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今日からベタの品種名解説は「ドラゴン系」に進む事にしましょう。「ドラゴン」とは今日の画像の個体のように、鱗の大部分を白銀色の金属光沢のある大きな輝点が覆っており、その有様が我々の想像する所の「龍の鱗」みたいな感じだから、と言う事で付けられたネーミングです。まぁ、なかなかナイスなネーミングセンスと言えるのではないでしょうか。 品種としての登場はずいぶん前になりますが、当初はレッド系つまりは「レッド・ドラゴン」のみでしたが、次々とドラゴン系品種の作出がなされ、「地色+ドラゴン」と言う品種名で親しまれています。チョット思いつく限りでも「ブラック・ドラゴン」「イエロー・ドラゴン」「オレンジ・ドラゴン」辺りが上げられます。 この系統の特徴はボディは地色一色に染まっており、その上にベカベカに輝くドラゴンスポットが並ぶといったものです。その証拠に何らかの拍子でドラゴンスポットのある鱗が剥離すると、ちゃんと地色が顔を覗かせます。 どちらかと言えばドラゴンスポットの存在は優美と言うよりは精悍なイメージなのか、ブラック・レッド辺りの方が、淡い配色のイエロー・オレンジよりも人気が高いようです。
2015/03/15
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前回紹介したアティソンおじさんのベタスターター(勝手に商品名付けるなって?)が予想外の健闘を見せた事により、哀れにも冒頭のベタ稚魚(ラベンダーバタフライのプラカット)達はこの餌の評価のための実験台となりました~(合掌)。今の所、予想外に嗜好性はまあまあですから、後は栄養価の問題でしょう。ただ、孵化したばかりのブラインに較べれば間違いなく嗜好性でも劣りますから、成長の度合いもやや遅くなるのは致し方ないかと思われます。問題なのは、主原料に記載されている穀物粉と植物性タンパク質が、動物食性のベタの成長にどの程度影響を及ぼすかと言う点でしょう。 せっかくなので、この稚魚達には毎日朝晩の2回ベタスターターのみ食べさせています。まぁ、2ヶ月もすれば成長率やその他の問題点が明らかになると思います。・・・こいつらがそれまで生きていればね(苦笑)。と言うのも、どうやら来週は極寒のイギリス出張が私を待っているようです。巨大な組織の傘から外れて独立してから一番大きなビジネスだけに、行かなきゃダメなのは誰よりも良く判ってます!・・・判ってはいるんですけどね~。イギリスなんて寒いし熱帯魚関連の面白グッズなさそうだし、ヴ~ッ!行きたくねぇ~!!(笑)現在やたらにワラワラいるベタ稚魚だって餓死しちゃうかもしれないし・・・。 ところで、ベタ(ショーベタやプラカットなどのスプレンデンス種)の初期餌料って何が良いのでしょうか?もちろん、孵化したてのブライン食べられるサイズならばそれで一件落着って事で・・・(笑)。でも、結構な数の方々がベタは初期餌料として孵化したてのブライン食べられないっておっしゃるんですよね~。我が家では、以前から摂餌を開始した直後のベタ稚魚には念のためインフゾリアを与え、翌日からブラインに切り替えと言うのが普通でした。もっとも個人的には、初日からブライン食べられると思ってますけど(笑)。 食べられないと言う見解の方の中で、孵化したてのブラインじゃなくて数時間経過しちゃったものを与えている人は論外!(笑)としても、いったいどうして人によって意見が分かれちゃうんでしょうか?理由は2通り考えられると思います。 第一に考えられるのが、生まれてきた稚魚のサイズが異なるケース。実はすごく意外なんですが、改良ベタって元はスプレンデンス種ですからみんな同じ種類のはずなのに、稚魚の大きさって微妙に違うんですよ。例えば、今我が家に存在する稚魚達の中でもブラック&プラチナ・マーブルのプラカットの稚魚はサイズが明らかに普通より小さいです。ブラインを食べられるようになるまで2日かかりました。このようなサイズの差が系統によるものなのか、それともメス(問題は明らかに卵のサイズにあるでしょうから)がまだ若いため、体内の卵も小さいと言う理由によるものなのかまでは判りませんが・・・。 第二の理由として考えられるのは、ブラインシュリンプ自体のサイズの違いです。どうも皆さんはブラインはブラインなんだからどれでも同じってお考えのようですが、実はブラインシュリンプって産地によってずいぶん休眠卵のサイズが異なります。以前はアルテミア・サリーナ1種と思われていたものも、暇な(笑)研究者によってずいぶん細分化されてますから種類による相違なのかもしれませんけどね。ブラインの卵の産地による評価は本当はその栄養組成などの見地から考えなくちゃいけないのでしょうが、まぁ趣味ですし(笑)少しでもサイズが小さい方が稚魚に与えるには有利ですから、その点だけで考えればブラインシュリンプエッグはベトナム産に限りますっ!!とにかく、サイズ的には最小の部類に入るのでベタ稚魚のようにブラインを食べられるか否かの分岐点に位置する稚魚の初期餌料としては最適です。唯一の問題があるとすれば、入手がやや困難であることと価格的にも割高である事が挙げられます。どんな魚の稚魚でも数日でビックリするほど成長しますから、最初の数日はベトナム産を使い、その後グレイソルトレイク産など安価で入手できるものに変えていくというのが賢い方法と言うものでしょう。 さて、稚魚用フードを語る上で避けて通れないのが、ベトナム産ブラインでも食べられない口の小さな稚魚には一体何を与えればよいのかと言う問題です。私の数少ない繁殖例の中でも例えばドワーフグーラミィ、卵生メダカの一部、ネオレビアス(テトラの一種)あたりはどう考えても初期餌料にブラインは無理です。さぁ~て、どうしたもんでしょう!一番無難なのは、この手の生きていく根性の希薄な(笑)魚種の繁殖には手を出さないと言う事であるのは間違いありません!君子危うきに近寄らずって訳です(例えが違うって?)。 しかし、このままこの問題を気が付かぬ振りで通り過ぎちゃっちゃさかなおやじの名が泣こうってもんですから、何とかしましょう!って言う訳で、次回からは孵化したてのブラインが食べられないサイズの稚魚の餌について考えて見ましょう!・・・ところで、2枚目の写真のおじさんですけど、これが噂の?アティソンおじさんです(笑)。ベタスターターのパッケージに小さく載ってたんですが、kenkouさんがどうしても見たいって言うものだから(爆笑)
2006/11/15
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今日のアップはオオミジンコ(Daphnia magna)です。ミジンコと言えば金魚の餌としか思っていない方が大部分だと思いますが、これでなかなか可愛いもんです(笑)。さかなおやじは大学院でこのミジンコをお友達として日夜研究に励んでおりました。 ミジンコは単細胞生物と思っている方も多いのですが、立派な多細胞です。しかも、エビやカニと同じ甲殻類なのですよ!CRSがここまで人気になるならば、ミジンコの地位ももう少し向上させたいものです(笑) ミジンコの仲間の最大の特徴は単為生殖する事です。つまり、メスの背中の中にある卵はその場で発生を開始し、母親の体内から出てきたときにはもう立派なミジンコなのです。しかも、オス要らず!メス1匹だけでジャンジャン子孫殖やせます(笑)。当然、生まれてくる子供たちもすべてメス。まさに、アマゾネス状態ですな。 しかし、ミジンコにオスがいないのかと言うとそうではありません。水質の悪化や水温の低下など環境が悪化すると、メスは息子達も産むようになります。そして、その後は他の生物同様にオスメスで受精卵を作り、休眠卵の形で産卵します。休眠卵はブラインシュリンプエッグ同様、乾燥や低温・高温に耐え環境が改善されると、卵からまたミジンコが孵化して来ると言うわけです。つまり、田んぼなどで見かけるミジンコは、冬になる前に休眠卵を産み、そのまま冬越しして初夏の頃再び孵化して来るというサイクルを繰り返すのです。 また、ミジンコは体が透明なので倍率の高いルーペや顕微鏡などで観察すると、心臓の鼓動まで見えるから子供の教育教材としては最適なはず・・・。しかも、良く観察すると大きな目やオールのような両腕(実際には鰓脚と言う)など結構キャラ的にもいい線行ってると思うのだが・・・ しかし、それならばなぜ人気がないっ!それはサイズが小さすぎるからでした(涙)。良く我々が見かけるミジンコはせいぜい2mm程度。これでも結構大きな方で、もっと可愛らしい外見のゾウミジンコ(ゾウのような鼻を持つ)やマルミジンコ(まんまる)などは体長1mm以下と極小サイズ。これでは人気も出るはずない訳ですな! ところが、こんなミジンコ達にも期待のホープがいるのだ!それが、今回紹介するオオミジンコで、何しろこ奴は体長が5mmに達すると言う超特大サイズ!どれくらい大きいかは、上の写真を見れば一目瞭然でしょう。一緒に写っているのはアジアンランプアイの稚魚(メダカの稚魚とほぼ同サイズ)ですが、ほぼ同等のサイズです。写真の個体はもちろんメスで、まさに「肝っ玉母さん」状態です。撮影途中にも、大きな両方の腕をぶんぶん振り回して近くにいたランプアイの稚魚を張り飛ばしておりました(爆笑) さあ、今日から皆さんもミジンコフリーク!特にお子さんをお持ちのお父さんお母さんは夏休みの宿題に「オオミジンコの観察日記」をお奨めします。それこそ、小さなコップやプリンカップで家族中が楽しめますよ。
2005/07/26
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今日のアップはバジスバジス(Badis badis)です。インドに棲息し、体長5cmくらいに達するバジスバジスは、人気のスカーレットジェムに近い魚です。最近では東南アジアで盛んに養殖されているのでかなりポピュラーな魚になってきました・・・よね?(笑) 実はこの魚は英名を「カメレオンフィッシュ」言います。なぜかって?それはこの魚が、カメレオンのように色彩をすばやく変化させることが出来るためだそうです。さかなおやじが子供の頃バイブルにしていた熱帯魚の書籍によれば、その色彩変化の見事さからアメリカではTVのコマーシャルに登場したとのエピソードが紹介されていました。 子供の頃そんな話を聞けば、興味津々となるのは当然でしょう。今のように、熱帯魚の情報も少なく一体どんな素晴しい魚なのか、子供心に頭の中のバジスバジスはどんどんと加速をつけて美化されていきました。そんなある日の事、当時小学生だったさかなおやじはついに発見しました。憧れのバジスを(笑)。それは家の近くのデパートにある熱帯魚売り場で売られていました。 もちろんすぐにでもゲットしたかったのですが、とても小学生の小遣いで購入できる様な金額ではありません。なんだか、外見は洗う前のジャガイモのようにあまり美しくはなかったのですが、これは環境に慣れていないからだろうと子供心に納得していました。何しろカメレオンフィッシュなのですから・・・2か月分の小遣いをためれば何とか1尾購入できそうなので、そうする事に決めたのですが、もしその間に売切れてしまったらどうしよう!それが心配で、来る日も来る日もさかなおやじはデパートの売り場に通い続けました。 そのうち、売り場のお兄さんともすっかり顔なじみになり「おっまた来たな!」と声をかけてくれるようになりました。そんなある日、いつものようにさかなおやじがバジスのいた水槽を除くと、なんと1尾もバジスがいません。売り場のお兄さんに訪ねると「先週の土曜日に全部売れちゃった」との話でした。ガビーン!あまりのショックに、地面にめり込みそうになったさかなおやじを見てショップの店員さんも可愛そうになったのでしょうか?「ぼうず!ちょっとこっち来てみな。ほら、この水槽に1尾だけ残ってるだろ。これは、バジスバジスが入荷した日に1尾だけここに入れといたんだ。ぼうずは毎日通って感心だから、これをやるよ!」「えっ、でもまだお金がたまらないんだ」「いいって、これはただであげるから大事に飼ってあげるんだよ」そういった、心温まるエピソードの後、念願のバジスはついにさかなおやじの物となったのでした。 ここだけみるとすごく良い話なんですが、その後さかなおやじのところに来たバジスはいくら精魂込めて世話しても少しも綺麗になりません!どこから見てもジャガイモのメイクイーンみたい(苦笑)。今にして思えば、多分メスだったような気がします(苦笑)。でも、デパートの売り場に行くたびに、店員さんから「坊主!バジス綺麗になったか?」と聞かれるので、そのたびに「うん!すごく綺麗だよっ!」と嘘をつくのが辛くて、次第にその売り場から足が遠のいてしまいました。 あの時の店員さんは、なんて薄情な子供だろと軽蔑したと思いますが、違うんですよぉ~!でも、あの時あんなにつくのが辛かった嘘を、今ではなんの良心の呵責もなくつけるなんて・・・あ~、中年になるって嫌だ嫌だ!(笑) そんな思い出深いバジスですが、正直言ってカメレオンフィッシュと言うほどには体色は変わりません(涙)。水質にはうるさくなく飼育は容易なのですが、餌はほとんどの場合生き餌や冷凍アカムシしか食べてくれません。また、水質が悪化するとマツカサ病に罹り易いようです。 最近では観賞用というよりは、水槽内の巻貝を食べてくれると言う事で飼育される事が多いようです。でも、少なくともさかなおやじのところでは期待するほど巻貝食べてくれませんけどね・・・ 繁殖も容易で、ペアは流木のウラや岩陰などに卵を産みつけ孵化まで卵を守ります。また、繁殖期になるとオスは写真のような赤とダークグレーの縞模様から、全身真っ黒に変わり各ヒレが美しいメタリックブルーに輝く、精悍で見応えのある魚に変身します。一回の産卵数は50個前後と少なく、口が小さいのではじめからブラインシュリンプを食べる事が出来ないのですが、孵化する稚魚の数が少ないのが逆に幸いして稚魚達は水槽内に自然発生したインフゾリアを食べて結構上手く育ってくれるものです。 飼ってみて楽しいし、飼育水槽で上手くすれば繁殖まで楽しめる良い魚ですけど・・・うーん、いまやスカーレットジェムがいるからな~。どちらかを選べって言われたら、スカーレットジェム勧めちゃうかも。Tデパートのあの時のお兄さん!ゴメン・・・(苦笑)
2005/09/02
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今日は以前にも一度紹介した事のあるエンペラーテトラ(Nematobrycon palmeri)の再登場です。このコロンビア産の気品あふれる小型カラシンにはいくつかのカラーバリエーションが認められますが、今日は以前紹介した個体とはやや色彩の異なる別バージョンの登場です。ちなみに、下の画像は以前紹介したタイプのエンペラーです。 色彩から言うと、今回紹介した個体の方がよりノーマルなタイプと言えるでしょう。両者は一方の体色がスカイブルーなのに対して他方はやや紫がかった色彩なので区別する事が出来ます。ワイルド個体が我が国に輸入される際に両タイプが混同されて輸入されてくる事はないので、おそらくは最低でも地域変異ぐらいの差はあるものと思われます。 また、自然下では地域的に隔離されているため交雑は起こりませんが、飼育下ではエンペラーテトラとレインボーテトラの交雑を行う事が出来、その時の子供の体色は今回紹介した2タイプのカラーバリエーションのうち下のほうのタイプに良く似ています。 カラシンに限らず野性採集個体にはこのようにカラーバリエーションが存在する事が多いので、より自分好みの個体をチョイスする楽しみがあります。その反面、養殖個体に較べて水質に敏感だったり価格が高めだったりと言う欠点があります。また、乱獲による環境破壊という批判も受けやすいので肩身の狭い思いをすると言うマイナスポイントもあるし・・・ どちらを選ぶかはもちろん飼育者の判断に任されているのですが、数年前からヨーロッパ辺りでは野性採集個体の商業的輸入禁止に関する動きが少しずつ広まっているようです。もっとも、ヨーロッパでは多くの魚が野生採集魚と遜色ないレベルでブリーディングできる技術が培われていますので、何とかなるでしょうね。ただ、我が国ではまだまだ熱帯魚の繁殖と言う分野では未開発の部分が多すぎて、万が一野生採集魚の輸入禁止にでもなった日には熱帯魚ショップの水槽の中ガラガラになっちゃう可能性が高そうです。
2006/02/06
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今日のアップはホエール・エレファント(Pollimyrus sp.)です。アフリカに生息するエレファントノーズの仲間ですが非常に大きなグループなので、正確な分類はわかりません。と言うより、研究者も含め我が国でこの魚の近縁種を完全に識別できる人は皆無かと・・・エレファントノーズの仲間の中には、体長が50cmを楽々オーバーし、性格がきつくて他の魚と一緒にしちゃダメっ!みたいな奴も沢山いますが、この手の鼻先が丸いタイプはほとんどが体長10cm未満で性格も温和と言うよりは臆病な連中です。 ただ、性格が温和と言ってもこれはあくまでも他の種類に対してなので、同種間では少し小競り合いしますけどね。比較的丈夫な魚なのですが、何故か水中の重金属や化学薬品にはものすごく敏感です。したがって、飼育の際にはきちんと重金属中和剤使ったほうが無難です。この魚を飼育するにあたっての最大のポイントは餌でしょう。まったくと言ってよいほど人工餌食べません(苦笑)。ここは一つ彼らのために冷凍アカムシを奮発してやる事にしましょう! また、基本的にこいつらは夜行性です。深夜何かの機会に水槽も部屋の明かりも消灯してから懐中電灯で水槽の中を覗くと、日中の彼らからは想像も出来ないくらいに活発に活動しているのが観察できるでしょう。・・・えっ?普通の人間は深夜に懐中電灯で水槽観察なんてしないって??おっしゃるとおりです(笑)。ところで、なぜ彼らは深夜にこれほど活発に動き回る事が出来るのでしょうか?実は、エレファントノーズの仲間は、非常に弱い電流を体内発電し、周囲に流しているのです。デンキウナギやデンキナマズのように、水槽内に手を入れると全身がしびれるような深い感動を覚えるような訳にはいきませんが(笑)、とにかく彼らだってデンキ魚なんです。まぁ、一種のレーダーを体内に保有しているようなもので、このおかげで真っ暗闇でも障害物や餌の存在を的確に察知できるんです。 しかし、この魚の名称も素晴しいものです(笑)。ホエール・エレファントって一体何語??直訳すると「鯨象」、つまり「エレファントノーズの仲間なんだけど、外見が鯨っぽいしぃ~」という事なんだと思うんですけど・・・。この魚がエレファントノーズと言う魚の近縁だと言うことを知らない人にとっては、ホワァ~イ?なネーミングですよね。せっかく可愛らしい魚なんですから、もう少しきちんと名前付けてやればいいのに。 ところで、ホエール・エレファントってイルカにそっくりだと思いません?特にスナメリとかベルーガあたりに。他にも、マイルカやバンドウイルカにそっくりな奴とか、皆さんも御存知のエレファントノーズが異常に伸びちゃってそれこそ化け物のように長い(笑)鼻ぶら下げた奴とか、下顎が飛び出ちゃって、何故か極端な受け口だとか、とにかくこのグループの魚は個性的です。ホエールウォッチングやイルカウォッチングに行きたいけど、お金も暇もないっ!と言う方は、この仲間なら水槽内でウォッチング楽しめます。最近では価格もすごく安くなってるし・・・。さぁ、皆さんもおうちでイルカ飼おうじゃありませんか!
2006/01/13
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通称:ボララス・ブリジッタエ学名:Boraras brigittae (Vogt,1978)体長:1.5cm分布:カリマンタン(ボルネオ島のインドネシア領)飼育:★★(普通)繁殖:???(未経験) 今日はボララスグループの第二段として、ボララス・ブリジッタエの登場です。ショップではブリギッタエとして売られている事もあり、研究者でない限り学名の日本語読みなんてある程度勝手でも構わないと思いますが、この魚はBrigitt女史に捧げられた名前と言う事で人の名前と言う観点から言えば、ブリジッタエの方がしっくり来ます。 昨日のメラーに負けず劣らず小さな魚で、体長はまず1.5cmを超える事はありません。ちなみに以前も書きましたが、体長と言う場合尾鰭の長さは含みませんのでお間違えのないように(笑)。このボララスの最大の特徴はなんと言っても濃紅色の鮮やかな体色にあると言えるでしょう。現在5種が知られるボララス属の中で最も鮮やかなだけでなく、数ある熱帯魚の中でもここまで濃紅色に染まる魚はそうはいません。とりあえず、何かボララス飼ってみようとお考えの方には躊躇無くこのブリジッタエをお薦めします。 メラー同様、塩素中和しただけの水道水でも飼育は可能ですがやはりここまでの体色を目のあたりにしたいのであれば、ピートやブラックウォーターエキスの使用はかかせません。ただ、ピートに較べると若干効果は落ちますが、ソイル系の底砂を使用した弱酸性の軟水であればかなり綺麗な色を引き出す事が出来ます。こちらならば、水に色がつきませんしね。 餌もサイズさえ適していれば人工餌を好んで食べますし、非常に温和なので同居させた他の魚に被害が出る事もありません。もちろん、ラスボラの仲間ですから水草を齧るなんて悪癖もありません。このブリジッタエは、まさに20cm前後のキューブ水槽の主役にふさわしい観賞魚なのではないでしょうか。 これだけ美しくて、ショップではせいぜい200円前後で購入できるんですから嬉しい限りです。雌雄の判別も何とか可能で、オスはメスよりも一回り体が小さい代わりに色彩は強烈です。もっとも、このブリジッタエならばメスとても十分美麗魚の範疇に入ります。残念ながら、さかなおやじの温室では未だこの魚のブリーディングを行っていないのではっきりとした事は言えませんが、他のボララス同様ウィローモスなどの水草の茂みに産卵するものと思われます。 最近では輸入量も増大し、かなり入手しやすい魚になりつつあるのは嬉しい事ですが、反面現時点で扱われている個体の100%が現地採集個体である事を考えると、チョット採りすぎじゃないか?と心配になります。どう考えても、繁殖力が旺盛とは思えませんから・・・。せっかく入手する方は、そのあたりを考えて大事に飼育してあげてください。普通に飼育していれば最低でも2~3年生きてくれますから。 それにしても、ボララスの仲間はどれも極小サイズなので撮影は実に困難です。私のデジカメ(一眼レフではありません)の能力の限界値ぎりぎりのボーダーラインと見えて、撮影した画像はほとんど使い物になりません(涙)。ちくしょ~、こんなグループ紹介するんじゃなかった!って悔やんでも後の祭りですね(苦笑) ところで、かなり義務感につぶされそうになって来ましたが(笑)本日もブログランキングに参加してます。よろしければご協力のほどお願いいたします。合言葉はぁ~?熱帯魚のブログが犬猫のブログ蹴散らしたっていいじゃん
2006/04/22
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今日は、魚じゃなくて餌の方を紹介しましょう。皆さんはマイクロワームと言う餌を御存知でしょうか?マイクロワームは体長2mm前後の極小さなワーム(読んで字の如し)で、ブランシュリンプと同じように孵化したての稚魚の餌に適しています。もっとも、ショップで市販されているようなものではないので通常は自家培養する事になります。 先日、友人と話していた時に「熱帯魚の繁殖楽しんでると、孵化した稚魚が摂餌を開始した直後の数日間、ブラインを食べられない種類がいるから大変だ」と話しました。そう言った極小の稚魚の場合、我が家では自家培養のインフゾリアを与えるのですが、この培養液の臭いのなんのって・・・。まるでメタンガスの発生したドブをさらっているような気分になれること請け合いです(苦笑)。そんな事を話していると友人が「それなら、俺のところにいるマイクロワーム分けてやるよ!」と言ってくれました。 マイクロワームは、前述のとおりミクロサイズで稚魚の餌としてはちょうどいいサイズです。しかも、体が非常に細いため孵化したてのブラインが口に入らない「おちょぼ口」の稚魚も、うどんか蕎麦をツルツルと飲み込むようにマイクロワームなら食べる事が出来るのです。そんなありがたい申し出をこのさかなおやじが断るはずもなく、マイクロワームは無事に我が家の温室に届いたのでした。マイクロワームは友人宅から封筒に入れて送られてきたのですが、その容器の小さい事!あまりの小ささに、親友ながら「こいつ、ドケチ?」とか疑っちゃいました(笑)。 マイクロワームは、魚の人工餌にドライイーストを少々混ぜた培養地で育てます。培養地の材料を適量、プラ容器に入れて水を加え「グチャグチャ状態」にしたところに、ほんのチョットしか送られてこなかったマイクロワームの種を入れました。こんなにチョットで、きちんと殖えてくれるんだろうか?心配性のさかなおやじは、不安で夜も練れない毎日を過ごしました(笑)。 しか~し!そんな心配はまったく無用だったのです。マイクロワームは、日に日に増殖・・・いや爆殖を続け、見る見るうちに容器一杯になってくれました。トップの画像は、静止画像なんで不気味さが伝わりませんが実際には、培養地の表面が盛り上がるほどの凄い数のマイクロワームが蠢いています。冗談抜きで、表面がゾワゾワと波打つほどの量です。これだけ不気味な光景は、ホラー映画も真っ青な迫力と言えるでしょう(苦笑)。 稚魚に与える時は、ゾワゾワと蠢く培養地の表面を少量割り箸の先などで掬いとって水に溶き、それを水槽内に投与します。水中でもマイクロワームは、激しく体をくねらせて蠢くので、稚魚達の食欲をそそるのか稚魚達は夢中になって食べてくれます。そう!マイクロワームは非常に素晴しい稚魚用の生き餌だったのです。 これで、悪臭さえなければね・・・。マイクロワームの培養地は、日に日に素晴しい芳香を放ち始めます。この芳香のかぐわしいことったらありゃしない!(笑)。40数年、堕落した人生過ごしてきたこの中年おやじも、経験した事のないほどの素晴しい香りです。友人からは、マイクロワームに通気するため容器は密閉しちゃダメ!と言われてますが、はっきり言って無理です(笑)。中のマイクロワームがどうなろうと、自分の生命の危機に較べればどうという事もありません。もちろん、容器はぴったりと密閉し、一日に一度だけ、庭に出て鼻を摘みながら容器の蓋を開け、酸素の補給をしてます。 もし、万が一培養容器が床に落ちて中身がこぼれ出たりしたら、私は躊躇なく家を捨てるね!(笑)。そして、1年間くらいは旅に出て、温室には戻りません。と言うより、入りたくても入れない状態になると思う。ここではっきり断言しておきますが「マイクロワームの培養地の臭いは、世界3大悪臭の一つに絶対入る!」。今となっては、友人が極少量しか送ってこなかった気持ちがよく理解できます。やっぱり、あいつは良い男だったんだなぁ~!・・・でも冷静になって考えてみると、その前にマイクロワームの培養地の悪臭について、一言レクチャーあってしかるべしだったような気もします(笑)。 皆さんも、「世界3大悪臭」のひとつを自宅にいながらにして経験して見たくはありませんか?今までの、ぬるま湯のような甘ったれた人生観が180度変わっちゃうほどの強烈なインパクトですよぉ~♪77777番をヒットした日本人2005さん!ベタの初期餌料にお一ついかがでしょう?少なくとも餌としては非常に優秀ですし、孵化したてのブラインよりも半日くらい前からベタ稚魚が摂餌開始できるので、歩留まりが全然違いますよ!
2005/12/14
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今日は久々にベタの稚魚の画像をアップします。写真の稚魚達が産まれたのが6月26日で、写真撮影したのが7月20日だから、孵化後24日目の稚魚達と言う事になります。一応、ブログでも紹介したソリッドレッドSTのショーベタのペアから採った子供達なので、みなさん白っぽい体色です。 以前のブログで紹介した様に、さかなおやじの所では一つの水槽に2ペア分の卵を集めちゃいますので、今あるベタ稚魚育成用水槽(36cm水槽×12本)はすべて写真のようにベタ稚魚でワラワラです(笑)。おそらく、一つの水槽あたり300尾以上の稚魚が収容されているはずで、たとえフィルター(スドーのブリーディングフィルターM)を稼動させていたとしても、毎週1/2程度の水換えはサボれません。もっとも、この頃になると稚魚達も丈夫なので塩素中和した水道水でダバダバ水交換しても大丈夫です。 この時期の稚魚達にはまだ孵化したてのブラインシュリンプしか与えていませんが、生後45日位からはブラインシュリンプと併用して自家製ベタ用ハンバーグを使います。これは、ビーフハート・淡水エビの剥き身・ビール酵母などを適量混ぜ合わせてミンチし冷蔵しておくもので、稚魚達に与える直前に、おろし金で凍ったままのハンバーグをすりおろして与えます。 何故、このような事をするかと言えば「長期にわたってブラインのみを与え続けた稚魚は、ベリースライダー(水底を這い回るようにしか泳げない)になりやすい」と言われているからです。ブラインシュリンプには不飽和脂肪酸がほとんど含有されていないため、海水魚などではブラインの長期使用が奇形の発生率を高める事は確認されていますが、淡水魚であるベタではどうなのかはっきりとは判っていません。ただ、どちらにせよ長期間にわたって同じ餌だけを与え続ける事は、栄養の偏りを招く事だけは確かだと思います。 ハンバーグを食べ始めた稚魚の成長は驚くほど早く、生後3ヶ月ほどでオスは隔離飼育を始められます。この時点で、ハンバーグの使用はやめ冷凍アカムシ主体のメニューに切り替えます。そして、生後4~5ヶ月でコンテストレベルのヒレまで育て上げる事が可能です。 のはずなんですが「うーん、今回は成長が遅い!」。原因は判っているのです。仕事から帰ってくるのが結構遅くなったり、土日も出勤したりで稚魚達に十分な餌を与える事が出来ていないのです。本来であれば、朝夜2回与えるはずのブラインも、朝1回だけと言う事が頻繁です。このままだと、ベタ用ハンバーグ与えはじめるのは生後60日位からにずれ込みそうですな。 社長をはじめ、わが社の連中はこのブログ見るようになったんでしょうか?(笑)。もし見てるなら、もう少し私の所に持ち込む仕事の量減らして欲しいものです。本来の部署や担当すべき仕事にはお構いなく、会社で発生したイレギュラーな出来事(つまり、予期せぬトラブルですな)をすべてさかなおやじのところに持ち込むのはやめましょう。 確かに、外見上はトラブルバスターっぽい、タフな感じがするかもしれませんが、これで結構デリケートなんだぞ(笑)「ベタ稚魚の成長遅れてるのはすべて君たちのせいなんだよっ!」少しは反省しろよな。
2005/07/23
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さて、お見合いさせた(笑)ペアの相性が余程悪いかもしくはオスが余程繁殖に適さない状態でない限り、オス親は水面に一生懸命泡巣を作り始めるはずです。水面に何か浮かんだ物体があればそこを中心に、何もない状態ならばガラス面の縁辺りに作るはずです。ちなみに、以前紹介したスチロール板を浮かしてあれば、ほぼ確実にその下に泡巣を作ってくれることでしょう。 もっとも、この画像ではスチロール板ではなく、水草を浮かせて使っています。「何だよ、薦めておいて自分は使って無いじゃん!」って突っ込まないでね(笑)。横からストロボを使うのではなく上から光を当てて撮影する私の撮影方法だと、スチロール板が光を遮ってしまい、下に位置するオス親や泡巣を上手く撮影できない為のものですので・・・。 泡巣のボリュームはオスによって千差万別で、盛り上がるほど大きな泡巣を作る個体から、ほとんど泡が認められない貧弱な泡巣で済ませる無精者までいます。泡は粘着性のあるツバ(正確に言うとツバじゃありませんけど)と混ぜ合わせて作るので長時間割れる事無く維持されるような仕組みになってます。 泡巣が完成すると・・・と言うか、オス親がそう判断するしばしばメスの方に出向き、周囲をクネクネとダンスをしながらメスを誘う素振りが多発します。この状態になったらいよいよメスを隔離した容器から水槽内に導入しましょう。この時期になると通常であれば、水槽内に放たれたメスに対して、オスはそれほど執拗な攻撃はしなくなっている筈です。
2008/11/26
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今日のアップはクラウンキリー(Pseudoepiplatys annulatus)です。クラウンキリーは西アフリカのシエラレオーネ周辺に分布する体長3cm前後の小型の卵生メダカですが、写真を見ていただければお判りのように、非常に美しくこれぞ「小型美魚の王道」とでも言えそうな魚です。ちなみに、クラウンとは王冠(Crown)の方ではなく道化師(Clown)の意味で、おそらくは体の黒白の縞模様や、ヒレの鮮やかな模様を道化師に見立てたのでしょう。 以前は結構レアな魚でしたが、最近では養殖も盛んで比較的手に入れやすい価格に落ち着いてきているのは喜ばしい事です。水質の悪化には敏感ですが、それ以外は意外と飼育しやすい魚で、餌も口に入るサイズならば人工餌も食べてくれます。また、イトミミズを長期間にわたって与え続けると、体色もぼやけ肥満した個体になってしまうので、イトミミズは与えない方が無難でしょう。性格は温和でサイズも小さいため、同居させる魚の選択には十分配慮してください。 この魚の魅力を最大限に引き出したいのであれば、水草を繁茂させた小型水槽にクラウンキリーだけ、もしくは底モノとしてオトシンやビーシュリンプと同居させて飼育するのが良いと思います。また、単独で飼育しても十分その美しさを堪能できる魚だと思います。 上の写真はクラウンキリーのオスです。オスは尾鰭がスペード状になっていて(写真では、ちょうど折れ曲がっていてスペードの先端部分が見えない)、しかも各ヒレには鮮やかな色彩があります。下の写真はメスの個体ですが、写真を見ていただければお判りのように、尾ビレや他のヒレが透明なのでオスメスは容易に判別できるはずです。ただ、若魚の内はオスも各ヒレが無色なので、ペアが欲しい時は十分に観察してください。なぜか、ショップで販売されている時はオスの比率が多いような気がします。別に、生産者が他でブリーディングされるのを防ぐためメスの放出をガードしているとは思えないので、単なる性比の偏りだと思われます。 1ペア以上のクラウンキリーを水草の繁茂した水槽で単独飼育していれば、繁殖も十分可能です。産卵はメダカに近いものがあって、水草の茂みなどにペアで卵を産み付けて行きます。産卵された卵は、水温にもよりますが10日から1週間くらいで孵化します。この魚、産卵までは簡単なのですがなにぶんサイズがサイズなため、稚魚の育成には苦労します。稚魚に与える最初の餌として孵化したてのブラインなんてとんでもないと言った大きさなのです。イメージとしては、人間の赤ん坊の目の前に仔ブタの丸焼きを丸々1頭ドーンと放り投げたようなものでしょうか(笑) しかし、この時期ならではの簡単な繁殖方法があるのです。それは、家の屋外で直射日光の当たらない(水温の上昇しない)場所に小型水槽やチョット大き目のバケツを設置し、その中でクラウンキリーのペアを飼育するのです。水面には稚魚の隠れ家として、ホテイアオイやボタンウキクサを浮かべておきます。1ペアか2ペアであれば、水もほとんど汚さないのでフィルターやエアレーションもなくても大丈夫です。水換えもシーズン中必要ないはずです。餌も成魚、稚魚ともに水槽内に自然発生したプランクトンやボウフラを「食べるので、いちいちあげなくても大丈夫!こんな状況で、秋風が吹き始めた頃設置した水槽の中をよ~く調べると・・・。結構稚魚がいるもんです。それでも、うまく行けば10~20尾くらいの稚魚は得る事が出来ます。 さかなおやじの所では、毎年この方式で夏から秋までに稚魚を得て、その稚魚を来年の夏の種親として・・・。と言うやり方で、ここ3年ほどクラウンキリーを維持しています。ほ~ら、この記事を読んでいるそこのあなたっ!今から屋外に水槽かバケツセットすれば、今年の冬頃には室内にセットされた美しい水草レイアウト水槽の中で道化師達の華麗なショーを存分に楽しむ事が出来ますゾ!
