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虹之助 @ Re[1]:芥見下々「呪術廻戦 (29)~(30)」(12/27) Midgeさんへ アニメだと動きがわかりやす…

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2006/09/02
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カテゴリ: 活字
中禅寺秋彦(京極堂)シリーズ第三弾。
前作は乱歩を意識していたと思われるが、してみると今回は久作か。特に前半は、現代版(といっても、時代背景は昭和20年代だが)「ドグラ・マグラ」といった趣き。
後半はやや趣向を変えて、「ドグラ・マグラ」の暗黒世界を精神分析で解明しようとするかのように、やたらとフロイトやユングを引用する。その過剰なペダンティズムは、虫太郎を意識してのことだろうか。

前作は乱歩の構成力の拙さを補完した印象があり、それなりのレゾン・デートルが認められたが、今作が本当に久作を意識してのものならば、失敗作と云わざるを得ない。久作のナチュラル・パワーを理論で構築することはできない。
いってみれば、ディック・ザ・ブルーザーやクラッシャー・リソワスキーと、ビリー・グラハムやジェシー・ベンチュラとの差だ。

幻想小説としては一歩後退した一方で、中禅寺秋彦、関口巽、木場修太郎、榎木津礼二郎の“京極堂一座”のバカさ加減はますます磨きがかかり、もはや作品内コントの域に達している。京極夏彦の本領は、実はこちらにあるのだろう。





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Last updated  2006/09/02 09:29:17 PM
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