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densuke369 @ Re:同様の事件・子供の「仲良し」同士に要注意!(06/20) これが、真相かもしれないですよ。でも作…
alex99 @ Re:悲しい母の日(05/14) う~~ん。 日本人の男性とか、アメリ…
March 6, 2004
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第一回 からの続き→→→→

Center City
高速道路から一望するフィラデルフィア中心街の風景。ビルが一連に並ぶがその一番左側にある時計台のような建物がCity Hall(市役所)である。その一番上に乗っているのがペンシルバニア州を最初に開拓したウィリアムペンの銅像である。彼が世界で一番高いところに置いてある銅像らしい。


◆無宗教スタイル / バーバラ現れる◆


私がまだ結婚式を教会で挙げてみたい、という憧れがあった時ノリノリにそう告げたことがある。ノリノリはその時「みんみんがそういうならなんでもいいよ~。教会?いいんじゃない?!」と言っていた。そして今回実際に式を挙げるということになり、「教会はどうかなぁ?」とまず聞いてみた。

ノリノリは一言。「えぇ~っ!絶対やだ。」

…。あんた前、なんでも、って言ったじゃないの。

「絶対絶対勘弁してくれっ!」
自分で言ったことも忘れ「仏教徒」としてかたくなに教会を嫌がるノリノリ。創価学会の人々同士の結婚式には皆お経をあげると言う。会館(学会のコミュニティーセンター)に集まってあのご本尊の前で結婚式を挙げる人もいるという。

そんなの私が受け入れるわけないだろっ!(学会の方、読んでいたら失礼をお詫びします…)

確かに私はクリスチャンでもないので教会で挙げる、というのはちょっとばかげている気がしてきた。神父という存在にあんまり興味ないし、かといって仏教で(学会風で)いけるわけがない。アメリカの感覚で考えてもクリスチャンでもないのに教会で式を挙げるなんてやっぱりおかしい。無宗教とかそんなのでいかないとなぁ。

散々喧嘩を繰り返し結局、ノリノリの長い友人の奥方にアドバイスを聞いたところ彼女は「仲のいい人にね、ウェディングコーディネーターしてる人がいるから紹介するわよ。」と一人の女性を紹介され、結局彼女と会うことになった。

彼女の名はバーバラといった。

私は学会のお世話になるのだけは嫌だ、と常々思っていたが彼女は学会の人であった。でも、彼女は今まで会った数々のふてぶてしいアメリカ人と違ってとても穏やかで素敵な人だった(とその時思った)。取りあえず、折角会ったのだからいろいろ聞こうと思い、「無宗教」スタイルの結婚式はどうすればいいかを根掘り葉掘り聞いてみた。

彼女のアドバイスをまとめると、無宗教の人がアメリカで式を挙げる場合、いわゆる「神父」の役は裁判官(judge)や司式者(officiantと呼ばれ冠婚葬祭ができる資格を持った人)などに任せるらしい。他に無宗教の人を受け入れてくれるUnitarian(プロテスタント系で個人の信仰を重んじる派)やQuaker(クエーカー)の教会などもあり、教会がよければ彼らに頼める場合もあるという。アメリカは自由な国なので基本的には形式に捉われず、自分のしたいようにすればいいと。(しかしカソリックでもないのにカソリック教会で式を開くのは難しいと思われる)別に教会で挙げる時と同じように聖書を読む必要もないし、式の中で読んでもらいたいものがあればそれを用意すればいいし、したいことあればすればいいし。と、言うことらしかった。

へ~、そんなもんなんだ…。あぁ、そういえば、もし式が挙げられなければ市役所の裁判官の前で5分かからずであげることもできるとも幾度か聞いたことがある。確かに好きにすればいいのだけれども。

