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小学校高学年の課題図書「心の森 / 小手鞠 るい (著), 酒井 駒子 (イラスト) 」についてです。この本を読んで感想文を書く場合のアドバイスです。表紙絵がきれいです。帯には「答えはすべて、森の中に。せつなくてピュアな物語」と書いてあります。さらに帯に書いてあるあらすじをそのまま書き出すと、「父の転勤で、少年はアメリカの小学校に転校する。少年の名は響(ひびき)。英語がわからず、友達もいないので、最初はとまどいながらも、新たな生活がはじまる。ある日、家の裏庭に続く森で、響きは不思議な少女に出会う。少女は何も話さず、笑顔で見つめるだけ。名前をたずねると、一輪の花をを渡す。それが彼女の名前、ディジー。その後も、響はディジーに会うようになり、森の動物たちとふれあいながら、彼女の優しさに心ひかれていく。だが、ディジーには、思いもよらない秘密があった・・・・。」さらっと読んでしまえるお話です。というか、ストーリー展開をおうお話しではないと思います。全編が「詩」だと思って読んでみてはどうでしょうか。著者の筆は何を描いても質感があります。私が好きだった場面は、響がディジーとふたりでオレンジ色のイモリたちをたすける場面です。言葉が出ないディジーと響の会話にも注目です。この本の感想文を書くのであれば、あらすじやストーリー展開からではなく、一つの場面、一つの会話からアプローチしていってはどうでしょうか。最後の場面は衝撃的かもしれません。そうなるかな、きっとそうなってしまうんだろうな、とわかっていても、読むものにはショックでしょう。この部分を高学年の小学生たちがどうとらえるのか、この本で感想文を書くのだとすれば、指導者としてはさわりたくない部分です。ひとりひとりのこどもたちの心に響いたものを「そのまま」引き出してあげたいです。著者は『「心の中」に木を植えて、水をやり、育て、心の中に豊かさを創造すれば、自分も地球も幸せになれる』と言っています。さて、こどもたちはそんな著者の意図した方向に進んでくれるのでしょうか。もう一度書いておきます。この本は「詩」だと思います。物語の展開で感想文を書くのはちょっと難しいかもしれません。それでも、著者の力のこもった文章力は読むものの心にきっと響くものがあるはずです。そう思って感想文を書くようにしてみましょう。
2012.07.17
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今日は県立座間高校を訪問してきました。今春の合格者の内申点は115〜118/135あたり。入試得点が215点/250点前後という県立の中堅校です。小田急線の座間駅から歩いて5分ほど、大山をはじめとした丹沢が見渡せる田園風景の中に学校はあります。今春の大学進学実績は以下の通りです。国公立大/14名。青山学院/7名。学習院/3名。北里/13名。慶応/1名。駒澤/23名。上智/4名。成城/7名。専修/27名。中央/18名。東海/50名。東京都市/22名。東洋/15名。日本/30名。法政/30名。明治/12名。明治学院/12名。立教/4名。早稲田/5名。今日の教頭先生のお話しからすると「勉強も部活もしっかりと取り組むまじめな生徒」というのが座間高校生の姿でしょうか。実際、先日も決勝で桐光学園に敗れはしましたが、サッカー部は神奈川県の中の強豪校です。ソフトテニスなど他の部活動も活発です。学校案内には「鍛える座間」とあります。さらに「しっかり勉強」「きっちり生活」「がっちり部活」「じっくり進路」と四つの柱を立てています。理数科目にはとくに力が入っていて、週末課題をはじめとして宿題も多いです。ただし、理数系を特色としているのではなく、国公立大をねらえるように高1、2では数学をしっかりと勉強させたい、という学校の指導とのこと。英語もラウンドシステムといって、音読や暗唱などを積極的に取り入れ、GTECも年に2回受験しています。テストが多いことも特徴で、定期試験以外にも実力テストや模擬試験など、月に1回は何らかのテストを実施しています。学校としては安易な指定校推薦などは勧めず、あくまで一般入試での大学進学を生徒たちには目指させたいということでした。miyajukuには今も周辺の県立高校の生徒が通ってきています。