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Tverで、黒島結菜版の「時をかける少女」を見てます。日テレの2016年作品。全5話です。◇黒島結菜的には、萌歌と共演した「さよならドビュッシー」と同年、NHK「アシガール」の前年の作品。実際、翌年の「アシガール」のプロトタイプっぽいし、黒島結菜のキャラもかなりかぶってる。時間移動の能力を得て調子に乗ってる感じは、ちょっと「のび太くん」っぽくもあるけど、細田版アニメの主人公にも近いかもしれません。◇1967 筒井康隆「時をかける少女」1972 NHK少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー」1983 大林宣彦×原田知世「時をかける少女」1997 角川春樹×中本奈奈「時をかける少女」2006 細田守「時をかける少女」2010 谷口正晃×仲里依紗「時をかける少女」2016 黒島結菜「時をかける少女」2018 上田誠×上白石萌歌「続・時をかける少女」大林版は、広島の尾道が舞台でしたが、このドラマは、静岡の藤浦という架空の町が舞台です。瀬戸内海じゃなくて太平洋だけど、石段の坂道が出てきたりするところは、広島や長崎の雰囲気に共通しますね。また、大林の尾道三部作は、「転校生」でシューマン《トロイメライ》を使い、「時をかける少女」でリスト《愛の夢》 を使い、「さびしんぼう」でショパン《別れの曲》 を使いましたが、このドラマでも、池頼広のトロイメライ風の劇伴がくりかえし流れて、ノスタルジックな雰囲気を真似てます。◇原作の基本設定を守りつつ、プラスアルファの要素をいろいろ加えてる感じ。主要キャラは、芳山和子 → 芳山未羽みはね深町一夫 → 深町翔平しょうへいと今風の名前に変わってる。浅倉吾朗の名前はそのままですが、実家は床屋に変わってます。(原作では荒物屋、大林版では醤油屋)また、大林版では、深町くん(高柳良一)が長身のイケメンで、吾郎ちゃん(尾美としのり)はずんぐりの3枚目だったのに、このドラマは、深町くんが菊池風磨、吾郎ちゃんが竹内涼真なので、キャラ的に逆転してる感じ?そして大林版では、吾郎ちゃんの恋愛要素を表に出さないけど、このドラマでは、吾郎ちゃんの恋愛感情がはっきり描かれて、主人公もそれを知ることになる。ただ、主人公は「今の関係を壊したくない」と思って、吾郎ちゃんと友達以上になるのを望んでない。◇一方、深町くんのいた未来では、《遺伝子の適正に合わせて配偶者を決める》らしく、そもそも恋愛というものが存在しない。深町くんは、現代にタイムスリップして、はじめて恋愛体験をするわけですね。ちなみに、未来からやってきたのは、深町くんひとりではなく、後輩の女の子(吉本実憂)も一緒です。時間警察は登場しませんが、町内に未来人のおじさん(高橋克実)が紛れてる。◇同級生の役で、三浦透子や八木莉可子が出てるのも興味深い。八木莉可子は、これがドラマデビューだったみたい。「舞いあがれ」や「おとなりに銀河」では、ちょっと "かぐや姫" っぽいキャラでしたが、このドラマでは、《七夕の日にリュウグウノツカイを発見する》という "織姫&乙姫" みたいな役どころ。しかも、ネットアイドルという設定なので、去年の「パリピ孔明」のプロトタイプっぽくもある。調べてみたら、黒島結菜と八木莉可子は「クロサギ」でも共演してるのね。でも、一緒のシーンがあったかどうか記憶にない…。◇2016年当時の黒島結菜は、日芸の写真科に所属してたはずだけど、ドラマでも写真部の設定です。竹内涼真は当時23才だったので、高3の役はやや無理がある気もしますが、彼も本人と同じくサッカー少年だった設定。ドラマとしては、NHK「アシガール」のほうが面白いかな。でも、時かけの過去版と比較して見るなら、なかなか興味深い作品になってると思う。時をかける少女 DVD-BOX [ 黒島結菜 ] 楽天で購入
2024.09.24
テレ朝「スカイキャッスル」第7話。なかなかエグってくる脚本ですね…。◇九条先生に、なにか企みがあるのかは分からないけど、下のやりとりだけを聞くと、彼女の言ってることは正しいと思えてくる。紗英:教え子の家族を混乱させてあなたは何が楽しいんですか?九条:冴島香織さんも、遥人くんとの仲たがいを私のせいにしました。でも、それは私のほうが遥人くんを理解し、信頼を得たから。母親が子供に歩み寄る姿勢の足りないことが根本の原因です。紗英:ふざけないで!私が瑠璃のためにどれほど時間を捧げてきたか!お金で雇われて、たかだか数ヶ月勉強を見ただけのあなたに何故そんなことを言われなきゃいけないの?!九条:冴島香織さんも同じことを言いました。でも、最終的には間違いを認めたんだと思います。そんな自分本位の母親像に嫌気が差したから、みずから死を選んだ。紗英:あなたに母親の何がわかるの? 子供にすべてを捧げて疲れて眠るだけで、やりたいこともできずに齢を重ねる母親の何が!九条:「子供のために時間を費やしたから良い母親だ」という考え方が正しいとは限りませんよ。これってやっぱり毒親の話。親子関係の偽善をグサグサ刺してくる。そして娘にも言われてしまいます。瑠璃:契約解除なんてありえない!私が九条先生を信用してるのを知ってるくせに、どうしてそういうこと言うの?紗英:聞いて瑠璃。九条先生の指導を受けていた遥人くんのお母さんが自殺したときの、あの悲しみを覚えてるわよね? 私は怖いの。九条先生のせいで親子の関係がおかしくなるかもしれない。瑠璃:私とママの関係はもう壊れてるんじゃないの? でも、それは九条先生のせいじゃないよ。ママが嘘をついてきたから。経歴詐称とまでは行かずとも、子供に嘘をついてる親は世の中にも多いはず。そういう親子関係の偽善をあぶりだす物語ですね。テレビ朝日系木曜ドラマ「スカイキャッスル」オリジナル・サウンドトラック [ 高見優/信澤宣明/大隅知宇 ] 楽天で購入
2024.09.18
フジ「新宿野戦病院」を見終わりました。◇やはりクドカンの天才ぶりの話になりますが、いまの時代の「テレビドラマの役割」を、かなり先鋭的にとらえてる印象でした。朝ドラ「虎に翼」もそうだけど、実社会とテレビドラマの関わりを意識してて、社会を変えていく力をもった作品です。ただの娯楽としては片づけられない。◇…とくに終盤はすごく予言的でした。繁華街や風俗街に、未成年者保護や治安維持だけでなく、医療やメンタルケアの体制も不可欠になる。ふたたび感染症が蔓延し、医療従事者が不足するなかで、医師や看護師の免許の「国境」が障害になる。ホテルだけでなく、さまざまな業態の風俗店舗を、隔離病棟として利用するような事態になる。雑居ビルの、違法な建物や違法な営業形態が、大規模な火災や、床の崩落などの人災を引き起こす。それらに対して、関係者や政治家は「想定外」だとうそぶく。◇こういう予言は社会への警告でもある。その予言が当たったとき、もう関係者は「想定外だった」とは言えないはずです。家族ゲームww本家「家族ゲーム」 恋のブギウギナイト 新宿野戦病院 [ 宮藤 官九郎 ] 楽天で購入
2024.09.13
TBS「笑うマトリョーシカ」最終話を見ました。いずみ吉紘の脚本を、いままで面白いと思ったためしがないので、あまりちゃんと見てなかったのよね…(^^;後半ぐらいから、「意外に面白そうだな…」と見はじめた感じ。前半はTverのダイジェストで済ませました(笑)。凜が出ると知ってたら、最初からちゃんと見たのだけど。機会があれば、U-NEXTあたりで見直そうかな。◇終盤は、どんでん返しの連続が、ちょっとあざとい感じもあったし、整形ネタがややリアリティに欠けたかも。でも、田辺桃子はなかなかの悪女っぷりでした。最終回は、(原作の結末をなぞったのかもしれませんが)ちょっと駆け足すぎて、やや説明くさかった。もうすこし見せ方に創意工夫が欲しい。◇マトリョーシカを、開けて…開けて…開けていくと、最後に残るのは本人であり、しかも、その中身は空っぽ…というオチ。でも、清家一郎のキャラは、それほど特異なものとも思いませんね。実際、政治家って、あんな人間が多いと思う。そして、どちらが良いとも言いきれないのよね。中身がないから上手くいく政治家もいるし、中身がありすぎてダメな政治家もいます。◇小泉進次郎も、政治家の「振舞い」を身につけてるだけで、中身が空っぽなのは誰でも知ってます。その場合は、政治家個人を見つめるだけでなく、構造的に考えなければ実態が見えてこない。…櫻井翔は、けっして演技が巧いとは言えないけど、今回は、何を考えてるか分からないキャラと、官僚の息子である彼自身の出自が、例外的にハマり役だったかなと思います。◇余談ですが…加藤雅也は俳優デビュー当時、映画「君は僕をスキになる」(1989)で、由貴ちゃんと共演してるので、じつに35年の時を経て、母娘と共演した形です。凜は見てないかもしれませんが…(^^;香港パラダイス的な中華街の水嶋凜。ほぼほぼ、あさりそばの吉兆だと思う(笑)。笑うマトリョーシカ (文春文庫) [ 早見 和真 ] 楽天で購入
2024.09.07
テレ朝「スカイキャッスル」。第5話まで楽しんで見てます。みんなアタオカすぎて面白い!経歴詐称がバレた途端の、住民たちの手の平を返したような豹変ぶりとか、あまりの露骨さに爆笑wまあ、あれこそが世間のリアルですね。みんな、他人を嘲笑ったり、他人の足を引っ張る機会をうかがってる。◇韓国のオリジナルを見てる人には、「映像がチープ」と不評みたいですが、わたしは、それも含めて、かえって「昼ドラみたいだな」と面白がってます。制作が角川大映スタジオなので、往年の「大映ドラマ」のドロドロ路線ともいえる。橋本裕志の脚本も、「Mの悲劇」や「熟年離婚」以来の面白さだなあ、と感じてます。(→古いですね…)韓国ドラマ20話分を詰め込んだとあって、端折りすぎとの批判もあるようですが、わたしはオリジナルを知らないし、むしろ脚本がスピーディーで濃密だから好感触。ある意味では、「白い巨塔」の奥様版であり、「女王の教室」の中学生版でもあるけど、いまどきの親ガチャ問題とか毒親批判の話でもある。韓国にも、日本と同じような問題意識があるんでしょうか?◇小雪は唯一無二の存在感を出してるし、木村文乃の薄目キャラも、(オリジナルのファンには改悪と不評のようですが)わたしはなかなか面白いと思ってます。カネオくんで日直当番の田牧そらちゃんは、いつも「お父さんがケチ」だとネタにしてるけど、今回の役柄は妙に重なってるのでは?…お札を拾う場面とかw乃愛ちゃんは小学6年生ですが、1つサバを読んで中学1年生の役。万引きしたり、いろんな役が来ますね。【DVD】SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜 DVD-BOX2 楽天で購入
2024.08.24
日テレ「マル秘の密子さん」第5話まで見ました。福原遥の主演とあって、「チート」の上杉柊平や、「ゆるキャン」の志田彩良も出てるのね。いわゆる友情出演的なやつ?◇演出も脚本も4人がかりのようですが、10点満点で評価するなら、演出が8点、脚本が6点くらいかな。タイトルもシャレが効いてるし、カラフルな映像や音楽も可愛いし、コメディタッチの演出も悪くない。主役のキャラも福原遥に合ってると思う。◇脚本は、ツバキマサタカの「最高の教師」のときも、なんか遊川和彦っぽいな…と思いましたが、今回もやはり遊川っぽさを感じます。弟子たちが共同で書いてるのでは??4人で書いてるだけあって、1人で書くよりも設定や展開に厚みはある。◇ただ、(リアリティが皆無なのは大目に見るとしても)個々の人物造形が紋切り型で深みに欠けるし、物語がきちんと着地できるのかも、やや不安。肝心なのは、軸となるべきテーマがあるのかどうか。いろんなアイディアを出し合って、話をこねくり回してはいるものの、書きたいことの軸がなければ薄っぺらになる。たんに手練手管を集めて話を作り上げるのでなく、議論を重ねてテーマを突き詰めるのも、共同で脚本を書く際には大事なことだと思います。「CHEAT」の上杉柊平と福原遥。
2024.08.20
TBS「西園寺さんは家事をしない」第5話。家事の分担や合理化というテーマは、いったいどこへ行ったのやら。疑似家族を足掛かりにして、アラフォー女子の恋愛を模索するという、陳腐なラブコメに成り下がってしまった。妊娠した妹の話もまったく出てこない。◇話もくだらないけど、脚本が下手なので、描写も、展開も、意味不明なことが多すぎる。回を追うごとに当初の期待から遠ざかってます。
2024.08.07
話がくだらなすぎますね。幼稚園児の問題を、親が主催のお誕生会で解決すべく、チラシをつくって父兄に配って、部屋を飾りつけて食事をふるまうとか。◇コンセプトして、家族の多様性を描きたいのは分かるけど、エピソードのつくりかたが馬鹿々々しいです。脚本も下手くそだと思いますが、エピソードそのものが安易にすぎるし、これが原作どおりなら、原作がくだらないってこと。ルカちゃんが上手に演技してるのは、ほんとうにスゴイなあと思いますけどね。このドラマにまともな批判が出てこないのは、ほとんどジャニヲタしか見てないからであり、御用メディアしか記事を書かないからですが、それで制作者側が満足してるのなら、とやかく言っても仕方がありませんね。ジャニヲタを喜ばせるのが目的ってことだから。TBSはジャニドラの作り方を心得てるってこと。それ以上でもそれ以下でもない。ジャニヲタ以外の視聴者が見ても意味がないです。