とにかく式を有効なものとしてあげる為には、基本的なことであるが最低でもMarriage Licenceだけは事前に忘れず準備をし、その場に持参し、神父/司祭者にその時サインをしてもらわないと結婚は成立しないこと、そして招待状は少なくとも一ヶ月前には出さなきゃだめね、などとバーバラは教えてくれた。時間?大丈夫、大丈夫、まだ平気よ、私を雇ってくれたら何でも手伝うわ。気軽に聞いてよ!明るいバーバラの対応に、焦っていた私の心は大分落ち着いた。こんな優しい人の力が借りれたら、なんて心強いのだろう…私はすっかり彼女に魅せられてノリノリにね、ね、どうする?彼女に助けてもらう?!と聞いていた。

その日は自宅に帰りまた話し合ったが、教会もやだ、会館もやだ、やだやだばかりの私達はどこで結婚式を挙げるかさえもさっぱり決められなかった。アメリカには日本のように結婚式場みたいなものがないわけではないが、別にそういうところで式を挙げたいとも思えない。ノリノリの友達のケリーが無宗教スタイルで式を挙げた時は、カントリークラブ(ゴルフ場)で裁判官を前に式をあげたらしい。でも、私達にはそんなカントリークラブを借りれるほどお金などないのだ。

そこでようやく私達は18th Century Gardenの存在を思い出したのだった。

二人の思いいれがあっての宗教に捉われないで、しかも安くとなればあの庭はパーフェクトだ。あの庭はフィラデルフィア市立の公共の公園であるので幾らお金がかかったとしてもそれほどにはならないだろう。そして小さな式には持ってこいの大きさ。あのアーチの下でみんなに祝福されたらとても幸せだ。う~ん、グッドアイデア!ノリノリ、これでいこう、これ!

「…。みんみん…。」ノリノリはぽつりとつぶやいた。
「ん?」
「冬だよ…。」
「ん??」
「冬の外だよ…?雨とか雪とか寒さとか…。」
「…。」

考えてなかった、と言いたくないが全然頭になかった。いやいや、よく考えてみればその通りである。しかしそうなったらそうなった時のこと、今の私達に不可能はないわっ!この夏の暑さのかんかん照りの日々ではっきり言って12月の寒さなどは全く想像がつかないのであった。どうせ寒いのはウェディングドレスを着る私だけ。他の皆さんはコートを着ればよいのである。式だって何時間も外でやるわけでなく、どうせ聖書なども読むわけではないのだから、短く数十分でまとめて披露宴に移動すればよい。いろいろ揉めるよりも、二人が納得するところで挙げたかった。

あのお花のきれいな公園で。
アーチが美しいあの場所で。
きっと何かすれば市から許可が取れるはず!

私はもうその日が晴れると疑わなかった。実際思ったとおりにその日は晴れたのだが、冬のあの時期、あの庭に咲き乱れるはずの花も、アーチにかかる美しいツタの葉も全てが枯れていて、ヒイラギの葉だけがぴかぴかと輝いていた…。な~んてことは勿論このときちっとも考えておらず、私はただひたすら夢を抱くのであった。


◆Officiant、ドリスとの出会い◆

そうと決めてからまた一週間後、バーバラと会った。これからこの短い期間でどう手順を踏んでいけば分からなかったのでノリノリと私は彼女を雇う事に決めた。一応学会の仲間なのでぜんぜんお金は取らないから!と彼女は言うので私達はすまないと思いながらもありがたく彼女の好意を受けることにした。(前金$100、後は気持ちでという契約)

私達はその「18th Century Garden」で式を挙げたい、ということを伝えた。彼女も「え?冬なのに外で?!」と驚いてはいたが、それがあなた達の希望ならそうしよう!と言ってくれた。

裁判官とか司祭者とか、一体どうすれば分からないので値段の見積もりとかどういう人に声を掛ければ言いかもうすこしアドバイスをもらおうといろいろ彼女に聞いた。彼女は「そうねー、年末だから裁判官がひまかどうかが問題よね…値段はよくわからないのよ、$200ぐらいかしらねー。」と言う。

