ミーコワールド

ミーコワールド

使用禁止



あれは私が連鎖溶連菌に感染してリハビリをしている時の事だった。

いつ病状が悪化して逝ってしまうかわからい状況だったので

「少しでも楽しい思い出を」という配慮から好きにさせて貰っていた。

サークルに入っていた私は公会堂で「クリスマスパーティー」をする

実行委員を引き受けた。 

大学の若い助教授に講演を依頼してあとは討論会を予定していた。

2時間の貸切りで申し込んだ。

国立大学の助教授が講演に来てその後、討論会を予定しているというので

わけなく借り受けた。

年末の寒くて忙しい時に来る人はそんなにいないだろうと思っていた。

意に反して総参加者200名近く、常時150名以上が会場に。

そして講演の30分間は静かに正座して聞き入った。

その後の討論になって助教授は帰って行った。

バス停まで送って、戻ってくるや否や討論会でなくレコードをかけて

「ゴーゴーパーティー」を始めた。

150人くらいが踊った。 

しばらくして床がフワフワしている事に気が付いた人がいた。

レコードを止める間もなく、足の下で不気味な音がして畳が沈んだ。

驚いて管理人に来て貰った。 管理人は渋い顔をした。

2~3日して県庁から呼び出されて市会議員のおじさんに伴われて出頭した。

  賠償は免れたもののこってり絞られてうなだれて

始末書を書いて議員に保証人になって貰い、帰宅した

父は知ってか知らずか何も言わなかった。

その後、公会堂は使用禁止となり、使用許可には厳しい制限がつき、

事実上使えなくなってしまった。 

随分長い間「公会堂を使えなくしたのはだぁれ!?」と冷やかされた。

博覧会の時に移築が決まり、今は文化財となっている。


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