2024.07.31
展開が唐突すぎて、ほとんど意味不明でした。懸念したよりもさらに脚本が下手で、もはや何がなんだか分からない。でも、原作者は絶賛してるらしいので、これが原作どおりなのかもしれません。原作に忠実とは、こういうことなのかしら?◇ジャニドラとしても、意味不明な内容ぐらいでちょうどいいのかな。何も考えなくていいわけだし。もしも、確信犯的に意味不明な脚本を書いてるのなら、わざわざ批判しても栓ないことですね。西園寺さんは家事をしない(1)【電子書籍】[ ひうらさとる ]価格:759円 (2024/7/9時点) 楽天で購入
2024.07.23
このドラマのテーマには関心があるのだけど、第2話の脚本は下手すぎるね…。原作のエピソードを強引につないでる感じ?洗濯の話にしろ、掃除の話にしろ、野菜の話にしろ、幼稚園のお迎えの話にしろ、仕事のトラブルの話にしろ、疑似家族の話にしろ、ちょっと展開が無理やりすぎます。◇このドラマは、もっぱらジャニドラとして消費されてて、世間では、あまり内容についての言及がされてない。でも、わたしが思うに、これはいつものTBSのお仕事ラブコメではなく、「逃げ恥」などと同じように、けっこう社会的なテーマを負った作品だと思う。(藤井隆が出てるのもあるけど)つまり、家事と育児をどのように分担して合理化するか、ということがテーマになっていて、その問題に、仕事とプライベートの両面から取り組もうとしてる。◇設定としては、20年前のフジテレビの「僕カノ」に似てます。おりしも最近、美山加恋ちゃんが朝ドラに出たりしてますが、20年前のドラマでは、草彅剛がシングルファーザーで、加恋ちゃんはその幼い娘で、その2人が家庭教師の小雪に出会う、…という設定でした。◇今回の松本若菜が演じる主人公は、結婚や出産の経験もなく、母性にあふれる良妻賢母型の女性でもなく、仕事とミニチュア集めしか取り柄がないような女性。そういう人が、シングルファーザーの家事と子育てに、どのように関われるかって話ですよね。経済的な余裕はありそうなので、お金で解決できることもあるとは思うけど、会社でも「家事を合理化するアプリ」を開発してるので、複合的に解決策を探っていくのだと思う。◇それに加えて、実家の妹が妊娠してるみたいだから、そこでも子育てにかんする問題が生じるはずだし、実の父親は、妻が2人の娘を置いて出て行ったあとに、シングルファーザーとして姉妹を育てたはずだから、その背景からヒントを得ることもあるのでしょう。◇とはいえ、第2話のようなレベルの脚本が続くとなると、ちょっと見るのが辛くなるかな、とも懸念します。西園寺さんは家事をしない(1)【電子書籍】[ ひうらさとる ]価格:759円 (2024/7/9時点) 楽天で購入
2024.07.17
TBS「西園寺さんは家事をしない」を見ました。設定が面白いですね。てっきり、アラフォー女子とアラサー男子の、年の差恋愛のお話なのかと思ってたけど、主要なテーマは、家事と育児への向き合いかたみたいです。一方は、専業主婦の母親に捨てられて、自分は家事が出来ない独身アラフォー女子。かたや、妻と死別してシングルファーザーになり、専業主夫&仕事の両立に追われるアラサー男子。そんな2人が勤める会社で開発してるのは、家事を手抜きするための専用アプリなのね。◇主人公の冒頭のセリフがすごかった。私はただやりたくないことをやらないってことをやりたいからやってるだけなの!…早口言葉かw最後のセリフはもっとすごかった。私はやりたいことだからやってるだけなの!やりたくないことをやってる人をやらなくていいようにすることが私のやりたいことだからやってるの!…数学の方程式かw◇ワンちゃんも可愛いし、娘役の女の子も可愛い。そんな3人&1匹が暮らすのは、都会のど真ん中にある賃貸付の一軒家?ちょっと不思議な環境です。目の前には高層ビルが立ち並んでるのに、広いバルコニーとたくさんの緑があって、隣の家はなぜか瓦屋根でしたね。🧵第2話7/16(火)よる10時放送🪡 #西園寺さんは家事をしない ⋱ 第2話SPOTお届け⋰ 早くも家事ゼロ生活終了のお知らせ…⁉︎😳そして仁義なき気遣い合戦が勃発です💨♡TVer・U-NEXTにて配信中🔗何度でもおかわり西園寺さんしませんか?🐾#松本若菜 #松村北斗 #火ドラ #tbs pic.twitter.com/u6myKMhxSh— 【公式】「西園寺さんは家事をしない︎」❁7月期火ドラ (@saionjisan_tbs) July 9, 2024 西園寺さんは家事をしない(1)【電子書籍】[ ひうらさとる ]価格:759円 (2024/7/9時点) 楽天で購入
2024.07.09
今ごろですが「9ボーダー」を見終わりました。金子ありさにしては、これまでになく構成感のある脚本だったなと思う。◇なぜか知らないけど、TBSの「くるり」と「9ボーダー」は、どちらも記憶喪失のラブコメで、お相手の名前が "コウタロウ" でしたね。たぶん多くの視聴者は、「くるり」の結末には納得感があっても、「9ボーダー」の結末には、ちょっとモヤモヤした後味を感じたはず。◇生見愛瑠の「くるり〜誰が私と恋をした?」では、3人の恋人候補のうち、2人の男性はやや不誠実で、公太郎だけが誠実だった。しかもヒロインは、記憶を失う前も後も、ずっと公太郎を好きだったわけだから、最後に公太郎と結ばれる結末には必然性がある。◇かたや松下洸平の「9ボーダー」の場合、2人の女性の恋人候補のうち、どちらか一方に落ち度があったわけじゃない。にもかかわらず、コウタロウは、記憶喪失前とは別の女性を最後に選ぶのよね。つまり、川口春奈を選んで大政絢を捨てる。多くの視聴者は、この結末を受け入れにくいと思う。夏に終わるドラマなのに、最終回がクリスマスだったのも不思議でした。◇ただ、わたしの印象はむしろ逆で、たしかに「9ボーダー」の結末は中途半端だけど、そこには脚本家の確固たる意図が感じられたので、かえって納得感をおぼえてしまった。◇記憶喪失前の「芝田悠斗」が、東京下町の開発を目論む地上げ屋の悪人であり、記憶喪失後の「コウタロウ」が、純真無垢なアマチュアのミュージシャンならば、そこには勧善懲悪的な図式が成り立つはずです。でも、金子ありさの脚本は、そこに善悪の区別をつけませんでした。実際のところ、地上げ屋の企業はそれほど悪い会社ではなく、芝田家の家族もけっして悪い人たちではなく、芝田悠斗の婚約者も悪い女性じゃなかった。だから、勧善懲悪的な図式が成立しない。◇これって、朝ドラ「ちむどんどん」の大野愛と同じですね。恋敵に落ち度がないと、勧善懲悪的な図式が成り立たないので、フラれたほうが可哀想に見えてしまうし、なんならヒロインのほうが悪人に見えてしまう。でも、今回の金子ありさの脚本は、あえて勧善懲悪的な図式をとらず、むしろ「1か0か」ではない中間的な結末を選んでる。たとえば、長女の木南晴夏は、井之脇海と完全に別れるのでもなく、結婚して海外に移住するのでもなく、あえて中間的な選択肢を探ることにしたのですね。下町の開発についても、実家の銭湯のリニューアルについても、完全に古いまま残すのでもなく、完全に新しくするのでもなく、中間的な解決策を模索することになった。◇…とはいえ、男女の三角関係において、「1か0か」ではない中間的な選択って無理ですよね。ふつうなら、どちらかに決めなければならない。かりに平安時代の「光る君へ」なら、当時はまだ一夫多妻制の社会だから、《宣孝と結婚しつつ、道長への想いも捨てない》…みたいな曖昧な決着も許されるだろうけど、現代社会では、そうはいきません。もちろん、実際には、曖昧な三角関係を維持してる男女もいるとは思う。でも、すくなくともテレビドラマの世界で、そういう結末は視聴者に許されていません。にもかかわらず、金子ありさは、あえて曖昧な結末に着地させた。◇結局のところ、コウタロウは、神戸での生活を選んだのか、東京での生活を選んだのかハッキリしません。今後、記憶が戻れば、また婚約者とのあいだで揺れ動くかもしれない。そういう曖昧さを残した結末です。現実においても、恋愛は完全懲悪的に片付くものじゃないから、理不尽に傷ついてしまうのが常だし、曖昧な状態を受け入れるほかない場合もある。◇今回のドラマの結末が成功してるかは微妙ですが、金子ありさはあえて難しい課題に挑んだと思います。曖昧な恋愛を描くドラマは、これから増えていくかもしれない。模範的な恋愛ばかりを強制する社会は、若者の恋愛離れや、晩婚化や非婚化や少子化を加速させる一方だし、不倫に対する異常なほどの不寛容さも、自由恋愛へのひとつの足枷になってると思う。◇強制力をともなう支配関係でないかぎり、同性愛であれ、年の差恋愛であれ、若年恋愛であれ、老年恋愛であれ、そして多重恋愛であれ、マッチングが適切なら容認されるべきなのよね。逆に、いくら見かけは模範的な恋愛でも、強制的な支配による恋愛は容認されるべきじゃない。そこらへんの価値観が、いまの日本社会はあべこべなのです。9ボーダー DVD-BOX [ 川口春奈 ]価格:18,876円(税込、送料無料) (2024/7/8時点) 楽天で購入
2024.07.09
面白かった。今回のクドカンは、TBSじゃなくてフジテレビなのね。◇池袋西口を舞台にした出世作は、もう24年前。こんどはトー横周辺も騒がしい新宿歌舞伎町。そこには時代的な必然性もあるでしょう。社会の実態を面白おかしく炙り出すところに、クドカンなりの倫理性があるのかなと思います。ヤクザ、オカマ、不法滞在外国人、ホスト、風俗嬢、ギャラ飲み、パパ活…美容皮膚科に無免許の軍医、地上げ屋にNPOボランティア…そして中東の戦争まで…何から何までテンコ盛りのカオスだけど、脚本そのものには整然とした美しさを感じます。◇ネタ的には…音楽担当の本多俊之が、「ジャズ研の本多くん」といじられてたり、医師免許の有無を、「Yeah/いや」で誤魔化してるのが笑えました。ホテルから出てきた橋本愛も気なるけど、金髪の若い看護師が、腕にタトゥー見えてるのも気になります…7月期水10ドラマ「新宿野戦病院」村木千佳役で出演させていただきます!すごいビジュアルです。笑豪華なキャストのみなさんと楽しく撮影しております✨お楽しみに🏥#フジテレビ#新宿野戦病院 pic.twitter.com/wOOZEwCOoR— 石川萌香 (@ishikawa_moka) June 14, 2024
2024.07.04
フジ「アンメット~ある脳外科医の日記」。最後も神回だった!体感30分ぐらいで終わっちゃったけど、映画一本分ぐらいの価値を感じました。◇ドキュメンタリーのような緊張感。主演2人の長回しのシーンは、もう演技なのかリアルなのか分からなかった。記憶を失ってても、手を握られた感触を心で覚えていたミヤビは、三瓶先生との同棲を開始。三瓶先生が、焼き肉丼を食べながら泣きはじめる場面とか…ミヤビが、似顔絵を描きながら泣きはじめる場面とか…あれって、ほんとうに演技でしたか?記憶を失ってても手を握った感触を心が覚えてる。#アンメット #杉咲花 #若葉竜也 https://t.co/olEPpqV43z pic.twitter.com/wPlbZNavLJ— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) June 24, 2024ほんとうに演技でしたか?◇伏線回収の仕方もよかったなー。婚約の最初のきっかけは、コロナに感染した三瓶先生を看病するため、ケープタウンに残る口実にミヤビが吐いた嘘で、その後、入管施設みたいな場所へ隔離されたとき、こんどは三瓶先生の側からプロポーズしたのね。三瓶先生の心をとらえたのは、「自分のなかに光を灯せば影はなくなる」というミヤビの言葉だった。自分の中に光を灯せば影がなくなる。#アンメット #杉咲花 #若葉竜也 pic.twitter.com/yEXNH7AR6T— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) June 24, 2024グミを最初に食べていたのもミヤビでしたね。咀嚼によるセロトニンで幸福感を作り出す方法。三瓶先生は、ミヤビが記憶を失くしたあとも、その悲しみを乗り越えるために食べ続けていた。◇どんなに練習しても、血管の縫合には7分以上かかってました。でも、最後は低体温症が奇跡になってハッピーエンド。三瓶先生と大迫先生が両側から血管をつないだ。血管を縫い合わせることが、ミヤビのすべての記憶を縫い合わせることだった。すべての記憶が繋がった瞬間。#アンメット #杉咲花 #若葉竜也 https://t.co/NPMMv0WbFo pic.twitter.com/1wH5dMts4Q— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) June 24, 2024個人的には、千葉雄大&野呂佳代の掛け合いもよかったです。今季の助演男優賞を千葉くんにあげたい!
