目と耳が悪いビジネスマンの一筆

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2010/07/20
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パリからバスでおよそ4時間かけて、モン・サン・ミッシェルを目指します。

こんもりと幻想的な姿が遠くに小さく見えてきた辺りで昼食をとりました。


03近づくモンサンミッシェル
遠くに見えてくるモン・サン・ミッシェル


メニューはもちろんモン・サン・ミッシェル風オムレツ。

妻の友人たちは、「あれを食べてお腹をこわした・・・」と口を揃えて言っていたし(笑)、「あまりおいしくない」という評判を聞いていたので、かなり警戒していました。

ところが、いざ食べてみると、みんなが言うほどまずくはありません。

オムレツよりも面食らったのは、同地の名物シードルでした。

シードルと言えば、リンゴの甘酸っぱい風味がなんとも言えない美酒というイメージがありますが、こちらで振る舞われたものは何かがちょっと違いました。

一口すするとなんとなくリンゴの香りがするような気もするのですが、その後に動物園というか牛舎というか、野生的な香りが鼻をつきます(笑)。




02オムレツ
モン・サン・ミッシェル風オムレツ

01シードル
シードル


何はともあれ、名物というのだから、これはこれでよしとしましょう。

気を取り直して再びバスに乗り込み、およそ15分ほどで夢にまで見たモン・サン・ミッシェルに到着しました。


04目の前のモンサンミッシェル
目の前のモン・サン・ミッシェル


周囲を浅瀬に囲まれた山上の修道院は、まるで想像上の場所を絵画にしたような非現実感を湛えていて、背筋がゾクゾクしました。

フランス人のガイドさんの後について哨兵の間へ入り、土産物を商う繁華な通りを進み、階段を踏みしめて高台へと上っていきます。


05観光客でにぎわう
観光客でにぎわう


眼下には海が見渡せるようになり、辺りの空気も少しずつ神聖さを増しているように感じられます。


09外を眺める
モン・サン・ミッシェルの外の風景


頂に建つ尖塔が刻々と近づき、いつしかわたしたちは修道僧たちが暮らす一帯に足を踏み入れていたようでした。

ノイシュヴァンシュタイン城でもそうだったように、ここモン・サン・ミッシェルでも薄暗い階段が随所にあって、目が悪いわたしは何度か落っこちかけました(笑)。

教会、礼拝堂、食堂、迎賓の間、修道僧の遊歩場・・・そこが岩山の上にあることをすっかり忘れてしまうくらい、神域での暮らしぶりに感じ入ってしまいました。


06ミカエル像
ミカエル像

07教会の床
教会の床の模様

08広間にて
広間にて


そもそもこの修道院が建設される発端は、アヴランシュの司教オベールが夢のなかで大天使ミカエルに会い、「ドンブ山に聖堂を建てよ」とお告げを受けたことに始まるのだそう。

とんがった頂の上に石板を敷き、空白となった部分をうまく埋め合わせながら上階を支えるように建造物を設計したというのですが、8世紀の人々にどうやってそれを実現できたのか、にわかには信じられません。

人間の想像力、あるいは技術力に、感服せずにはいられない場所でした。




10最後に一枚
最後にもう一枚


実を言うと、午前中の移動の時から身体の節々にけだるさを感じ、決して快調とは言えない状態にあることを自覚していました。

バスに乗ってモン・サン・ミッシェルの魔法から解き放たれてしまうと、いよいよ悪寒がし始めました。

「まずいなぁ・・・」

妻から風邪薬をもらって飲み、パリへと戻る5時間くらいの道のりは上半身にパーカーをはおり、横たわったまま過ごしました。

おそらく時差と疲労が重なったためだったのでしょう、バスのなかで休息すると、悪寒はどこかへ消え去りました。



ホテルへ戻る途中、添乗員さんと運転手さんの粋な計らいで、エッフェル塔のライトアップを見物させてもらえることになりました。

時計が22時を指すと、エッフェル塔のあちらこちらが明滅を繰り返し、ただでさえ人目を引く鉄塔が異様な存在感を放ちます。


11エッフェル塔のライトアップ
エッフェル塔のライトアップ


5分、いや10分くらいそれが続いたでしょうか、けっきょくそのイルミネーションを最後まで見届け、ホテルへと帰りました。

バスのなかで休みつづけていたためか、妙に気分がハイになっていました。

パリでの最後の夜を、このまま終わらせてしまっていいものか・・・。

そんな想いがあって、締めくくりにホテルの31階にあるバーに行ってみようということになりました。

黒色のスーツを着た男性が迎えてくれて、「どうぞお好きな席へ」といった身振りをしました。

さすがに窓際の席は満員で、わたしたちは窓から少し離れたソファに腰を下ろしました。

ちょうど2種類あるオリジナルカクテルを一つずつ注文し、薄暗い店内に響く人々のざわめきに耳を澄ませました。

日本にもこの手のバーはありますけれど、一杯数千円のドリンクを頼む気にはなれないので、足を踏み入れることはありません。

だけど、やっぱりここはパリだから、それくらい高価なお金を払ってもいいかなと思ってしまうんですね。

23時、窓の向こうのエッフェル塔が、再び瞬き始めました。


12バーで眺めるエッフェル塔
バーの窓越しに点灯するエッフェル塔


ミントの葉がたっぷりと入ったカシス風味のカクテルをすすりながら、パリの街のフィナーレを見届けました。

今日も長い一日でしたが、素晴らしい体験に満ちていました。

ありがとうございました!!

●今日の天気
モン・サン・ミッシェルはくもり時々晴れ。

●今日の運動
お休み。





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Last updated  2010/07/25 12:40:06 PM コメントを書く


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ミンミンぜみ @ ありがとうございました! はちの家さん いつも気にかけてくだ…
はちの家 @ お別れの言葉 ブログ(日記)は、毎日一定の質の文章を…
ミンミンぜみ @ ありがとうございました まめあちゃさん 温かいメッセージを…
まめあちゃ @ Re:お別れの言葉(07/26) 間の抜けた頃に、コメントさせて頂きます…
ミンミンぜみ @ Re[1]:お別れの言葉(07/26) 和1号さん こんばんは、コメントあり…

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