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元卓球部裏部長

元卓球部裏部長

2005/07/21
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ネタバレしまくりです。(念の為)
まあ、ネタバレしていても関係の無い類の映画だとは思うのですが。




監督:パトリック・ブシテー 製作:リュックベッソン

僕の持論として、映画に色は必要ありません。
この映画もまた、その持論を助長するものでした。
ちなみにその際たるものが、「ペーパームーン」だと思っています。
(そして、1番好きな映画も「ペーパームーン」だったりする。)

どうしようもないろくでなし、デデ。
妹夫婦の家に寄生し、職にも着かず、酒に溺れ、盗みを繰り返し、ジミヘンに狂いながらも楽団としての練習は一切せず、いい女を見つけては付回す。

その行動は予測不可能。
人の女に、男の目の前で後ろからキスマークをつけるために襲い掛かります。

一見、主人公はこのデデだと見えるのですが、僕には本当の主役はシモンではなかったのだろうかと思います。

職にも就き、定期的に叔母さんのところへ通っては神父へのお使いをしたりもします。
とても真っ当な人間です。
何故デデと付き合っているのか、理解に苦しむぐらいです。
実際、劇中でもデデと喧嘩をして決別するシーンもあります。
現実にあれば、誰もがこう忠告するでしょう。
「もうデデに関わるな。あんたにとって、何の特にもなりゃしない。」
(しかし劇中には、幸か不幸かそんな忠告をされることは無かったのですが。)

しかし、それでも彼はデデとの関係を回復するため、わざわざお土産まで用意して、或いは盗みまで働こうとして彼の元へ赴きます。

そこには何があるのか。

僕が思うに、そこには一種の憧憬が潜んでいるのではないでしょうか。
何のしがらみもなしに生きるデデに対し、シモンは自分に無いものを見ているのです。

そして、人魚です。
彼女の存在は彼にとってなんだったのか。

だからこそ、シモンはデデがその言葉を口にするたびに逆上し、憤ったのではないでしょうか。

シモンにとっての人魚、つまり死とは。
彼は彼女を愛しているとはっきりと言っています。
そして、娼婦とさえ形容していました。
別に娼婦という職業を美化するつもりはありませんが(また蔑むつもりもありませんが)、彼にとっての娼婦とは、彼を特別な地点に追いやる存在だったのだろうと思います。
それは海であり、月だったのです。
だからこそシモンは、月夜の海でのデデの呼びかけに応じなかった。

そして彼は人魚を海へと還した。
それは必然的な行為でした。
自らと交わった人魚を海へと還すことで、自分を縛るものを一瞬でもほぐしたのではないでしょうか。
それは彼の中での神聖なる儀式だったのです。

この人魚は、時間軸的には過去の話になりますが、物語の最後に位置づけられている。
だから、シモンにとっての最終的な結論だと考えるほうが僕には自然に思われるのです。





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Last updated  2005/07/22 03:47:44 AM
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