mahi-mahiのめんらー斬り

まる五(秋葉原)



まる五

ふと、決まった友人A君とたま~に秋葉原に出向く事がある。
特に前々から予定したりはしない。明日ひま?とか今日空いてるってな感じできまる事が多いのだが、だいたいどちらかが趣味の電化製品を買いに行くなり、市場調査に行く為だ。
だがこの日だけは何も目的は無かった。なにしろ二人揃って金が無いのだ。
ただ二人で会う時はいくら金が無くても食事だけは満足したものを食おうとする。
それはお互い暗黙の了解済だ。目的の無い時はなおさら食に関しては迷う。
その日もそうだった。「夜は何食おうか?」A君の言葉に私もいつもながら戸惑う。
料理人でグルメの友人はそう言いながらもだいたい目星はついている様なのだ。
私がただ一言「今日はなんかガツンといきたいね」と返す。なんともアバウトで人任せな言い方だ。
しかしA君はそんな無責任な私の発言をものともせず、「一度行ってみたい店があるんだ」
A君に誘われるがままに行った店は秋葉原の電気街の比較的目立たない場所にあるとんかつ屋「まる五」だった。
見るからにその店の外観は老舗のちと高級な「おとんかつ屋」さん。電気街を歩くオタクな人の入る安くてボリューム重視な定食屋さん(個人的には大好きっす)とはひと味もふた味も違う。
一瞬怯んでみたが入る気マンマンのA君を横目に自ら店の引き戸を開ける。
(ガラガラ)「いらっしゃい!」元気な店の大将風の声がまず耳に入る。
一階のカウンターも空いていたのだが二階席へ案内される。良心的なんじゃないの?
「俺あまりロースは食わないんだけどここは特製ロースにするよ」
それはA君のおすすめらしい。A君の発言にされるがままの私も特製ロースに即決。
どうやらここの豚は「三元豚」というおいしい豚(詳しくはよく知らないが非常においしい肉らしい。興味ある方はググってね)を使っているようだ。なんだかわからんが期待大!
テキパキとした若い店員が持ってきたそのとんかつを見てまず思ったのは...。
「え゛ーちと小さいんでないのぉ~、こんなんじゃ僕ちゃんお腹減っちゃうよぉー」のたぐいだった...。そう、私は神保町の「いもや」のとんかつ(*後日掲載予定)のバカデカさ&大盛りキャベツ+ご飯は別注大盛り!を無意識に想像していたのだ。
うーむ習慣とは恐ろしい。あの量はいくらなんでも別だよ(*後日掲載予定)。
でも一口食べてみて...「うまい...」だがこんなに小さい肉だから、こんなにうまい肉だから、ちびぢび食わんと、ちびちび食わんとぉ~!!心の葛藤が激しいのなんのって。
ちなみに付け合わせで頼んだごはんと赤だしの汁物、漬け物もとても上品でおいしい。
やはりうまい店というのは何から何までうまいを貫くべきである。
肉を食べて感じたのは、きめ細かさである。なんと言ったら良いのか感触なのでとても私のボキャでは言い表せないのだが「ふわっ」として「ジューすぃー」なのである。
これこそが「三元豚」のうまさであった。
しかも肉を食べ終わる頃にはそのあまりにジューすぃーな肉のこってり感によってお腹が十分満たされていたのである。これにはほんとに驚いた。
あと一切れ多くても一切れ少なくても丁度良くない。これは絶妙な適量なのである。
「まる五」さん、お肉小さいなんて言ってしまってごめんなさい。お腹いっぱいになりやした。
ごちそうさま!

☆★★★★

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: