伊賀へいらっしゃい

伊賀へいらっしゃい

2020年03月03日
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伊賀上野城東
(句意)この桜を眺めていますと、ご奉公していた昔の思い出がさまざま止めどもなく蘇って来ます。
書は、浜松の俳人、大蕪庵(松島)十湖とも上野町会議員の奥森春陽(安次郎)とも伝えられていたが筆跡から
松島十湖氏で間違いないようです。
右下に書かれているのが桃青かと思われるこれが有るために解読が難しかった。

貞享(じょうきょう)五年(一六八八)四十五歳の作で、『笈日記』『笈の小文』(おいのこぶみ)などに「おなじ年の春にや待らむ故主蝉吟公の前庭にて」と前書きがあってこの句が載ってる。
「当時良長は23歳に成長し探丸と号し」との記載があるので蝉吟が死亡前後に誕生したものと思われる。貞享五年(1688)3月13日作 父蝉吟死後22年




 伊陽山中初春(伊陽は伊賀の美称) 芭蕉


【伊賀市上野丸之内 上野公園東口】
元禄4年(1691)の初春、伊賀上野の生家に帰省中の作。季語は「梅」。昭和42年(1967)9月10日、財団法人芭蕉翁顕彰会と実業家町野七右衛門により、建碑。書の原型は、芭蕉真跡懐紙。

(句意)辺鄙な山里には万歳も遅い。正月も半ば過ぎて梅も花盛りを迎えた今頃、やっと来たことよ。

藤堂修理長定邸にて (名張藤堂家三男)古地図に現在の上野農人町川崎邸西隣に自分屋敷が
ありました。






「まゆはきを俤にして紅粉の花」(まゆはきをおもかげにしてべにのはな)
句意: 女性の眉履きの姿を思い浮かべさせるように咲いている紅花よ。
だんじり会館前
奥の細道の句 現在の山形県尾花沢市での句 紅花は伊賀の名産でもあった。

因みにベニバナの古名の末摘花は「花が茎の末の方から咲きはじめるのを順次摘み取るところから」
だそうです。

「They make me recall a lady’s powder puff There saffron blossom.」
が刻まれています。
訳したドナルド・キーン氏は2008年文化勲章受章、2011年の東日本大震災後、日本国籍取得
2019年亡くなりました。





「きてもみよ甚へいが羽織花衣」(きてもみよじんべいがはおりはなごろも)



意味を二つ重ねた詞を二つ使っている事で、凝った句だと言われています。「きて」:着て・来て、「花ごろも」:花見用の華やかな服・満開の桜。

芭蕉が28歳で、俳号を宗房と名乗っていた頃の句。この頃は、技巧的で、誰かに呼びかけるような句が多いような気がします。でも、若々しさを感じる句です。





自然
注曰従天謂道(ちゅうにいわくてんにしたがうをみちという)
従道謂自然矣(みちにしたがうをじねんという)
東野芭蕉桑門 (関東の出家して修行する人の意味か)

真跡(元禄初期と推定)






「升かふて 分別かわる 月見かな」(ますこうてふんべつかわるつきみかな)

【伊賀市上野丸之内 旧市役所南】
元禄7年(1694)の秋の作。季語は「月見」。平成6年(1994)12月2日、

(句意)今夜は十三夜の月見に赴く約束だったのに、途中、升市で名物の升を買ったら、急に世帯気が起きて了簡が変り、月見はやめて戻ってきたわい。

1694年(元禄7年)9月13日、松尾芭蕉 死のひと月前、住吉大社の宝之市神事に参拝し、名物の升(一合升)を購入した時の句。
9月10日に発病して具合は悪く、この日、長谷川畦止亭での月見に参加する予定であったが、キャンセルした。翌日の句会で、この句を披露し、心変わりした非礼を詫びるとともに、心配無用と言いたかったのでしょう。しかし、回復することなく、10月12日に没しました。



「たひ人と 我名よばれん はつしぐれ」(たびびととわがなよばれんとしのくれ)
上野市駅(忍者駅)前駐車場

貞亨4年(1687)冬の作、『笈の小文』の旅への歓送の句会で詠む 。季語は「初しぐれ」

(句意)潔い初時雨にぬれながら、道々で「もうし旅のお人よ」と呼ばれる身に早くなりたいものだ。


 初めての旅『野ざらし紀行』における句「野ざらしを心に風のしむ身かな」と比較した時、その
精神的余裕は大変な相違です。『野ざらし』の頃と比べて芭蕉は既に十分有名であったし、これから
先の伊賀までの旅路には多くの蕉門の弟子たちが師の訪れるのを待ってくれている。





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Last updated  2024年07月14日 12時33分05秒
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