mikusukeの赤石お散歩日記

mikusukeの赤石お散歩日記

2007年04月25日
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暗闇の中、赤い月だけが1匹と小さな少女達を照らす。
その光に逆らうかのように、異様な影が1匹の獣に絡みつく。

コロチュウの顔は酷く歪んでいた。金縛りが解け自由の身となった影が体中に絡みついていた。
絡みつく影に締め付けられ体は不自然な曲り方をしている。まるで抽象画のように。
それでも、その瞳の中の光は消えうせる事は無かった。
そこに、一人の少女がゆっくりと足を進めやってくる。

「やっぱり、彼方の事好きじゃないみたい」

トリーシャはその小さな手をゆっくりと影に向け、掌を開いた。

「ぐぉーーー、おのれ裏切るのか少女よ」


影が悲痛な声を上げる。
その隙をコロチュウは見逃さない、一気に影を引き裂くと一旦間を取り雄たけびと共に
自らの闘気を高める。コロチュウのオーラに呼応し大気が震え辺り一帯の空気が渦をなし
コロチュウを中心に集まっていた。

「その汚れたオーラ毎消え去るがいい!」

コロチュウが叫んだ声が影に届くよりも速く、コロチュウの鋭い爪が無数の残像と共に影を覆う。
オーラに包まれた爪は切り刻むというより、その空間そのものを削り取るかのように影を消し去って行く。

「おのれザードフィル二度までも我が野望を阻むのか」
「しかし、我は滅びはせぬ。お前達守人がそうであるかのよに我等赤い悪魔もレッドストーンと共に」

「いかん!」

コロチュウが声を出した時、ほんの僅かに残った影が再びトリーシャの中へと溶け込み始めた。



ゆっくりと、そして確実にまるで蛇が獲物を飲み込むかのように影がトリーシャを侵食する。

_トリーシャ、戦うのだ。
_お前は弱くない。
_お前の優しさは強さなんだ。
_妹達を想う気持ちは本物だ。本物は力だ。



「ぬぅー我に逆らうか、呪われし子よ」
「だが、お前の持つ赤き力は我の力と同じ。幼きその力では我にあがらう事はできないぞ」

トリーシャの周りに赤き光、影を覆う黒き光が互いに溶け合うかのように、
いや反発しあうかのように輝きを放つ。
それはコロチュウの首の宝玉の不思議な光と同じであった。
コロチュウはもう見守ることしか出来なかった。
今、同調しあうオーラに加勢出来るのは同じ性質を持つオーラだけだ。

「花火がいれば・・・」
「私の大地のオーラではどうにも・・・」

コロチュウは口惜しそうに呟く。

「さぁ悠久の時を経て同化した我等の力を再び我に!」
「その力を持ってすれば、異界にある我が本体を再び我が物に」

トリーシャの表情が曇ると同様に赤い光が黒い光に押され始める。

_トリーシャ、頑張るのよ。

_アルテミス、過度な干渉はダメです。
_これは既に起きてしまった過去の出来事。
_貴方はこの世界ではただの傍観者なのです。

_だからと言って、ただ見ているだけなんて!
_この時代で彼女は私を認識できる。
_なら私に出来る事をするの。
_さぁ赤い石コロ!
_あんたいつも見てるばっかで、たまには自分でなんとかなさい!
_私に力を与えるって言ったのあなたでしょっ!

突如、コロチュウの首に掛かる石が輝きを放ち、黒と赤が混じった色は透き通るルビーのようになる。
その光が凝縮し光線となりトリーシャを喰らう影のオーラに突き刺さる。

「ぐぉおおおおおお、この光はなんだ」
「熱い、我の意識が・・・」

影が光の貫いた部分から蒸発するかのように消えうせ始める。

「まだ、まだ終わらんほんの一欠けらでも少女に入り込めば我は復活出来る」
「そう時間はいくらでもある。我は不滅にして不変」
「お前達がいる限り、我は必ず復活する・・・忘れるな古の民達よ」
「呪われたお前達がいる限り・・・」

「悪いがお前の思惑通りにはそそいかせん」
「ちょっと危険だが今のお前なら何とかなるな」
「ライカンスロープにはこんな技もあるのさ、ザードフィル最後の業、喰らうがいい」

コロチュウの掛け声と共にトリーシャに絡みつく影は消えた。
しかし、コロチュウも動きは止まったままだ。
そして光を放った赤い宝玉も、渦をなした大気も今は静まり帰り音一つ無い静寂の世界が広がった。

赤石物語 】
(Blackworld and Redstonestory)

~古都の南風 傭兵の詩~



花火の話を神妙な顔つきで聞き入る戦士達。
花火はあの「赤い日」と呼ばれる戦いについて語った。
そしてその発端が天上界から降りてきた赤い悪魔の存在に自らが気づいた事。
その理由がレッドストーンと呼ばれる神獣の卵と同調する自らの適正者の能力の事。

「すると、赤い悪魔がその石を盗んできたためその守人である花火が悪魔を討伐したと?」

楸が口を挟む。

「ああ、しかし俺一人では太刀打ち出来ないから、ザードフィルに助けを求めたのさ」
「天上界には六つの守護聖獣がいる。その内の火の聖獣の卵がレッドストーンだ」
「そして、彼は大地の守護聖獣の守人」
「俺達、守人は天上界の聖獣を地下界の悪魔達から守るために地上界に産み落とされた種族なんだ」
「六つの種族は互いに助け合い、悪魔を退けてきたのさ」