そんな生徒たちを通じて高校の様子はある程度わかります。座間高校は県立高校の中でも「しっかりと生徒に勉強をさせる学校」だとは思っていました。今日の訪問で、それがよりはっきりとなったところです、前から「お薦めの学校だよ」と生徒たちには言っていましたが、やはり「イチ押しのの県立高校」であることは間違いありません。ただし、バイトでもしながら高校生活をエンジョイしよう、なんて生徒が行く高校ではないことも確かです。しっかりと勉強もし、部活動でも汗を流したい。まじめにいろんなことに取り組む仲間たちと高校生活を過ごしたい。高校の先生がしっかりと学習指導をしてくれる高校に行きたい。そんな生徒にはぴったりの高校でしょう。来春入試についての情報等はまた別の機会に書きます。
2012.11.20
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昨日の岡野課長(県教育委員会の高校教育課長)さんのお話を聞いて感じたことです。神奈川県は、限りある人材とお金を、選択と集中して使っていくという意思が強いのだな、と。たとえば、従来の進学重点校というのは「名ばかり」のものでしかありませんでした。驚くべきことに、年間数万円の予算が進学重点校に配られただけでした。人的にもそうした学校にたくさんの教員が配置されたわけでもありません。しかも、手をあげればほとんどの高校が進学重点校に指定されました。これでは何の意味もないですよね。今年度中に発表されることになっている「進学重点校」は違うようです。指定された重点校にはお金と資産が投下されるようです。いろんな意味で「選択と集中」ですね。そうであれば今までとは違ったものになりそうです。現在、進学重点校にエントリーしているのはつぎの17校です。横浜翠嵐 川和 多摩 希望ヶ丘 横浜平沼 光陵 柏陽 横浜緑が丘 横須賀 鎌倉 湘南 茅ヶ崎北陵 平塚江南 小田原 厚木 大和 相模原ここから10校程度が選ばれる、といわれていたのでどこなのかなぁ、と思っていたところです。それが、昨日の話では、とりあえずは数校でも良いのではないか、ということでした。そして、その数校の進学実績をこえる学校が出てくれば新たに指定すれば良いのでは、ともおっしゃっていました。2校だとすると 横浜翠嵐、湘南3校だとすると 横浜翠嵐、湘南、柏陽4校だとすると 横浜翠嵐、湘南、柏陽、+1この+1が難しい。厚木、川和はほとんど実績的に違いがありません。この2校の両方を入れて5校とするか、3校のままとするか、といった判断なのでしょうか・・・ 残った学校はこれらの5校とはちょっと差がついてしまっています。進学重点校は、横浜翠嵐、湘南、柏陽として、この3校に集中してお金と人をかけていく、という方向で落ち着きそうですね。あくまでもわたしの予想ですが。
2017.07.06
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午前中は高3生の現代国語の授業。テキストは「高校生のための現代思想ベーシック ちくま評論入門 改訂版 (高校生のための現代文アンソロジー・シリーズ)」今日の題材は「ボランティアとは何か 中井久夫」と「つながりとぬくもりと 鷲田修介」「ボランティアとは何か」では、ボランティアの倫理的根拠を「惻隠の情」にあるとし、そのもとでボランティアは「熱く」動いていく。それは熱くなってはいけない行政の立場と補い合うものだ、と論を進める。「つながりとぬくもりと」では、現代社会における「つながっていたい」という思いについて、それを都市生活の様態から考察。いまの子どもたちには遮断の認識が深いことを見逃してはいけないと結論づけていく。ひとつひとつの題材はそれほど長くないが、現代の思想家・学者の著書からのアンソロジーになっている。大学入試の現代国語の対策としては、まずは、入試に出題される文章に「頭を慣れさせる」必要がある。「慣れる」ということは、一度はそこに書かれていることについて「考えたことがある」という頭をつくることだ。今日の授業であつかった文書でいうと、現代社会における「個」と「集団」の関係について、というテーマに対して、少なくとも一度は向き合ってみたことがあるかどうか、ということになる。それは「コンテクスト」と「テキスト」の関係をきちんと考えることと同じだ。「テキスト」と「コンテクスト」は相互に支え合っている。ただ、本当であればこのテキストのレベルで終わらせてはいけない。ここから気になった著者の本に興味をつなげていって欲しい。とはいっても、入試までには他の教科の学習もあるので無理かもしれない。大学生になってから、思索の深みをおっていってくれればありがたい。大人の方にもお薦めの一冊です。2015年が初版なのでちょっと古くはなっているが、現代を考えるのに様々な切り口の評論が掲載されている。1,000円で「今」を読み解くことができる一冊です。
