二上山、大津の皇子


夫と出かけた。

ドライブをしているとなんだかたくさんの車が止まっている。
何だろうと思い聞いてみると二上山の登山入り口だそうだ。

「よし、決まり、今日は二上山にしよう。」
そういうことで、二上山に登ることになった。

実は私がかねてから古代史最大の悲劇のプリンス、大津皇子のお墓に行きたがっていたのを夫は知っていたのだ。
卑弥呼のお墓と言われている箸墓は二上山の石を人の手で運んだそうだ。

二上山山上憶良

まず入り口に万葉の森とかいた石碑、そして少し歩くと山上憶良の歌が書かれてある木の板がある。
なんだかワクワクしてきた。

少し歩くと山水が湧いている。
手を洗うと冷たくて気持ち良い。
さあ、山に登るぞって気になってくる。
石の碑なんかを見ながら元気に歩いていく。

紅葉山水

少しづつ道が急になってくる。
景色はきれい。
紅葉もいろづいている。

台風で倒れた大きな木があった。
下をくぐって行く。
山道を歩くというより登っていく感じ。

倒れた木かきつばた

山道を登っていくと綺麗な花が咲いている。


段々道が急になってくるし息が苦しくなってくる。
私は登りでは夫の前を歩く。
下りでは後ろ。
足を滑らせたときに支えてもらえる為に。
夫と歩くといろいろ良いことがある。
荷物はぜーんぶ持ってもらえるから。
私は身軽なのでぴょんぴょん跳ねるように登っていく。
「そんな、歩き方では後でこたえるで。」と夫。

ついに念願の雄岳山頂。
神社があるみたい。
二上白玉大神神社とかいてある。

大津皇子のお墓はどこ?
反対側にちょっと下ってみた。
あった、あった。、あったよ。

大津皇子二上山墓


ここに、眠っていたのね。
大変な美男子で頭が良くて、人望があって誰もが次の天皇だと思っていた。
父である天武天皇にも一番可愛がられていた。
ただ、父が一番愛した妻、つまり大津皇子のお母さんはもう、亡くなっていた。
その妹のウノノサララ(後の持統天皇)はこれはやばい!!
可愛い私の息子を次の天皇にしなければと思い
謀反の罪をでっち上げて大津皇子を殺してしまう。

それを悲しんだお姉さん大来皇女は

”うつそみの 人なるわれや 明日よりは
 二上山を弟(いろせ)とわが見む”

と詠んだ歌はあまりにも有名。

私にも仲の良い弟がいるのでこの話を聞いたときは思わずないてしまった。
それ以来、この二上山が一番好きな山だ。


ちょっと休憩になったので、次は雌岳を目指す。

雌岳からの景色山頂の神社

雄岳からは景色はあまり見えなかったけど、
雌岳からはすごく綺麗な景色が見える。
すごく大きな日時計もある。
日曜日なので家族ずれやたくさんの人でにぎわっている。

ここからは香芝や當麻の町が一望できる。
今日はあまりに天気が良いので街が白くかすんでいる。

雄岳からは雌岳が見えないのに雌岳からは雄岳がはっきり見える。
「人間と同じやね。」と私が言うと、
夫は「人間とは逆やね。」と言っている。
二人で笑ってしまった。


雌岳からの雄岳日時計

お茶も飲んだし、ゆっくり休憩したのでそろそろ山を降りなければ。
もう一度、景色をゆっくり見ながら、来たときは一生懸命登っていて気が付かなかったこともよーく、見ながら下っていく。

下りは苦手だ。
膝ががくがく笑ってる。
夫はすごく上手に下っていく。
膝をうまく使ってどんどん降りていく。
後ろから見るとすごい短足に見える。
おかしくてゲラゲラ笑っていると、面白がって余計にトコトコ歩いて見せてくれる。

私は登るときにあんまり張り切りすぎたので、もううまく歩けない。
夫につかまって後ろ向きに歩くとこれはいい。

あんなに頑張って登ったのに帰りはあっけないほど簡単に降りてきた。
あー、もっと居たかったね。
そんなことを話しながら今日の山登りは修了した。
そういえばアジサイがいっぱいあったね。
今度はアジサイの季節に来ようね。
と約束をした。



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