2024.06.25
フジ「Re:リベンジ」最終回。大友先生の復讐が完了。海斗は、たやすく闇堕ちしたり、また改心したり…と、あまりに単細胞すぎましたが。◇婿養子だった海斗の父親が、組織や一族の論理に逆らえなかったのはともかく、ラスボスの皇一郎は、娘婿に責任をなすりつけたり、娘や孫を窮地に追いやったり、いったい何を守ってるつもりだったんでしょう?そんな老いぼれ爺々のために、殺人まで請け負った女秘書もかなり狂ってる!◇それはそうと、日テレ「花咲舞」にしろ、TBS「アンチヒーロー」にしろ、フジ「Re:リベンジ」にしろ、敵の懐に入り込んで復讐する…という図式が、まったく同じでしたね。紀本の懐に入り込んだ昇仙峡玲子。伊達原の懐に入り込んだ緑川歩佳。皇一郎の懐に入り込んだ大友郁弥。ただの偶然とは思えない!逆にいったら、日本の旧世代の害悪を取り除くには、そういう手段をとるしかないってことかな。そんなことまで考えてしまいます。◇ちなみに、「アンチヒーロー」の明墨は逮捕され、「Re:リベンジ」の海斗は理事長を辞任しましたが、その一方で、「花咲舞」の昇仙峡は頭取の座を目指し、「Re:リベンジ」の大友は理事長の座につく結末。過去イチ嬉しそうな大友先生。病みあがりの83才でムショ暮らし確定!高村さんは大友の秘書になるつもり?最後は、大友が不気味な笑みを浮かべて、ちょっとイヤミスっぽくも見える終わり方。これは復讐をやり遂げた満足感なのか。それとも、やがては彼も、権力と保身の闇に堕ちてしまうってこと?大友先生の不気味な笑み。
2024.06.21
フジ「アンメット~ある脳外科医の日記」。第10話は、これまで以上にずっしり重たい内容…。◇Yuki Saito のドキュメンタリー風の演出は、味わい深くもあり、怖くもありました。忘れられない悲しみがある一方で、忘れてしまう恐怖と、忘れられる恐怖がある。死別した後になってもなお、自分と相手の存在が区別できなくなるほど、強く記憶に刻み込まれてしまう人もいる。脳には内側前頭前野という場所があって、自分と他人を区別する場所なんですけど、大切な人や恋人に関しては区別しなくなるという報告があります。つまり、その人のことを自分のように感じてしまうんです。その一方で、大切な相手が目の前にいてもなお、その人が誰なのか分からなくなる人もいる。私は何を、いつまで覚えていられるのか?大切な人たちも、交わした言葉も、一緒に過ごした日々も全てなくして、最後は何も残らないのだろうか?◇でも、記憶がなくなっても、心は覚えてるかもしれない。それがわずかな望み。失われないものも、きっとある。最終回、三瓶先生はノーマンズランドの手術に挑むの???小っちゃいのに一口が大きい!
2024.06.18
TBS「アンチヒーロー」が終了。明墨の手法は、みずからが犯罪者になる捨て身の戦術。証拠隠滅から文書偽造まであらゆる手段を使った。伊達原が文書の偽造で冤罪を生み出したように、明墨も文書を偽造によってそれを暴いたってこと。そうでもしなければ、巨悪は追い込むことはできなかったし、冤罪に加担した罪悪感からも逃れられなかったのね。◇結局、緋山は殺人犯でした。名前に色のついたキャラは、全員が明墨サイドの人物でしたが、やはり《緋色=スカーレット》は、犯罪に関係する名前だったみたいです。朝ドラ「虎に翼」の岩田剛典は、法を順守して餓死してしまう役でしたが、こちらのドラマでも、法だけじゃ人間を守れないことが示された。場合によっては、法を破らないと真実にたどりつけない。法は完全じゃないし、法だけじゃ正義を守れない。実際、巨悪は暴かれて冤罪は晴らされたけれど、ボツリヌストキシンで一家を毒殺した犯人は、いまもどこかで生き延びてる。法の網をくぐる悪も存在するし、法を逆手にとった悪も存在します。「#アンチヒーロー」12年前の真犯人は…未回収のまま終わった2つの謎#長谷川博己 #緒形直人 #大島優子 #野村萬斎 @antihero_tbshttps://t.co/kQXu5Utz21— シネマトゥデイ (@cinematoday) June 16, 2024◇ある意味で、巨悪との戦いは世代間の争いでもありました。明墨&桃瀬&緑川 という同期の3人が、上の世代の組織犯罪を暴くために、組織の枠を超えて横に繋がり続けてたのですね。桃瀬と緑川と明墨は同期でした。現実にも、世代交代によってしか覆らない犯罪があるはず。とくに縦の組織によって隠蔽された犯罪は、組織の枠を超える横の繋がりがないと暴けないし、そのときには世代的な連帯が意味をもちます。◇奇しくも、この図式は、日テレの「花咲舞が黙ってない」と同じですね。銀行の組織的な闇を暴くために、相馬&川野&昇仙峡 という同期とその恋人の3人が、立場を超えて横に連携していました。昇仙峡の恋人だった川野と相馬も同期でした。こちらの場合は、銀行の組織そのものが、"エリア51"なる犯罪を隠蔽する人脈で形成され、その共犯者にならないと出世できない仕組みだった。紀本に接近していた昇仙峡は、伊達原に接近していた緑川と似ています。巨悪を暴くべく10年かけて内部に潜り込んでいた。紀本に取り入った昇仙峡。伊達原に取り入った緑川。◇上の世代の罪が重ければ重いほど、下の世代の負担やコストは大きくなり、無駄な時間とエネルギーを費やさざるをえなくなる。明墨の犯罪は、世代悪を浄化するための必要悪でした。#アンチヒーロー ご覧頂きありがとうございました‼️約3ヶ月間たくさんの応援ありがとうございました🐶ミル、マメ、ココアが皆さんの心に残っていますように🍀*゜ #アニマルプロ pic.twitter.com/AXEF3FmCQr— アニマルプロ/動物プロダクション【公式】 (@animalpro_1212) June 16, 2024
2024.06.17
フジ「Re:リベンジ」第10話。何も分からないまま、あっという間に終わっちゃった!残るは、あと1話。最後どうなるんだろう??大友(錦戸亮)が勝つ?天堂(赤楚衛二)が勝つ?◇木下紗耶(見上愛)を殺したのは誰?遺書には何が書いてあったの?誰がどうやって記事を取り下げさせた?編集デスクは紗耶のパソコンに何を見つけたの?誰がどうやって若林(橋本淳)を黙らせた?秘書の高村(利重剛)は事件に関係してるの?この車のシーンもちょっと気になりました。ちなみに、TBSの「アンチヒーロー」は、長谷川博己×野村萬斎の『シンゴジラ』対決だけど、この「Re:リベンジ」は、ほの暗い映像と堤裕介のミニマルな音楽が、そこはかとなく『ゴジラ-1.0』っぽいと思うのです。理事長室の絵も、一瞬ゴジラに見えるwそういえば、紗耶役の見上愛が「ボクらの時代」に出て、ふてほどの河合優実や青木柚と喋ってましたね。まだ見てないけど!明日あさ7:00からは#ボクらの時代 必見です👀大学で知り合ってからの親友 #河合優実 さん、3年連続5度目の共演!を果たした #青木柚 さん、と自然体トーク🌿お楽しみに☺️見上愛staff#見上愛 pic.twitter.com/e33XDIOJHP— 見上愛&STAFF (@mikami_ai_) June 8, 2024ずっと「けんじょう」だと思ってましたが、見上は「みかみ」と読むのね。珍しい苗字?一昨年の日本ダービーのときは、長澤まさみと2人で予想を的中させてた。#長澤まさみ #見上愛 #ドウドュース #武豊 #日本ダービー pic.twitter.com/ExZ9sOGwrH— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 29, 2022
2024.06.14
フジ「アンメット~ある脳外科医の日記」。第9話の終盤の長回しシーンは、熱愛中とも噂される主演2人の、まるでドキュメンタリーのようでしたが…最後のセリフで、いっきに突き落とされました。えええ~っっ?!やっと想いを交じわらせて、たったいま泣きながら抱きしめたのに!…そんなことあります???#杉咲花 #若葉竜也 #アンメット pic.twitter.com/3cRkzuLZBz— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) June 10, 2024 ◇今季も、前季と同じく、やたらと記憶喪失のドラマが多く、前季の「ONEDAY」とか、今季の「くる恋」「9ボーダー」とかは、おおむねファンタジーと割り切って楽しめるけど、前季の「たとあな」や今季の「アンメット」は、どうしてもリアリティの真偽が気になるのよね。とくに「アンメット」の場合は、医師が原作を書いた医療ドラマだし、リアリティにこだわってるとの触れ込みだし、ただのファンタジーとは片付けられない。NHKのドラマなら、特設サイトに解説が掲載されることもあるけど、民放のドラマはそこまでやらないし、リアルとファンタジーの境目は判然としません。◇もちろん基本的にはフィクションだと思う。深夜まで詳しい日記をつけて、その膨大な日記を早朝から読み込んで、脳外科医としての仕事をそつなくこなすって、さすがにそんなことは、現実的にはありえないだろうし、前日の記憶を失なっていく人が、練習や訓練を重ねる意味があるのかって疑問もある。でも、その一方、「記憶を失っても強い感情は忘れない」「記憶を失っても自転車の乗り方は忘れない」みたいな話が出てきたりするので、それなりに根拠はあるのかな?とも思ってしまう。てんかん薬の増減によって、記憶障害が出たり、認知障害が出たりって話も、なんらかの実例にもとづいたエピソードだろうし、今回のように、直前の記憶すら失なってしまう場面も、実際の症例があってこそなのかもしれません。◇命や健康だけじゃなくて、記憶や感情など人間の本質を揺るがす疾患を扱うのが、この医療ドラマの特徴ですが、記憶喪失のリアリティについてはともかく、篠崎絵里子の脚本は上手く出来ててドラマとしては面白い。また、同じフジの「Re:リベンジ」もそうですが、大病院経営にまつわる権力の暗部についても描かれてますね。◇これまで主役級では見たことのなかった若葉竜也が、とても個性的なキャラを発揮してるのも魅力的。朝ドラ「おちょやん」のときは、ほとんど印象にも残らなかったけど、今作では彼の個性がとてもよく活きてる。ちくっとします!月10ドラマ『アンメット』制作発表会見杉咲花&若葉竜也、朝ドラ『おちょやん』コンビが再共演✨️新ドラマ出演の経緯明かす「電話でプレッシャーかけられて(笑)」#杉咲花 #若葉竜也 #アンメット pic.twitter.com/eVLPQXIN2r— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) April 15, 2024若葉竜也の出演を熱望したのは、NHKとWOWOWや映画で共演を重ねた杉咲花だった、…という話なので、2人の交際報道もまったく驚きじゃなかったし、なんなら、すこし予測してましたw杉咲花はもともと演技が上手ですが、今回は過去作にも増して演技がイキイキしてる。きっと撮影が楽しくて仕方ないのでしょうね。視聴者の側も、2人のコンビをもっと見たい気持ちは強まってる。原作は連載中とのことなので、続編も期待できる?杉咲花、若葉竜也と熱愛報道に関係者は「ああ、やっぱりね」このまま結婚も、唯一の心配事はhttps://t.co/tIAgFout8F主演ドラマ「アンメット」で共演する若葉竜也と熱愛が報じられた杉咲花。もっとも、業界関係者は2人の交際について気づいていたそうだ。#デイリー新潮— デイリー新潮 (@dailyshincho) June 3, 2024
2024.06.11
TBS「アンチヒーロー」は最終回を残すのみ。◇予告には《全伏線回収》とあります。それは、つまり…志水(緒形直人)の冤罪が晴れるだけじゃなく、ほんとうの犯人も明らかになるってことよね!真犯人が明らかになるとすれば、すでにドラマに登場してる人物なのかしら??◇ちなみに明墨(長谷川博己)の推理はこうです。伊達原はイラついていた。清水さんを拘留してはいたものの、起訴するだけの十分な証拠は出ていなかった。このままでは証拠不十分で清水を逃がすことになる。それでは西千葉建設の横領事件の真相も遠のいてしまう。伊達原にとって、それだけは絶対に避けたいことだった。ならば、清水が犯人だと示せるような証拠を作ってしまおう。そう考えた伊達原は、科捜研の担当者に指示を出して鑑定結果を書き換えさせた。しかし、じつは伊達原(野村萬斎)の真の目的は、「検察の点数稼ぎ」とか、「横領事件の真相解明」とかじゃなく、「真犯人の隠蔽」だったかもしれません。だとしたら、その罪はもっと重い。真犯人を逃がすために別人に罪を着せたってこと。◇一方で、緋山(岩田剛典)がほんとうに殺人犯だったのかも、まだハッキリしてない気がします。白木(大島優子)は、返り血の付いた作業着を伊達原のもとへ持ち込んだけど、あれって本物なの?あれ自体が明墨の仕込みなのでは??もし緋山が殺人犯じゃないとすれば、そちらにも真犯人がいるってことですが…白木は、明墨を裏切ったと見せかけて、じつは二重スパイをやってる可能性がある。倉田(藤木直人)も、伊達原を裏切ることになるのは間違いない。緑川(木村佳乃)と瀬古(神野三鈴)も、伊達原を裏切ることになりそうな予感。明墨は逮捕されましたが、実際には伊達原のほうが包囲されつつある!ってことじゃないかしら?
2024.06.10
赤楚衛二×錦戸亮「Re:リベンジ~欲望の果てに」。第9話。もう最悪です。想像を絶する最悪っぷり…。最悪という以外の言葉が見当たらない。こんなドラマ見たことない。主人公の海斗は、もはやクズというよりクソ!そのうえアホ!!闇堕ちしたとたん、なにも葛藤が無くなるってのも、ちょっと不自然な感じはするけどね。いくらアホだからといっても、すこしは良心の呵責ってものがあるでしょ。でも、ここまで堕ちてしまったら、もう海斗に更生の機会はなさそうです。◇大友のつぶやいた、「天堂記念病院はずっとそうだ…」というセリフ。だれが権力を握っても、結局は同じ過ちが繰り返されるってこと?海斗の父親もそうだったのでしょうか?秘書の高村なら、そんな父親の過去も知ってるのだろうね…でも、大友だって、善なのか悪なのかよく分からない。どんどん予想を裏切ってくるから。ドラマのタイトルには、「リベンジ」の前に「Re:」がついてるので、いわば「リベンジ返し」ってことだと思うけど、これはもしや悪人どうしの報復合戦で、どこにも救いなんかなくて、最後に虚無感だけが残るようなイヤミスなのでは?…って気もしてくるのよね。
2024.06.07
赤楚衛二×錦戸亮「Re:リベンジ」第8話。先週までの赤楚くんは、「アホ」「ダメ男」って感じでしたが…今週は、まごうことなき「クズ」になりました。よくもあんな立派なクズになれるね。あそこまで完全無欠なクズになりきれるのも、一種の才能でしょうか??世の中、「弱い善人」と「強い悪人」は多いけれど、「強い善人」ってのはなかなかいないし、「弱い悪人」じゃあ救いようがない。そして、赤楚くんが演じてるのは「弱い悪人」です。つまりは、救いようのないクズ。あまりのクズっぷりに、一周回って笑えるコメディになってる??でも、ああいうクズって世の中にたくさんいるよね。もはやお前に人の上に立つ資格はない。(=全国民の総意) ◇全11話らしいので、まだ残り3話ありますが、最後はやっぱり父親との関係に戻るのかな。でも、どんな形で終わるのかは予想できません。いまや、いちばん目が離せないドラマです。
2024.05.31
赤楚衛二×錦戸亮「Re:リベンジ」第7話。なんとも不思議なドラマだと感じてましたが、今回もまた予想に反するえげつない展開!乃愛ちゃん、こういう役なのね…TBS「恋つづ」の天堂先生だけでなく、日テレ「Dr.チョコレート」の唯ちゃんも逆手に取ってる??どんな結末へ向かうのか分かりませんが、よくもわるくも目が離せなくなってる。◇赤楚くん演じる天堂海斗は、いまや権力に目を眩ませたダークヒーロー。その意味では「白い巨塔」の財前五郎みたい。しかし、財前と天堂では、もとのキャラがだいぶ違う。人物の類型はほぼ真逆じゃないかと思います。財前の場合は、はじめから野心の塊だったし、およそ正義や善からは遠い人間で、他人の苦しみを何とも感じないサイコパスでした。それに対して、赤楚くん演じる天堂海斗は、当初から野心をもってたわけじゃなく、事実誤認や復讐心にもとづく正義感に駆られて、はじめて権力を志向しはじめた人ですよね。正義感も強いし、他人の痛みに共感できる善人だけれど、端的にいえば《アホなダメ男》なのです。◇日テレ「こっち向いてよ向井くん」でも、赤楚くんは《善人だけどダメ男》という役だったし、NHK朝ドラ「舞いあがれ!」の貴司くんも、おおむね《善人だけどダメ男》だったと思う。さらに、TBS「ペンディングトレイン」の優斗も、どこかしら《正義感の強いアホ》っぽかったのです。本作では、そのダメっぷりやアホっぷりが許容範囲を超え、もはや笑えない次元の「悪」にまで達してる。ある意味、赤楚くんは、新しいジャンルというか、今までにない人物類型を確立してるかもしれません。◇海斗は、視聴者を困惑させる主人公だし、通常のドラマのセオリーを逸脱してます。でも、それがとてもリアルでもある。悪意が「悪」を生むのではなく、誤った正義や愚かな善意が「悪」を生む。人間の「悪」って、そういうものかもしれません。たとえ悪意がなくても、弱くて愚かな人間が《器以上の力》をもってしまうと、結果的に「悪」になってしまう。これって、政治にも経済にも、科学技術にも言えることだと思います。
2024.05.24
TBS「アンチヒーロー」第6話。あっという間だった!◇保護犬施設の紗耶は、やっぱり志水(緒形直人)の娘っぽい。でも、フルネームは「牧野紗耶」でしたね。志水とも桃瀬(吹石一恵)とも苗字が違います。◇今回の終盤では、赤峰(北村匠海)によるボード解説があって、だいぶ状況が整理されました。視聴者サービスなのかミスリードなのか分からず、ちょっと身構えましたが…(^^;でも、どうやら来週は、瀬古判事(神野三鈴)との対決になりそうです!最高裁判事の座を狙ってるらしき大物。志水(緒形直人)や松永(細田善彦)の裁判で、検察と通じて冤罪判決をおこなってきた黒幕??◇それにしても、瀬古判事を演じてる神野三鈴はハマり役!野村萬斎は見るからに悪人って感じだけど、神野三鈴は善人か悪人かが分かりにくくて、そのしたたかなラスボス感がリアルな政治家みたいです。#アンチヒーロー #神野三鈴 #小曽根真 #上白石萌音 #井上芳雄 #井上ひさし pic.twitter.com/uDK6VThYOD— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 19, 2024 ◇一方、緋山(岩田剛典)は「江越」なる人物のことを調べてて、その人物が12年前の事件にも関係してるらしい。以下は、明墨(長谷川博己)とのやりとりです。緋山:過去の携帯から履歴を探ったら、一人連絡がつきました。江越のもとで働いていた人間です。明墨:いいですねえ。そのまま探っていきましょう。あとは、その12年前のものがまだ残ってるかどうかですが…緋山:手元に残しているはずです。相手の弱みを握って支配する。江越とはそういう奴です。 明墨:その言葉、信じますよ…緋山:はい。赤峰(北村匠海)は、緋山が返り血の付いた上着を廃棄する場面を目撃したけど、彼が本当に殺人犯だったかどうかはまだ不明。明墨(長谷川博己)は、あえて緋山を泳がせて利用してるのか。それとも、ほんとうに無実だったのか。◇ちなみに、このドラマの主要人物の苗字には、色を表す漢字が入ってるのだけど…明墨(長谷川博己)赤峰(北村匠海)紫ノ宮(堀田真由)白木(大島優子)青山(林泰文)桃瀬(吹石一恵)緑川(木村佳乃) そこから考えても、緋山という名前は意味深なのよね。↓下の記事にも書いたとおり、>>100分de名著「シャーロック・ホームズ」ゴシックロマンスの緋色。伝統的に緋色/スカーレットは犯罪に結びつけられる色だからです。
2024.05.20
TBS「アンチヒーロー」第4話。前回までは、《長谷川博己の不正義に、北村匠海が疑念を抱く…》みたいな展開だったので、堀田真由の立ち位置が謎でしたが、ここにきて、《堀田真由の父=藤木直人は、長谷川博己の宿敵?》みたいな構図が見えてきました。事務所内が敵味方で入り乱れてますwでも、藤木直人は真の悪者じゃなさそう。やっぱり野村萬斎が最大の悪者なのでは?ちなみに、藤木直人は刑事部長で、野村萬斎は検事正という関係です。野村萬斎は、「検察と警察は仲間」なんて言ってるけど、藤木直人は野村萬斎を警戒しまくってる。かたや長谷川博己は、ヤメ検の弁護士なので、野村萬斎は昔の上司なのかもしれません。そんな野村萬斎は、長谷川博己の狙いが藤木直人だと察知してる。長谷川博己の狙いは、刑事部長の「倉田」&捜査一課長の「大西」。そして、長谷川博己も、野村萬斎も、堀田真由が藤木直人の娘だということを知ってる。◇12年前に、第一審で控訴もせずに死刑が確定した糸井一家殺人事件。死刑囚として収監されてるのは緒形直人。これがどうやら冤罪っぽい。このとき藤木直人が何かを隠蔽して、まだ検事だったころの長谷川博己は、その隠蔽を暴こうとしていたようです。北村匠海も、細田善彦の冤罪を晴らそうとしてますが、長谷川博己も、緒形直人の冤罪を晴らそうとしてるのね。◇今回のの連続レイプ事件でも、早見あかりの件は嘘くさいのだけど、やっぱり藤木直人が早見あかりに接触してます。その冤罪の背後には、捜査一課長の「大西」(松角洋平)と、人権派弁護士の「宇野」(和田聰宏)もからんでる。早見あかりと接触する藤木直人。ことごとく有罪にしてる無能な人権弁護士w◇もうひとつの謎は、近藤華が演じる「紗耶」と、吹石一恵が演じる「REIKO MOMOSE」ですね。紗耶は、保護犬施設で働いてる若い女性。長谷川博己とはタメ口で話す親しい間柄。たぶん緒形直人の娘なのでしょう。REIKO MOMOSEは、6年前(2018年)に40才で亡くなった女性。第2話では長谷川博己が彼女の墓参りをしてました。堀田真由が保護犬施設を訪ねると、かつて「REIKO MOMOSE」はそこで働いていた。幼いころの「紗耶」と一緒に映った写真も残ってる。しかし、紗耶の母親ではないっぽい。緒形直人と「REIKO MOMOSE」の関係は謎です。ちなみに堀田真由が、父を問い詰める長谷川博己を目撃したのも6年前。REIKO MOMOSEも、そのころに亡くなったのだと思います。明墨(長谷川博己)赤峰(北村匠海)紫ノ宮(堀田真由)白木(大島優子)青山(林泰文)志水(緒形直人)桃瀬(吹石一恵)紗耶(近藤華)伊達原(野村萬斎)倉田(藤木直人)宇野(和田聰宏)大西(松角洋平)絵里(早見あかり)松永(細田善彦)松田優作ばりの丸グラサン!黒ずくめの峰不二子ばりにバイクをのりこなす!
2024.05.06
テレ朝「Believe~君にかける橋~」を見ました。脚本は井上由美子です。建設事故をめぐる物語ですが、話の前提に無理があるんじゃないかしら?◇たしかに、たとえ業務上過失だとしても、多数の死傷者が出るような事故を起こしたら、わたしも実刑にするのが当然だと思うし、とても執行猶予で済まされる話ではありません。執行猶予で済む話じゃない!しかし、かりに事故原因として、A.自社の設計変更による過失B.下請け会社の意図的な手抜きの2つを仮定した場合、どちらも人災ではあるけれど、自社の責任が大きく問われるのは、どう考えてもBじゃなくてAのほうでしょ!!自社の設計ミスのせいで橋が崩落しました…なんて言ったら、企業の信用はガタ落ちです。それよりは、下請けの手抜き工事のせいにしたほうがまだマシ。まして、わざわざ下請けの手抜きを隠蔽するために、自社の設計ミスを装うなんてありえない。設計ミスのほうが、よほど自社の信用を損ねるはず。設計ミスは《不可抗力の事故》じゃなくて《人災》でしょ!悪徳業者に発注した責任よりも、安全な設計すら出来ない無能さのほうが問題でしょ。そんな企業に大規模事業を任せられない。まあ…おおかた小日向文世が、手抜きした下請け会社からキックバックを得てるとか、そういう裏があるのだろうとは思うけど、かりにそうだとしても、キムタクが小日向文世の要求を呑むこと自体が変。自分が罪を背負うばかりか、会社にとってもダメージにしかならないのだから。会社の罪を背負ったキムタクの立場は、財務省の罪を負った佐川宣寿にもちょっと似てますが、小日向文世が、会社の犯罪をキムタクに背負わせるなら、よほど彼の弱みを握って、餌をぶらさげて、従わざるを得ない状況へ追い込まなければ無理です。キムタクが、ただ会社を守るために罪を背負ったとしたら、あまりにお人好しがすぎてアホとしか言えません。…アホかなとは思うけど同情はしない。『Believe』初回 “狩山”木村拓哉、逮捕の理由にネット同情「これはエグい」(ネタバレあり) #びりーぶ #木村拓哉 @believe_tvasahihttps://t.co/sT4xd3aXyC— クランクイン! (@crank_in_net) April 25, 2024
2024.04.27
だいぶ時間が経っちゃいましたが、テレ朝「アイのない恋人たち」が終了。◇近年の遊川和彦の作風とは違ってて興味をひかれました。遊川のドラマは、日テレの「女王の教室」や「家政婦のミタ」で成功して以降、だいぶワンパターンだったから飽きてたのよね。でも、今回はオーソドックスな作りが逆に新鮮だった。現代の若者の恋愛や親子関係のサンプルを、ありったけにぶち込んだような内容でしたが、さしずめ「男女7人」の現代版って感じ?ドラマだけに、いろんなエピソードが極端に詰め込まれてたけど、ひとつひとつの話は現代の若者のリアルなんだろうな、…と思いながら見てました。もはや恋愛することは労力でしかないのね。ほんの些細なことが相入れなくても上手くいかないし、上手くいったとしても、短い期間で終わってしまう。◇若手の演技派7人の組み合わせも面白かったです。福士蒼汰×前田公輝×本郷奏多岡崎紗絵×深川麻衣×成海璃子×佐々木希とくに福士くんは、わたしが見たなかではいちばん良かったと思うし、彼のキャラにも合ってました。ちなみに、なぜ脚本家の設定にしたのでしょうね。遊川が自分自身を投影するにはあまりに若すぎて青臭いし、だれか後輩の脚本家にモデルでもいたのかしら?◇しかし!!結末がいかにもテキトーなのは相変わらずのパターン(笑)。遊川のドラマは、収拾がつかないほど色んな問題をぶち込んでしまうので、最後はいつもテキトーな終わらせ方になる。さすがにバッドエンドじゃ希望がなさすぎるし、なんとかハッピーエンドにしたかったのは分かるけど、そうはいっても、あからさまに手の平を返すようなハッピーエンドは、強引すぎて失笑するしかありませんでした。
2024.04.04
クドカンの「ふてほど」最終話。寛容ソングはずいぶんと長尺でしたねwだいたい予想はしてましたが、最後は、震災の行方不明者が未来に生きる希望を残した形。もともとクドカンは、お決まりの《入れ替わり》とか《タイムリープ》とか、1980年代の大林宣彦が、「転校生」や「時かけ」で定式化したモチーフを、これまでも繰り返し使ってきたのですよね。…たまたま最近、その大林宣彦の「時をかける少女」を、U-NEXTで初めてちゃんと観たのだけど、あの物語は、ただのタイムリープの話ではなく、じつは《代理》をテーマにした話だと知りました。それがクドカンにも継承されてるなと感じます。◇大林版の「時かけ」における深町くんは、未来人として現代に存在してるのではなく、むしろ未来人であることを隠すために、他のだれかの《代理》として出現しています。ある部分では、すでに亡くなったはずの「深町家の孫」の代理として存在し、ある部分では、芳山和子の中の「吾郎ちゃん」の記憶をすり替えながら、やはり、その代理として存在してる。のちの角川版や細田版では、この《代理》というテーマが十分に追求されていません。◇これは、すでに下のシネマレビューにも書いたことだけど↓https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?SELECT=24063芳山和子が深町くんに抱いた恋心は、じつは吾郎ちゃんに抱いていた感情の《代理》なのです。それは、ちょうど、富田靖子の「さびしんぼう」で、主人公が白塗りの少女に抱いた恋心が、じつは主人公の母親への想いの《代理》だった、…という構造とほとんど同じです。それによって、もっとも身近な誰かへの想いに気づく物語になってる。◇そして、もうひとつ、すでに存在しないはずの「深町家の亡くなった孫」が、タイムパラドックスによって存在してる面があって、そこには「存在しえなかった死者」を現出させる意図も感じる。大林宣彦は、そういう物語を被爆地の広島で撮ったのです。タイムリープの物語というのは、たんに過去や未来へ時間旅行するだけの話じゃなく、「存在しないはずの誰かが存在すること」の意味を問う物語なのですよね。…今回のクドカンのドラマでも、「存在しないはずの誰かが存在すること」の意味を、かなり意識的に掘り下げたと思う。つまり、阪神大震災で亡くなった人々が、タイムマシンで未来に出現する設定になってて、仲里依紗が演じる渚は、すでに亡くなった若き母と姉妹のように接したり、すでに亡くなった若き祖父と恋人のように接したりします。これも、尾美としのりが富田靖子に恋したのと似ていて、本来は母や祖父に抱きがたい感情が生まれてる。その意味でも、クドカンは、大林と同様の《代理》の物語を追求してると思う。残念ながら、わたしは観てないけど、クドカンがもっとも意識したのは谷口正晃版なのかも。◇スピルバーグの「Back to the Future」もふくめ、その後の《タイムリープ》の多くの作品には、そういう視点が抜けていて、物語としての深みに欠けます。とくにスピルバーグの場合は、筒井康隆よりも藤子不二雄を模範にしてるのよね。人間関係が「ドラえもん」とまったく同じなのです↓https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?SELECT=24063なお、先月の「アストリッド&ラファエル」の記事にも書きましたが、この《タイムリープ》という和製英語は、筒井康隆が「時をかける少女」で発明した造語のようです。時をかける少女 [ 原田知世 ] 楽天で購入 さびしんぼう [ 富田靖子 ] 楽天で購入
2024.03.31
門脇麦×永瀬廉「厨房のありす」最終話。自閉症の女の子の人情ラブコメに、アストリッド風の謎解きサスペンスを加えたドラマ?…かと思いきや、最後はけっこうスゴい話で、実父がとんでもないサイコパスの極悪人だったのね。◇それまでの内容も、ゲイカップルの偽装結婚の話とか、いろいろ詰め込みすぎって感じもしたけど、まあまあ面白かったし、最後はしっかりしたメッセージ性もあって、なかなかちゃんとした結末でした。◇自閉症の問題もふくめて、マイノリティの立場を肯定するお話でしたが、それと同時に「非合理な家族神話」への批判でもあった。極悪人の実父は、「結局オレはお前の父親で、お前は人殺しの娘だけどな」という捨てゼリフを残しましたが、殺人犯でなくとも、悪い親って子供にこういうことを言いがちだよね。それは、親の傲慢さ以外の何ものでもない。◇ヘテロセクシャルな実父よりも、ホモセクシャルな養父のほうが良心的だったという結論。たとえ血縁であっても、悪人まで親と思う必要はないってこと。逆に、たとえ親が仇どうしであっても、その子供までが憎しみ合う必要はないってこと。これって、たんに個人の問題ではなく、社会全体のコンセンサスの問題でもあるし、もっといえば、民族間や国家間の問題でもあります。◇最後に主人公が言ってましたが、食べ合わせの悪い食材どうしでも、料理しだいでは調和させることができるのね!知らなかった!!ありすのレシピブックも出てました↓厨房のありす公式ガイド ありすのやさしいごはんレシピ (TVガイドMOOK) 楽天で購入
2024.03.31
二階堂ふみ×チェ・ジョンヒョプ「Eye Love You」の最終話です。そもそもミン・ハナさんは、どうやって侑里もテレパスだと知ったんだっけ?予知能力者だから?それとも遠隔テレパスなの?◇ミン・ハナさんが、「テレパスの恋人はかならず死ぬ」とか、「33秒見つめ合ったらテレパスは消える」とか、そういう法則を勝手に信じこみ、自作の絵本に描いたのはいいとしても…その迷信を、登場人物の全員が信じてしまう…ってのはどうなの??しかも、いちばん狂信してたのは、よりによって大学院の教授(=杉本哲太)だよねw生物学的な裏付けでもあったのかい!◇ちなみに、アイヌの「オハイヌ」(空聞き)ってのは、ほんとうに実在する習俗らしいのだけど、そのオハイヌの幻聴能力が、星空の下の「33秒」の見つめ合いで消える…みたいな伝承があるのかどうかは、ネットで調べてみても確認できません。…むしろ、この「33秒」とやらで思い出されるのは、ほかでもなく、あの統一教会の教義なのよねえ。◇どこかで聞いた話だけど、統一教会には妙な数的法則にこだわる教義があって、たとえば教祖たる文鮮明の再臨を、意味不明な周期的ロジックで説明するらしい。そして統一教会は、なぜかしら「3の倍数」を特別視するらしく、> 3は原理数> 三数は安定と調和の数> 三数は天の数、三数は完成数> 神は三数的存在…みたいな考え方があるようなのです。参考:統一教会において3は「原理数」、「三位基台(さんみきだい)」っていう重要な教義もあります→https://t.co/1LGcsubRQw silent hill 「サイレントヒル」はコナミ発売のゲームで映画化もされ、娘シャロンを宗教団体から救うために母が奔走するホラー映画 →wiki https://t.co/SZH0r1wEoc— 紀藤正樹 MasakiKito (@masaki_kito) July 17, 2022これはおそらく、キリスト教の「三位一体」から来てるのでしょうけど…こういう妙なロジックに疑念をもつ人は、たぶん統一教会の信者にはならないでしょうね。しかし、今回のドラマの登場人物みたいに、謎のロジックでもすんなり受け入れる人は、統一教会の信者になる資質があるかもしれないww3の倍数 その1。3の倍数 その2。3の倍数 その3。いかにもテキトーな数式。アイヌ伝承のでっちあげ?サブリミナル的な刷り込み?よりによって、このドラマの最後は、「日本人女性がソウルで韓国人男性に抱きつく」というクライマックスを迎えたので、もしや統一教会のメディア戦略なのでは?!…みたいな疑念が思わず頭をよぎったのでした。◇Twitterには「#eyeloveyouファンミ 」みたいなタグが見受けられますが、韓国系アーティストや韓国ドラマに関連して、そうしたファンミーティングが付きものだとすれば、そこが統一教会の勧誘の場になってる可能性は否定できません。かりに統一教会系の団体主催ではなく、一般のファンが主宰するイベントだとしても、そこに教団の勧誘員が潜り込む可能性は十分にありうる。TBSがどういう姿勢でいるのか知りませんが、すくなくとも報道部はそこまでを注視する必要があるし、必要に応じて注意喚起をする責任も負うはずです。ソウルにて日本人女性が韓国人男性に抱きつく。べつに、わたしは嫌韓なわけじゃないし、日本人と韓国人が恋愛するのも自由だし、統一教会にかんしても、基本的に信教は個人の自由だと思うけど、法外な献金をむしり取られるような顛末には、気をつけないといけませんよね。◇◇◇なお、中川大志くんは、今回も、大学時代からヒロインをずっと見守るだけの、なんだか可哀想な噛ませ犬の役どころ!でも、最後はミン・ハナさんとの恋を匂わせたので、こちらは日本人男性&韓国人女性のカップルに??ちなみに、そういう組み合わせって、統一教会でも認められるのかしら?
2024.03.27
カンテレ「春になったら」最終話を見ました。リアルに死期の迫った人の生前葬を、《旅立ちの祝福》というコンセプトで挙行するのは、ちょっとブラックな感じもするのだけど、実際に、そういう生前葬をする人はいるらしいし、死ぬことをポジティブな《旅立ち》と捉えるのも、ひとつの宗教観念なのかしら…?◇でも、まあ、基本的には上手くまとまって満足度の高い終わり方。脚本の構成としては、「出産/死」「結婚式/お葬式」…をめぐるドタバタな騒動を、シンメトリックに、かつコミカルに描く設定。それがとても上手く機能していたし、それぞれのキャラの位置づけも明解で、お手本のように整ったドラマだったといえる。◇現実には、こんな綺麗な死に方のできる人は少ないでしょう。しかも、父親から見て、これ以上ないほど理想的な娘だよね…ってのが大前提としてあるし、その意味では、一種のファンタジーだと思うけど、こういう希望のもてるドラマも必要でしょう(笑)。下町の父と娘のお話だったので、なんとなく「朝顔」の続きっぽくもありましたが、上野樹里&時任三郎の「朝顔」は、全体に暗いトーンの作品だったのと違い、今作は、つねに明るいトーンなのが救いでした。お天気には左右されるけど、野外ウェディングってのも洒落てますよね。神社の参道をバージンロードにしたのも素敵。◇式にはケイト・ベネットなる女性歌手が登場しました。毎回、劇中では、男性歌手と思しき英語の曲も使われてましたが、調べてみてもアーティスト名も曲名も分からないし、ドラマのオリジナルだったんでしょうか?https://t.co/gXQIhZGIVy pic.twitter.com/Na3CJoqqYL— BrooklynParlor OSAKA (@Brooklyn_Osaka) April 22, 2017最終回はTVerで無料配信中!#春になったら 🌸 メイキング❀┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈.*✿撮影前のひとコマ📹✨ウエディングドレス姿の瞳(#奈緒 )に初対面した雅彦さん(#木梨憲武 )本当に瞳ちゃんのウエディングドレス姿、素敵です👗💕最終回はTVerで無料見逃し配信中!… pic.twitter.com/8kPOYQwyEu— 『春になったら』奈緒×木梨憲武W主演【月曜よる10時 カンテレ・フジテレビ系】 (@haru_ktv) March 26, 2024