2005/07/19
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今日のアップはトランスルーセント・グラスキャット(Kryptopterus bicirrhis)と言うタイからマレーシア、インドネシアにかけて棲息する体長10cmほどのナマズ。もっとも、ショップで見かけるのは体長5cm前後の個体で、それ以上のものはめったに見かけません。今のところ100%採集個体なので、現地で余り大きな個体は日本には不向きという事で選別しているのかも。確かに、10cmオーバーのこのナマズを買おうって人はあまりいないかも?(笑) なんと言ってもこのナマズの最大の売りは透明なボディ!数ある魚の中でも、体の透明度では有数のこのナマズは、今回紹介した画像でもバックの水草が完全に透けて見えてます。本来であれば、この手の魚は結構苦手系のはずの私も、この透明感のせいかトランスルーセント・グラスキャットは嫌いじゃありません。ただ、この仲間のインドネシアン・グラスキャットのようにボディが褐色になっただけでもうダメです(笑)。あの長いひげが、フナ虫やゴキブリを連想させて・・・ その特異な外見から結構人気も高く、大量に東南アジアから採集個体が輸入されてきます。また、最近ではグラスフィッシュ同様体内に蛍光塗料を注入したカラーグラスキャットなるものも出回るようになりました。こちらは個人的にはあまり好きではありませんが、確かに一種独得の人工美って感じもします。 飼育書などでは丈夫で温和と書いてありますが、所詮ナマズはナマズ!長いヒゲに触れてなんとなく食べられそうな大きさと彼らが判断した(ナマズの判断力ですから)物はとりあえずすごいスピードで口の中にかっ込みます(笑)。したがって、口に入るサイズの小魚やビーシュリンプなどは間違いなく餌食になりますな。もっとも、確かに性格は温和なのでサイズさえ配慮すれば他の魚に危害を加える事無くうまくやって行きます。 水質は特に極端なものでなければ何でもOKです。餌は上記のような性質ですから口にさえ入れば何でも食べますが、冷凍アカムシやイトミミズ辺りが大好物です。普段は物陰に隠れてヘロヘロ泳ぎをしている彼らが、アカムシの匂いが水槽内に立ち込めるや否や猛然と開けた明るい場所にダッシュしてきて狂ったように右往左往しながら餌を探すのを見ると、ああこいつらもやっぱりナマズなんだなと変に実感してしまいます(苦笑) そんなトランスルーセント・グラスキャットのしらざれるもう一つの特徴は「頭のてっぺんに毛が一本ピヨ~ンと生えている事!」(爆笑)。もちろん、実際には頭髪ではなく背ビレが退化して痕跡的になってるだけなんですけど、とにかくこのナマズの背中には一本だけ毛のように背ビレが生えてます。よっぽど注意してみないと発見できないほど痕跡的ですけど・・・その有様は、まさにサザエさんの波平状態!(笑)とでも申しましょうか。そんな波平ナマズの命より大事?な背ビレですが輸送の途中にもげてしまうのか欠損した個体もよく見かけます。これが本物の波平だったら死活問題なのかもしれませんが(笑)、トランスルーセント・グラスキャットにとっては別にどうという事もないらしくて平然としております。 そう言えば、私が学生の頃通学に使っていた最寄り駅は日本でも有数の混雑で知られる都内の某駅だったのです。どれくらい混むかというと、電車の改札に入るために整列するほどで、まるでTDLの人気アトラクション並みでした(苦笑)。当然朝のラッシュ時などは電車の中はギュウギュウの箱詰め状態!乗客を無理やり押し込むためのおしくら饅頭専用駅員が各ドアの傍にスタンバイしてたほどですから。当時中学生で、背も低かった私などは周りの人間に押されて体が宙に浮いた状態(つまりはおしくら饅頭の中心部で足が地面から完全に離れているんです)で目的の駅まで行く事が常でした。内部の人間の圧力で?電車の乗降口のガラス窓が割れると言う事もたまにありましたね~。 ある日の事です。そんな殺人電車に乗ろうとアトラクションの整列をクリアし、やっと列の最前列(つまり乗降口の前)まで進んできて「さぁ、次の電車にやっと乗れるぞ!」っと考えているとホームに電車が入ってきました。目の前に自分が乗り込むべき乗降口が停止した時、入り口のドアに変なもの見つけました。なにかがドアに挟まっているのです。・・・って良く見ると人の髪の毛じゃありませんか。きっと、前の駅で無理やり押し込まれちゃった時に頭の毛の部分だけ外に忘れちゃったんだろうと考えるのが普通ですよね。でも、まもなくドアが開くととんでもない事が判明したのです!なんと、電車の中にいるはずの頭髪の持ち主がいないんです。 ドアが開くと、その物体(笑)はポトリと下に落ちました。そうなんです!それは1個のカツラじゃありませんか(爆笑)。普段はみんなむっとした顔で殺気だった駅の構内で、その一角だけ乗客の爆笑が響いてました。グラスキャットの波平ヘアを書いていたら急にその時の事を思い出してしまいました。あの時カツラの持ち主はどこにいたんでしょうね?さすがに、あの状況でカツラを取りに公衆の面前で名乗りを上げる勇気がなかったのでしょう。その場では持ち主はわかりませんでした。普段は無愛想で張り倒してやりたくなる、旧国鉄職員もその時ばかりは、その忘れ物(落し物か?)を手に笑いながら持ち主探してました。それにしても、あの持ち主はその後のどうしているのでしょうか?あまり幸せな人生送ってない気がします・・・
2006/01/27
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さて、ペアの相性が余程悪くなければ早くて数時間後、遅くとも1日後くらいには産卵行動が見られるはずです。まぁ、ベタマニアにとっては見慣れた風景なんでしょうが、初めて見る方にはかなり感動的なシーンだと思います。もっとも、日中仕事や学業などで家を空けなくてはならない方々は、なかな実際の産卵現場を目撃するのは結構難しいかもしれません。 泡巣の下でオスがメスに巻きつくようにして産卵を促し、放卵・受精後に2尾共に一種の気絶状態になって水底に沈んでいきます。この時、いち早く夢?から醒めたオスは急いでゆっくりと水底に沈む卵を口で拾い集めて、泡巣の中に吹きつけるようにして集めていきます。しかし、オスにも個体差があるようでメスよりも目覚めるのが遅く、水底にグッタリしている間に先に目覚めたメスに卵をパクパク食べられちゃう奴もいます。ひどい奴になると、自分が真っ先に卵を食べてしまうひどい父親もいたりして・・・。 上記のような行動を何回も繰り返して、最終的には100-数百個の卵が産み付けられます。この後オス親は御存知のように泡巣の下で、我が子が孵化して来るまで頑張りますがメス親は無関心、と言うよりは単に卵の捕食者でしかありませんから(苦笑)、ある程度の時期でメス親は産卵水槽から取り出しておいた方が無難です。 オス親はこの後孵化した稚魚が自由遊泳を始めるまで、卵や稚魚の保護をしてくれますが、夜間に全ての照明が消されてしまうとさすがに眠ってしまうのか、その間に卵が泡巣からこぼれ落ちても放置したままになってしまいます。そのため、我が家では産卵後稚児が孵化するまでの間、室内灯は消灯せずに24時間態勢でオス親にはセコムしてもらいます。人間なら労働基準法違反とかに相当する行為も相手がベタならね~(笑)。また、オス親にとっても1日や2日の徹夜なんて、別になんでもないようで平然としてます。
2008/11/29
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シーモンキーの飼い方?ブラインシュリンプその3 さてさて、皆さんの中にわざわざブラインシュリンプ育ててシーモンキー飼育を楽しみたいと言う方がいるかどうかは別として、今回は普段は孵化した途端に餌と化してしまう哀れなブラインシュリンプの飼い方講座ぁ~♪ ブラインシュリンプ、つまりアルテミア・サリーナ(Artemia salina)を孵化させる方法は前回紹介したのでその通りにすればよいとして、ここでいくつかのポイントがあります。まず、塩分濃度ですが餌として用いる時は2~3%程度の食塩OKと書きましたが、不思議な事に塩分濃度は薄めの方が稚エビ(正確にはノープリウス幼生)は早く孵化するようです。ところが、そのまま育成をしたいのであれば塩分濃度は濃い目にしておいた方が良い結果が出ます。なぜそうなるのかはよく判りませんが、とにかくシーモンキー飼育を楽しみたいのであれば、はじめから水1リットルあたり35g程度の粗塩を溶かしておく事をお薦めします。 それと、飼育するのであれば、大量の稚エビを孵化させる必要はありません。逆に、あまり大量の稚エビが一度に孵化すると、酸欠や水質の悪化で1~2日程度で全滅しちゃいます。1リットルのボトルで飼育するのなら50匹も孵化してくれれば十分です。また、極少量を孵化させるので、エアレーションなども必要ありません。さらに、一刻も早く大きくしたいっ!と言うのでなければ水温も20℃以下でも大丈夫! 孵化させる事自体は餌用に用いている時と同じなので問題ないとして、最大のポイントはブラインシュリンプの餌でしょう。自然界ではこいつらは水中に漂う植物プランクトンを摂取しています。したがって、飼育水の中にこのような植物プランクトンが発生していれば申し分ないのですが、特にセットしたばかりの水槽ではその期待も出来ません。そのような時には、人間様用のクロレラの錠剤を細かくすりつぶして、極少量を与えてください。また、本格的にやらない時がすまないっ!って言う方には、養殖用餌料を扱っている業者から生クロレラを購入する事も出来ます。こちらは、はじめからブラインシュリンプやワムシ、ミジンコの育成用とうたっており、1ヶ月程度であれば冷蔵保存も可能です。・・・ただ、問題なのはあくまでも業務用なので、容器が馬鹿でかい事です。うっかり、冷蔵庫にでも保管しておくと青汁と間違えて、飲んじゃう家族もいるかもしれません(笑)。まぁ、飲んだって体に毒って事はないですけどね。 我が国では、ブラインシュリンプを大きくしようって言う殊勝な奴はあまりいないのか(笑)販売されていませんが、さすが観賞魚先進国のヨーロッパではちゃんとブラインシュリンプのための餌が販売されています。2番目の画像の商品はその一つで、おそらくはクロレラかスピルリナの粉末が主成分なのでしょう。エライッって感心すべきなのか、暇だね~ってあきれるべきなんでしょうか??うーん・・・(笑) ところで、最近海水魚の繁殖を楽しむハイレベルのマリンアクアリストの中には、ブラインシュリンプに高度不飽和脂肪酸を含有した粉末を食べさせて、それを海水魚の餌にする人がいます。これは、ブラインシュリンプや人工餌では不足しがちな海水魚の必須脂肪酸を強制添加するために、ブラインシュリンプを動くカプセルとして使っている訳です。ただ、このパウダーはあくまでも海水魚に必要な栄養を補給するための添加剤なので、ブラインを飼育するんだい!って言う方は、わざわざここまでのものをそろえる必要はありません。クロレラの粉末で十分用が足ります。 水温や栄養状態によりますが、孵化後3~4週間もすれば、ブラインシュリンプは冒頭の写真の如く、なつかしのシーモンキ~に大変身してくれます。でも、改めてよく観察してみると別に可愛くもなんともない気がします。こうして、子供の頃の夢がまた一つ儚く消えていくんですね~(涙) それと、ついでですがブラインシュリンプの雌雄は、成体の頭部を見れば一目瞭然です。鼻?がゾウみたいに肥大化してる見るからに化け物っぽい奴がオス、比較的控えめな頭の形状なので少しはまともな生き物に見えるのがメスです。
2006/10/10
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ベタの品種の中で、もっとも改良品種としての完成度が高いのがバタフライなのではないでしょうか。基本的には、「各ヒレの縁の部分が白く縁取られたような表現形の品種」をバタフライと呼んでします。ベーシックな考え方では、「各ヒレのバタフライバンドは均質の幅で、ヒレの内側の色との境界線が明瞭な個体が望ましい」と言う事になるでしょう。そういう意味では、今日の画像の個体もバタフライバンドとヒレ内側の他の色との境界線がややギザギザと言うか不明瞭な部分があるので、完璧とは言えません。 バタフライバンドは腹ビレを除くすべてのヒレに均質に存在する事が望ましいとされていますから、エラ蓋のすぐ後ろに有る胸ビレにもバタフライバンドがある方は、コンテストなどでは高い評価が得られます。もっとも、昨今のバタフライ系品種では胸ビレにまできちんと純白のバタフライバンドが存在する個体は結構希少で、ほとんどの個体では。尾ビレ・背ビレ・尻ビレにのみバタフライバンドという個体になっています。 形式を重んじる方々には「胸ビレ非バタフライバンド個体」は苦々しい感じなのでしょうが、正直個人的には胸ビレにバタフライバンドが無い方が、見た目がスッキリとした感じになりますから好みです。もちろん、コンテストなどで「胸ビレ非バタフライバンド個体」を出品し、その点を指摘され減点されたとしても、審査に対して異議を唱えるのはお門違いと言うものです。コンテストと言うものは、有る定められた価値観の枠組みの中で優劣を競うものですから、ルールは遵守しないとね。その辺りが納得できない人は、私のようにコンテストから遠ざかってしまい、鑑賞面一筋で行けばよいだけの話です。
2014/07/15
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常々このブログでも書いている事ですが、「ベタの品種」と言う奴は、それぞれが明確な境界線で区分されている訳ではありません。工業製品と違い、生き物だけに個体差と言う奴が存在しますからねぇ。例えばフォルムで言えばデルタテール~スーパーデルタ~ハーフムーン~オーバーハーフムーンと言う順で、後ろに行くほど尾開きが良くなるのですが、それぞれの境界線がはっきりしている訳ではありません。もっとも、ハーフムーンの尾ビレには軟条などスーパーデルタとはっきりと異なる特徴があるのですが、その特徴があるからと言って必ずしも尾ビレが180度開く訳ではありません。ハーフ~オーバーハーフの境界線もまたしかりです。 カラーリングに関しても同様で、2つの品種のどちらとも言えない様な、中間的な個体もこれまた数多く存在します。これから何回かに分けて、「バタフライと他の品種の境界線的な個体」を幾つか紹介していきましょう。 今日の個体は、品種名で言えば「ブルー・バタフライ」もしくは「ブルー&ホワイト・バタフライ」と言う事になります。この個体の場合、ヒレを縁取る純白のバタフライバンドと内側のロイヤルブルーとの境界線が不明瞭です。つまり、バタフライ系品種本来の基準からは少々逸脱している個体と言う事になりますが、もちろんこの個体もバタフライの範疇です。鑑賞面から言えば好みの問題ですが、品種としての評価は「より明瞭なバタフライバンド」の個体の方が高いと言えるでしょう。現状では、今日の個体の様な表現形のバタフライの方が圧倒的にポピュラーです。 また、今日の個体は胸ビレにバタフライバンドが存在しません。前回説明したように「すべてのヒレにバタフライバンドが均質に存在する」のが本来の基準ですから、その点からもこの個体はバタフライの基準からはずれた個体と言う事になります。こちらもまた、「バタフライバンドの境界線」同様、最近のバタフライ系個体では「バタフライバンドの無い胸ビレ」の個体が圧倒的多数を占めます。 ただ、ここで私の最大の欠点である「常に王道を外れて歩く性格」(苦笑)が顔を覗かせちゃう訳で、個人的にはこの個体の様に「バタフライバンドの無い胸ビレ」の方が見た目がスッキリしたいる感じで、少なくとも鑑賞面の見地から言えば断然好きだったりしちゃうから、困ったもんです。
2014/07/21
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昨日も書いたように、ダニオの仲間は数ある熱帯魚の中でも飼育・繁殖共に容易なグループです。そこで今日は、ダニオ属の繁殖について簡単に紹介した見たいと思います。ちょうど今の時期なら保温も必要ないし、小型水槽やプラケースを使って簡単にダニオの繁殖にチャレンジできるので、皆さんも是非一度チャレンジを。今回は、もっともポピュラーなダニオであるゼブラ・ダニオを使って話を進めて行きたいと思います。 ダニオ属はオス・メスの色彩の差が少ないグループです。つまり、メスも十分美しいのでグッピーほど容易にオス・メスの判別は出来ません。でも、産卵期になるとメスのお腹は卵でそれこそはちきれんばかりになりますので、この時期のオス・メスを見誤る心配はほとんどないでしょう。また、繁殖期を迎えたオスの体色はやはり通常よりも数段色鮮やかになります。例えばゼブラ・ダニオの場合、冒頭の画像をご覧いただければお判りのように普段はブルー&ホワイトの縦縞であったものが、見事にブルー&イエローに変わります。 さて、それではまず繁殖の準備をする事にいたしましょうか。ダニオ属はほぼすべての種が体長4cm前後という小型種なので、繁殖用水槽に大きな水槽を用意する必要はありません。30cm~36cm位の小型水槽が用意できれば十分です。水槽には塩素中和した水槽水を入れておきます。水温は25~30℃位が適温ですが、今の時期であれば、自然と30℃前後になっている事でしょう。 ダニオの仲間は、粘着力のない卵を水底にばら撒くようにして産卵します。また、見事なほどに母性愛・父性愛の欠如した奴らで、自分の産んだ卵であっても彼らにとってそれはイコールおいしそうな食べ物以外の何物でもないらしく、見つけ次第パクパクいっちゃいます(苦笑)。したがって、水底に何も敷かないベアタンクでは水底に散らばった卵はほぼ100%発見されて彼らのお腹の中に逆戻り確実です。たとえ、水槽内に水草などを入れてあげても卵に粘着力がないものですから上手く水草の茂みの中に卵が隠されると言う事もありません。 そんな困ったチャン(笑)のダニオの繁殖には自作の産卵箱がお薦めです!産卵箱と言ってもグッピーなどの卵胎生メダカ用として販売されている奴とは構造が違うので注意してください。先ずは100均にでも行って15cm四方程度のプラ容器を捜しましょう。文具コーナーや収容用品コーナーに行くと結構いいものが見つかります。容器を入手したら、その底面をカッターやナイフで切り取ってください。そして、大きく穴の開いた容器の底には園芸売り場で販売している植木鉢の底穴用のネットを張りましょう。そうそう、ネットの目はダニオの親魚が通り抜け出来ないようなものにしましょうね。そして、産卵箱の上縁に発泡スチロールの小片を貼り付けて、水面に産卵箱がプカプカ浮くようにします。これで完成です。ちなみに、画像のものはスドー社の組み立て式産卵箱を流用しています。しかし、そのままでは底面もガーゼ状の布で覆われているので使えませんので、やはり底面の布を除去し植木鉢の底穴用ネットをシリコンを使って張りなおしました。 それと、画像の産卵箱はたまたま側面もガーゼ状の布で覆われていますが、別にそうである必然性はまったくありません。要は底面が網状にさえなっていれば十分です。 産卵水槽に自作のダニオ用産卵箱をプカプカ浮かべたら準備完了!後はペアを導入するだけです。ここで注意する事は、産卵箱の水深があまり深すぎると生み出された卵が両親によって食べられてしまう危険性が高くなってしまう点でしょう。つまり、産卵箱の中で生み出された卵は、親の猛追撃を振り切って?一刻も早く底面の網を潜り抜ける必要があるのです。したがって、産卵箱の水深は10~15cm程度になるように、浮きの役目をする発泡スチロールの貼り付ける位置を調整してください。 このまま記事を続けていくと文字数が10000を越えてしまいそうなので、ここでいったん区切る事といたしましょう。繁殖の実際については明日ご紹介しますね。
2006/08/27
