** 長島便り **

2004/11/20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「新築アパートの悪夢」
毎度 毎度、長~い話を読んで下さって
本当にありがとうございます。


NYは寒い寒い冬になっていました。
ある日、同じ階の母子家庭母と、外科医夫婦が
「こんばんは~」と私の部屋をたずねて来ました。
外科医氏はなぜか上半身裸で。。。け、毛濃いっ。。。。!
そんなことはどうでもいいんですが、社交辞令の挨拶の後

「失礼ですが、お宅はガス代いくら払ってます?」と問われる。

実は2ヶ月に一度支払うガス代がちょっと高額過ぎており
と~っても気になっていたのです。
最初の請求書には契約費が込まれるので
多少高額になるのは理解できるのですが
その2ヵ月後も想像を絶する金額の請求書。

ちなみに数ヶ月前まで住んでいたヴァージニア州のアパートでは
ガス代が基本料金を超えたことが無かったのですが、
それがいきなりここへ来て10倍以上の金額。

アメリカの賃貸は家賃に「水道代」と「暖房費」は込み
の所が多いのですが、このアパートは「暖房費」は
テナントの実費。だからこんなに高いのかなと自分なりに

それに明細書に記載された平均使用量の棒グラフでは
私は平均値よりやや少なめ。ということは他の世帯は
もっと高額の支払いをしているんだな、と思っていたのです。

そんな話を母子家庭母さんと、外科医夫婦に話すと
口を揃えて「やっぱり、おかしい。。。。」


世帯の人口は 私≦母子家庭<外科医家族 なのに
請求金額は 外科医家族<私<母子家庭

そんな馬鹿な~!!!

だって、だって、外出時はセントラルヒーティングを
オフにしたり、オーブン料理もなるべくしないように
ものすごい節約してるのに~! 
逆に 外科医家族は子供2人がまだ小さいから
一日中暖房つけて、室内に洗濯用ガス乾燥機があって
毎日フル回転してるのに!

そこで外科医氏が皆に声をかけて、アパート全世帯
「明細書見せ合いっこ大会」を実施しました。

結果:全員一致で「絶対おかしい!」

外科医氏が代表してガス会社に電話。
ガス会社の返事は「いえ、メーターに間違いはありません」

外科医氏はアラブ人管理人に「ガスメーターがおかしい」と
連絡をするも「自分は大家じゃないから知らん」との事。
そこでユダヤ人大家に電話をすると「アラブ人に管理は
任せてある!」と相変わらずの責任転換。

そこで。。。

私たち住民は、携帯電話を持っている人達がリーダーになり
チームを作り「表のメーター見張り係り」と
「室内で暖房スイッチオン係り」に分かれました。

まず全世帯の暖房、お湯、ガスレンジ、乾燥機など
ガスを使うものをすべてスイッチオフ。
携帯電話で通話しながら、室内係りが1階の端の部屋から
順番に「今、○号室の暖房をオンにしました!」
その間、表のメーター係り達はメーターとにらめっこ。
そして「はい、○号室のメーターが動きました!」
と携帯電話で報告するのです。

その結果。。。なんと。。。

3A号室のガスを使うと1C号室のメーターが作動し、
2C号室のガスを使うと3B号室のメーターが作動。。。
そんな具合で ひっちゃか めっちゃか!
やっぱりね~、やっぱりね~!!!

