星の髪飾り

星の髪飾り

2006/01/28
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道端の草花は、もう春を告げている。 送別会以来、あいつから何度か連絡が

あったが、加奈子はそれを避けていた。

 車線変更した方がいいと思っている時は、声は聞かない方がいい。

やがて、雲のように風に流されて飛んで行ってくれるかもしれない、そう思って

いた。・・・・そう、あの日までは・・・・・・

いつもより早く仕事が片付いたその日は、いつものようにいつもの道を走っている。

ハンドルを握るその手も、アクセルを踏む右足も、クラッチやブレーキに入る

力も、気を配る場所でさえ体が慣れていて、自然に動いている感じがする。



いつもの信号でブレーキを踏む。 3年通ったこの道のこの信号は決まって赤。

加奈子は両手をハンドルに置き、ため息をつく。 反対車線で止まった車が

ライトでパッシングしている。 前方で鼠取りしているのか?「スピード落とせ」

の合図だと思った。 

 その白い見覚えのある車が、あいつの車である事に気づいた時、信号は青に

変わった。 胸の高まりを感じながら、「引き返すなら今だ!」と思った。

・・があっという間に車は擦れ違い、あいつの車は遠ざかって行った。

偶然が呼ぶ一瞬の出来事は、時に運命を変える。

暫く走った加奈子の車の前方に、あいつの車が右に寄せられ止まっている。

「どうして? ここに!」 加奈子の脚はブレーキに、ハンドルも右にきられる。

加奈子は戸惑いながらも、ミラー越しに「着いて来い!」とのあいつの合図で



 そして、二人の空白は一挙に消えた。

「しばらく・・」

「ああ・・」

二人は、互いにとって長いトンネルを抜けたにも関わらず、たったそれだけの

言葉を交わす。 それだけで十分だった。 



もうどうでもよかった。


「どうして、あそこにいたの?」

「あの道にでる近道あるんだよ。」

「かなり、とばしたんでしょ?」

そんなきっかけで・・・・

「結局、来ちゃったね・・」

「うん、来ちゃった・・」  

「寒い?]  

あいつはそう言ってジャケットを加奈子の肩にそっとかけた。

 二人はべイブリッチを見ながら、始めてそっと寄り添った。

                           続く






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最終更新日  2006/05/09 03:58:38 PMコメント(0) | コメントを書く


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