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さて、ベタの産卵から今日で5日目になります。この頃には稚魚達は泡巣から離れ水槽のガラス面に分散してへばりついています。明日位には稚魚達が自由遊泳を開始し、エサを食べ始めますからそろそろ稚魚たちのエサの準備をします。よく、ブラインシュリンプがはじめから使えるかどうかが問題とされますが、どちらとも言えない微妙な問題です。と言うのは、ブラインシュリンプの乾燥卵も産地によって大きさに差があるためです。さかなおやじのところではアメリカのユタ州ソルトレイクシティ産のものを使っていますが、これ以外にもサンフランシスコベイ、中国、ブラジルなどいろいろな国からブラインシュリンプエッグが輸入されてきます。個人的な主観ですが、ソルトレイク産のものは価格も高いだけあって小粒で使いやすい気がします。また、そのブラインシュリンプが孵化直後のものかどうかも大きく影響してきます。ブラインシュリンプも生き物ですから、乾燥卵から孵化したと同時に成長を始めます。半日もたつと明らかに一回り大きくなってしまいます。このような状態のブラインシュリンプではベタ稚魚の第一段階のエサとしては使う事が出来ません。 ブラインシュリンプは学名をAltemia salina(アルテミア サリーナ)と言う甲殻類の一種で、エビやオキアミに近い生物です。海水や塩水湖に生息するため乾燥卵を孵化させるには塩水を用意してやる必要があります。これは別に海水である必要はなく(ブラインシュリンプを孵化させるだけで飼育するのでなければ)、市販の食塩で十分です。塩素中和した水道水1リットルあたり20gの食塩を溶かし、その中にブラインシュリンプエッグを適量入れます。後は水温を27℃前後にキープしてエアレーションをかけておけば約24時間でブラインシュリンプ幼生が孵化してきます。下の写真はさかなおやじの温室でブラインシュリンプを孵化させているところです。 ブラインシュリンプが孵化すると、水が孵化したブラインシュリンプでオレンジ色に見えますからすぐに判ります。こうなったら、エアレーションを止めてしばらく放置しましょう。すると、卵の殻は水面に浮かびブラインシュリンプは一ヶ所に集まってくるようになります。実はブラインシュリンプ幼生には正の走光性があるため、容器の一ヶ所に光を当てておくと自然とその付近にブラインシュリンプが集まってくるので集めやすくなります。卵の殻とブラインシュリンプが分離した時点で、容器からブラインシュリンプの幼生を取り出します。これはスポイトでやってもエアチューブを利用しても構いませんが、出来る限り卵の殻(稚魚は消化できない)を一緒に取り出さないよう注意してください。そして、コーヒー用のろ紙かなんかで塩水とブラインシュリンプを分けてから、真水に一度ブラインシュリンプを移し、スポイト等で適量をベタ稚魚に与えてください。 自由遊泳を開始した直後のベタ稚魚は、せいぜい1匹あたり2~3匹のブラインシュリンプしか食べません。水槽内にベタ稚魚が200いるとしてもブラインシュリンプはせいぜい500匹くらい与えれば十分という事になります。ほとんどの人はブラインシュリンプを与えすぎているようです。食べ残しのブラインシュリンプはひどく水を汚すので与えすぎは絶対に禁物です。 また、どうしても孵化直後のブラインシュリンプが用意できなかった場合は代替のエサを考えなくてはなりません。例えば一番上の写真のリリーフブライン(ニチドウ)などがその代表ですが、孵化直後の稚魚は動かないエサには興味を示さない事が多く、さかなおやじのところではあまり好結果が出ていません。ところで、リリーフブラインのパッケージに「ブラインシュリンプのように動く」と書いてあるのはチョット何なんじゃないでしょうか?「どこが動くんじゃい!誇大広告でジャロに連絡しちまうぞっ」。 他にも、ブラインシュリンプの乾燥卵の卵殻を薬品処理して除去した殻剥きブラインシュリンプや冷凍のブラインシュリンプベビー(キョーリン)がありますが、どれも動きがないため稚魚の喰いつきは今一つです。あえてさかなおやじがどれかを使わなくてはいけないとすれば「殻剥きブラインシュリンプ」をチョイスすると思います。ただ、このエサはそのままあげたのでは水面に浮かんだままなので、一度小さな容器に水と一緒に入れて撹拌してからスポイトなどでごく少量を与えるようにしてください。 また、以前紹介したインフゾリアの培養が成功しているならば、今日の時点で少量をスポイトなので容器から取り出し、ベタ稚魚の水槽に入れておくと絶大な効果があります。上の写真はインフゾリア培養容器で 白く雲のように見えるのがインフゾリア(たぶんゾウリムシ)の群れです。もっとも、はっきりと白く見えるのはビール酵母が容器を動かした時に舞い上がったものなので、ここまではっきりと白く見える訳ではありません。 インフゾリアはうまく用いればものすごく効果的な初期餌料なのですが、はっきり言って培養容器の中の水はドブみたいなもんです(苦笑)。欲張って大量に入れると、ベタ稚魚の水槽が一気にドブ化しかねないので注意してください。あくまでも適量を心がけてください。また、万が一インフゾリア培養容器がひっくり返ったりしたら大変な事です。はっきり言って、温泉地のイオウの臭いを10倍位濃縮したような馥郁たる芳香が部屋中漂う事は必定で、「爽やかサワデ~♪」や「ファブリーズ」あたりなんておととこいという状況になります。そのあたりは皆さん大人なんですから自己責任で処理をお願いいたします(笑)。こんな事勧めたのは「あのさかなおやじだ」なんて思い出さないでくださいね。
2005/06/30
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今日のアップはヘッドアンドテールライトテトラ(Hemigrammus ocellifer)と言う、アマゾン河に棲息する体長3cmほどの小型カラシンです。あまりにポピュラーすぎて、逆に最近は飽きられてしまったのショップで見かける機会が減ってきたような気がする少し哀れな魚です。我が国に輸入されてくる魚のほぼ100%が東南アジアで養殖された個体であると思われますが、安いけど地味な魚の代名詞的存在になってます。 かく言う私も、丈夫で安価だけど観賞価値はちょっと低めの入門的存在としか考えていませんでした。したがって、もう20年以上前に飼育して以来この魚を飼育する機会もなく過ごしてきました。それが、このブログをはじめるにあたってデジカメで魚を撮影し始めたのをキッカケに色々な魚の写真をストックしたいと言う、ディープなコレクター魂のおかげ?でこのような魚も再度飼育する事になってます。 ところが、カメラを通してみるとそれまで気が付かなかった色々な部分に気が付くようになるんですよね~。「ああ、この魚ってこんな所にブラックスポットあったんだぁ~」とか・・・このヘッドアンドテールライトテトラも画像に収めてみて改めて結構綺麗な事に驚きました。名前の通り、体の前半部と後半部にそれぞれ存在する黒斑の周りが金色に輝き、本当に綺麗です。それに眼の周りのピュアレッドの縁取りとエラ蓋後方部のブルーの発色!これはもう小型美魚のカテゴリーにエントリーされてもおかしくないくらいのレベルだと思います。 正直言って、熱帯魚飼い始めて30年以上が経過して一通りの種類の飼育経験があるとチョット飽きみたいな感情があったのですが、ブログをスタートさせたおかげで気分がすごくリフレッシュできてすごく楽しんでる状態です。技術の方は全然進歩しませんが、デジカメの撮影もすごく楽しんでます。これが銀板カメラだと、こうは気軽に撮影できませんからね~。 ちなみに、昨日(2月1日)から娘の中学受験がスタートしました!過保護な我が家では、これから今週一杯妻がフルに付き添いします。初日の昨日はなんと午前と午後で別の学校の受験を掛け持ちすると言う、私に言わせれば実にアホウなスケジュール(苦笑)。その為、私も仕事を休んでサポートさせられました。おかげさまで、そのうちの1校でなんとか合格発表を頂きました(笑)。ひとまずは父親として一安心です。また、こんな局面でも自分の趣味に入れ込んでいる私に対する、家庭内の厳しい風向きも少しは弱まるかも?しれませんな~。
2006/02/02
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さて、今日から新PCのおやじましーん8号でブログ再開です(笑)。その記念すべき?第一号はスマトラ(Puntius tetrazona)です。今更説明の必要がないほどに有名な、東南アジア産の小型バルブで体長は4cm前後でしょうか。さかなおやじが幼少の頃(つまり高度経済成長の頃)は、熱帯魚の入門魚として誰もが手がけるほどのポピュラーな存在でしたが、最近では一度もスマトラ飼育した事がないアクアリストも沢山いると思われます。かく言う私もこの20年間以上スマトラ飼育していませんでした。 それが一体なぜ今頃?実は、先日某アクアリウム雑誌から原稿執筆の依頼がありまして、「小型バルブ」について書いてくれと頼まれました。その中にスマトラの名前もあったものですから、ついつい懐かしくなって友人と電話の際に「最近、スマトラなんて飼ってないなぁ~。せっかくだからこの機会にまたスマトラ飼育しようかな」と話すと、その友人は「フン」と鼻で笑って次のような驚くべき発言を受話器の向こうでのたまいました。「最近のスマトラなんて、色もボケボケでどうにもならんぞ!しかも、かなりの確率で奇形が混じってる」「はぁ?そりゃ東南アジアで累代繁殖されてるから少々色褪せても仕方ないだろ?」「そういうレベルじゃないんだ!一度自分の目で確かめてみな。」・・・と言う事で、2~3件の行きつけのショップを回って、スマトラの原種とその改良品種を買い求めてきました。 そして、結論!「確かに、現在のスマトラはひどい!ひどすぎるっ!!」先ず第一に、体色が友人の言うようにボケボケです。画像の個体はまだ幼魚なので成魚のような体色は出ていないにしても、この幼魚が素晴しい色彩の成魚に仕上がるとはとても思えません。ブラックラインがぼんやりしているし、地色のベージュの部分もなんだか薄汚れた感じです。これはもう、さかなおやじの写真技術とかそういう次元を通り越して、モデル自体が全然ダメです! そして、更にガビ~ン!なのが奇形の個体が数多く見られること。上の画像は、ノーマル体型のスマトラ幼魚です。この体型で、各ヒレと鼻先が信じられない位に鮮やかなオレンジレッドに染まるのが由緒正しきスマトラってもんです。・・・でもって、下の画像が奇形の個体。見てお判りのように、胴体部分が通常の体型に較べて短いのです。つまりバルーンって事ですね。バルーンモーリーとかバルーンラムとか巷にバルーン系の改良品種は沢山いますし、それがお好きな方も大勢いらっしゃるのは良~く存じ上げております。でもでも、バルーン系の改良品種って、言ってみれば脊椎骨異常なんですよぉ~。もし、体がグラスキャットのように透明なら、その脊椎骨がグジャグジャにねじれているのが見えるはずです。 バルーンと言う改良の是非はここでは問いませんが、問題はなぜここに来て東南アジアで様々な魚のバルーン系改良品種が作出されているかと言うところにあると思われます。かつて、我が国でも水俣の海で多数の魚が奇形になっている事が問題視された事があります。つまり、脊椎骨の異常は重金属や薬害によって引起されるケースが多いのです。 もちろん、ここまで計画的にバルーンが作り出されている以上、卵の発生過程のどこかで意図的に薬や温度調整など何らかの処理を行って奇形を多数作り出し、その中から観賞面から優れた(苦笑)個体を選別して累代繁殖させているのでしょうが、何かまがまがしいものを感じてしまいます。例えば金魚にもランチュウとか出目金とかピンポンパールとか原種のフナとはかけ離れた外見の品種が多数存在しますが、これらは気の遠くなるような年月をかけて作り出されてきたはず。それは、チョコチョコッと小手先のテクニックで作り出してしまってほんとに良いのでしょうか?そのうち、その辺の小川に棲息するメダカがすべてだるまメダカ(バルーン)になっちゃったらどうします?私なら、もう川に入れません(笑) まぁ、別の面から驚きなのはバルーンと言う形質が薬品処理などで一代限りの奇形なのではなく、遺伝的に継続すると言うところにありますけどね。例えば、プラティでもノーマルに見えた両親の子供にも明らかにバルーン気味の個体が出現しますから。うーん、バルーンが苦手なさかなおやじにとってはすごく辛い方向に向かってる気がします。 これから何回か、スマトラの改良品種の紹介と共に改良品種についてチョット考えてみようかなぁ~?・・・と、バルーンスマトラを前に柄にも無く真剣な表情のさかなおやじなのでした。
2006/03/24
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スペードテール 品種として確立している訳ではないのですが、尾ビレの後縁中央部分が突出し、尾ビレ全体がスペード型になっている個体をプラカットで見かける事があります。今の所、この点に着目して改良されている訳ではありません。 まったくの個人的な空想的意見によれば(笑)、このスペードテールの個体は妙に細身のボディを有する事が多いのと、初期のスペードテールの多くはブラック&メタルグリーン・マルチだった事などから、「スペードテールはプラカット(スプレンデンス)と他の近縁種との交配が起源」と予想しております。ちなみに、その近縁種とは尾鰭の形状から言って「ベタ・マハチャイ Betta mahachai」じゃないかと睨んでおります。バンコク近郊では結構日常的にこの2種のベタの異種間交雑が行われており、市場に商品として出回っていた時期もありましたから、遺伝学的に言ってもそれほど遠くない関係なんでしょう。
2013/07/30
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突然ですが、kenkou3200さんからパッキングの仕方についてSOSがありました。最初は文書で説明していたのですが、説明している本人が読み返してもまったくわからないという代物でどうにもならんので、ブログ上で画像で説明する事にいたしました。 まず袋は、幅10cm以上で高さは出来るだけ高いものを探してください。また、袋の厚さも重要でここでは厚さ0.08mmの特厚のものを使っています。 袋の中に飼育水を入れ、魚を移します。この時、水は出来るだけ少なくした方が重量などの面から取り扱いが楽になります。ただ、冬場などは水量を多くすればそれだけ温度変化を抑える事が出来ます。この季節で、しかもパッキングする魚がベタであれば、写真のように魚の体高よりやや多いくらいの水量で十分です。そして、袋の中に出来るだけ空気が残るように袋の口をすばやく閉め、ぐるぐるとねじりながら棒状に仕上げます。 棒状になった袋の口に上の写真のように輪ゴムを廻し、一方の穴にもう一方の輪ゴムを通すようにして引っ張ると、輪ゴムがキュッと締まってビニール袋の口をふさいだ状態にしてくれます・・・よね?(笑)ここで、かなりきつく絞めないと、袋から空気や水が漏れる原因となりますから一番の勝負どころですね。 次に、輪ゴムをぐるぐると棒状になったビニール袋の口周辺に巻きつけましょう。この段階で、袋の中に空気が十分でないようであれば失敗です。うまく行った時は、袋を外側から押しても空気が外に逃げないようになっているはずです。 巻き付けている輪ゴムが短くなったら、ビニール袋の口をぐるぐる巻きにした輪ゴムの上辺りで折り返して、輪ゴムの先端部分を引っ掛けるようにして止めれば終了!慣れるとすごく簡単なんですけど、最初は結構苦戦するかも(笑)。最初のうち何回かは、中に魚を入れないで練習してみるのがいいかもしれませんね。 それと、ビニール袋を自分で持ち運ぶならこのままでもいいですが、郵送などの手段を使う場合は、いくつかのビニール袋をまとめて更に大きなビニール袋の中に同じような手順で入れておくと、水漏れなどのトラブルを避けることが出来ます。 以上、深夜のお魚パッキング講座でしたぁ~♪kenkou3200さん、これでわかりますでしょうか??
2005/09/16
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今日のアップはコロンビア・レッドフィンテトラ(Astyanax sp.)です。南米のコロンビアに産する体長4cm程度のテトラですが、実際のところ正式な学名は判明していません。洋書などではアスティアナクス属(Astyanax)としている事が多いのですが、あまり根拠は無い様で個人的には違うような気がしています。今から15年ほど前に突然輸入されてきた魚で、当時はネオンドワーフレインボーのようにベカベカになるのではという期待もあり、ものすごく話題になったテトラでした。その後、東南アジアで養殖に成功し、現在我々が目にするものはほぼ100%養殖ものでしょう。 この魚、しっかり飼い込んでもネオンドワーフレインボーのようにギラギラした体色にはなりません。これは、養殖個体なので体色がボケたのではなく15年前のワイルド個体も似たようなものでした。それでも、うっすらとメタリックブルーに染まったボディと赤いヒレのコントラストはなかなかのものだと思います。 飼育は容易で、水質にもうるさくありません。ただ、若干縄張り意識が強いのが玉に瑕ですが、見ていてイライラするほど激しい追いかけっこはしません。それに、他の種類に対しては比較的無関心な方でしょう。餌はフレークフードでもえり好みせずに食べてくれるので安心です。また、ごく柔らかい水草の新芽などは食害を受ける事がありますが、前回紹介したモンクホーシャのように「許しがたい悪行!」というほどではありません。 ・・・とこの魚、決して悪くはないんだけど絶対お奨め!ッて言うほどじゃないんですよね~(笑)。ショップでも、なんとなく中途半端な扱いを受けているようです。これで、もう少しボディのメタリックブルーの輝きが強かったり、各ヒレが真紅に染まりでもすれば超人気魚種なんでしょうけどね。なかなか難しいもんです。 ちなみに、この魚繁殖は結構容易です。オスメスの区別は、ヒレの赤みが強いのがオスという事でも判別できますが、一番楽なのは背ビレが大きく尖り乳白色なのがオス、透明かやや白みを帯びる程度なのがメスという所でしょう。繁殖は、ペアが水草の茂みなどに卵をばら撒くようにして行われ、孵化した稚魚は比較的丈夫で育成も難しくありません。 うーん、こういった中途半端な魚を紹介するのは本当に大変です。なんだか、文章の方もすっきりしない方向に向きがちですし・・・(笑)。でも、このあたりの魚も取り上げていかないと毎回毎回美麗種や怪奇な形体の魚ばかり用意できませんしね~。
2005/11/29
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さてさてどんどん行きましょう。今日は眼の話です。ベタを入手する際に色彩はもちろんヒレの開きや体型に気を配る人はいても、眼の事にまでこだわる人はそうそういないのではないでしょうか。通常プラカットの眼は、黒目の周りを銀色の白目(笑)が囲む様に見えます。しかし、中にはほとんどすべてが黒目に見える、いわゆる黒目がちの個体も存在します。 所で、時々改良ベタには今日登場の個体のように眼全体にスプレーでペンキでも拭きつけたように見えるものがいます。どうやらこれは、本来体表に存在すべき色素胞が眼の上にも存在する為のようです。前述の黒目がちの個体も同様の理由によるものなのかもしれません。 しかし、黒目だと考えようによっては可愛らしく感じたものが、こと白目~銀目となるとかなり不気味です。ホラー映画の怨霊やゾンビ系がよくこの手の目をして迫ってきます(笑)。まぁ、どのくらい気持ち悪いかは今日紹介した画像を見ていただければお判りと思います。 ただ、実はこの白~銀目は困った事に生まれつきのものではありません。今日登場した個体も、バンコクで仕入れた際は普通の眼をしていました。それが僅か1ヶ月足らずの間に、アレヨアレヨという間にゾンビになってました。目の表面にスプレーがかけられたような状態とは言え、視力は何とか大丈夫なようで日常生活には支障はないようです。また、おそらく子供の世代に確実に遺伝するものでもないと思います。 品種で言うと、オペック・ホワイトやプラチナ系そしてカッパー系によく見られるようですが、販売する側にとってこれほど困る存在はありません。もちろん、すでにゾンビ化して白目を剥いている個体(笑)は販売できないにしても、その兆しが現れ始めた個体の扱いは実に微妙です。ホラー映画によれば、ゾンビに噛まれたりした人間はそのうちゾンビ化する決まりになっているようですが、じゃあ、仲間や恋人がゾンビに襲われた後熱にうなされてウンウンうなっている段階で退治しちゃうのかよぉ~っ!って言うようなもんで、僅かに目に霞がかかった来た様な個体はどうしたもんでしょうかね~?
