2004.05.29
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すずらん



 あまり面識がなかったけど、確か年配のご夫婦が住んでいたはず。

 いつの間に・・・?

 道路を挟んで一軒家が並ぶここは、定年退職されたご主人と奥さんが静かに慎ましやかに住んでる、といった住宅街。

 「親の世代」といった家庭がほとんどで、この時期はお花の手入れや、朝早くからパークゴルフに出かけるご夫婦も多い。

 だから我が家は、町内ではこの年齢で「かなり若い」世帯ということになる。

 そう、主人の両親が健在だったころは、ほとんど「お任せ」で済んでいた「近所付き合い」というものにやっと数年前から仲間入りさせてもらってる、といった感じ。

 ・・・最近、朝、昼、夕方、と何度も我が家の前をゆっくりと散歩してるのか、行き来する女性がいる。

  長年、高校で美術を教えていた教師だったということ。



 「お嫁さんが全部なんでもしてくれて、食事の支度もしてくれるんんだけどねぇ・・・」

 と、話す表情や口調は暗くて、なんだか幸せそうには見えない。

 その何度も行き来する足取りは、「何もすることがない、行くところがなくて」の、時間つぶしにさえ見えてしまう。

 一緒に住み始めたものの、自分のペースで好きなように暮らしていた頃と違って、今その女性の心は虚しさでいっぱいなんだろうか。。

 表向きではわからない、複雑で計り知れない感情。。

 我が家の真裏のやはり70代のご夫婦のお宅は、二年ほど前にご長男一家が札幌の家を建てた矢先、東京に転勤が決まってしまい、数年後にまた札幌に戻ってくるまではそのご夫婦が札幌の留守宅を守る形で暮らしていて、我が家の裏は、「引越しをしていない空き家」になっている。

 管理を任せているのか、屋根の雪下ろしや、冬囲いやお花の剪定で時々業者さんがやってきている様子。

 住む人のいない「留守宅」の状態の真裏のお宅は、また春が来て心なしか寂れて見える。

 家って、住みかって、なんだろうなぁ。。

 昨日ツナガリではないけど、そんなことをフッと考えてしまう。



 結婚当初から住んでいる社宅のアパートが取り壊しになるとかで、この際思い切って分譲を買ったらしい。

 のんびりした老後を過ごす「最初で最後の自分の家」だ、と言っていた。

 それぞれが、理想の家、安らげる空間を求めてる。

 年老いて「終の棲家」に住む段になった時に、どんなふうに自分の「家」のことを思うのだろうか・・と、そんなことを、ツラツラと思う雨降りの休日ー。

家並み


















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最終更新日  2004.05.29 10:47:42
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