ラ ッ キ ー ☆ マ ン

ラ ッ キ ー ☆ マ ン

私とあの子の天秤



あの子はあの子。

この事を塗り替える事はできないのです。




「お早う」


今日も私は6:00に起きます。

あの子はもっと早くに起きて朝のランニングです。

私は朝食を作って、あの子を待ち、両親を起こします。


「お父さん、お母さん、起きて下さい」


「…お前の起こし方、どうにかなんないのか?」


「敬語も…全く…あんたの起こし方はしっかりと目が覚めにくいのよ…
 花乃の起こし方はもっとスッキリ起きられるのに…
 あんたも花乃を見習いなさい…双子なのに…どうしてこうも違うのかしら…」


「…ごめんなさい」


今日も怒られて一日が始まります。

何故怒られないといけないのか…それはあの子と関係があるのです。

私は悲しい事に性格が明るい方とは言えません。それと比べあの子は明るく元気。

そんな根暗な私より元気で可愛らしいあの子の方が親も好きなのでしょう。

私だって家族なんですけどね。

私は両親にとってどんな存在なのでしょう?


「じゃあ、行って来ます」


「行って来まぁ~す♪」


「行ってらっしゃい、花乃」


「…」


私は今年度に入ってから一度もお母さんから「夏香」と呼ばれた事がない。

私にとって呼ばれた日は一日、一年のうち、一番嬉しい日なのです。

内容はやっぱり怒られることですけれど…ね。

怒られることには慣れました。なので 苦しくも 泣きたくなる事も もう無いんです。

今ではその負の感情の方を失ってしまいました。

あの子が怒られたトコロを私はあまり見た事がないです。

いつも褒められる…そんなあの子を羨ましいと思う事もなくなりました。

お母さんの怒りを受け入れる事が今私で一番大事なコミニケーションとなってしまったので…。

お父さんが私に話しかけてくる事は一切ないので今はお母さんのその言葉だけでも嬉しいのです。

私、狂ってるのでしょうか?

そんな事ありませんよね?

その話はまたにしましょう。

私とあの子はいつもこんな事で天秤にかけられるのです。

可哀想なのは私ではなくあの子です。哀れに思ってしまうのは私の心が荒んでるからでしょう。

こんな私と天秤にかけられるのですから…





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