2008/09/01
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以前ブログで紹介したハイランドカープと言う魚を憶えていますか?一風変わった特徴を持っている魚であることをその時取り上げました。いかはそのブログの抜粋です。~ブログ抜粋~ しか~し!ハイランドカープが本当に規格外なのはこれらの事ではありません!なんと、この魚は胎生なのです。つまり、卵ではなく稚魚を産むんです。えっ?グッピーだってそうだって??い~や、グッピーやプラティなどは卵胎生と言って、お腹の中で卵が発生を続けて稚魚の形まで育つだけで我々人間などの哺乳類とは異なり、母親と子供はへその緒で繋がったりしてません。 ところが、ハイランドカープでは哺乳類同様(原理としては・・・)胎盤があってへその緒で母親と子供がつながってます。稚魚は生まれて来るときには体長15mm以上あって、グッピーの稚魚のように弱々しくありません!生まれてすぐにブリブリ泳ぎ回って、餌とかもバリバリ食べちゃいます(笑) この噂の?ハイランドカープが昨日産仔しました!昨日、恒例の「8時間耐久水換マラソン」途中に、ハイランドカープのメスのお腹から、稚魚の下半身がヌッと突き出しているのに気が付きました。あわててデジカメ持って来ましたが、カメラを構えるまもなくオスが近づいてきてメスから出てこようとしている稚魚をガブリッ!まさに掟破りの規格外魚です(苦笑) あわてて水槽の中を調べると、稚魚が数匹水草の陰に潜んでいるのが見えたので緊急保護いたしました。その数4尾!元々一回の産仔数が少ない魚なので、これで全部のようです。もっとも、先ほどの稚魚のように親にいきなり襲撃された哀れな個体もいたのかもしれません。また、母親の胎内にはもう稚魚は残っていないようです。先ほどのが最後の稚魚だったようです。 それにしても、稚魚の大きな事!楽に15mmオーバーですでに上の写真のメス親そっくりの外見をしています。隔離した4尾の稚魚をひとまずエンドラーズの稚魚を収容した水槽に入れたのですが、生後2週間前後経過したエンドラーズの稚魚と変わりないサイズだけでなく、いきなりエンドラーズの稚魚を追いかけまわしているではありませんか!オイっ!あんたらそれでも生後数時間の稚魚かいっ? とにかく可愛げのない稚魚達です(笑)。どんな魚でも稚魚って結構愛嬌あるもんなんですが、ここまでひどいのは珍しい・・・そう言えば、かつてさかなおやじの友人の家にそんな女の子が生まれたことがありました。なにしろ出産祝いに駆けつけた友人一同が、何一つ褒め言葉が浮かんでこないんですから!もちろん、「わぁ~、可愛いっ」とか「元気そうで良かったね~」とか言わなくちゃってその場の全員が思ってるんですけど、どんな言葉も白々しく聞こえてしまうほど、その赤ん坊は巨大で可愛げがありませんでした(苦笑) でも、そんな彼女も今では小学校4年生!なんと驚くほどの美少女です。父親である私の友人は、絶対嫁になんかやらないっ、と公言するほどの溺愛ぶりを発揮してます。ハイランドカープの稚魚も、成長と共に驚くほどの美少年・美少女に変身してくれるんでしょうか?・・・って、両親がこれじゃダメじゃん!(笑)
2005/10/02
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昨日、久しぶりに早く帰宅できた私のところに娘と息子がプラケースを持って走ってきました。何か欲しいものを買って欲しい時位しかこうした歓迎振りをされた覚えが無いものですからつい身構えてしまいました(汗)。 「パパ、今日いいもの買ってきたよっ」と子供たちが見せてくれたのはサワガニ。「???」確かに、大学院での研究が「ミジンコのDNA比較」だったさかなおやじは、大のエビ・カニ好きですが、なぜ良い物なのか一瞬理解できませんでした。すると、上の娘が「パパ、サワガニはパパの喘息にいいんだって。魚屋のおじさんがそう言ってたよ」と説明してくれました。妻が脇から補足してくれた所によると、よく行く近所の魚屋(食べる方です)の店先でサワガニを販売していたそうです。物珍しそうに見物するうちの子供に魚屋のおじさんが「サワガニ飼ってご覧よ」と言って分けてくれたそうです。そして、買い方などを質問する子供たちに「サワガニは健康にもいいんだよ」と言ったそうです。下の息子が「パパの喘息も治る?」とたずねると、魚屋のおじさんは自信満々に「もちろんだよ、パパの喘息なんて一発で治っちゃうよ」と請け負ってくれたそうです。 そんな馬鹿なと思いつつも、子供達の思いがけない暖かい心に思わずジーンと来たさかなおやじでした。「だから大事に飼うんだよ」と言う息子の言葉にも柄にも無く素直にうなずいてしまうさかなおやじは早速、サワガニたちの飼育水槽をセットしました。ひとまずは仮住まいを作っておいて、今週末にでも本格的な住処を作ってやろうと思います。 ところで、サワガニには色々なカラーバリエーションがあって、ポピュラーな赤系の他にホワイト系やブルー系、パープル系などコレクションも楽しめます。それにサワガニって結構簡単に殖やせるんですよ。わが国で唯一の純淡水ガニだけあって、メスのお腹にくっつけた卵が孵った時にはすでにミニサワガニの姿になっています。ちょうど、7月前後が繁殖シーズンなので、この機会にサワガニを大量繁殖させて持病の喘息治してしまおうかな。 虫の良い事を考えながら、ご機嫌に水槽をセットし何気にサワガニの文献見てたら確かにありました、サワガニの薬効についての記述が。「サワガニを黒焼きにして用いれば、痰を取り除き喘息を治癒せしむ・・・」って、オイオイ子供たちよ、サワガニを大事に飼育するんじゃなくて黒焼きにするんだろうが~と一気に疲れが出て、なんだか喘息の発作で息が苦しくなってきたような気がするさかなおやじでした。
2005/05/26
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今日のアップはクリスタルレッドテトラ(Hyphessobrycon haraldschulzi)と言う、アマゾン河に棲息する体長3cmほどの小型のテトラです。この安直なネーミングは、超人気商品「クリスタルレッドシュリンプ」から頂戴したものだと思われますがこのような2番煎じ的なネーミングの魚は大概、名前負けしてマイナーな存在のまま終わることが多いようです。 クリスタルレッドテトラは、ショップで常時見かけるようなポピュラーな種類ではありませんが、今のところほぼ100%採集個体だと思われ、販売価格も高めに設定してあります。飼育自体は容易で、水質にもうるさくありませんし餌もフレークフードでOKです。他の魚との協調性も良いので、水草水槽のタンクメイトとしては結構お奨めの存在です。 ただ、この魚を購入する際に注意したいのはショップの販売水槽で見た鮮やかなピュアレッドの体色が自宅で再現できるとは限らない点でしょう。これは、この魚が環境の変化に敏感でなかなかベストの体色を見せてくれないわけではありません。原因は、ショップサイドにあります。この魚は販売価格もそれなりですし、常時見かける魚でもないため取り扱っているショップもそれなりに気を使うようです。ただ、水質に気を使うならばまだしも蛍光管に気を使っちゃイカンだろ~(笑)。大概のショップでは、この魚の販売水槽の蛍光灯には赤をいつも以上に鮮やかに見せる蛍光管を使用しています。つまり、ショップで見かけたこの魚のいやに鮮やかなピュアレッドは、蛍光管の波長に依る所が大という訳です。 そんなわけで、さかなおやじの温室の様に蛍光管に安価なパルック辺りを使っている飼育者の下では、クリスタルレッドな輝きはほぼ期待できないという訳です。もちろん、私だって自宅の蛍光管をもっと良い物(せめて、ニッソーのPG-3あたり)にしたいのですが、何しろ蛍光管だけで優に100本を超えるのと、「さかなおやじ温室法令」により毎年1回は蛍光管をすべて新調するという事になってますから、蛍光管1本辺りの価格は結構深刻な問題です(苦笑)。 ところで、皆さんはこの魚見てレッドファントムじゃないの?って思いませんでした?この2種は一緒に泳いでいるところを見れば間違いなく区別できますが、別々に見せられた時結構悩ましい存在だと思います。特にレッドファントムのメスとの区別は結構大変かも。ちなみに、上の画像はレッドファントムテトラです。この2種の一番確実な判別方法は、胸の辺りに存在するブラックスポットの大小によるものではないでしょうか?クリスタルレッドのそれは小さく、レッドファントムではかなり大きめですから。私も、1尾だけを見せられて、どちらのテトラ?って尋ねられたら胸のブラックスポット以外では確実に判別する自信はチョットありません。
2005/12/15
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今日のアップはオレンジグリッターダニオ(Danio choprae)です。ゼブラダニオやレオパードダニオなんかに近縁なミャンマーの北部に生息するコイ科の小型魚で、体長はせいぜい2cmどまりでしょうか。とにかく、コイ科の魚には珍しい非常に鮮やかなメタリックオレンジのボディにグリッド線?がならぶ美麗種です。我が国に輸入されてくるようになったのは比較的最近ですが、種類としては1928年に新種記載されてますから結構古株です。 ゼブラダニオをはじめとするダニオの仲間は、どれも体長が2~3cmと小型で温和、そして何より筋金入りの丈夫さを誇る優良観賞魚のグループです。もちろん、オレンジグリッターダニオも非常に飼育しやすく小型水槽に最適な熱帯魚の一つと言えるでしょう。餌もフレークフード大好きです。他の魚との協調性も良好ですから、この寒い時期にメタリックオレンジの色彩で水槽の雰囲気をポワァッ!と暖めたい場合にはお奨めのアイテムです! ダニオの仲間は繁殖も非常に簡単ですから、卵生魚の入門魚としても適しています。ゼブラダニオじゃ大量に殖えてもなんだか・・・と言う方には、まだそれほど出回っていない魚ですからオレンジグリッターのブリーディングをお奨めします。今年の「さかなおやじのひとりごと」の公約でもある「繁殖」、この魚でもやってみましょう(笑)。 ・・・と勢いでブリーディング公約しちゃいましたけど、ちょっとした問題があるんですよね~(苦笑)。と言うのも、ダニオの仲間はどれもとにかく落ち着きなくチョコマカ水槽内を泳ぎまわる奴らでして、デジカメでいくら撮影してもピントの合った映像を得る事が出来ません(涙)。今回も、およそ150枚くらい撮影してせいぜい、今回紹介した画像どまりですから・・・。これが繁殖となると、決定的瞬間をゲットするのは至難の業、って言うか無理です(笑)。 ブリーディングとなると産卵から稚魚がそこそこに成長するまでをドキュメンタリータッチで追わなければならないので、公開までには2~3ヶ月かかると思いますが、まぁその時に産卵の決定的シーンがなくても御勘弁くださいね! ところで、趣味の世界ではまったくどうでも良い事ですが最近の分類で、ゼブラダニオをはじめとするこのグループの魚の属名が変更されました。今まではブラキダニオ属(Brachydanio)だったのがダニオ属(Danio)になりました。現時点では旧ブラキダニオ属に含まれる魚は皆無で、ブラキダニオ属という属名は消滅した事になっています。ここで、問題なのは本来ダニオ属というのは、ジャイアントダニオをはじめとする体長10cm前後の大型ダニオの属名だったということで、ゼブラダニオがダニオ属なら、ジャイアントダニオは?? 正解は~♪(笑)今までダニオと呼ばれていた魚達はデバリオ属(Devario)と言う属に移行されました。でも、きっと趣味の世界では今後もゼブラダニオやオレンジグリッターダニオはブラキダニオ属で、ジャイアントダニオはダニオ属のままで行くんでしょうね~。もちろん、いつも言っているように趣味の世界で学名なんてあくまでもオマケみたいなもんですから(笑)、それ自体は全然構わないんですが、こうも簡単に属名変更されちゃうと困っちゃいますよね!・・・えっ?全然困らないって??これは失礼いたしましたぁ~♪
2006/01/04
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今日は他の画像をアップする予定だったのですが、ぽれぽれ29さんのリクエストにお答えして、稚魚の写真をアップします。よく判りにくいかと思うのですが、水草にぶら下がってる白っぽいものがベタの稚魚達です。さかなおやじの所では以前紹介したように託卵するので、一つの水槽には最低でも200~300匹の稚魚がいるはずです。まだ、水草や泡巣に付着しているのであまり多くないように感じますが、後2日もすれば稚魚たちは自由遊泳を開始します。そうなると、水槽の中に雪が舞っているかのように見えるほど大量の稚魚たちが泳ぎだします。ただ、面白い事に、稚魚たちの体色がホワイトやイエロー系の魚では白、ブルーやブラックなどの暗色系の稚魚では灰色と小さいうちからある程度のカラーリングは判ります。 産卵後4日目に飼育者がしなくてはならない事はありません。ただ、さかなおやじの所では稚魚たちの動きが活発になった時点でオス親を育児から解放してやります(つまり、水槽から取り出します)。ほとんどの場合は稚魚たちが、お腹の卵黄を吸収して自由遊泳を開始した時点でオスを取り出すのが普通です。しかし、実際には今日の午後位から稚魚たちの動きが活発になり始め、オスが懸命に集めようとしても稚魚たちはどんどん水槽中に分散して行ってしまうので、この時点でオスがいてもあまり役に立ちません。それであれば、少しでも早くオスを育児の重労働から開放してやり体力の回復に専念させてやりたいものです。オスをはずすタイミングとしては、それまで泡巣の下におとなしくぶら下がっていた稚魚たちが、水槽のガラス面に分散して貼り付き出した時を目安にすればよいでしょう。 それと、オスをはずした時点で水槽内にはごく弱めのエアレーションを開始します。これは、水面に油膜が張るのを防ぐためで、特に空気呼吸を行うベタの稚魚にとって水面の油膜は致命的なダメージを与えかねません。
2005/06/29
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以前ブログで取り上げたバンコク土産のシオマネキですが、今のところ元気です。でも、彼らの生息環境を考えて水量を少なくして管理していたら、ほぼ毎日のように水を替えないと臭くなってしまうのです(苦笑)。一番の原因は、定員オーバーですからかなりの数を、周囲のカニマニアに分配しました。そして、本日バンコク出張以来初めてゆっくりと過ごせる休日となったので彼らの新居を作ってやることにしました。上の画像がその水槽の一部です。 水槽はニッソーのアクアテラリウム専用水槽(前面が大きくカットされた奴)を倉庫の奥のほうからゴソゴソと引っ張り出してきました。フィルターも、いつぞやメーカーが新発売の際にサンプルでくれた小型水中モーター式の奴を使いました。今回は、水量を増やして水質の悪化を防ぐつもりなので、陸地代わりに同じくもらい物のマルカンの亀用の陸地を用いています。・・・って、ここまで書いてきて全部貰いもんじゃん!うーん、役得役得!(笑) 飼育水は今のところ、真水8に人口海水2の割合で混ぜた汽水で飼育していますが、カニたちはすこぶる快調です!今回は水量を増やしたので水換えも1週間に一回で済むのではないかと期待しています。 餌は、熱帯魚様の顆粒状フードを用いていますがカルシウム含有量などを考えると、ザリガニ用の餌に切り替えた方がよいかもしれませんね。いずれにしても、飼い易くてすごく可愛いカニたちなのでショップで販売するようになれば結構人気出るんじゃないでしょうか? そう言えば、ここの所さかなおやじの元にちょっと風変わりな話が2つ舞い込んで来てます(笑)。一つは、某アクアメーカーが観賞魚の飼育相談室をネッ上で一緒にやらないかと言う話です。こちらは回答者はもちろん私、それに対する報酬?はそのメーカーの製品の無償提供だそうです。あまり得したとは言えないけれど、飼育相談みたいなものをメーカーが本腰を入れて取り組もうと言う姿勢はすごく評価できるので、どのような形になるかどうかはともかく協力しようと思ってます。 そしてもう一方は、知り合いのショップからさかなおやじのブログに自分の所の通販事業部をコラボレイトさせたいという話です。例えば、今回紹介しているシオマネキを万が一欲しい人が、このリンク先であるこのショップに飛べば入手できると言う仕組みです。確かに、欲しい人にはすごく便利なのかもしれませんけど、購入した生体に対してなんだか責任が生じるみたいで躊躇してます。別に、それで私の懐が暖かくなる訳ではないのであまりメリットがないかと思われます。先方からは、ブログで紹介する魚のモデルを無償提供するという話が出てますが、元々さかなおやじの購入する魚はそんなに高額じゃないし。それに、サラリーマンである以上、おおっぴらにバイトする訳にも行かないし・・・ね(苦笑)。
2005/09/25
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さて、バンコク土産の怪しげなコンディショナーの内「スネールリッド」の効果は確認できたのですから、次はコケ除去剤「アルジーリッド」の出番でしょう!(笑)。ただ、前にも書いたように我が家にちょうど実験に適したコケの繁茂した水槽が見当たらないので、この10日間ほど一生懸命準備してきました。水槽に発生するコケに悩まされると言う話はそれこそ掃いて捨てるほどありますが、何とかコケを生やそうと苦戦すると言う話はあまり聞いた事がありません(苦笑)。はっきり言って、結構大変でした。 まず、冒頭の画像は水槽のガラス面に付着する緑藻です。この藻類は、直射日光の当たるような環境下でよく繁茂します。したがって、魚(レモンテトラ)を多めに収容した水槽を、直射日光の差込む場所に設置しさらに肥料分として、ハイポネックスまであげちゃいました。これで確実に水槽内は窒素過多となったはずです。更に、仕上げとして水換えは一切しませんでした(笑)。苦労の甲斐あって、水槽のガラス面にはうっすらと緑色の藻類が付着しています。素直に嬉しいっ! 続いては、アオミドロ。この藻類はセットしてから時間の経過した比較的落ち着いた水槽によく見られます。アオミドロが出ると言う事は、それなりに水槽が安定している証拠?でもあるのではないでしょうか?アオミドロは硝酸塩濃度の高い水質でよく繁茂するとされていますから、魚の収容数が多めでフィルターがきちんと機能している水槽が育成には(笑)好ましいはず。という事で、友人宅からわざわざ採取してきたアオミドロをプラチナフレームテトラの幼魚が大量に収容された60cm水槽に入れ、さらに粗塩(博多の塩~♪です)を適量入れて、炭酸塩硬度を上げてみました。その甲斐あってか、アオミドロは順調に成長してきました。 最後は藍藻です。水槽セット初期に発生する事が多い黒みの強い青緑色の藻類で、水底や流木の上に膜のようにべったりと繁茂します。この藻類の一番嫌なところは独得の異臭を放つ事で、大繁茂すると部屋中が藍藻の芳香で充満する事になります(笑)。今回は、夏場に屋外で稚魚を育成していた大型のプラケースに藍藻が繁茂しているのを発見したので、それをそのまま実験に使おうと思います。本当はもう少しべったりと繁茂していた方が良かったんですけどね(笑)。 それでは、この3種類の藻類を使って「アルジーリッド」の効果を試してみたいと思います。予想では、藍藻には確実に効果があると思われますが特にアオミドロには苦戦するかも?いずれにせよ、実験開始です!
