に打ちのめされた現地の復興の一助になる事を願い、派遣される自衛官の皆さんの無事と健闘を祈りたいと思います。

 このスマトラ地震被災地への自衛隊派遣に対しては、海外派遣とは言え、国内からそれほど大きな反対の声は出ていないようです。災害派遣が自衛隊の主要任務として認知されており、また現地の悲惨な様子が連日報道され、お金だけでない何かで貢献しなければ、という気持ちが多くの人々の中にあるからでしょう。
 ところが、Googleなどで調べてみると、ちょっと気になる論調が目立つのがわかります。
「イラクにいる自衛隊を引き揚げて、スマトラ地震被災地に投入すべき」
 というものです。
 こうした論調は新潟中越地震の時も見られましたが、相変わらず出てくる事にちょっと落胆を覚えます。おそらく、こうした意見を唱える人々が中越地震、スマトラ地震の被災者に対して同情を感じ、助けなければ、と思っていることは間違いないでしょう。それを否定したくはありません。
 ですが、それを自衛隊のイラク撤退に繋げるのはどうかと思います。被災地派遣もイラク派遣も重要性に変わりはなく、トレードできる性質のものではないはずです。イラクから撤退して被災地へ! と言っている人々は、意図しているかどうかに関わらず


「被災者は助けなければならないが、イラク国民は見捨てても良いと主張している」


 と言う恥ずかしい行動を取っているのだ、と自覚して欲しいものです。


 さて、国内での反対の声は低いスマトラ地震被災地派遣ですが、隣国ではこんな声が出ていたようです。



「蔵から人情」
「南アジアを襲った地震と津波の被害が大きくなるや、日本政府は被害国に3000万ドルを無償援助し、米2400tを提供することにした。・・・町村信孝外相は、「アジアで大きな災害が起きただけに、あちらの要請を待つことなく我々が積極的に対応しなければならない」とし、今回の援助が「隣人の道理」であることを強調した。
インド洋で米軍への給油任務を行なっていた海上自衛隊の艦艇3隻もタイのプーケット海域に投入された。自衛隊が海外の災害救護活動に乗り出すのは今回が初めてだ。・・・ 南アジアの強震に乗じてこっそりと自衛隊の活動領域を広げようとする日本右翼の内心が窺えるようで苦々しい思いだ。
・・・援助の規模を見ると、「蔵から人情」という諺が実感される。当初1500万ドルの援助を発表した米国は後に2000万ドルを増額して3500万ドルを援助した。・・・東京のある外交筋は、 「日本の大規模援助は、国連安全保障理事会への進出のために支持勢力を増やすうえで役に立つという計算も作用しただろう」 と話した。
韓国は、援助発表が遅れただけでなく金額も60万ドルに過ぎず、 体面も取り繕うことができなかった。 遅れて200万ドルに増やしたが、東南アジアとの関係を考えると相応の水準だとは言い難い。援助金額の決定にも国際政治と国家利益の論理が作用するのが現実だ。無論、豊かでもない境遇で無理に多くの金を出せば、国際社会の物笑いになるだけだろう。直ちに力がないなら、空いている蔵の隙間を埋める努力からすることだ。」

(以上引用終わり 強調部分は私の編集によります)


 こういうのを「下司の勘繰り」と言うのでしょうね。援助額を自分の懐具合と現地のニーズで判断せず、体面を保つためだけに決定している国のことだけはあります。反戦・反自衛隊団体には韓国に妙に甘い人たちがいますが、こういう下卑た論調にだけは同調して欲しくないものです。





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Last updated  2005.01.07 00:08:35
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