** 長島便り **

2008/03/24
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カテゴリ: カテゴリ未分類
我が家の4軒向こうに住む、リルおばあちゃんは84歳。

2年前までは、毎朝お化粧をしてドレスを着て
車を運転して、教会へ通うのを日課にしてました。

が、ある朝、隣のテリーおばさん宅に
リルおばあちゃんがやって来て
「教会に行ったら戸が全部閉まっていた」と言ったそうです。
時間は、なんと朝の6時でした。

それからしばらくして、

メイドさんとリルおばあちゃんは一緒に暮らすようになりました。

リルおばあちゃんは、教会へ行く日は無くなりましたが
毎日のお化粧を欠かす事はありませんでした。

昨年の春~夏頃まで、うちの双子が家の前を通りかかる度に
外へ出てきて双子の相手をしてくれておりました。



特に娘のことがお気に入りで
「ああ、食べちゃいたい」が口癖でした。

昨年の初秋、
いつものように双子がリルおばちゃんをみつけて
突進してゆき、リルおばあちゃんもいつものように
「ああ、食べちゃいたい」と双子の相手をしてくれました。

誰だか思い出せませんでした(涙)。

秋も深まり、木枯らしが吹く頃には
リルおばあちゃんが外に出てくる事がなくなりました。

今年の一月、帰省から戻ったワタシは
テリーおばさんに「リルがホスピスに入った」と聞きました。

もうこのまま会えないのかと、もどかしい思いをしていたら
リルおばあちゃんが、なんと、家に帰ってきました!

双子を連れて、お宅へお見舞いに行って来ました。
リルおばあちゃんは、
マリア像やキリスト像に囲まれたベッドに背を起こし
リビングに飾られた 自分や子供達の
結婚式の写真をじーっと見つめていました。

ベッドから起き上がることが出来なくなって
髪染めも、お化粧もしなくなったリルおばあちゃんですが
品のある美貌は相変わらずでした。

メイドさんが双子を交互に抱っこして
リルおばあちゃんに顔を見せてくれました。



ワタシのことも、双子のことも思い出せず、それでも
「この可愛い子達はどこの子なの?ああ、食べちゃいたい」
と言ったリルおばあちゃん、あっぱれ!

「どんな姿になってもいい、生きていて欲しい」
と勝手な事を思ってしまう自分を反省しつつ。。。
献身的に介護するフィリピン人のメイドさんに感謝。
メイドさんは出稼ぎで、フィリピンに残した夫と子供達とは
3年以上会ってないそうです。
これもまた、特筆に価するかと。。。







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最終更新日  2008/03/25 03:02:50 AM


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