2005/11/18
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サラリーマンを廃業してから海外出張が頻繁すぎてじっくり趣味の時間をもてなくなっている影響はベタのブリーディングにも波及してます。何しろ、せっかく繁殖させても毎日ちゃんと餌あげないといけない稚魚期に1週間以上海外に出張し家を空けちゃったら、帰国後はほぼ確実に稚魚達餓死してますから(涙)。成魚と違い断食に耐える体力もないし、そうかといって留守宅の家族に毎日ブライン孵化させてって言うのもなんだか・・・ でも、今回は久々に頑張って綿密なスケジューリングの上ブリーディングをしてます!海外出張前に繁殖用水槽をセットしておき、私の出張中で帰国まであと4日と言う日に、家族に頼んでおいたペアを水槽に導入してもらう。そうすれば、帰国した翌日辺りに、孵化した稚魚が摂餌を開始します。次の出張までは1ヶ月くらいあるし・・・ってな具合で殖やした稚魚達がなんとか成長しずいぶんと大きくなってきました。 今回のブリーディングの目的は、良質のマーブル系メスを確保すること。繁殖水槽自体は個別にセッティングしましたけど、稚魚の育成管理は手間の関係から60cm水槽2本にまとめちゃってます。その中に、ブルー&ホワイト×2腹、レッド&ホワイト×2腹、そしてトリカラー×3腹のマーブル系プラカットの稚魚がワサワサしてる状態です。本当は、個別に育成すべきなんですけど、今回はやむを得ずって言うことで混ぜちゃいました。まぁ、系統維持云々を言うのはもう数代後の話ですから、今回はスタートと言うことでコレで我慢します。 現在、2本の60cm水槽に500尾をはるかに越える稚魚が収容されています。毎日、おとひめの細粒をバカバカ与えていますので、水の汚れるのも早いこと早いこと。ほぼ1日おきに水を替えています。ただ、少し不満なのが今回の生育スピードが遅い事。これは、まぁ海外出張で10日程度家空けることが多いため、その期間中は絶食状態ですから当然の結果なのですが・・・。ちなみにこれらの稚魚はほぼみんな3月3日生まれですからもうすぐ3ヶ月が経過しようと言うところ。それにしては小さいですね~。 ここまで、絶食にも耐え頑張って生き抜いてきた稚魚達ですが、本当に大変なのはこれからです。何しろ、本人たちの健康状態とは関係なく外見で選別されちゃうわけですから。コレだけ大量の稚魚達の中で最終的に残れるのはせいぜい20~30尾程度でしょう。特に、今回はメスの確保を目的にしていますので、オス個体はただオスだっていうだけで選別の対象になっちゃいます。改良品種を手がけていてこの時期が一番ワクワクする時であると同時に、自己嫌悪に陥る時期でもあるんですよね~。どんな時でも、飼育者の都合で選別淘汰するのはあまり気持ちよいものではありません。
2008/05/26
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学名:Danio sp.通称:ゴールドリング・ダニオ分布:ミャンマー体長:3cm飼育:★★(普通)繁殖:??(未経験のため不明) 今日紹介するのは、ポピュラーな種類が多いダニオの中では結構珍種に属するゴールドリング・ダニオです。ここ数年ミャンマーからの熱帯魚の輸入が増大した折にどさくさ紛れのように(苦笑)輸入されてきたダニオで、あまりアクアホビー界の脚光を浴びてません。でも、その後も輸入は途切れる事無く、細々とあるみたいなので今からでも入手は十分可能でしょう。 まず、このダニオは学名が判りません。おそらくは未記載種と思われダニオ属研究の第一人者のFanfan女史かKottellat博士あたりが、すでに記載の準備してるんでしょう、きっと。通称名のゴールドリング・ダニオですがこれってどういう意味なんでしょう?ゴールドのリング(金の輪)なのかそれとも、全身が金色のリングダニオって事なんでしょうか?いずれにせよ、外見とあまりマッチしてないネーミングなのだけは確かです。まぁ、いつも言ってることですが初めに通称名考える方はもう少し、ネーミングセンス磨いたほうがよろしいかと思われます(笑)。 さて、この名がちっとも体を表していないゴールドリング・ダニオですが模様はレオパード・ダニオに似てますが、ブルースポットの大きさなどから容易に区別できます。さらに体型はどちらかと言えば、昨日紹介したスポッテッド・ダニオの方に似ていますな。サイズも体長3.0cm前後とスポッテッドと並びダニオ属最小の種類と思われます。うーん、ゼブラ・ダニオにはレオパード・ダニオ、スポッテッド・ダニオにはゴールドリング・ダニオってなにか臭いますなぁ~(笑)。点と線の関係・・・ちなみに、生息地もスポッテッドとおなじミャンマーです。 ゴールドリング・ダニオは飼育が容易なダニオ属の中にあっては比較的飼育が難しいかも。特に、汚れた飼育水で飼育してるとほぼ確実に調子崩します。また、元々細身の体ですがなぜか飼育していると痩せやすいみたいで、ショップなどでガリガリに痩せたこの魚を見かけます。一度こうなっちゃうとなかなか回復は困難ですね~。餌は食べているんですけどなぜかなかなか太ってくれません。最近では水を飲むだけで体重が増える気がする私にしてみれば、羨ましい限りですけど(笑)。 飼育は少しだけ(ダニオとしてはですからね!)難しいけど、清楚な感じがするし泳ぎもゼブラやレオパードみたいに無神経に水槽内を泳ぎまくる感じはありません。性格も非常に温和だしね。もう少しコンスタントに輸入されてくるようになれば、それなりに愛好者は増えるかもしれませんね。ちなみに、私といたしましてはイチオシのダニオです!今までに繁殖させた経験がないので、今度の出張が終わったら一回ブリーディングしてみようと考えてます。 そうそう、今日はこれからバンコクに旅立ちます。と言うか、フライトが朝なのでam5:00頃には家を出て成田に向かう予定です。いつも朝方まで起きている私としては、今から寝るのは絶対無理だしこのまま徹夜して出発します!いつもの事ですが、徹夜明けに高速ぶっ飛ばすと非常に気分がハイになるんですよね~(笑)。
2006/09/01
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今日のアップは、イエローストライプ・シクリッド(Melanochromis auratus)と言う、アフリカの大地溝帯にあるマラウィ湖にすむ体長8cm前後のシクリッドです。写真を見ればお判りのように、非常にカラフルです!どちらかと言うと淡水魚離れして海水魚の雰囲気さえあるほどです。でも、人気は?と言うと・・・ありません(苦)。 さかなおやじが小学生の頃は、まだアフリカンシクリッドブームのはるか以前だったので、入手可能なアフリカンレイクシクリッドと言えばこのイエローストライプかゴールデンゼブラくらいでした。いまや、雑魚扱いの「アーリー」でさえその存在自体知りませんでしたから。また、当時は熱帯魚に関する情報もすごく少なかった時代なので、「このシクリッドはどうやら口内保育するらしい!」と聞いただけで、頭の中がパァ~ッ♪っとなってしまい(笑)、夢中で飼育した事を憶えています。 この間、今年度の誓いである(笑)「熱帯魚の繁殖記事」のネタ探しにショップの水槽物色してたら、この魚を見かけ、かつての思い出も蘇ってきて思わずゲット~!!となった訳です。それにしても、これだけ色鮮やかな魚なのにどうして不人気なのでしょう?? その訳は「とにかく底意地が悪い奴だから!」(苦笑)。どういう訳か、この手のシクリッドは皆「我輩の辞書に協調性という文字はない!」みたいな奴ばかりでとにかく水槽内は修羅場と化します。今回写真を撮った個体はまだ3cm程の幼魚ですからまだしも、これが体長5cmくらいに達するといよいよK-1ワールドの開幕です!見てる方が「いい加減にしろッ!」と言う気力もなくなるくらいに激しくバトルを繰り広げます。 これはまぁ、ただでさえ餌の少ないと言われるマラウィ湖で生き残るために仕方なく身に付けた性格なんでしょうから同情すべきところもありますが、平和主義の傾向が強いアクアリストは心臓に悪いですから飼育しない方が無難です。それでも、どうしても飼ってみたいと言うならば互いに特定の相手が認識できないくらいにゴッチャリと過密飼育がお薦めです。まぁ、60cm水槽に成魚で20~30尾もぶち込めば大丈夫かと思われます。もちろん、イエローストライプだけを飼育する必要はありませんから、おなじマラウィ湖に生息するシクリッドを好きなだけ入れちゃってください(笑) ところで、マラウィ湖の水質は一種独得です。PH8前後の弱アルカリ性の硬水なので、イエローストライプの飼育水もそのように調整してやらないとなかなかうまく飼育できなかったりします。一番簡単な水質調整方法は底砂にサンゴ砂を使うことで、こうすれば自然に水質はアルカリ性の硬水になって行きます。また、現地では岩に付着した藻類とその辺りにいる小さなエビなんかが主食になっているので、餌は普通の熱帯魚フードより植物原料を強化したものがお薦めです。 ここまで書いてくると「なんだか、アフリカンシクリッドの飼育って結構難しそうだなぁ~」と感じちゃうかもしれませんが、環境が整っていれば彼らは驚くほど頑強です。誤解を恐れずに書いちゃえば「頼むからもう死んでくれっ!」と願ったってそう簡単にはくたばりません(笑)。 今回は、イエローストライプシクリッドを例にとってアフリカンレイクシクリッドの繁殖の記事は作るつもりなので、この後3ヶ月もすれば皆さんに繁殖記事を紹介できるでしょう。成魚は良くぞここまでって言うくらい粗暴な魚ですが、親の口から出てきたばかりの稚魚はほんとに可愛いです。また、生後1ヶ月くらいの稚魚が仲良く群れているところなんぞ実際に見てしまったら、後先考えずにこいつらが欲しくなる事請け合いです。 ところで、イエローストライプ・シクリッドやゴールデンゼブラ・シクリッドなどマラウィ湖の岩礁地帯に棲息するシクリッドを呼称して「ムブナ」って言うんですけど御存知でした?「ムブナ=現地語で岩場の魚」なんですが、かつてはムブナって呼び名もよく耳にしましたが、最近では絶滅してしまったかのようにその呼び名を聞きません。逆に、ムブナって知ってる方は「立派な中年アクアリスト」の域に達しているのでは??(笑)。年齢詐称したい方は、ショップでムブナって言葉聞いても知らん顔しないとね。
2006/01/23
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今日のアップはブラックテトラ(Gymnocorymbus ternetzi)です。南米に棲息する体長5cmほどのカラシンですが、現在ショップで見かけるものはほぼ100%東南アジアブリードでしょう。 非常に丈夫で飼育しやすいテトラで、水質面・餌ともに特別の配慮は必要ありません。ただ、唯一問題なのが老成した個体はちっとも可愛くないって事でしょうか(笑)。写真の個体はまだ若魚なので、体の後半部分が黒く染まってシックながらそれなりの外見をしています。各ヒレもやや大きめなので、ヒレを広げながら水草の間をヒラッヒラッと泳ぎ回る様は中々です。 しかぁ~し!そんな可愛らしさも束の間の事でしかありません。ブラックテトラは老成するとだんだんと体の後半部分のブラックが抜けてきて、ただのシルバー一色の魚になってしまいます。しかも、何故か肥満しやすいタイプなのか若かりし頃の可愛らしさの面影もうかがえない、単なるデブになっちゃいます。こうなると、不思議なもので水槽内で妙に存在を主張するような気がするから不思議です(苦笑)。はっきり言って、あまり見たくない醜い体型で水槽内ををウロウロする様は、まるで我が家の奥方様・・・なんてことは全然ありませんよ。「頼むから視界から消えてくれっ!」とでも言いたくなるような存在になること請け合いです(笑) ブラックテトラには原種の他にもホワイト(白化個体)やロングフィンという改良品種も存在します。ただ、元々が元々だけに改良品種もあまりパッとしません。それじゃあ、という事でボディを染めちゃったのが東南アジアのブリーダーたちです。この技法は白コリやピンポンパールでも見受けることが出来ますが、要は体の一部分に超強力な色素を使ってカラーリングを施すと言うものです。もちろん、ただ染めただけですから色抜けしていずれは元に戻っちゃいます。人の好みの問題ですからあまりなんですけど、あまりにも安直でチープな発想だと思います。 個人的には大嫌いですが、まだラージグラスに蛍光塗料注入してる方が志の高さを感じますね。こちらは一応、注射器を使ってラージグラスの体腔内に蛍光塗料注入してるので、一応作業にはそれなりの技術を要しますから。それに較べて、カラーブラックテトラなんて我が家でも赤チン(今時そんなもんないか)か食紅あたりで着色可能なレベルですから。 どっちにしても、この魚が特別に気に入ったと言う人以外は購入するのを控えた方が無難かもしれませんね。このブラックテトラと言う魚は・・・
2005/12/10
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今日は前回に引き続き原種ベタを紹介しましょう。インドネシアのカリマンタン島(ボルネオ)に棲息するベタ・アルビマルギナータ(Betta albimarginata)です。ベタの仲間は、その繁殖方法によって大きく2つのグループに分けることが出来ます。一つは、ショーベタをはじめとする改良ベタや前日のスマラグディナのように、水面に泡巣を作って繁殖するタイプ(バブルネストビルダー)、もう一つはオスが受精卵を口に咥えて孵化まで保護するタイプ(マウスブルーダー)です。このアルビマルギナータは後者のマウスブルーダータイプの人気種なのです。 体長4cm前後の比較的小型のベタで、新種として記載されたのは1994年と比較的近年になってからのことです。成熟したオスは、赤みの強い茶褐色の体色で、ヒレ先が鮮やかな白で縁取りされているのが特徴です。このカラーパターンは、ベタの最高峰とされるベタ・マクロストマに良く似ていて、しかも体長が半分以下と飼育しやすいサイズのため、非常に人気がある原種ベタと言えるでしょう。 人気種だけに市場価格もかなり高いものとなっていますが、その実飼育しやすく繁殖も決して難しくないベタです。水質は塩素中和した水道水でも飼育可能ですが、繁殖まで狙うならば弱酸性の軟水をキープする必要があるでしょう。我が家でもピートを用いて水質調整しているため、水が少し茶色に色が付いています。エサに関しては泡巣を作るタイプに較べマウスブルーダータイプのベタは、顆粒状の人工餌にも餌付きます。ただ、やはり冷凍アカムシなどの方が数段美味しいらしく、エサの食べっぷりが違います。 ベタ・アルビマルギナータはそれほど闘争本能が強くないため、複数を同時に飼育してもあまり問題は生じません。上の写真のような地味な体色のメスと冒頭の色鮮やかなオスを一緒に飼育していれば、飼育水槽でも繁殖可能です。オスが受精卵を口に咥えて保護すると言う習性のため、他の魚とのコミュニティタンクでも子供が採れるほどです。 一度の繁殖で20~60個ほどの卵が産卵され、2週間ほどでオスの口から稚魚達が飛び出してきます。稚魚は、グッピーの稚魚よりも大きい程ではじめからブラインシュリンプを摂餌できるので、その後の育成も非常に楽です。 このように繁殖の難しくないアルビマルギナータですが、時折ぜんぜん繁殖しないと言う話も耳にします。私の個人的な見解では、これはペアのパワーバランスが上手く取れてないためではないかと考えています。と言うのも、ペアは産卵回数を重ねるに連れてメスの力が増してきます。結婚して時を経ると、奥様のパワーがアップするのに対して、旦那の方はしぼむ一方で、いつの間にか家庭内の権力委譲が行われているのは人間だけではない様です(苦笑)。こうなると、繁殖期を迎えて、オスがメスに対してモーションをかけても撥ね付けられてしまうのです(涙) しかし、我が家では100尾くらいのアルビマルギナータを大型水槽でまとめて飼育しているので、オスは絶えず初々しい(笑)メスを探し出す事が出来るのでしょう。ほぼのべつ幕無しに水槽内では繁殖が行われています。 話は変わって先日妻が私にネクタイを買ってきてくれました。珍しい事もあるもんだと思い、一応礼を述べると妻が「礼ならベタに言えば!」と言うではありませんか??話を聞くと、妻はしばらく前からビッダーズのオークションに、我が家のアルビマルギナータを出品していたそうです。そう言えば、以前やたらと殖えたアルビマルギナータを、カネゴン(チャカチャカの事)の餌にしていた時に「その魚売れば」と言う妻に対して、「面倒だから嫌だ!」と答えた記憶が・・・その後、「私が売ってもいい?」と言う妻に対して、ろくに聞きもしないでOKしたような気がします(苦笑) 我が家のアルビマルギナータはチョボチョボではありますが、買い手が見つかるようで妻の懐を少しだけ暖めたようです(笑)。そのおこぼれが私のネクタイに化けたと言う訳でして・・・。でも、カネゴンの餌になるより、欲しい人のところに貰われていった方が魚も幸せなはずだし、まっいいか~♪
2005/09/28
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形状による区分 プラカットとロングフィン 改良ベタはヒレの長さに着目すると、原種と同じようにヒレの短いショートフィンタイプと、そこから派生したロングフィンタイプの2つに分類する事が出来ます。このうちショートフィンタイプを一般的に「プラ・カット」と呼んでいますが、これはタイで原種のスプレンデンス種が「プラー(=魚)・カッ(=咬む)」と呼ばれている事から来ている名称です。そんなショートフィンタイプが観賞用としてアメリカに輸出され、かの地で突然変異的に出現したのがロングフィンタイプのベタで、1900年代初旬の事とされています。 この様に、プラカットもロングフィン・ベタも元は同じ原種であるベタ・スプレンデンス(Betta splendens)の改良品種だけに、見た目は異なっても同一種に過ぎませんから自由に交配できますし、その子孫にも遺伝的な障害は生じません。従って、プロブリーダー達は結構自由にこの圧の異なる品種を交配し、さらなる品種改良をしています。 一般的に「ロングフィンはショートフィンに対して優性」と言われています。つまロングフィンの遺伝子をL、ショートフィンの遺伝子をlとすると、LLはロングフィン・Llもロングフィン、llと言う遺伝子型を有する個体のみがショートフィン、つまりはプラカットになると言う事です。また、Llと言うヘテロ型のロングフィンの個体同士を交配すると、生まれてくる子供はLL:Ll:ll=1:2:1となり、理論上ではロングフィンが75%、そして25%はプラカットタイプが生まれてくる事になります。よく「ショーベタ同士で子供を採ったのにプラカットも混じって出てきた」と言うのは、両親がLlと言うヘテロ型のロングフィンだった事に由来します。 ・・・って言うのが、ベタホビー界での一般常識です。・・・がぁっ!本当か??と言うのも、もし通説の通りならば、なぜロングフィンともプラカットともつかない個体が存在するのでしょうか?今日の画像の個体は、一応プラカットなんですが妙に各ヒレが伸長しています。また、ロングフィンタイプである事は確実なのに、いくら育成してもヒレはある程度までしか伸長しない個体も存在します。まったくの個人的見解ではありますが、ベタのヒレの長さは「不完全優性」と考えた方が正しいのではないでしょうか。つまりLL型はロングフィン。Ll型は中位のロングフィンそしてllがプラカット(ショートフィン)と言う訳です。実際にはもう少し複雑な遺伝的要素がある様な気もしますが、研究機関でもないとその辺の検証は不可能と言ってよいでしょうし、個人的にもあまり深く突っ込みたくありません(笑)。 我々アマチュアがベタの繁殖を楽しむ場合、オスの方はロングフィンタイプとプラカットを見間違える心配はないでしょうから左程気にする必要はありませんが、問題はメス個体の方です。オスに比べて元々ヒレの伸長の度合いの少ないメスでは、ロングフィンタイプとプラカットタイプの差異があまり明確ではありません。数世代に渡って自家繁殖している系統でない限りは、外見からメス個体の遺伝子型がLL・Ll・llのどれなのかは判別困難です。逸品堂で販売しているメス個体も、バンコクのブリーダーの「これはショーベタのメス、こっちはプラカット」って言うのをそのまま信用しているに過ぎません・・・って言うか信用したくなくっても、判らないんだからしょうがありません(苦笑)。でも、バンコク郊外のベタファームで、ショーベタのメスとプラカットのメスを同じ池の中から掬ってるの見てるんですよね~(笑)。彼ら自身もあんまり明確に両者を区分していないと思われます。我々も所詮は趣味なんですから、「同腹の子供にショーベタとプラカットと両方出てきたっ!」って楽しむ位のおおらかな気持ちが必要なのかもしれません。・・・それがどうしても許せないって言う方は、ご自身で数世代系統維持なされるのがよろしいかと思われます。
2012/01/26
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副業なので左程大規模ではないとは言うものの、それでも常時数百尾のベタを管理している逸品堂では、当然のことながらかなりのロスが出ます。ロスの内訳はと言うと、仕入れたベタ100に対して、買い手見つからずが20%、輸送中のヒレの破損や管理ミスによる羅病が15%位と言うのが、最近の統計で出ています。つまり、ロス率は35%ってとこですから、結構高いですね~(涙)。 このうち買い手が見つからずっていう個体は、仕入れる人間つまりは私の目利きがなっていないと言うことで、市場の動向がつかめていないって事なんでしょう。もっとも、色物マニア(笑)ですから、一般受けしなくても個人的に好みの変な個体とか仕入れてきたりしますから、半ば確信犯的なとこがあります。つまり、元から買い手が見つかる事なんて期待していない個体も結構含まれてまして、もちろんこいつらは私の個人的かつ趣味的なストックに回されます。 問題なのは、ヒレの破損などで販売出来なくなった個体です。あんまり状態がひどい奴は我が家で飼育している数少ない魚食性の大型魚の餌となっちゃいます。・・・かわいそうだけど、御免。でも、ほんのチョットだけヒレが痛んだ個体とか、管理ミスで鱗が数枚剥がれちゃった奴とかはそんな事するのは忍びないし、かといって販売するのもいかがなもんだろうってことで、逸品堂の会員様専用のプレゼント個体としています。 まぁ、プレゼントと言いながらご購入いただいた際にのみ差し上げると言う、結構あざとい商売ですけどね(笑)。ちょうど、今日の画像のような個体がプレゼント対象となります。もちろん、ヒレが痛んだり鱗が剥がれたりしても、これは後天的なダメージですから次世代に遺伝するわけもありません。そんな訳で、繁殖にでも使っていただければその個体も少しは浮かばれる事でしょう・・・って言う事で、今日「会員様専用プレゼント個体」の撮影を頑張りました。HPへのアップは明朝って事になりそうですが、会員の皆様早い者勝ちですのでお気に入りの個体がございましたらぜひどうぞっ!!