翌日ガス会社の人に来てもらい、また住民が皆で
協力してメーターのBig messを修正してもらいました。
これって本来なら大家や管理人の仕事ですよねぇ。。。

このBig messの原因は「部屋番号のつけ方」にあるのです。
皆さん、部屋番号が「4B」と聞いたら何階のどこの部屋を
想像します?
私だったら「4階のB号室、つまり2軒目」を想像します。
でも、この大家の場合は違います「4B」は「1階の4件目」に
なるのです。え?分からないって?
こういう↓事です。

3階(Floor D)1D / 2D
2階(Floor C)1C / 2C / 3C / 4C
1階(Floor B)1B / 2B / 3B / 4B
地下(Floor A)1A / 2A / ランドリールーム

という部屋番号をつけていたのです。ややこしい~!
ガス屋さんもメーター取り付け時に混乱するはずです。

「2階の角部屋のお宅」は2Aじゃなくって
えっと、え~っとぉ。。。「1C」!みたいにしばらく考えないと
部屋番号が口に出てきません。

友人を家に呼ぶにも、「部屋番号は3Cだけど
3階じゃないからね、2階だから、いい?2階の3Cね、OK?」
と何度も念を押さないと、別のお宅に「おじゃましま~す」
なんてことになってしまうのです。
あ~、混乱するぅ。。。。

外科医氏はこの「ガスメーター事件」から
アパート内での問題に代表者として進んで
取り組んでくれる頼れる存在になります。
住民は大家や管理人ともめると、皆この外科医氏の
ドアをノックするようになります。
そしてなにより、チームワークによって住民に
硬い団結心が芽生えました。

それからまた数ヶ月が過ぎました。
しみじみと、自分の使った分のガス代を請求されるってステキ。。。
と感慨に浸っていたある日、

私は最上階に住むダフナという若い奥さんと
年が近くて仲良くしていました。
彼女はユダヤ人で、私は彼女にコーシャーフードや
シナゴーグとはいったい何ぞやを教えてもらったのでした。
彼女は流産した直後で、安静にしている必要があったため
私は早朝出勤で仕事から早く帰った日は、いつも彼女の
部屋に呼ばれてお茶をご馳走になりながらお喋りの相手をしたり
家事を手伝ったりしていました。

ちなみに彼女とご主人はこのアパートの最上階に住んでおり
その階には2世帯分しか家がなく、
間取りは4LDK+2bathroomsという大変贅沢な作り。
私の部屋は壁はドライウォールに白ペンキ仕上げでしたが
この世帯はシックな壁紙が貼られていました。

その日も私はダフナの部屋でお菓子を頂きながら
雑談していたのですが、ふとアパートの駐車場代の話に。
このアパートは、屋根付きガレージがあるわけでもなく
ただ建物の前にアスファルト舗装されたParking spaceが
あるだけでしたが「駐車場代」を家賃と共に支払っていました。

屋根も無いのに駐車場代に毎月$150は高すぎるよなぁ
と常々思っていた私に、ダフナの信じられないこの一言。
ダ:「駐車場、毎月$200は高いと思わない?」

私:「え?$200?$150じゃなかったっけ??」

払っている値段が違~う!!
♪なんでだろう~、なんでだろう~♪
なんで$50も違うの~?同じ条件なのに~??

さぁ、外科医氏の帰宅を待ってドアをノックしました。
外科医氏登場~!また。。。なんでいつも上半身裸なの?
相変わらず毛濃いねぇ。。。
(未だに彼の印象は、毛濃くて頼れる隣人)

ダフナ夫婦&私:「駐車場代が、かくかくしかじか なんです。」
外科医氏:「え。。。。。うちは$100しか払ってないんだけど。。。」

住民はまた勢ぞろいしました。
全世帯対抗「駐車場代暴露大会~!」
$100の世帯と、$150の世帯と、$200の世帯
に分かれました。
「よし、ユダヤ人大家を呼ぼう!」
「弁護士を立会人に立てたほうが良くないか?」
「今回はまだいいだろう」
「明日の夜8:00に大家を呼ぶ、皆集まれますか?」
全員:声を揃えて「もちろん!」

さぁ、一致団結した住民と大家の戦いが始まります。



今日、完結させたかったのに。。。。終わらないよ~。
ごめんなさい、次回に続きます。
本当にすみませ~ん。







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最終更新日  2004/11/23 12:37:38 PM


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