趣味の漢詩と日本文学

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March 1, 2011
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カテゴリ: 国漢文
【本文】桂のみこ、七夕のころしのびて人にあひたまへりけり。さてやり給へりける、

袖をしも かさざりしかど たなばたの あかぬ別れに ひちにけるかな

とありけり。
【注】
・桂のみこ=宇多天皇の皇女、孚子内親王。(生年不祥……958年没)。第二十話にも見える。
・あかぬ別れ=なごり尽きない別れ。『詞花和歌集』「たなばたの待ちつるほどの苦しさと飽かぬ別れといづれまされる」。
【訳】
桂のみこ、孚子内親王さまが、七夕の頃に、こっそりと人目をしのんで、ある人と契りを結ばれたとさ。そうして、相手にお贈りになった歌、

わたくしの袖こそ、織女に貸しませんでしたが、あなたとお逢いした七夕の、名残おしい別れに、涙でびっしょり濡れてしまいましたよ。






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Last updated  March 1, 2011 12:35:11 PM
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