2009/06/08
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以前このブログでも取り上げたのですが、最近クラウンテールに新たな系統が定着しつつあります。それが今日紹介するキングクラウンテールと言う奴です。通常のクラウンテールは尾鰭の軟条が糸状に伸長し、その全体像がまるで王冠(CROWN)のように見える事からその長つけられました。キングクラウンは、尾鰭の先端部分が反り返るようなカーブを持つため、上下の軟条の先端部分とそれぞれ交叉するのが特徴です。 この系統に関しては現在の主流がシンガポールのようで、ベタ王国である筈のタイは一歩出遅れています。もちろん、バンコク周辺のベタブリーダー達もシンガポールから種親を輸入しタイ産キングクラウンの作出に向けて頑張っているようですが、今の所量産できていないみたいです。 今回の画像の個体は、バンコクの知り合いのブリーダーがシンガポールからキングクラウンを購入するのに便乗し、取り寄せてもらった物です。確かに尾鰭の先端部分が交叉しキングクラウンの特徴は出ていますが、全体的にあまり美しくないですね~。コレで日本円に換算すると諭吉君クラスしちゃうんですから・・・。 もちろん、一級品になれば美しいシルエットを持っていますが、元々クラウンテールという奴は老成した際に、ヒレ先がバサバサした感じになり寝起きの爆発した頭みたいになるのが欠点です。キングクラウンはその特徴上、この欠点がさらに増長されていると見るべきで、どちらかと言えば若魚時代を観賞する物なのかもしれません。 いずれにせよ、バンコクのブリーダー達が結構頻繁にシンガポールから種親を輸入しながらも、固定化できないのには何らかの問題があるのでしょう。個人的には、種親のメスにちゃんとした個体を使っていない・・・つまりシンガポール側でメスの放出を抑えているんじゃないかと考えています。その場合でも、所詮は同じベタ・スプレンデンスの改良品種な訳ですから、インブリーディングを注意深く続けていけばそのうち作出出来るんだと思います。 もっとも、新し物好きで根気のない傾向の強いタイ人ブリーダー達には数世代に渡りインブリーディングするなんていう悠長な作業は苦手でしょうね~。本来こう言った作業は我が国の国民の得意とするところだと思います。誰か日本人が頑張ってくれるのを待ちましょう!・・・えっ?私ですかぁ??ダメダメッ!根気のなさでは決してタイ人に引けを取らない男ですから(笑)。
2010/04/16
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さて、今日のアップは昨日の予告通りペルビカクロミス・プルケール(Pelvicachromis pulcher)の再登場です。昨日、以下の様な大見得切ってしまってから結構後悔してます(苦笑)。~昨日の大見得(抜粋)~ということで、2ヶ月間さかなおやじの持てるすべのノウハウを駆使して育成した1ペアがいます(笑)。明日は、そのペアの登場だぁ~♪乞う御期待! さて、上の画像のペルビカが究極の美しさかどうかはともかく(笑)、この2ヶ月間の管理方法について説明しておきましょう。まず、第一に個体(特にオス)の各ヒレが美しく伸長するように、ペアとも別々の45cm水槽に収容し管理しました。これは、同種間での縄張り争いなどで、ヒレの先端部分を食いちぎられるのを防ぐためです。ちなみに、オスメスとも小型カラシンと同居させておきました。 次に水質管理ですが、毎週全水量の2/3を塩素中和した水道水で換水し亜硝酸濃度をとにかく低く抑えるように心がけています。また、フィルターにはスドーのブリーディングフィルターにエーハイムのパワーヘッドを取り付けたものを使用しています。 最後に餌についてです。餌は色揚げ効果を重視し、クロマフード・冷凍コペポーダ・スピルリナタブズ(セラ社)をバランスよく与えました。また、肥満しやすい魚なので、体形の崩れを防ぐ意味で餌は少なめを心がけました。 そして待つ事、約2ヶ月で上のような個体に仕上がったと言う訳です。管理については文章にすると大層な事に思えますが、実際には通常の管理とさほど違いがある訳ではありません。それぞれ個別飼育したのが、ちょっと違うくらいだと思います。いかがでしょう?昨日の個体よりは結構美しく仕上がったと自負しておりますが、皆さんの評価や如何に??(笑) ところで、結構観察力に優れた人であればお気づきかと思いますが、今回使用したペルビカのオス個体の尾ビレにはブラックスポットが一つもありません。セブンスター作出してるんじゃ?実は、2世代前の種親から生まれてきた稚魚の中に無斑のオスが一尾だけいまして、問答無用で淘汰選別しようと思ったのですが、背ビレの付け根付近が漆黒に染まるところが気に入ってそのまま残しておいたと言う訳です。 今回紹介したオス個体は、その子供です。やっぱり、背ビレの付け根が黒く染まってます。これはこれで結構気に入っているので、今後も維持していこうかなと考えてます。 西アフリカ河川産シクリッドの雄、ペルビカクロミス・プルケールいかがでしたでしょうか?アピストに勝るとも劣らぬ魅力の持ち主だと思いませんか?是非とも、一度御自分で飼育されてみてはいかがでしょう?なお、プルケールでは飽き足らないと言う方には、更に美しいペルビカクロミス・タエニアタスもいますんで(笑)。こちらは様々な地域変異も知られており、よりディープなマニア向け商材となっておりますです、ハイ・・・。
2005/10/12
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今日のアップはコバルトロージーテトラ(Hyphessobrycon sp.)です。10年ほど前からわが国に輸入されてくるようになった体長4cm前後の南米産のテトラですが、学名ですらいまだはっきりしていません。もっとも、まだ学名の記載されていない新種なのか、記載はされているのだが我々アクアリストがその学名までたどり着けないだけなのかは定かではありません(笑)。画像を見れば誰でもピ~ン!と来るでしょうが、ロージーテトラやロバーティテトラの近縁種でしょう。 でも、画像を見て首をかしげている人も少なくないのでは?そうです、画像を見る限りでは、ボディの金属光沢はエメラルドグリーンにしか見えません。名称のコバルトはどこに??勘のいい方なら「ああ!これはさかなおやじの撮影技術が至らない云々と言ういつものパターンだな」と考えたでしょう!そこのあなたっ!!白状しなさい(笑)。でも、今回ばかりは違います。実物の色彩も紹介した画像とほとんど変わりません。 じゃあ、なんでエメラルドロージーじゃなくてコバルトなのさぁ~。・・・実は、10年ほど前にわが国に輸入されてきた魚と、最近入荷してくる魚が違うんです。昔の個体はほんとうに肩口にコバルトブルーの色彩がうっすらと乗ってましたが、最近見かける個体はみんなエラ蓋後方部分がエメラルドグリーンに輝きます。別種かどうかはわかりませんが、明らかにことなるタイプなんですからこの魚をコバルトロージーと呼ぶこと自体に無理があると言わざるを得ません。 この「コバルトロージー パート2」とでも言うべきテトラのもう一つの特徴は、尾鰭の上端だけにうっすらと赤い斑紋が入ることでしょう。本家ロージーやロバーティあたりでは上下共に赤い斑紋が入る事を考えれば、近縁種との判別は容易です。飼育自体は容易な魚ですが、ロバーティテトラ同様弱酸性の清浄な飼育水を用意してやらないと、なかなか見事な色彩を披露してくれないという気難しい一面も持ち合わせています。 今のところショップで見かける個体はすべて現地採集ものだと思われますが、雌雄の判別は容易ですから繁殖自体はさほど困難だとは思えません。ちなみに、今回の3枚の画像の内真ん中のものがオス、一番下の画像がメスです。オスメスの判別は、やはり背ビレの大きさで判別するのが一番確実でしょう。コバルトロージーはメスにもエメラルドグリーンの色彩がありますので、近縁種のメスと混同する恐れはほとんどないと思います。 私の知る限りでは、国内でコバルトロージー繁殖させたと言う話は聞いたことがないので、どなたか日本初!に挑戦してみてはいかがでしょう(笑)。飼育している感じでは、別に繁殖難しくなさそうです。えっ?オマエがやれって??(笑)。うーん、個人的には元祖ロージーテトラのほうが好きなんで、そっち繁殖中なんですよね~。以前ブログで皆さんに公約した「養殖ロージーの子どもはどこまで美しさを取り戻せるか!?」って言う課題に取り組んでるもんですから。
2005/12/22
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今日は久々に水棲生物でアップします。今日の写真は我が家のヒメツメガエルです。コンゴなどの西アフリカに生息するため別名コンゴツメガエルとも呼ばれる、完全に水中に適応したカエルで、生涯陸上にあがり生活することはありません。成長してもせいぜい3~4cm位の小型サイズであることや、熱帯魚などと同じ飼育方法で簡単に飼える事から、中々人気があります。 さすがにカエルだけあって、水中で鳴くらしいのす。カエルに詳しい友人によるとチーと(決してジーではないと変に力説してました)非常に小さな声で遠慮がちに鳴くそうですが、中古のエアーポンプやモータ辺りがブルブルとかバリバリとかけたたましい音を立てているさかなおやじの温室では、残念ながら遠慮がちに「ちーだかジーだか」つぶやいてもな~んも聞こえないもんね。 飼育に関しては、通常の小型熱帯魚の飼育設備で十分で水質も中性付近をキープしていれば問題ないでしょう。エサは生き餌や冷凍エサしか食べないという記述も眼にしますが、馴らせば結構人工エサも食べてくれます。ただ、両方の前足でわんこそばでもかっ込むように食べるため、フレークフードなどでは口に入る量と粉々になって口から逆流してくる量が同じくらいという事にもなりかねず、飼育水が汚れてしまうのでペレットタイプの方がお勧めです。また、水槽の厄介者スネール(最近結構話題になっている)を食べると言う人もいるが、少なくとも我が家ではスネールを好んで食べている様子はないようです。ただ、基本的に口に入るものは何でも食べてみると言う、遠慮や恥じらいなどとは無縁の生き物なので、間違えて口に入ればスネールだって食べるくらいの事はするだろうと思う。 うまく飼育できていれば、春先などに繁殖も経験することが出来るでしょう。水温調整が可能な飼育設備を持っている人であれば通年繁殖可能だと思われますが、通常は水温が22~24℃位の時に繁殖を行うようです。夏場の高水温はあまり好まないようで、この時期には繁殖行動を見かけたことはありません。オスメスの区別は体のでかい方がメスと考えておけばほぼ間違いありません。ただ、それだけではちょっとと言うのであれば、繁殖シーズンのオスのわき腹に出現する赤みを帯びた虫刺されの後みたいなもので判断するとより確かでしょう。ペアはオスがメスに抱きついたまま水面近くまで浮上し、水面に卵を生み出します。卵は水面に浮かび、大体24~30時間で孵化し、小さなオタマの誕生です。 決して色彩的には美しくありませんが、ユーモラスな行動と小型で飼い易い点は評価できると思います。ただ、ヒメツメガエルに非常によく似たアフリカツメガエルという種類もよくショップで売られています。こちらの方は、小さいうちの可愛さは同様なのですが、エサを阿呆のようにたくさん食べ、見る見るうちに巨大化し手のひらからはみ出すほどにでっぷりとしたその姿はユーモラスと言うより、結構醜悪でおぞましいと思います。皆さんも、間違えてアフリカの方手に入れないように。両者の簡単な区別方法は、体の表面がザラザラしているように見えるのがヒメツメ、洗顔フォームを使った顔面のようにツルツルスベスベなのがアフリカです。写真のヒメツメは2世代目なのですが、彼らの親ガエルと同時に購入したアルビノのアフリカツメガエル(娘の可愛~い♪の一言で購入決定)は、今では我が家で唯一の理解者であったはずの娘にさえ「あの白ブタ」と言う愛称?で蔑まれております。 ところで、我が家には現在自家繁殖物の5匹のヒメツメがいるのですが、中でも一番のチビでヤセなカエルが、よく水草に寄りかかるようにして「阿波踊り」のようなポーズを決めているのです。他の兄弟も同様の格好をする時ももちろんありますが、チビは頻繁に阿波踊りしとります。そのせいか、5匹の中では娘や息子から一番可愛がられております。もっとも彼女らの可愛がると言うのは、さかなおやじの温室の飼育水槽からチビガエルを掬い出し、コップなどに入れて自分の部屋に連れて行くという物なので、当のヒメツメは可愛がられていると言う認識は皆無だと思います。それにしても阿波踊りのポーズだけで気に入られるとはやはり「踊る阿呆に食う(本当は見るですが・・・)阿呆、同じ阿保なら踊らにゃ損々」なのだろうか?と真剣に今後の自分の処世術について哲学するさかなおやじでした。
2005/06/08
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今日のアップはゴールデンテトラです。一般にゴールデンテトラと呼ばれているカラシンの仲間には数種類が混在しています。写真の魚はヘミグラムス・アームストロンギィ(Hemigrammus armstrongi)とされています。このゴールデンの特徴は体側部にメタリックブルーのラインが走る事と、尾鰭の付け根に黒いひし形の模様があることです。体色はゴールデンと言うよりはシルバーに近いでしょう。また、ヘムグラムス・ロドウェイ(Hemigrammus rodwayi)の方は、体色がほんとうに金箔を貼り付けたように金ピカなのと、尾びれの上下がやや赤く染まる事が特徴です。 ところで、皆さんはなぜゴールデンテトラが光るのか御存知でしょうか?じつはこの金属光沢の体色はこれらの魚本来の物ではなく、体表に寄生したバクテリアが光に反射して起こる現象だとされています。時々、このバクテリアの事を発光バクテリアとしている書籍などを見かけますが、本来発光とは暗闇で自分の力で光る(ホタルな)物を呼ぶので、光の反射で光る場合は発光とは言いません。あしからず・・・。 ゴールデンの体色がバクテリアの寄生によるものだだけに、ゴールデンテトラを長期間飼育しているとだんだん色があせてきて、その魚本来の地味な体色に戻ってしまいます。どちらかと言えば、アームストロンギィ種の方が色褪せは少ないようです。その分ロドウェイ種はゴールドの輝きがゴージャスなため、一時的な輝きか長持ちか選択に悩むところです。 さて、ゴールデンの発色がバクテリアの寄生によるものなのは判明しているのですが、いったいいつの時点でバクテリアが魚に寄生するかはよく判っていません。卵の時なのか、幼魚期かそれとも成魚になってからか・・・。さかなおやじは以前、どうしても金色のブラックファントムテトラを作りたくて、ゴールデンテトラを大量に飼育した水槽の水を使ってブラックファントムを繁殖させた事がありますが、残念ながらというか予想通り、1尾もゴールデンブラックファントムは出てきませんでした(苦笑)。それどころか、ゴールデンテトラ同士(さかなおやじの場合はロドウェイ種)の繁殖を水槽内で行っても子供たちには1尾もゴールデンタイプは出現しません。魚自体はポピュラーな種類ですが、実はまだまだミステリアスな部分をたぶんに持ち合わせています。 ゴールデンの発色をさせるバクテリアはその他の魚にも寄生するようで、ペンシルフィッシュ・ペレズテトラ・テトラオーロ・カージナルテトラなどたくさんの種類でゴールデンタイプが見つかっています。マニアの中には各魚のゴールデンタイプだけをコレクションする人もいるほどです。ただ、前述の2種以外のゴールデンタイプは全身ベカベカと言うほどには光り輝かず、体の所々がという程度に終わっているのも謎の一つと言えるでしょう。
2005/07/11
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今日のアップはダニオ・フィーグラディ(Danio feegradei)と言う、ミャンマーに棲息するダニオの仲間です。ところで、先日もコメントしたように現在ダニオ属と呼ばれているのは、かつてブラキダニオ属だったゼブラダニオの仲間ですから、この魚もゼブラダニオと同属って事になります。でも、正直言ってジャイアントダニオと同じデバリオ属の気がします(笑)。きっと、1,2年もすれば学者がデバリオ・フィーグラディって発表する気がします。そうじゃなきゃ、新属を作りそこに入れるか・・・ 見てお判りの様に、先日のブルグリッターダニオに引き続いて大変地味なお魚です(苦笑)。写真の個体はまだ若魚で体長3cm位ですが、成長すると5cmにはなります。ただ、成長してもあまり外見は変化しません。ヒレ先がオレンジ色に縁取られるくらいがせいぜいです。でも、期待して購入したブルーグリッターと違い、初めから地味なの承知でゲットしたから別にいいんです(笑)。 こんな地味な魚なんて買わなきゃいいのにって思う方も大勢いらっしゃるでしょうが、それがいわゆる「コレクター癖」って奴なんでしょうね(笑)。一度も飼育した事のないコイ科やカラシン科の魚を見るとどうしても手が出てしまいます。ここんとこ、ミャンマー辺りから今まで我が国に送られてきた事のない観賞魚が続々と入荷してきます。中でも、あの辺りはコイ科の宝庫ですから勢い「さかなおやじコレクション」が増大すると言うわけです。ここんとこ、我が家のダニオコレクションが異様な充実振りを見せてきています。自分でも愚かだとは判ってるんですけどね~(苦笑) まぁ、ダニオやデバリオの仲間はすごく丈夫だし混泳させても問題ないので、120cm水槽に片っ端からぶち込んどけばいいんで、助かってます。それでも、時には混泳水槽の中でこちらがビックリする程美しく育ったりする魚もいるのでたまりません(笑)。でも、フィーグラディは期待薄ですけどね。ショップでこの魚を見かけた方は、この色彩が嫌いでなければ飼い易くてそれなりにお薦めですが、サイズがやや大きくなる事とダニオの宿命でとにかくせわしなく泳ぎ回るので、最低でも60cm水槽用意しないと見ていてイライラする光景になるかもしれません。一応御忠告までに・・・
