マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2010.06.20
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 中山峠からの下りから、さらに暑くなった。木立のある場所は良いが、日向の道は強い日差しを防ぐ術がない。その時マイクロバスが追い抜いて行った。どうやらリタイヤしたランナーの収容車みたい。最後尾の窓から手を振る人。「えっ?」と驚く。あれは「おんちゃん」ことT野さん。膝が不調と話していたが、まさか8時間近く残っているこの段階で戦線離脱とは。

 61.9km地点の第11ASに、先刻のS田さんがいた。一心不乱に食べている彼。それに引き換え、私は果物と水しか口に出来なかった。「良くそんなに食べられるね」と言うと、「食べないと進めませんからね」との返事。昨年9月の「秋田内陸」がウルトラデビューだった彼が、2戦目にしてそこまで成長したことを頼もしく感じた。

 エネルギー補給を終えると、彼は颯爽と走り去った。追い着こうとしても無理。正確なリズムを刻む彼に対し、私の方はヨタヨタなのだ。そこから暫く森の中の道が続き、涼しくて助かる。コロコロとカジカの声。それは清流にしか棲まない蛙の仲間なのだ。何年か前にはフライフィッシング中の釣り人を見た。自然豊かなこの道が私はとても好きだ。

 前方に旗を持った2人のスタッフ発見。そこが50kmの部との合流点で、コースは右折し北上する。頭上から太陽が容赦なく照りつけ、煩いほどの蝉の声。ここから約12kmは全く日影が無い、文字通り地獄の道。道路は灼熱と化し、体感温度は多分30度以上になっているはず。濡れたタオルハンカチを帽子の下に入れ、後頭部を守る。口からはうめき声しか出ない。

 涼しい仙台に比べてここは真夏。まさに夏のウルトラレースそのものだ。ただしコースは良く知っていて、このまま我慢すれば間もなくレストステーションが見えるはず。暑い日中、わざわざ応援してくれるお年寄り達に手を振る。ようやく前方からマイクの声。あそこが66.5km地点のASで第2関門。近づくと私のナンバーと名前がコールされた。

 T脇さんがASにいた。荷物を預けてない私はすぐに「猫まんま」の準備。カップのトン汁を2杯分。そこに2個の酢飯を入れてかき回す。これは喉越しが良いため、短時間で塩分とエネルギーの補充が出来る優れ物。次にお汁粉1杯。そしてポシェットから「味噌汁の素」の袋を取り出して舐める。苦く感じたのは、既に胃の調子が変調を来していたのだろう。



 アイスキャンデーを食べているランナー発見。急いで店を探すと直ぐ傍にあった。120円でアイス最中を購入。ASへの到着が11時18分。そして出発が11時23分だから、休んだのは5分間だけ。T脇さんが手を振って送ってくれた。アイス最中は食べ易く、走りながらでも食べられる。それにカロリーも高いから、エネルギーにもなるだろう。何とか吐き気が治まったようだ。

 前方にユニフォーム姿の中年ランナーが2人。近づくと仙台明走会のG島さんとF士さんだった。初対面のF士さんは、この春仙台から新潟県新発田市までの約220kmを、たった1人で走った強者。お2人とも私のブログの愛読者とのこと。嬉しかったが、同時に責任感も感じた。やがて「今日は何とか完走出来そうだね」と話しながら、2人は軽やかに走り去った。

T脇さんが追い着き、そして前へ出た。彼女とは4年前の「越後くびきの」90km付近で、デッドヒートを繰り返したことがある。だが、こんな緩い登りにも関わらずスピードランナーの彼女に追い着くだけの脚が、もう残ってはいなかった。<続く> 





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Last updated  2010.06.20 11:49:43 コメント(4) | コメントを書く


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