2024.03.26
TBS「さよならマエストロ」最終話を見ました。なんだか不思議な結末。娘がバイオリンをやめたエピソードもピンと来なかったけど、父と和解してバイオリンを再開する理由もピンと来なかった。とにかく、父と和解してオケのコンマスになったものの、両親の離婚が確定したので家族は崩壊。そのうえ、父をドイツへ送り出したので、素人同然の市長の娘が指揮者になったところで、オケの存続も絶望的だよね。指揮の演技についていえば、西島秀俊より當真あみちゃんのほうが上手だったけど!彼女は実際にピアノもバイオリンも弾けるらしい。どう考えてもバッドエンドなのに、雰囲気だけはハッピーエンドの体で終わってる(笑)。シューマンはライン川に身を投げて死んだのですが、そのシューマンの「ライン」を最後の希望の曲にするのもスゴイ。強引というべきか、究極の楽観主義というべきか。終わりよければすべてよしとは言うけれど、終わりが悪くてもすべてよしって感じ???視聴率は、今季の民放ドラマでダントツの1位!…いろんな意味で不思議なドラマでした。◇もともと地方オケの物語だったので、日テレ「リバーサルオーケストラ」の二番煎じでしたが、キャストはかなり豪華だったよね。リバーサルオーケストラは、キャストも物語も地味だったから…(^^;西島秀俊と芦田愛菜が主演で、新木優子や宮沢氷魚や當真あみが脇役で、西田敏行や石田ゆり子や満島真之介も出てくるって豪華すぎ!お話もそれなりには面白かった。でも、個人的にいうと、クラシック音楽の魅力は感じにくかったです。印象に残った曲も演奏シーンもなく、劇伴音楽もクラシックの要素には乏しかった。どちらかといえば、チェット・ベイカーのジャズとか、アマポーラみたいな軽音楽のほうが印象に残ってる。まあ、さすがにシューマンの「ライン」は耳に残りましたが。このドラマを見て、クラシック音楽に関心をもった人はいるのかしら?高校生から指揮者を目指そうとする人とか、娘にバイオリンを習わせようとする人はいるのかな。◇ところで、いちばん謎だったのが第5話なのよね。おばさまが歌謡曲を探していた話。ビゼーのカルメンに似てるようで違う…と言われ、「マエストロに訊いてみたら?」との助言も無視して、なぜか歌謡曲のCDの歌詞カードだけを探しまくり、金井克子の「他人の関係」だと突き止めるのだけど、あのエピソードって何だったの???あまりにも意味不明なので、もしや、あのおばさまが、オケ復活の鍵を握る伏線なのでは?!…みたいな深読みもしてみたけれど、ぜんぜん違いました (^^;クラシック音楽のドラマなのに、歌謡曲のエピソードって必要ですか?もしかしたら、「ハバネラ」のシンコペーションと、「他人の関係」のシンコペーションが似てる、みたいなことだったのかしら??でも、続編も噂されてるらしいので、もしも続編があるとしたら、コンマスを中心にオケのメンバーが奮闘して、市長の協力とか、あの歌謡曲のおばさまの協力も得て、地方オケが奇跡の復活を遂げ、ドイツで成功したマエストロを客演に迎える、…みたいな話になるのかも。それならそれで面白いとは思う。【楽天ブックス限定先着特典】さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~ DVD-BOX(マグカップ) [ 西島秀俊 ] 楽天で購入
2024.03.21
フジ月9「君ここ」が終了。お世辞にも、出来がいいとは言えなかったけど、主演の2人も好きだし、映像も綺麗だったので、なんとか我慢して見とおしました。今季は、月10の「春になったら」も、クドカンの「ふてほど」も、あらかじめ死ぬことが分かってる物語。このドラマの場合は、最後の最後に奇跡が起こってハッピーエンド!…って予想もなくはなかったけど、やはり死ぬのがデフォルトだったみたい。◇五感を失なった暗闇のなかで、何十年も生きていくと考えるだけでも怖い。その暗闇に耐えつづけるために出来るのは、唯一「希望の種」を植えつけること、…ってのは第9話だったかな。これはけっこう深い話だったかも。でも、最後はまた「逆の奇跡」が起こって、恋人の命と引き換えに五感を取り戻しました。◇五感を失なっても、運動神経は失われないから、声を出したり動くのは可能じゃないかと思ったけど、どうやら脳死状態になる設定だったようです。もしかしたら脚本家は、「五感を失えばおのずと運動神経も失われる」と考えたのかしら?まあ、実際のところ、「感覚神経だけ失なって運動神経が残る」なんて症例は存在しないだろうし、どうせファンタジーなんだから、いかようにでも設定できますけどね。◇今季は、TBSのドラマも、「ふてほど」がタイムリープで、「Eye Love You」がテレパシーだし、SFファンタジーの設定が多い。このドラマは、さしずめゲーテのファウストって感じ?メフィストフェレスみたいな黒服が出てきて、魂と引き換えに望みを叶えてやる…と。結果的には、「五感を失なう=心を失なう」ってことだったので、その意味でもファウスト的な設定でした。◇たまたま最近、1983年版の映画「時をかける少女」を見たのだけど、あれは舞台が広島で、主演が長崎出身の原田知世。このドラマも長崎が舞台だったから、ちょっと80年代のSFジュブナイル的なものを期待してた。荒唐無稽なファンタジーになるのも前提で。でも、あまりにも子供だましがすぎた感じ。クドカンの「ふてほど」の場合は、ファンタジー設定が笑いのネタになってるけど、「君ここ」や「Eye Love You」の場合は、ご都合主義的なファンタジー設定が、たんなる作品の欠点に見えてしまう。◇たとえば、母親だとバレたら月明かりに溶けるけど、たがいに分かってても口にしなければ大丈夫、…みたいな謎設定も、ご都合主義に見えました。母であることを隠し通すのが条件なら、太陽が千秋を母だと認識した時点ですでにアウトなのでは?と思いきや、太陽が千秋を「母さん」と呼ぶまでアウトにはならないよう。何だこのルールの既視感と思ったら、これ「ハリポタのヴォルデモートシステム」だわ。名前を呼んではいけないあの人の名を口に出すと、死喰い人に殺されてしまうアレです。https://woman.mynavi.jp/article/240311-18_1190537/それから、赤色が見えないという設定も、いまいち何の意味があったのか分からず。色覚障害の男性と、視力を失くした女性が、心のなかで同じ色彩を感じる、みたいな結末?…かとも思ったけど、最後に予備の花火を見る結末は、なんだか、かえってマヌケな感じもしましたね。どっちにしろ彼と同じ色は見れないわけで。◇長崎を舞台に選んだ理由もあまり分からなかった。とくに花火が有名ってことでもないっぽい。じつは1983年の「時かけ」には、死者を蘇らせるという裏のテーマがある気がしてて、そのことが被爆地を舞台にした理由かもしれないのだけど、このドラマはどうだったのでしょうね。ある意味、存在しないはずの死者が存在する話ではあったし、日下や千秋にかんしては、過去の死者が時空を超えて現代に蘇る話でもあった。太陽のセリフには、「長崎で鳴らされる爆竹は死者の魂を呼ぶためのもの」みたいなのもありました。そして、これはたぶん、クドカンの「ふてほど」にも関係する問題だと思う。◇それから、ずっと最初から気になってたけど、本来は「根暗」なはずの2人が、全然そういうキャラに見えなかったのよね。これは演技の問題というより、脚本と演出プランの問題だろうと思いますが。…山田くんは十分に演技派なのだから、前作の「ペントレ」にしろ今作の「君ここ」にしろ、こんな子供だましのファンタジーじゃなくて、もうちょっと作品を選んだほうがいいのでは?…と思ってしまいます。宇多田ヒカルも、なぜ今回の仕事を引き受けたのか不思議。まあ、脚本のコンセプトに惹かれたのでしょうけど。もっと長崎の情緒を味わいたかったな。
2024.03.19
フジ・カンテレ月10「春になったら」見てます。末期ガンの父と、嫁ぐ娘の話。物語のテーマはオーソドックスともいえる。俳優陣も演技派ぞろいで安定した内容。これは第4話ぐらいのシーン。1週おくれの第6話ですが…。父の雅彦(木梨憲武)をはじめ、ようやくみんながカズマル(濱田岳)の存在を受け入れました。予想どおりの展開ではあるけど、やっぱり泣いてしまう。忘れられないような幸福な時間。じんわりとした神回だった。龍ちゃん(石塚陸翔)の存在に救われる。子供がいるだけで救われることってあるよね。「ピザ食べたい」とか「おじい」とか言ってくれるだけで、老いることの寂しさが紛れます。たとえ血がつながってなくても。ふとした瞬間に死ぬのが寂しくなる…というのは、とてもリアル。
2024.02.27
最終話。華ちゃんは誰と結婚したかと思いましたが、お相手は出てきませんでした。結局、メインの4人は誰ともくっつかず。ちょっと意外な結末ですね。朱里は、進吾との復縁も匂わせて終わった。◇そもそも愛子先生が登場したのは、田中さんを海外へ連れ出す伏線だったのねえ。会社も辞めて、海外に留学して、ついにベリーダンスが本業になったってこと?ベリーダンスの留学は、まさかイランやイラクじゃないと思うので、やっぱりトルコあたりでしょうか?◇留学帰りの田中さんは、2年間の海外生活を経て、ちょっと目がギラついてました…!(笑)もしや、日本社会の抑圧から解放されて、愛子先生ばりに人格が変わっちゃった??かたや、田中さんが進化する一方で、他の3人は何も変わってなかったですね…w目がギラギラしてる海外帰りの田中さん!すこし肉食系になった??
2023.12.26
昨日の記事で「たそがれ優作」のことに触れましたが、何気にずっと見てました。テレ東らしい、ゆるめのドラマ。寅さんよろしく、いつも女性にフラれてしまう、しがない役者稼業の話。そこに、テレ東ドラマお馴染みの、グルメ要素も加わっていました。◇主人公は地味なバイプレーヤー。といっても、昔の大部屋役者みたいな底辺の職業じゃない。それどころか、いつも夕方前には仕事が終わって、いいお店で、綺麗な女優さんとお酒飲んだりして、世間一般の哀れなサラリーマンやフリーターに比べたら、かなり羨まれる身分じゃないかと思える。そもそも若い女の子にフラれるのは当たり前なのだし、「何たそがれてんのよ」ってのが当初の率直な感想でした。坂井真紀のセリフと同じく。だから、はじめのうちは、このタイトルに違和感をおぼえていた。原作漫画の題名だから仕方ないけど。◇主演の北村有起哉は、最近よく目にするようになった俳優ですが、北村和夫の息子なんですねえ。知らなかった!ぜんぜん美形じゃないし、それこそ地味なバイプレーヤーですが、若い頃からずっとこういう世界を見てきた人なのだろうな。ダンスが出来たり、ギターが弾けたりして、いろいろな芸事が自然と身についてる感じ。◇かたや、昨日の記事にも、瀬戸さおりのことを書きましたが、ヘアメイクとスタイリストと3人一緒のときは、いつも楽しそうだったのよね。お菓子食べながら台本の練習したり、なんかお気楽で。でも、業界のことはよく知りませんが、さすがに優作の専属じゃ、あの2人は食べていけないよね。他のタレントの担当も掛け持ちしないと。◇そして、わたしがいちばん楽しみだったのは、毎朝のアパート前での浅田芭路ちゃんとの掛け合い!朝ドラ「舞いあがれ」の舞ちゃん役の子だけど、彼女はじつに芸達者だねえ…。お洒落をキメた優作を見るなり、「孫にも衣装」と言ったのも笑いましたが、いきなり流暢な英語を喋り始めたのもスゴかった。芭路ちゃんは、ほんとに英語が話せるのかしら?Helloちゃんだけに。最終回の葉山のシーンも綺麗だったな。お魚がめっちゃ美味しそうだった。羨ましい!お店のグルメもさることながら、優作が自分でつくる朝ごはんも美味しそうだったよね。
2023.12.24
毎年、12月の「グレかま」は、世界各地のクリスマスのお菓子を取り上げますが、今回は南仏プロバンスでした。◇それと同時にスピンオフドラマも放送され、ヘンゼル(瀬戸康史)が大正時代へタイムスリップしてた。朝ドラのことを意識したのか、少女歌劇団を舞台にした百合ネタがあったり、さらには、かまどの中の人(キムラ緑子)がTBSネタで、別班VIVANTならぬ「別嬪VEPPINT饅頭」を開発してたw怪しげな「VEPPINT饅頭」。百合っぽい2人。テレ東「たそがれ優作」じゃ大酒呑みだった北香那w和洋折衷のシュークリーム!https://www.tsuji.ac.jp/hotnews/cat621/cat709/post-836.htmlhttps://www.nhk.jp/g/blog/kki6ifv311昔の洋菓子って、バタークリームのイメージが強いけど、すでに大正時代に生クリームがあったんだね。朝ドラを見てても、大正時代の音楽やファッションは、とてもモダンだったと思うけれど、お菓子の文化もかなり先進的だったと感じる。◇一方、通常回で取りあげたのは、Xmasの南仏プロバンスで作られる、イエスと十二使徒をあらわす13種のデザート。このうちの4種は、四人の乞食(=4つの托鉢修道会)を意味し、フルーツの色でそれぞれの修道服を表すらしい。それぞれの修道服の色は、ドミニコ会:白色聖アウグスチノ会:濃紫色フランシスコ会:灰色カルメル会:茶褐色とのことなのだけど、どの色にどのフルーツが対応してるのか、ネットの情報はバラバラで一致していない。NHKの説明では、ドミニコ会:ドライいちじく聖アウグスチノ会:クルミとヘーゼルナッツフランシスコ会:レーズンカルメル会:アーモンドとなってましたが、英語のWikipediaによると、ドミニコ会:レーズン聖アウグスチノ会:クルミまたはヘーゼルナッツフランシスコ会:ドライいちじくカルメル会:アーモンドとなってて微妙に違います。さらに、ドミニコ会:アーモンド聖アウグスチノ会:レーズンフランシスコ会:いちじくカルメル会:ヘーゼルナッツと書いてるサイトも見受けられる。◇これらのフルーツを薄いチョコにのせた、マンディアン(托鉢修道士)というお菓子もあるそうです。上記の4種フルーツのほかには、イエスの故地・中東にちなんだナツメヤシの実デーツ、善悪を意味する白&黒のヌガー、さらにフリュイコンフィ、カリソン、フーガスなど。とにかくデザートを13種類そろえるわけですね。13種のデザート。粘土製のサントン人形も可愛い。https://www.tsuji.ac.jp/hotnews/cat621/cat709/post-834.htmlちなみに、13のデザートを食べ残しておくと、夜中に先祖の霊が来て食べていくそうです。ヨーロッパではハロウィンだけでなく、クリスマスにも先祖が来るんですね。◇まったくの余談ですが…テレ東の「たそがれ優作」に、瀬戸くんの妹の瀬戸さおりが出てました。瀬戸くんが童顔なせいもあって、妹のほうが、むしろ姉に見えます…(笑)いつも楽しそうだった3人。ヘンゼルも「弟」の設定ですが、見るからに瀬戸くん自身が弟キャラなのよね。でも、実際には2人の妹の「兄」なのだと。◇これまた余談ですが、いつもグレーテルが帰ったあと、お菓子の量がぜんぜん減ってませんよねえ。だから、わたしは、ヘンゼルが独り言をつぶやいてるだけで、じつはグレーテルも、かまども、すべて彼の妄想なんじゃないかと睨んでますwほんとは姉なんか存在してなくて、ひとりでヤバい幻覚を見てるだけじゃないかしら?
