趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

July 25, 2012
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カテゴリ: 国漢文
【本文】平城の帝、位におはしましける時、嵯峨の帝は坊におはしましてよみてたてまつれたまうける、

みな人のその香にめづる藤袴君のみためと手折りたる今日
【注】
・平城の帝=平城天皇。在位は八〇六~八〇九年。
・嵯峨の帝=嵯峨天皇。平城天皇の弟。漢詩文に長じ、書も善くし、平安三筆の一人。
・坊=皇太子の居所である東宮坊の略。転じて皇太子を指す。
・藤袴=藤色の花をつけるキク科の草花の名。秋の七草の一。
【訳】平城の帝が、天皇の位に即いていらっしゃった時に、嵯峨の帝は坊にいらっしゃって、作って平城天皇に献上した歌、

あらゆる人がその香に心ひかれるフジバカマをあなたさまの為にと手ずから折った今日のこの日でございますよ。



折る人の心にかよふ藤袴むべ色ふかくにほひたりけり
【注】
・かよふ=似通う。
・むべ=なるほど。
・にほひたりけり=美しく色づいていることだ。
【訳】それに対する帝のご返歌

折る人の心に通じるフジバカマはなるほどおっしゃるとおり色が深くみごとでございますねえ。





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Last updated  July 25, 2012 12:16:58 PM
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