「あ、そういえばね、この学会にもオフィシエントの資格を持った人が何人かいるのよ。」
とバーバラが言った。私は恐怖におののいて
「いや。でも無宗教じゃないと困る。私は絶対いやなの。」と伝えると、
「いやね、M。学会の司祭者でも無宗教スタイルでできるのよ。司祭者だから特に仏教とか決まってないから…。」私は内心、いや、そんなこと言ったって、ここ(学会)の人に任せるわけに行かない、とぶつぶつ思っていたところ、バーバラが叫んだ。「あ!ね、あの人も資格もっているのよ~。」

そこを通ったのは、背がちょっと高くてふっくらした、つやの良い肌をしている黒人の女の方だった。
にこにこして歩いてきた彼女を見て私は固まってしまった。
と、と、とっても素敵な人じゃないのっ!
オーラが見えるわ…。
「ねぇ、ドリス、彼女、H(ノリノリ)のフィアンセのMよ。」とバーバラは私を彼女に紹介してくれた。
「あら、初めまして!あなたがHのフィアンセなのね~!おめでとう!」とドリスは輝いた笑顔で私に語りかけた。
私はあぁ、こんな人なら他の見知らぬ教会の人に頼むよりぜんぜんいいかも…とさっきまで思っていたことはすっかり忘れて彼女に一目ぼれをしていた。
「ありがとう!」
「あのね、今Mはオフィシエントを探しているのよ。」とバーバラ。
「あの、ドリスはオフィシエントできるって聞いたけど…」と誰の意見も問わず私は早速アプローチする。
「そうよ~」とにこにこ言うドリス。
遅れて横にやって来たノリノリに、ね、ね、あの人、すごくいい人じゃない、私彼女だったら頼んでもいいわ!と小声で日本語でささやく。ドリスのことをよく知っているノリノリは、彼女は素晴らしい人だよ、僕も賛成だけど、とうれしそうに言う。小声の日本語で作戦をまとめた私達は日付だとか真冬に外で開く式なのでちょっと寒いこととかいろいろドリスに説明して早速頼む方向にもっていった。

ドリスは「えぇっ!私に頼んでくれるの?!喜んで引き受けるわ!!!もちろんただ!外でだなんて、なんてロマンチックなのかしら。あ、天気も保証するわ!」などと私達の期待していた以上にいろいろなオプションをつけて素晴らしい返事をくれた。「いや、してもらうからにはちゃんとお金払うから!」と慌てて言うと、「何言ってるの!そんな素晴らしい機会に私を選んでくれるなんてお金なんてとんでもないわ!」とドリスは返した。

後で話を聞くとドリスはフィラデルフィア創価学会の副トップで、大抵学会のみなさんはトップのパメラという女性に司祭は頼むそうだ。しかしなぜか私はドリスに先に出会ってしまって一目ぼれしてしまったので、ノリノリは(学会員として)少々ためらったが、私達二人が気に入った人としてそんな事は気にせず頼む事にした。もちろん「無宗教スタイル」で。彼女は「わかったわ!大丈夫、あなた達の好きなようにすればいいのよ。」と気持ちを尊重してくれた。

日付が設定され、式の場所、オフィシエントが決まり、「結婚式」自体はともかく挙げられそうな雰囲気になってきた。レセプション(披露宴)の場所についてはノリノリと私の間ではなんとなく考えていた場所があり、ケーキも二人のお気に入りのベーカリーがなんとなく頭にあってなんだかんだ言っても実はいろいろ既に心で決まっていたのだと思う。しかし私達はウェディングコーディネーターを雇ってしまった。バーバラはセンスは悪くないけれど、ばりばりのブラック文化に染まった黒人の女性であった…。


第三回 へ続く予定→→→→→または US Life Index へ行ってみる→→

***補足***
それから約一年後のデイブが亡くなった時( 以前の日記 参照)も、ドリスは素晴らしい魅力でデイブのお葬式をまとめてくれた。私達の結婚式でデイブとドリスは一緒のテーブルになり、その時正式に知り合った。警察官をしていて黒人嫌いだったデイブでさえも「彼女は素晴らしい!」とお気に入りの人になった。
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Last updated  March 9, 2004 08:53:20 AM
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