2023.12.23
カンテレの「トキコイ」。マギー&キケロの活動がはじまるところで終わりました。髪型的にはアトム&メルモって感じでしたが…。◇まずは各話サブタイトルのおさらい。たぶん以下のタイムトラベル映画が元ネタですよね。第1話「アバウト・タイムパトロール」⇒『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』(2013)第2話「10年先の彼女」⇒『1秒先の彼女』(2020)第3話「きみがぼくを見つけた夜」⇒『きみがぼくを見つけた日』(2009)第4話「ある日浅草のどこかで」⇒『ある日どこかで』(1980)第5話「バスクラッシュ・エフェクト」⇒『バタフライ・エフェクト』(2004)第6話「バック・トゥ・ザ・エイティーズ」⇒『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)第7話「私は明日、20年後のきみとデートしない」⇒『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016)第8話「サマータイムパトロール・ブルース」⇒『サマータイムマシン・ブルース』(2005)第9話「ミッドナイト・イン・オフィス」⇒『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)第10話「恋は大デジャブ」⇒『恋はデジャ・ブ』(1993)第11話「時をかけろ、恋人たち」⇒『時をかける少女』(1983)最終話は自己パロディかと思いましたが、タイトルのロゴから察するに、やっぱり1983年の「時かけ」なのかなと思う。pic.twitter.com/QIWvRXLczo— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 20, 2023内容的には、「過去から来た男」とか「ARQ:時の牢獄」とかも、引用してた気がしなくはない。◇2人が全宇宙の運命を握ってるという意味では、セカイ系だったともいえます。なぜか今季は、「ONEDAY」「すべて忘れてしまうから」「たとえあなたを忘れても」など、記憶にかんするドラマが多かった。たとえあなたを忘れても? ちなみに《はがし》ってのは、「記憶はがし」のことだと思ってましたが、「カップルはがし」のことだったらしいw吉岡里帆はコメディのほうが合うね。王舟の音楽は、なんとなくコロンボに似てた。
2023.12.20
田中さんと笙野がくっつきそうな流れ?朝倉あきは、噛ませ犬としてはだいぶ強力ですよね。でも、笙野にフラれてしまいそうです。田中さんの存在を知って、彼女のほうから身を引くのかしら?父子家庭で古風な娘に育った…って設定が細かい!前クールで毎熊克哉との絡みはありませんでした(=彼女たちの犯罪)NHKは朝倉あき主演で何か作ったら?見るからにNHK向きでしょ!時代劇でも現代劇でも。#朝倉あき #孤独のグルメ https://t.co/Fg1Sswq2Y8 pic.twitter.com/CSTLbBgHYN— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 19, 2023◇田中さんも、笙野も、モテ期に入ってるのだなあと思う。田中さんは、ずっと三好に憧れてたはずだし、笙野は笙野で、朝倉あきみたいな古風な子が、ずっとタイプだったはずだから、はたから見ると、「田中さんは三好とくっつけばいいじゃん!」「笙野は朝倉あきとくっつけばいいじゃん!」と思うのだけど、人生は皮肉なもので、ずっと欲しかったものが手に入りそうになると、なぜか気持ちが冷めてしまってる。その結果、笙野の分際で朝倉あきをフるとか、田中さんの分際で三好をフるとか、そういう逆転現象が起きてしまう。◇視聴者のあいだでも意見が割れてる。わたし自身も、「田中さんは三好とくっつけばいいじゃん!」「笙野は朝倉あきとくっつけばいいじゃん!」と思うところはある。田中さんと笙野の関係は、男女の恋愛というよりも、人として尊重しあえる友情じゃないの?…と考えてしまう。◇朱里と小西についても評価が割れてますw小西肯定派の田中さん。断じて小西否定派の華ちゃんw
2023.12.19
月9の「ONEDAY」も記憶を失くしてる話だし、上田誠の「トキコイ」も記憶を消される話だけど、ドラマの記憶喪失ネタって、たいていはファンタジーなのよね。…でも、このドラマは、リアルモードで見ればいいのか、ファンタジーモードで見ればいいのか、いまいちよく分からなかった。◇NHKの記事によると、記憶障害は、けっして珍しくないらしい。https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/852/だから、このドラマも、ただの悲恋ネタじゃなく、リアルな疾病として扱った作品といえなくもない。でも、自分の名前さえ忘れてしまうのに、車の運転や土地勘は失わず、キッチンカーの運営ができるのは不思議だったし、そもそも、空はどこで寝泊まりしてるのかも分からず、材料の仕入れとか、銀行の入金とか、そういう作業を自分で出来てるのかも謎でした。#たとえあなたを忘れても #堀田真由 #萩原利久 pic.twitter.com/UxiyLW93EE— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 18, 2023 そのほか、実家の場所は忘れてるのに、廃墟の場所は覚えてるとか、茜にしても、親友や恋人のことは忘れてて、デートした喫茶店のことも忘れてるのに、プリクラの撮り方は覚えてたりとか、どうもディテールに不可解なことが多かった。解離性健忘は、患者によって症状がさまざまで、何を覚えてて何を忘れるのかも、人それぞれなんだろうけど、もうちょっとディテールに説得力があれば、リアリティのある話として見ることも出来たと思う。映像は綺麗でしたけどね。まるでシチリア島みたいな、淡路島での質素な結婚式も、なんか狙いすましてる感じだったし。ゴッドファーザー的な?最後のシーンも、ちょっと神秘的で面白かったです。朝、空が目を覚まして、どうも記憶を失くしてるっぽいのだけど、部屋にたくさんの写真が貼ってあって、テレビには廃墟ピアノを弾く妻も映ってて、息子と妻は何も言わず寄り添ってくる。脳内の記憶が失われても、外側の記憶が覚えてるのね。◇まあ、健常者だって、すべてを記憶しながら生きてるわけじゃなく、じつはいろんなことを忘れながら生活してるのだし、たとえば老人性痴呆の場合も、いろんなことを忘れていながら、目の前の状況の連続性のなかで、とりあえず生活を続けてるだけなのかもしれません。
2023.12.18
想像以上に救いのない終わり方…。どちらも博愛の物語だったのに、「ゆりあ先生」のほうはハッピーエンドで、「泥濘の食卓」のほうはバッドエンドでした。…誰ひとり幸せにならない悲劇。◇具体的な描写は、ドラマっぽく極端にデフォルメされてましたが、じつは、これって意外にリアルな話だと思う。スーパーの店長の男は、なかば親切心から不倫してる感じだったし、主人公も、主人公の母親も、ハルキの幼馴染みの女の子も、一方的な愛情を暴走させてるだけで、本人にはまったく悪気がない。そこが怖い。じつは、世の中って、そういう人だらけじゃないかしら?親子関係でも、恋愛関係でも、自分の愛情が報われないと嫉妬や憎悪に変わるし、愛された側はそれを受け止められずに疲弊する。◇主人公の名前は「深愛」でしたが、愛が深くても幸せになれるとはかぎらない。深すぎる愛がミスマッチなら、かえって不幸と破滅を招いてしまうよね。そこがリアルだなと思いました。マッチングって大事です。恋愛でも、親子でも。
2023.12.17
第7話。小西がぶっちゃけました。男の「学歴・年収」と女の「若さ・可愛さ」は等価交換。そして、じつは、小西と朱里のコミュニケーション能力の高さが、その「学歴・年収」や「若さ・可愛さ」に支えられてる。それは、すなわち、自分の本性や本心を取り繕い、「学歴・年収」や「若さ・可愛さ」を武器にして、見かけだけを相手の求めに沿わせていく能力のこと。…笙野と田中さんが、コミュ力の欠如ゆえにこじらせてるのに対して、小西と朱里は、逆に、コミュ力がありすぎてこじらせてる感じ。そういう実情が垣間見えました。日テレは、前季の「こっち向いてよ向井くん」も、なかなかエグイ内容だったけど、今作も負けず劣らずエグってると思います。◇朱里が小西に突き刺した一言。> 私のこと好きだ好きだって言ってるけど、> いつもヒョウヒョウとしてソツがない!> いまいち本音が見えないよ…朱里は、笙野のことを見てるうちに、男性の価値観が変わってきたのかしら?異性の扱いは上手だけど、本音が見えない小西。本音しか言わないので、しばしば失礼な笙野。究極の選択ですね…wチヤホヤしてもらうぶんには、小西みたいな男のほうが一緒にいて気分がいいし、女子に合わせられない笙野みたいなヤツは気分悪い。でも、逆にいえば、笙野みたいな男は中身が丸見えなだけに嘘がなく、小西のような男は、いつも嘘っぽくて中身が見えない。一方、朱里と違って、田中さんの場合は、彼女自身がコミュ力に依存してないだけに、むしろコミュ力の欠けた人に共感があるのよね。うわべのコミュ力をあまり信じてない。だから、笙野みたいな人にもわりと寛容で、はじめから「根はいい人でしょ」と受け入れてる。小西と朱里みたいに、なまじコミュ力の高い人どうしの付き合いだと、エネルギーのあるうちは楽しいものの、おたがい演じることに疲れてくるし、本音が見えた途端に修復不能になったりします。◇朱里は、そのことに気がつきはじめた。核心を突かれた小西は、もう元のチャラ男には戻れなくなりました。でも、案外、それでよかったのかもしれません。うわべだけのコミュ力の高さなんて、かならずしも幸福に結びつくものではない。その虚しさは、小西がいちばんよく分かってるはず。
2023.12.06
フジ生方美久「#すき花」第8話。志木美鳥(田中麗奈)の人生の断片が繋がりました。とても胸を打つ内容で、久々に、むさぼるように見入っちゃった。◇前作の「silent」もそうだったけど、本筋とは無関係な話で神回になるのが不思議wむしろ、こっちこそメインのストーリーじゃないの??…と思ってしまいます。奈々(夏帆)が登場した「silent」の第6話でも、それまでの話はぜんぶ前フリで、ほんとうの主役は奈々じゃないかと思えたけど、今回もそんな感じ。実際、志木美鳥の登場で、今回の物語の多くの伏線が回収されています。◇まだ全貌は明らかじゃありませんが、少女時代の美鳥(上坂樹里)は家庭で暴力を受けてたっぽい。母親から疎まれ、親戚にもたらい回しにされてた。誰に暴力を受けてたか分からないけど、夜々(今田美桜/泉谷星奈)の毒母が過干渉だったのとは対照的に、美鳥の毒母は、おそらくネグレクトだったと思われます。育児放棄の美鳥ママ/共依存症の夜々ママ中学時代には、学校中の嫌われ者だったものの、しばしば同級生の椿(松下洸平/土田諒)の家に来て、椿から将棋を教わったり、椿の母から料理を教わったり、花屋を手伝ったりしていた。しかし、別れも告げず新潟へ転校してしまった。…高校の夏休みには、福岡の夜々の家に身を寄せてました。幼かった夜々は、母親の言いつけを破り、美鳥からこっそり将棋を教わったのだけど、もともと美鳥に将棋を教えたのは、じつは椿だったわけです。のちに夜々が東京で居候したときは、美鳥のつくる美味しいご飯を食べたけれど、もともと美鳥に料理を教えたのは、じつは椿の母でした。そして夏休みが終わると、母や兄のいる北海道ではなく、やはり新潟の高校へ帰ったとのことですが…そこは《愛着のない場所、誰も待っていない場所》だった。なぜ新潟の高校へ通っていたかは謎です。父の実家だったのか。あるいは寮生活だったのか。◇そのまま新潟で塾講師の仕事につき、結婚して「小花」姓になったころは高校の非常勤講師に。塾の教え子がゆくえ(多部未華子)と赤田(仲野太賀)で、高校での教え子が紅葉(神尾楓珠)なのですね。新潟の塾時代にも、やはり生徒たちから嫌われてましたが、ゆくえと赤田の2人だけは、なぜか美鳥を慕っていた。ゆくえと赤田がいまも固い友情で結ばれてるのは、たんにウマが合うからだけじゃなく、嫌われ者の塾講師のために連帯してたからなのね。いわば、戦友ってこと。そういう歴史を経たからこそ、いまも2人は性別を超えた親友でいられてるのだし、そのことが分かると、ゆくえと赤田の友情がすごく説得力を帯びてきます。その後、離婚をして東京に移って、高校生だった夜々を居候させたりして、やがて一軒家を買って塾をはじめたものの、北海道の母が要介護の状態だと知り、疎遠だった母と兄のところへ引っ越したのですね。でも、すぐにまた東京へ戻ってきた。◇◇◇志木美鳥は、親戚中から嫌われていたけれど、福岡の夜々だけは唯一の味方だった。東京の中学時代には、学校中の生徒から嫌われていたけど、椿と椿の母だけは彼女の味方でいた。新潟では、塾の生徒たちから嫌われてたけど、ゆくえと赤田だけは彼女の味方だった。そして…ゆくえが講師をしてる現在の塾では、クラスのみんなから嫌われ、先生にも味方してもらえない希子ちゃん(白鳥玉季)に、穂積くん(黒川想矢)だけが味方をしてます。じつは、そういうところで繋がってる人たち。「周りが嫌ってるから自分も嫌う」という同調主義にあらがうことの辛さ。◇来週は、紅葉と美鳥のエピソードが紐解かれるはずです。
2023.12.01