2018.07.25
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神奈川県の高校入試の面接はあらかじめ公表された「観点」によっておこなわれます。つまり、正解のある面接、といってもよいかもしれません。「観点」にふくまれていないことでは減点されませんし、加点もされません。極端な言い方をすれば、「面接の態度」にチェックのない学校の面接では、面接中にガムをかんでいたとしても減点はない、ということです。共通の観点は三つです。(1)中学校での教科等に対する学習意欲・・・中学校の9教科の学習活動において特に力を入れたことや苦手を克服したことなど(2) 中学3年間での教科等以外の活動に対する意欲・・・部活動やボランティア活動など頑張ったこと嬉しかったことなど(3) 入学希望の理由・・・なぜその高校を志望しているのか?高校に入学することでどんなことに取り組んでいきたいかなど生徒はこれらの項目についてあらかじめ「面接シート」を書いて提出します。「面接シート」を書くときのポイントですが、自分が質問してもらいたいことに誘導できるような書き方をすることにつきます。「面接シート」そのものは採点の対象にはなりません。ここで誤字・脱字があったからといて問題ではない、ということです。とにかく、このシートをもとにして当日は面接が進みます。自分をアピールできることにしぼって、面接シートを書きましょう。もうひとつ。とても大事なことです。神奈川県の面接では、中学校での部活動などで上げた実績は評価してはいけないことになっています。県大会で優勝した、などということが加点ポイントにならないんですね。では、何を評価するか。それは、高校で何をしたいか、ということなんです。中学での部活動の実績は評価されませんが、そうして頑張ったことを高校でもつなげていきたいです、といえば加点ポイントになるんですね。このことをしっかりと知った上で面接にのぞみましょう。とにかく「未来志向」の面接だということです。将来の自分、自分の夢、高校生活をいかに輝かせるか、そんなことをしっかりと箇条書きにしておきましょう。なお、学校ごとの観点は、県教委のホームページにあります。 http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/771427.pdf 観点をみないで面接シートを書くなんていうわけのわからんことをゼッタイニしないように。面接は点数化されるのです。どうすれば得点がとれるのか、しっかりと考えた上でのぞみましょう。もうひとつ・ちょっと古いですが、神奈川県私塾協同組合でつくった面接対策の映像です。https://www.youtube.com/watch?v=OPkkMs41Flc
2016.01.23
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小田原の慧真館という塾の岸本先生がすごい記事をまとめています。「3年間で生徒を「伸ばす高校」と「伸ばさない高校」を調査してみた。」https://keishinkan.jp/13ranking県内の県立・市立高校の入学時と卒業時の「伸び」を岸本先生なりの方法でまとめたものです。これだけの記事をまとめるのにどれだけ時間をかけたか、ということを想像すると「すごい」としか言いようがありません。神奈川県の公立高校を目指す生徒、保護者の方は、是非とも一読の上、自分の進路選択に役立ててください。記事の中で岸本先生も・・・・記事の続きは → https://miyajuku.com/miyajuku_blog/20180616/
2018.06.16
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