2006/01/18
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今日は鱗の並びについて考えてみたいと思います。ベタに限らず、健康な魚の鱗は整然と並んでいて、見ていて違和感を感じません。まぁ、中にはあ、あれっ?って言いたくなるような変な鱗の並びしている魚もいますが、ベタでは1枚目の画像のように鰓蓋後方から尾柄部(尾鰭の付根)まで1列に整然と敷き詰められた鱗の列が、何列も体の上を走っています。 でも、時にはこの整然としている筈の鱗列が乱れた個体が存在します。2枚目の画像のオレンジ色の丸いで囲った部分をよくご覧いただければお判りだと思いますが、明らかにこの部分で鱗の列に乱れが生じています。鱗の乱れる原因は様々で、例えばこの個体では脊椎骨が湾曲していて、それに伴い肉の部分や体表も湾曲しているのが原因のようでした。他にも、何かの衝撃で鱗が剥離し再生した鱗が前からある鱗とサイズや生える方向が異なるものがよく見つかります。 後から鱗が数枚剥離してしまったような後天的なケースでは鱗の乱れも、それほど気になるものではなく済む場合も多いのですが、問題は生まれつき鱗に乱れが有る個体の場合です。私の乏しい知識でははっきりとした事は判りませんが、必ずしも先天的(遺伝的奇)とは限らないようです。稚魚の時期に水質や水温の急変、病気による体表の損傷、魚病薬のダメージなどで脊椎骨や体表に奇形が生じるケースも確実にありますので、稚魚のときから鱗が乱れていると言っても、必ずしもその子孫にまでこの奇形が受け継がれていくと言う訳ではないようです。 ただ、いずれにしても鱗の乱れ自体は飼育者にとっては歓迎すべき現象ではありませんから、可能であればそのような個体の入手は避けた方が無難です。・・・とそう言っている本人が、バンコクで気が付かずに仕入れてきちゃったりするんですよね~(苦笑)。何度も書いてますが、バンコクのベタショップなんてどこも薄暗くて、なかなか個体の細部までチェックできないんですよ。もちろん、日本に帰国して鱗の乱れに気が付いた際は販売リストから除外しなくてはなりませんから、完全に丸損です(涙)。
2008/08/31
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さて、昨日は出先からの更新だったのでそっけなく当選者の発表だけで終わってしまいましたが、やっぱりこう言うイベントは盛り上がるから楽しいですよね~♪コレで、もう少し暇で趣味に時間が割ければもっともっと面白い企画色々やっちゃうのになぁ~(苦笑)。ビジネスの方はおかげさまで着々と前進していて、下手をすると来週またイギリス行きかもしれません・・・。ッてことは、下手をするとクリスマスイブはロンドン?いやいやもしかしてバンコクぅ~??なんて事でしょう!別にクリスチャンじゃないですが(笑)、クリスマスくらいは我が家で家族と過ごしたいものです。・・・ところが、家族にその話を披露すると家内まったく問題なしっ!娘はクリスマスプレゼント前倒ししてねっ!ただ唯一の救いは息子(小3)のパパがいないと淋しいなぁ~まったく、中年オヤジの安息の場なんて家庭に求める方が間違いなんでしょう(苦笑)。 ところで、今回のプレゼントの商品である淡水ブラインシュリンプですがイギリスのメーカーとの商談ではフェアリー・シュリンプと言っていますので紛らわしくていけません。そこで今後は名称をフェアリー・シュリンプに統一するとして、今回当選された873mさんとおぎのさんですさんが休眠卵を孵化させるあたりに下手をすると日本脱出してますから(涙)、この場をお借りして簡単な飼い方について説明しておきましょう。 ・・・とか言ったって、大して注意すべき点も少なくすごく簡単です。飼育水は水道水でOK!我が家で確かめた範囲では塩素中和も必要無いみたいです。ただ、水槽の水を使うとたまにまったく孵化しない事がありました。おそらくは、フェアリー・シュリンプにとって有害な魚病薬か住金属イオンが水槽内に残留していたのかも?いずれにしても、水は水道水を使った方が無難です。近所の川や池から水を汲んでくるのも止めた方がいいかも。・・・と言うのは、そこにもともと棲んでいた?他の水棲微生物がウジャウジャ湧いて来る可能性がありますからね(笑)。それが、ミズミミズやヒドラなどの本当に招かざる客であったら論外ですが、ミジンコあたりでも餌についてフェアリー・シュリンプと競合しちゃう可能性ありますから。 水温は、今の所15℃位までは大丈夫のようです。ただ、今の時期屋外や室内であってもあまり寒い所はボツでしょう。出来れば25℃前後まで水温を上げてやると調子もよく成長も早いようです。餌は、休眠卵と混合されている乾燥緑藻だけで大丈夫だと思いますが大量に成体を得たい場合などはそれだけでは餌不足ですから、クロレラあたりを与えましょう。乱暴に言っちゃえば基本的にはミジンコとほぼ同じ習性ですから、ドライイーストあたりでも十分飼育できるはずです。 水温が25℃前後であれば、ほぼ1昼夜で休眠卵から稚エビ(ノープリウス幼生)が孵化してきます。サイズはブラインのそれよりもかなり小さいので、馴れないと初めの内は見つけにくいかも。幼生は成長を続け3日前後で親と同じようなブラインシュリンプ型になります。この後、順調に行けば2週間前後で冒頭の画像のような姿形になる筈です。そして、ブラインなどよりもやや長生きするようでその後1ヶ月以上平然と生育を続けている個体もいます。やはり、初夏の水田に現れて生後1ヶ月足らずで死んでいく自然環境とは違い、かなり恵まれてるんでしょうね水槽内は。 成熟したフェアリー・シュリンプはまもなく繁殖を始めます。このあたりの仕組みはブラインとほぼ同様で、メスは卵が沢山入った卵嚢をお腹にぶら下げてイナバウワー泳法で泳ぎ回ります。ちなみに、オスメスの区別は頭の形状を見るのが一番早いでしょう。さいずち頭でシュモクザメ状態なのがオスで、比較的まともなのがメス。ちなみに、冒頭の個体はメスです。 卵は非常に微細で肉眼では識別しにくいサイズです。・・・ってそれは私が老眼だから?(苦笑)。卵はそのまま水槽内に放置しても原則として孵化しません。と言うのも、彼らのライフサイクルの中には、一度周囲の水が無くなり乾燥状態になるって言うのが重要なポイントになってますから、飼育下でもそれを再現してやる必要があります。と言っても、別に難しい事ではなく飼育容器の水を抜いて一度カラカラに乾燥させればOKです。しばらくして、また水を注げばまたまた稚エビの登場です。 と言うように、フェアリー・シュリンプの飼育は非常に簡単なので別に問題は無いと思いますがやはり相手は生き物ですから、機械のようにいつも同じ様に上手くいくとは限りません。上記の通りにやってみたのにうまく行かなくたって文句言わないでね!(笑)。それと、あくまでも甲殻類ですから、水中の重金属イオン特に銅イオンの存在には非常に敏感なのでその点には御注意くださいね。
2006/12/12
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昨日のブログで宣言したように、今後しばらくの主食を甘栗からチーズにシフトしようと考え、今日大量にプロセスチーズ買いまくってきました。本当は、ウォッシュタイプのナチュラルチーズ、出来ればタレッジオ辺りがいいんですけど、長期保存に向かない事や冷蔵庫内に芳醇な芳香?が充満するため、チーズを好まない家族に大反発を受けると言う事から、今回はプロセスチーズで我慢する事に。 あっそうそう、ナチュラルチーズとプロセスチーズってどう違うかご存知でしょうか?ナチュラルチーズって言うのは、文字通り牛やヤギの乳から作るチーズそのままんまです。これに対してプロセスチーズは、1~数種類のナチュラルチーズを混ぜ合わせて、乳化剤を入れて練り練りした後、加熱処理し醗酵をストップさせたチーズです。醗酵がストップしている事により、長期間にわたって品質を保持できると言う利点が生まれました。ただ、反面「醗酵しない=熟成しない」と言う事でもあり、多くのナチュラルチーズは熟成が進むにつれ味わいが変化し、そのチーズのベストの状態で食すと言う楽しみがあるのですが、プロセスチーズではその様な楽しみ方は望むべくもありません。 今回は、炭水化物の摂取を控えなくてはならない私の主食とする訳ですから、あまり味わいに関する楽しみのないプロセスチーズとは言え、その中でも一番美味しい(私にとって)商品を探し出さないとね(笑)。・・・そんな訳で、近くの大型スーパーに行って、目に付くプロセスチーズをひとまず全銘柄買い漁ってきたと言う訳です。 ちなみに、今回は「6Pチーズ」と呼ばれる、円柱形のチーズが6等分され個別に包装されているタイプに絞り込んでみました。しかもアーモンド入りだとかブラックペッパー味だとかじゃなくて、一応プレーンな奴。なぜ「6Pチーズ」かって言うと、主食とするのにペラペラしたスライスチーズじゃ味気ないし、そうかと言って切れていない直方体のチーズにかぶりつくのも、いい年こいてみっともない・・・って言うか、以前これやってて家族に「頼むから死んでくれっ!」って言われちゃったし・・・。まぁ、自分でスライスすればいいんですけど、メンドクサイしね~。 ところで、今回購入した「6Pチーズ」は全部で8銘柄でした。そりゃ確かに、一時にチーズばっかり8品も購入するオヤジはめったにいないでしょうけど、レジ打ちながら口の端歪めて冷笑するの止めれっ!スーパーのレジ係のおばちゃんっ!!こっちにはあんたの知らない複雑な健康上の事情があるんだからね(笑)。
2011/01/29
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前回、メラノブラックは劣性致死遺伝の関係上メラノブラック同士の交配が出来ない為、どうしても体の一部にメス由来の色彩が出現してしまうと書きました。特に、もっともポピュラーな交配相手であるスチールブルーのメスからは、背中付近がシルバー~スチールブルーになる「シルバーバック」が不可避です。 それならば、スチールブルーじゃなくて他のイリデセンス(金属光沢)の無い品種のメスを交配に用いれば委員じゃないの?って事で、バンコクのブリーダー達の話を信じるならば、最近ではメラノブラック作出の際のメス親は「イエローorオレンジ」を使うんだそうです。そうする事で、ボディに余計なイリデセンスが出ない次世代を作れるとか・・・。 まぁ、確かに理論上はそうでしょうけど、自分でこの組み合わせを試した事がないので本当のところはよく判りません。ただ、確かに最近のバンコクで見かけるメラノブラックは以前の様な「シルバーバック」ではなく、今日の画像の個体の様に、ボディのイリデセンスがほとんど目立たない個体が増えています。 ・・・って、その事だけを取って見れば、物凄くいいことみたいな気がしますが、この手のメラノブラックには大きな問題点があります。と言うのは、ブラックの発色が漆黒ではなく黒茶色になってしまうのです。特にヒレの中央部分は、光の当たり具合ではイエローやオレンジ色に近い発色に見える事さえあります。やっぱり、ブラックは黒くないとねぇ~。って事で、個人的には「イリデセンスの無い黒茶のメラノブラックよりもシルバーバックの方が断然好き!」です。
2014/07/07
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バタフライ系としてはラベンダー&サラマンダーと並びもっともポピュラーなのがこの「ブルー&ホワイト・バタフライ」だと思います。ちなみに品種名ですが、バタフライは「ヒレの縁が白く縁取られる」のが特徴なので、この品種を呼ぶ際に「ブルー・バタフライ」でも構わないとは思うんですけども。 一口に「ブルー&ホワイト・バタフライ」といっても、ブルー系にはロイヤル・ターコイズ・スチール・マットなどなど様々なカラーバリエーションがある訳ですから、この品種もその分多彩なバリエーションを持つ事になります。 今日の画像の個体は、深みのあるブルーの発色が特徴のロイヤルブルー系です。純白のバタフライバンドとのコントラストはこのロイヤルブルーが一番はっきりする為か「ブルー&ホワイト・バタフライ」のバリエーションの中でも人気の高い系統と言えると思います。 バンコクでも入手の容易なバタフライ系ではありますが、ほとんどの個体は今日の画像の個体の様に胸ビレにはホワイトバンドが入りません。バタフライとしては「全てのヒレにバタフライバンドが入る」方が好ましいとされてる訳ですから、その点はマイナスポイントとなってしまいます。もっとも、この状況は「ブルー&ホワイト}だけに限らず、バンコクで生産される全てのバタフライ系に共通した問題なので、おそらくバンコクのベタブリーダー達は、「胸ビレのホワイトバンド」をあまり重要視していないんだと思います。 それと、ロイヤル・ターコイズ・スチールの遺伝関係はソリッド・ブルーの時と同様ですから、両親にどの系統のブルーも用いるかで、次世代の表現形をあらかじめ予測する事が可能です。
2014/10/07
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今日のアップは、最近さかなおやじが入れ込んでいるダニオ属からゼブラダニオ(Danio rerio)の登場です。インドに棲息する体長4cmほどのコイ科の魚で、非常にポピュラーです。あまりのポピュラーさに、最近では餌用のヒメダカが不足している時にアカヒレと共に餌として売られている事もあります(涙)。 ところで、皆さんはゼブラダニオのカラーリングを説明する時になんと表現します?ブルー&ホワイトの縞々でしょうか?でも、ゼブラダニオのオスは成熟すると冒頭の画像のように白地がゴールドに染まるようになります。こうなれば確実にブルー&ゴールドですね。ただ、メスの方は成熟してもあまり見た目に変動はありません。お腹が卵で異常なくらい膨張する以外は・・・。 そうそう、皆さんは魚の縦縞と横縞の事御存知でしょうか?魚は頭を天に向けた形が学術上の正しい姿勢なので、頭から尻尾に向けて走る線は縦線と呼ばれるのです。という事はゼブラダニオはブルー&ホワイトの縦縞模様という事になります。我々の一般的な常識と食い違っているのでしばしば間違えてしまう人がいます。・・・って言うか私的にはそちらの方が正しい表表現の気がしちゃいます。 ところで、今日の新聞で神戸の業者が御禁制の(笑)蛍光メダカを輸入販売したとして当局に摘発されてましたね~。これはメダカの卵にオワンクラゲというクラゲの一種の蛍光タンパク質を製造する遺伝子を組み込んだ、遺伝子組み換え生物です。普通に見ると、蛍光ペンのイエローのインクがなくなった時みたいな色してますが、ブラックライトを照射すると場末のバーのブラックライト掲示ボードみたいに見事に光り輝きます。 問題は何で蛍光メダカが御禁制か?と言う事ですが、実はこの蛍光メダカはカラーラージとは訳が違う生き物なのです。カラーラージは体内に蛍光塗料を注入して作りますが、なんと言ってもメダカの方は遺伝子操作です!という事は、理論上は蛍光メダカの子供は蛍光メダカになるのです。生き物の遺伝子を人間が操作する事の是非は、諸説あって個人的にコメントは差し控えておきますが、要するに日本の河川などに蛍光メダカが放たれると、自然化の黒メダカと交雑が起きた場合、河川のメダカも光っちゃう可能性があると言う事です。 もちろん、この魚を作りだした台湾の会社は蛍光メダカには不妊処理を施してあると説明していますが、とにかく我が国では蛍光メダカの輸入販売を禁止したのです。かく言う私も、初めて蛍光メダカが我が国に輸入されてきた時に都内の某ショップで実物を見かけましたが、その後すぐに当局から回収命令が出て売り場から姿を消しました。今回は、数年経ってから再びどこぞのタワケが同じ事をした訳です。しかし、業者には御禁制と言う認識が無かったという事で、特にお咎めはないそうです。 これぞ我が国の腐れ役人の典型ですな!(怒)。知らなきゃ何やったっていいんかい!!そんなことで済んじゃうから、我が国の愚か者たちはサイテスに記載された種だろうがお構い無しに欲しがるし、それをろくに知識のないマスコミ辺りがペットを飼育する人間すべてを混同して悪みたいに報道するのはたまらんです! ・・・ところで、ゼブラダニオの紹介している時にどうして蛍光メダカの件でヒートアップしているのかと言えば、実はゼブラダニオにも蛍光ゼブラが存在するのです。ゼブラの文章書いていたらその辺りがつながっていきなり怒りがこみ上げてきたと言うわけでした(苦笑)
2006/02/04
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