そして花火の話が続く。
その後、異変を感じ取った花火がザードフィルと協力し世界に散らばった守人達を集め遂にあの神殿
で赤い悪魔をレッドストーンと共に異次元に封印した事。
しかし、その時一緒に花火とザードフィル、他数名が一緒に次元の彼方へ飛ばされた事。

「それでは貴方はどうして今ここに居られるので」

ガラテアが敬意を表しかしこまった言い方で尋ねる。
元来、礼儀正しい戦士はある種特殊な使命を負った人を敬った。

「それは、皮肉にも守るべきレッドストーンに守られてなんとか一命を取り留めたのさ」
「意識が遠のき永い眠りについた私達は10年前、ある事件により再び地上界に降り立った」
「そして、最悪なシナリオが幕を開けた」

「10年前?まさか、あの忘れ去られしエリプシャンの村と関係が?」

「さすがフクチ大佐、博識ですね」
「そう、一人の少女が生まれた日から異次元の中のレッドストーンに変化が起きた」
「新たな適正者が現れたのです。その子の名はトリーシャ」

「まさか!」

一同が驚愕の表情を浮かべる中、ガラテアが声を出した。

「彼女の適正者としての能力が我々を再び地上界へ導いた・・・」
「しかし、最悪な事に長い年月を経て赤い石と赤い悪魔は強い結びつきを持ち」
「時を同じくして、再び奴は地上に降り立ったのさ」
「結局、村を一つ地図から消すだけで赤い悪魔の覚醒は防ぐ事が出来たけど」
「奴は今も力を蓄え、復活を目論んでいる。それがきっと今回の儀式と関係があるのさ」

「10年前はどうやって奴の復活を?」フクチが問う。

「詳しくは私もその場にいなかったので知らないんだ」
「我等の内の殆どがこの世界に戻った時に記憶を無くしていたし、その場所もバラバラだったんだ」
「なんとか記憶を取り留めていたのは私が知る限り、ザードと私、そしてsakezukiだけなんだ」

「アウグの剣聖か!」ガラテアがさらに驚く。

「我等三人は、赤い悪魔の存在と赤い石を取り戻すため再び同士を探すために別れたのさ」
「そして私はゲルニカを見つけた」
「更に、あの赤い日に取り残された同士の末裔をゲルニカの弟子に見つけたのさ」

「マシンインターか!」今度は楸が声を上げる。

「そして、あの村の惨劇の後見つかった少しの仲間と再びザードフィルに会ったんだ」
「ザードフィルは変わり果てていた、見た目は少しやつれたようになり何より驚いたのは・・・」
「彼の覆うオーラが禍禍しく、そして忘れもしないあのドス黒い赤い悪魔とそっくりだった」
「私も仲間も直ぐに異変に気づいた。でも彼はなんとか正気であった」
「そして一言「インプロビゼーションで行こう」と笑いながら言ってそこから消え去った」

「即興劇か」フクチが呟く。

パン、パン、パン

廊下に乾いた手を打つ音が鳴り響き、暗闇から一人の男が現れた。

「さすが博識だなフクチ大佐」

そこには榎の姿があった。そして続けて口を開いた。

「楽譜の無い音楽や、シナリオの無い劇で行われる手法だな」
「つまり、奴の奏でる主旋律に我々がフリーセッションしろって事だな」

「そんな事が可能なのか」セシルスが思わず声を上げた。

「簡単では無いな、しかし攻城戦では与えられた使命は紋章を奪うか守るだけだ」
「それぞれの役割で最適な行動を個々が考え実践出来るギルドが強い」
「可能かどうかより、やれって事だな。自分の役割を演じろとな」
「この世界にある全ての物は使命が与えられている」
「大地は水を育み森を育てる。植物は太陽を浴びて大気を作る」
「親は子を育て、子はやがて親を養う」
「使命とは誰に命令された訳でもない」
「そして大地に降り注ぐ雨はいくつもの川になり、やがては一つの海へと繋がっていく」
「つまり、皆がそれぞれ考え行動する事によって解決しようとしたのさ」
「まぁ随分勝手な手法だが、奴のオーラを感じて理由はおおよそ検討がついた」

花火がコクリと頷いて話を再開した。

「彼はなんらかの理由で奴に支配されている、そして最小限の情報で協力を求めた」
「我等は再び別れて、独自に彼ザードフィル。いや、赤い悪魔の計画を探す事にしたのさ」
「その後、ザードフィルも赤い悪魔の目を盗んで何やら企てている事も解ったのさ」
「ここからは私の想像に過ぎないが、赤い悪魔の目論見と我々の目論見は少なからず一致している」

「どういう意味だ?」困惑気味の楸が問う

他のメンバーも一様にお互いの顔を伺い困惑していた。

<あとがき>
いよいよ話が繋がって来ました。
結構苦労しました><;
さぁ後少しで第二部が終了します。ここまでお付き合い下さった方どうもありがとう^^





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最終更新日  2007年04月25日 18時41分00秒
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