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2025.12.03
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カテゴリ: 天文学
 それを思うと、天文学好きの心をいつも引きつけるかもしれない。そしていささかな哀切感も。
 1977年9月5日に木星と土星の探査のために打ち上げられた宇宙探査機「ボイジャー1号」である( 想像図 )。ボイジャー1号は、その役目を立派に果たした後、そのまま外宇宙へと飛び出し、ひたすら果てしない星間を探る星間ミッションを続けている。約半世紀後の今も、はるか宇宙の彼方を秒速約17キロ(時速6万1198キロ)で遠ざかりつつ、地球へ観測データを送り続けている。



◎1年後、ボイジャー1号から受ける電波は1日前のもの
 ボイジャー1号の地球から距離が、今から1年後の2026年11月頃には「1光日」に到達する。1光日とは「光が1日に進む距離」のことだ。つまりその時に受信した信号は、実は1日前と古いものであり、その時現在のボイジャー1号がどうなっているのか誰も分からないという途方も無い超遠距離だ。
 つまりNASAのボイジャー管制が50年近くにわたってやりとりしてきた探査機との通信タイムラグが片道で24時間(往復でまる2日)を超えるのだ。光速は秒速29万9792キロ、時速は約10.8億キロというとてつもない速度であり、日常生活で我々がその速さを認識する機会はまずない。
 その光速でもまる1日かかるほどに遠くを航行し、現在も通信を維持している宇宙探査機はもちろんボイジャー1号が初めてとなる。ちなみにボイジャー1号は、1998年2月17日にやはり地球から遠ざかる軌道にあるパイオニア10号の距離を追い越し、それ以来「最も地球から遠い探査機」の座を維持している。

◎過酷な宇宙空間で半世紀近くの運用、各所にガタ
 ただ、その遠さを我々が認識できるのも、そう長いことではない。ボイジャー1号は48年以上もの長期運用のため、すでに各所にガタが来ているから、いつ交信を絶っても不思議はないのだ。
 ただ、その遠さを我々が認識できるのも、そう長いことではない。ボイジャー1号は過酷な宇宙空間で48年以上もの長期運用のため、すでに各所にガタが来ているから、いつ交信を絶っても不思議はないのだ。
 例えば23年11月に、送信されて来たデータが解読不能なまでに壊れているという事態が発生し、NASAは問題を回避して正常な運用を再開するまでにおよそ半年の期間を要した。また、今から1年ほど前には、長距離通信を担うXバンドの送信機が不具合を起こしてより電波強度の低いSバンドに切り替わってしまう問題も発生した。これは、システムへの供給電力低下を避けるためにヒーターをオフにした結果、それによってインターロックが動作したのが原因だった。ちなみにインターロックとは機器の誤操作防止や安全確保のための制御機構だ。

◎機器を働かせる電源の原子力電池の劣化が進行
 原子力電池は、半減期の長いプルトニウムの崩壊熱を電気に変換するもので、当初想定された運用年数を大幅に超えているため、原子力電池の発電力低下は避けることができない。例えば打ち上げした1977年当時470ワットを供給していた原子力電池の電力供給能力は、2025年時点で225ワットまで落ちている。
 そのため、NASAは少なくなりつつある電力を節約するため、ボイジャーが搭載する科学観測機器の電源を1つひとつ切りながら運用を続けてきた。

◎「対話」できるのはあと1年ほどか
 だがNASAの推測では、それでもボイジャー1号が通信を維持できるのはあと1年程度だそうだ。するとボイジャー1号が1光日の距離に到達するのが先か、電源が機能不足になるのが先か、となるが、それは分からない。それでもNASAは最後の日までしっかりと運用していく構えだ。
 ちなみに、いつか機能停止に陥ったとしても、ボイジャー1号はほぼ同時に打ち上げられた姉妹機のボイジャー2号ともども地球からますます遠ざかっていくことになる( =ボイジャー1号と2号の海王星以遠の道)。



 現在、ボイジャー1号は地球から約253億キロという超遠距離にあり、通信の信号が届くには片道でおよそ23時間半かかる。これが24時間になる、つまり1光日に達するのは2026年11月15日と予想されている。
 ボイジャー1号との対話が絶たれた後は、探査機が地球からの使者であることを示す暗号円盤( 写真 )を未知の地球外知性が拾い上げてくれるのを待つだけとなる。



昨年の今日の日記 :「初期ホモ属で始まった成長期の遅延、177万年前のジョージア、ドマニシのホモ・エレクトスで」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202412030000/





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Last updated  2025.12.03 02:29:13


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