第6話。ダンサーと身バレした田中さんを、笙野&朱里がみごとに救いましたね。笙野は、「田中さんマニアを増やせばいい!」と言って勇気づけてましたが、けっこう説得力のあるセリフでした。たしかに、出社拒否でも、登校拒否でも、ほんの数人の味方がいるだけで、気持ち的にずいぶん楽になるでしょうね。田中さんを《宣伝に失敗したマニア向け商品》呼ばわりw◇結局、このドラマって、だれひとり悪者がいないのかも。最終的には、みんな良い人かもしれません。犬猿の仲だった笙野と朱里も、いまや2人でSabalanの手伝いをしたり、小西をまじえて松戸まで小旅行をしたり、なにかと一緒にいることが多くなりました。朱里のマンションの前では、たまたま遭遇した小西と進吾が、一触即発の状況になるかと思いきや、なぜか意気投合しちゃったみたい(笑)。◇朱里は最終的に小西とくっつくの?それとも進吾との関係を作りなおす?ちょっと先が読めなくなりました。女友達からは、「二股小西なんて女の扱いに慣れてるだけ!!」と叱られてましたが、まあ、それも一面の真実ではある。実際のところ、男は「あざと女」が好きだし、女は「あざと男」が好きよね…。異性の扱いが上手いのだから仕方ない。それゆえ、男も女も、結婚詐欺にあったり、ホストに騙されたりするのです…。◇その一方、朱里は、どこかしら笙野に嫉妬してて、これが"両想い"ならぬ"両ツンデレ"に見えてしまう。笙野は朱里が思うほど悪い男じゃないし、朱里は笙野が思うほどチャラい女じゃありません。だから、この犬猿の仲は反転する可能性が十分ある。◇第5話を見たときは、小西→朱里→笙野→田中→三好→愛子先生みたいな片想いの連鎖になるっぽい…とわたしは予想して、だとすれば、いわば恋愛の年功序列で、小西以外はみんな「年上LOVE」かと思ったけど、いまのところ、その予想が当たるかどうかは微妙な情勢です。
2023.12.01
生方美久の「#すき花」。クワトロ主演ってことで、坂元裕二の「カルテット」と同様の設定でしたが、志木美鳥(田中麗奈)の加入でクインテットになる予感?◇ドラマの前半は、恋愛感情なしに4人の男女が交流して、生きづらさや人間関係の不満について、愚痴を共有しあうワークショップみたいな内容でしたが、いろいろと斬新すぎて、正直、あまり乗り切れてなかった…(^^;でも、先週の第7話から、ちょっと今までとは違う展開に。◇紅葉(神尾楓珠)はゆくえ(多部未華子)のことが好きで、夜々(今田美桜)は椿(松下洸平)のことが好きだと判明!ここにきて禁断の恋愛要素が出てきた。それと同時に、椿の邸宅の元の住人が、4人の共通の知人の「志木美鳥」だった疑いが浮上!ちょっとサスペンスっぽい要素も現れました。いい意味で、フツーのドラマっぽい面白さになってきたかも。◇志木美鳥という人は、ゆくえがたまに電話してた北海道の女性ですね。同年代の親友かと思ってましたが、かつての憧れの塾講師だったようです。いっとき桜新町の一軒家で塾をやっていた。それが、おそらく現在の椿の家なのね。現在は北海道の実家で母の介護をしてる。◇そして、志木美鳥は、椿の中学の同級生でもある。ほとんど学校に来なくて、たまに来れば誰かしらを殴っていた、とww。でも、ほんとうは良い人で、椿自身は仲よくしてるつもりだったらしい。学校へ来るたび誰かを殴っていた志木美鳥。さらに、志木美鳥は、夜々の従姉妹です。高校生のときに将棋を教えてくれた優しい人。東京の家に居候させてもらったこともある。でも、親との関係が悪く、親戚とも疎遠で、夜々も長らく会っておらず、連絡先も知らない。ちなみに結婚してたときは「小花美鳥」だった。何かとワケありな志木美鳥。そして、結婚してたころの小花美鳥こそ、紅葉が会いたがってた学校の先生です。いつもイライラして不機嫌だったらしいけど、なぜ紅葉は彼女に会いたかったのでしょう?いつもイライラして不機嫌だった小花美鳥。志木美鳥が家を買い戻したら、クワトロ主演からクイント主演に変わりそうですね。
2023.11.30
今回も、注目のまとは笙野です(笑)。笙野のキャラって、いままでのテレビドラマになかった類型なので、とても面白い。わたしは憎めない人だと思ってしまうけど、視聴者のあいだでも見方はさまざまでしょうね。もちろん朱里みたいに敵視する人もいる。◇ちなみに先週の笙野は、田中さんに「1ミリも下心がない」と言ってましたが、同僚の小西にそそのかされるうち、すこし田中さんを女性として意識しはじめた?田中さんを「オバサン」呼ばわりしてたから、もっと若い設定かと思ってたけど、じつは彼も2年前に四十肩になってて、現在は36才。つまり、40才の田中さんとは4才ちがい。微妙な年の差ではあるけれど、思ったほど離れてないし、恋愛も十分にありえる。ただ、田中さんのほうは、笙野のことをまったく恋愛対象と見てませんね。◇むしろ、朱里のほうに可能性がある、という予感も…(笑)。朱里は最後に笙野への殺意を口にしましたが、じつは、あの感情の中身って、田中さんを傷つけたことへの「怒り」でもあるけど、田中さんの心に入り込んでたことへの「嫉妬」でもある。そこが微妙なところ。案外、笙野への朱里の気持ちが、どこかで反転するかも。笙野に殺意を抱く朱里(笑)。 最後のめるる、丹下左膳みたいな顔になってるけどw#セクシー田中さん pic.twitter.com/jgCFkFZ1dn— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) November 12, 2023
2023.11.13
テレ朝の「あな忘」第3話までを見ました。◇初回を見たときは、> 荒唐無稽な記憶喪失をネタに、> それを音楽ドラマと組み合わせて、> 生方美久の「silent」みたいな純愛路線に仕立てる。> …みたいのが浅野妙子の狙いでしょっ!!と思ったのですが、ちょっと見方が変わってきました。◇音楽ドラマの面でいうと、その元ネタは、「羊と鋼の森」とか「蜜蜂と遠雷」とか、「ピアノの森」とか「のだめ」とか、そこらへんだろうと思ってましたが…病院でのピアノの連弾シーンで思い出した!この《きらきら星変奏曲》の連弾シーンって、「羊と鋼の森」にもあるけど、もとはといえば、朝ドラ「純情きらり」が先よね!つまり、桜子と達彦の連弾こそが元ネタであって、そのシーンの発明者は、ほかならぬ浅野妙子だったわ(笑)。わたしとしたことが、すっかり忘れてた。なので、音楽ドラマとしての元ネタは、朝ドラ「純情きらり」かもしれないし、意外に純愛路線の元ネタも、そこかもしれません。◇◇記憶喪失についても、てっきり荒唐無稽なフィクションかと思ってたけど、エンドクレジットを見ると、ちゃんと「医療監修」のスタッフが入ってるよね。…ってことは、それなりにリアリティのある話かも。正直なところ、このドラマを、「荒唐無稽なエンタメ」と割り切るべきか、「社会問題を扱った真面目な作品」と見るべきか、判断がつかなくなってきた(笑)。◇◇◇空(萩原利久)は、自分の名前も肉親のことも忘れてしまうのに、車の運転は忘れてないし、廃墟の場所も覚えてるし、かつて流行った「だんご三兄弟」の歌も覚えてます。そもそも記憶障害の患者に、車の運転って許容されるのかしら?免許証の所在とか、道路交通法とかも覚えてる?◇彼の母親(檀れい)は、肉親であることを打ち明けず、息子に独り暮らしをさせています。幼馴染みの沙菜(岡田結実)は、仕事のない週末だけ彼の手伝いをしている。空が経済的に自立できてるのか、母親がひそかに支援しているかは謎。記憶を失くしても、仕事の内容は覚えているものなのか、沙菜が一から教えているのかも謎。ついでにいうと、標準語と関西弁が入り混じる設定も謎。◇記憶喪失について、本人は、「不自由を感じてないから病気とも思わない」と言いますが、沙菜に言わせれば、「飽きるほど苦しんだから苦しむのをやめただけ」とのこと。こうした考え方にも、リアリティがあるのかどうか、よく分からない。実際の症例に取材してるのかしら?ちなみに、保(風間俊介)のセリフによれば、これは「解離性健忘を繰り返す珍しい症例」らしい。記憶を失っても不自由は感じない。でも、苦しくないはずはない。解離性健忘を繰り返す珍しい症例。◇リアリティでいうと、病院が薬物を過剰投与したせいで、せん妄などの薬害を引き起こした、みたいな話や、主人公の働く携帯ショップでは、悪徳商法やブラック労働の実態が描かれたりして、けっこう社会批判的な内容が含まれています。これらを、どこまで真に受けるべきなのか?ただのフィクション?病院の過剰な薬物投与と薬害。携帯ショップの悪徳商法。ブラック労働。ちなみに、あの廃墟は、本当に神戸に実在するようです。崩れる危険はないのか。不法侵入にならないのか。そこらへんのリアリティも気になってしまう。神戸港が一望できるのね。なお、ボロボロに見えた壁は、斬新な壁紙だったことが判明(笑)
2023.11.07
セクシー田中さん。安定の面白さ。登場人物が全員かわいい。下心見え見えなのも嫌だけど、面と向かって「あなたに1ミリも下心はありません!」って言われるのもねwまあ、40すぎてるんだし、下心もたれないのが普通だとは思うけど。◇田中さん(木南晴夏)と笙野(毎熊克哉)は、互いにまったく恋愛感情をもってませんが、今後、どんな関係に発展していくんでしょうか。恋愛とはちがう次元の絆で結ばれていくってこと?一緒に料理したり、アラブ音楽や動物の話で盛り上がったり、なんだかんだ楽しく飲み明かしてるのを見ると、けっして相性は悪くないのよね。そして、朱里(生見愛瑠)はいまのところ、笙野をものすごく敵視してますが…このままトム&ジェリー的な関係が続くのか。それとも、どこかで関係が変化するのか。そのあたりも見どころです。正夢?
2023.11.07
カンテレ「トキコイ」第4話。せつない!> きついよこれ。> 好きになって、ゼロになって。> また出会って、また恋に落ちて。> しんどいよ…覚えてないけど。恋をして、記憶消されてまた恋をして、また記憶消されて…って、これ「あな忘」と同じだよねw◇ちなみに、下の記事によると、https://realsound.jp/movie/2023/10/post-1470610.html各話のサブタイトルは、過去のタイムトラベル映画をもじってるそうです。第1話「アバウト・タイムパトロール」⇒『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』(2013)第2話「10年先の彼女」⇒『1秒先の彼女』(2020)第3話「きみがぼくを見つけた夜」⇒『きみがぼくを見つけた日』(2009)第4話「ある日浅草のどこかで」⇒『ある日どこかで』(1980)どれも観たことない!w◇浅草帰りに、みんなで「Lucky」という名のポッキー食べてた!幸いだから?全員でラッキーポッキー!
2023.11.01
日テレ「セクシー田中さん」面白い。もともと相沢友子の脚本って、正直、あまり信用してないのだけど、今作はかなり好感触。原作があるせいか、けっこう深みも感じます。第2話は、毎熊克哉が若干気の毒でしたが、性悪なめるるは面白すぎたし、阿波踊りみたいなベリーダンスの練習も笑えました。悪人顔のめるる。最後のベッドのシーンは…夢?…現実?きっと、朱里(生見愛瑠)が勝手に怒ってただけで、田中さん(木南晴夏)本人は、笙野(毎熊克哉)のことを悪く思ってないのでしょうね。スーパーで鶏肉も譲ってくれたし(笑)。笙野のほうも、田中さんの語るベリーダンスの歴史や多面性に、すこし心を動かされたのかもしれない。ベリーダンスの表の面と裏の面。猥雑さと崇高さ。ベリーダンスって、これが正当って言い切れる正解が見えないんです。起源も曖昧で、多種多様すぎて、もともとは祭事的な要素が強かったとも言われる。豊穣を祈って踊られる一方で、ハレムで感動的に踊られていて、安易なセクシーさの表象としての一面もあります。女性性や精神を解放して、誰にも媚びずに自由に生きる手段としてのスピリチュアルな一面もある。正解を自分で選び取るしかない。他者の意見をはねのけて強くありたいのか。すべてを内包してやわく共存したいのか。田中さんをとおして、朱里が笙野を見る目も変わっていくのかな。…つーか、予告編を見たら、朱里と笙野のキスシーンらしき場面も?!//✨第3話11/5(日)‼️ 日曜ドラマ✨💃「#セクシー田中さん」💃\\第2話ご視聴ありがとうございました!第3話もお楽しみに❣️見逃した方はTVer▶️https://t.co/VQDBwpqtltHulu▶️https://t.co/LVLGkC9O8z第2話ダイジェストはコチラ🔽https://t.co/t0UsgVfGm8 pic.twitter.com/c6oYB0djtC— 『セクシー田中さん』【公式】日テレ系【日曜よる10時30分放送】 (@ntv_tanakasan) October 29, 2023 めるるは、外見は華やかなのに、ちょっと男性不信ぎみな役どころです。その意味では、前作の「日曜の夜ぐらいは」にも通じる。しかも、朱里の男性不信の原因は、前作でカフェプロデューサーだった川村壱馬(笑)。めるるとカフェプロデューサー抜け駆けしてたのねw#生見愛瑠 #川村壱馬 #セクシー田中さん #日曜の夜ぐらいは pic.twitter.com/F1zmr2WS2x— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) October 22, 2023逆に、田中さんのほうは、見た目は地味だけれど、じつは女の子っぽいものが好きなファンシー気質。恋愛に対しても、わりと素直に憧れてるのでは?三好(安田顕)にもひそかな想いを寄せてるらしい。田中さんが憧れる「ときめきトゥナイト」の真壁くん。…古すぎw ◇もう15年も前ですが、おなじ日テレに「斉藤さん」というドラマがあって、わたしがもっとも好きな作品だったのだけど…今回の「田中さん」って、ちょっとそれを彷彿とさせるところがあります。原作は小田ゆうあの漫画で、キャラはぜんぜん違いますが、ミムラが観月ありさに憧れる設定だったので、やはりシスターフッドの物語だったのよね。
2023.10.30
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