平城宮跡、聖武天皇陵


色々忙しかったのですが、やっとPC復帰できそうです。

昨日は奈良の近鉄西大寺から近鉄奈良駅まで約9キロ歩いてきました。
目的地は、平城宮跡、朱雀門、東院庭園、大極殿跡、法華寺、佐保川、聖武天皇陵、光明皇后陵です。

大阪は朝少し肌寒く、雨はやんだもののちょっと心配でしたが、以前から予定していたので思い切って出かけて見ることにしました。

まずは、西大寺駅から平城宮跡の方へ向かって歩きます。
平城宮跡は桜の木が本当にたくさん咲いていました。
とても広い、奈良というのは『平にならす』“なら”からきているのだそうですが、本当に平らな広い場所が広がっています。

どんどん歩くと、真っ赤な綺麗な門が見えてきました。
朱雀門です。

朱雀門

勿論、当時のものではありませんが、この広い平城宮跡のポイントになって結構素敵です。
写真で見るよりもかなり大きいですよ。

『あおによし 寧楽の都は咲く華の 薫がごとく 今盛りなり』

の歌碑が見えてきました。

あおによし

東院の庭園に向かいます。
4月も半ばなのにまだ桜が咲いていてくれてとっても嬉しかったです。

東院庭園

美しい庭園を見てから資料館を見学しました。
実はこの平城宮に都があったのは、奈良時代です。
奈良時代は前期と後期に分かれます。
その間は、実は都は一時、恭仁京にありました。

奈良時代の前期は藤原四兄弟(南家、北家、式家、京家)の全盛期でした。
しかし、天然痘の流行で、藤原四兄弟は次々と亡くなってしまいます。
そのときに、一躍歴史の表舞台に登場したのが、橘諸兄です。
彼の母は県犬養三千代、つまり聖武天皇の乳母である橘三千代その人でした。
父は、そんなに有名ではありませんが、母が産んだ父違いの妹はなんと聖武天皇の妃、後の光明皇后なのです。

その橘諸兄がもっとも権勢を振るっていた時期に聖武天皇は都を恭仁京へ遷しています。
つまり、奈良時代は恭仁京の時代を挟んで前期と後期に分かれるというこのなのです。
そして、前期と後期では建物の作りは若干ちがいます。

私が、向かったのは奈良時代後期の大極殿です。
大極殿からは、平城宮跡だけでなくずーっと遠くまでもよく見えます。

平城宮跡

このあと、佐保川の方へ向かい、佐保川に沿って歩きました。
なんとまだ、桜が残っていてくれて、とっても綺麗でした。

佐保川

近くの人たちがのんびりと散歩をしています。
枝垂桜がなんとも綺麗です。

しだれ柳

少し休憩しました。
パラパラしていた雨も上がり、天気が良くなってきました。
すこし暑いくらいで、風が気持ち良いです。
休憩したので元気が出てきました。
ここからまた歩いて、聖武天皇陵へ向かいます。

聖武天皇陵

聖武天皇の歌にこのようなものがあります。

『食す国の 遠の朝廷に 汝等が かく罷りなば 平けく 
 我は遊ばむ 手抱きて 我はいまさむ』

このさいごの“いまさむ”というのは“いらっしゃいます”という敬語です。
“我はいまさむ”とは“私はいらっしゃいます”という意味になります。
何だか変ですよね。

実はこれは自称敬語といって天皇や神などで使われる表現なのです。
つまり、当時は天皇は自分で自分の歌は作りません。
天皇の読まれた歌といっても本当は自分では作りません。
臣下の者が作るので、自然と天皇の歌であっても敬語をつけてしまうのです。
これが、自称敬語の始まりだと言われています。

光明皇后陵

なんて事を考えながら歩いていると、聖武天皇の直ぐ近くに光明皇后陵もありました。
彼女の父は言わずと知れた藤原不比等です。
本来、皇后は皇室の血をひくものでないとなれなかったものを、不比等はそのならいを覆してしまいます。

彼はずーっと昔の文献を読み漁りました。
そして、たった一つの例外(皇室出身者でない皇后)を見つけ出したのです。
それは、仁徳天皇の皇后磐之姫です。
彼女は葛城氏出身でした。

その全例を持ち出して、父が皇室でないのに安宿媛(アスカベヒミ)を皇后にしようとしたのです。
それに反対したのは、高市皇子の息子長屋王です(祖父は天武天皇)。
もちろん、不比等は長屋王も殺してしまうのです。

長屋王の屋敷跡は平城宮跡からすぐちかくです。
余談ですが、バブルの時期には、周りの反対を押し切って『そごう』が作られました。
その『そごう』はあっと言う間に倒産してしまいました。
いまは、イトーヨーカ堂になっています。
この辺の人は『そごう』がつぶれたのは長屋王のたたりだなんて言っているのですよ。(笑)

幸い平城宮跡は国が買い取り大切に保存されることになりました。
奈良の人は遺跡を本当に大切に守っています。
大切な日本の歴史を、日本の宝を今生きる私たちも次の世代に大切に引き継いでいきたいものですよね。

などと、話しながら歩いていると奈良駅に着きました。
今日はいろいろととても楽しい一日でした。
4月半ばというのに、少し肌寒かったけれどそのお陰で桜も散らずに待っていてくれたようです。
素敵な一日に感謝しつつ家路についたのでした。




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