法律なんて怖くない!

法律なんて怖くない!

PR

×

プロフィール

法律伝達人max-asayu

法律伝達人max-asayu

バックナンバー

2026年08月
2026年07月
2026年06月
2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月
2025年12月
2025年11月

キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

盆って凄いの ぴんく はあとさん

プロジェクトヘイル… 剣竜さん

theネタ帳☆ ぞっこんボスさん
★cellfood健康法 「… soliton_kobaさん
さむらい業日記 モダニストさん
Love Thirties! きよみっぴさん
つんつんの主に読書… つんつん1955さん
Natural koukiakiさん
私の湘南スタイル VIVA7354さん
ペンギンさんの南極… penguin3.comさん
2004年08月05日
XML
カテゴリ: 手形法


ただの紙切れなのは当たり前です。
金額すら書いていないのですから。
では、金額など手形の要件を書き込みさえすれば
手形の権利・義務が発生するのでしょうか。

手形の要件を書き込みさえすれば権利が発生するとなると
清水君が蒲原にピストルを突きつけられて「手形に100万円と書き込め」と言われて言われるままに書き込み、その手形を蒲原に奪われた場合でも、清水君はその手形を受け取った人に100万円を請求されれば払うしかないことになります。
とすると、手形は非常に危ないものとなり、誰も手形帳を持とうとは思わなくなってしまいます。

そこで、こう考えてみましょう。
手形は借金契約をするのとよく似ていると申し上げました。
そして、 契約とは約束(要望)と意思表示の合致 でした。
従って、手形でも何らかの約束が必要と考えてもいいでしょう。

ここで、手形では要件の書き込まれた手形を渡すことで、「○○万円を支払います」という約束が伝わり、手形を受け取った時点で「わかりました。○○万円を貸したことにしましょう」という意思表示がなされ、約束が合致したことになります。

従って手形は相手に交付してはじめて 約束が合致し、契約が成立 したと考えるのがいいでしょう。
そして契約が成立すればはじめて手形上の権利・義務が発生し、
手形を振り出した人はお金を支払わねばならなくなります。
これを「交付契約説」と言います。

つまり、交付契約説の場合には、
清水君が蒲原にピストルを突きつけて「手形に100万円と書き込め」と言われて言われるままに書き込み、その手形を蒲原に奪われた場合、例え外見はちゃんと要件を満たしている手形であっても交付が無い以上手形としての権利・義務は発生せず、清水君は誰に請求されようとも100万円を支払う必要はありません。

これで、手形帳を持っていてもピストルを突きつけられて
やむなく手形に要件を記載させられてしまった場合には
お金を支払う必要はありませんから、
人々は安心して手形帳を持つことができます。

しかし、これはこれでまた問題があります。
交付されていない手形であっても外見はちゃんと
手形の要件を満たしていれば、その手形は
何の問題も無く交付された手形だと勘違いされることは
十分ありえます。

それなのに、「あ、これはもともと交付されていない
手形だから無効ですよ」と言われては、
今後手形を受け取る際に一々この手形は
ちゃんと交付された手形かどうか調べねばならなくなります。
これでは面倒くさくなり、「面倒だから手形を使うのは
やめよう」と言う話になります。
そこで、一定の場合には外見を信じて手形を受け取った人を
保護することが必要です。しかし、あまりに保護しすぎると今度は
先ほどのように「手形は危ないから使うのをやめよう」と言われてしまいます。
ではどうすればいいのでしょうか。

そこで、交付の無い手形を世の中に出してしまった場合には、
1、ちゃんとした手形のような外見があり、
2、その外見を発生させてしまったことにつき責められるべき点があれば


たとえ交付が無くても、手形振出人とされた人はお金を払わねばならないとするのが良いのではないでしょうか。
(振出人とは「私がお金を払います」と手形にかかれた人を言います)
つまり、1だけで手形に書かれたお金を払わねばならないとすると
「手形は危ないものだから持つのは止めよう」と言われてしまいます。
そこで2によって、「貴方は外見の発生を食い止めることができたはずなのにできなかった。
その責任をとってちゃんとお金を払え」と言うことになれば
手形の振出人とされた人も「確かに私が悪かった」と納得した上で
お金を払うので「手形は危ないものだから持つのは止めよう」とは
思わないでしょう。むしろ、「今度は責められないように手形を使おう」と考えます。

また手形を受け取った側も「手形がここにある以上、ちゃんと交付された手形だろう。万一交付されていなくても、多分その振出人とされた人が何か責められるようなことをしたのだから払ってくれるだろう」と考えますので外観を調べることなくお金を受け取ることができます。
これで、手形を振り出した側も、受け取った側も手形を信用してくれます。

では、「責められるべき点」とはなんでしょうか。
これは手形の保管に責められるべき点がある場合をいいます。
例えば、清水君が振出人とされている、交付を欠いた手形を
三島さんが受け取った時には、「清水君がちゃんと厳重に保管していれば私はこんな交付を欠いた無効手形をつかまされることもなかった。ちゃんと保管していなかった清水君が責任を取るべきだ」といえる場合には清水君はお金を払わなくてはなりません。

ですから、先ほどのピストルを突きつけられて手形に金額を
書いてしまったという場合には保管に責められるべき点はありませんから清水君はお金を支払う必要がありません。

しかし、金額を書き込んだ手形を机の上に放置して、その手形が蒲原によって盗まれ、何も知らない三島さんに渡ってしまった場合には清水君の手形の保管に責められるべき点がありますから
清水君はお金を支払わねばなりません。
この場合、手形を金庫に入れておけば良かったのですから、
清水君は「手形を使うのを止めよう」とは思わず、
「今度からちゃんと保管しよう」と思うでしょう。

このように手形は振り出す側と、受け取る側の絶妙なバランスに
よって成り立つのです。











お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年08月05日 09時17分23秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: