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2010.10.22
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カテゴリ: Figure Skating(2010-2011)
この背景にあるのは実際には、アメリカ社会のアジア系というマイノリティ集団の中で、中華系がイニシアティブを取って大きな勢力として動きたいという、中国人ならではの一種の覇権主義なのだが、反日政治工作に関しても、たとえば第二次世界大戦中に南京であったとされる大虐殺を「ホロコースト」にしようとしたり、慰安婦問題を20世紀最悪の奴隷制度と呼んでみたりというプロパガンダを中国系と韓国系が個別に、あるいは時には陰で共闘してやってくることも多いから日本にとってはやっかいだ。彼らのプロパガンダ活動は、基本的にはユダヤ系アメリカ人のやり方に倣ったものだ。

さらにこうした日中韓の反目を、したたかなアメリカ人政治家がうまく利用している。たとえば、安倍政権下での、実際には何の効力もない慰安婦がらみのアメリカ議会による対日非難決議案。これを推し進めたい韓国系・中国系から、さらに非難決議を阻止しようとする日本サイドから、アメリカ人政治家がいくら絞り取ったのか、つまびらかにしてほしいくらいだ。

ロスでのキム・ヨナ事務所主催のアイスショーも、中・韓系資本のアメリカ進出という色彩が濃い。アメリカでのアイスショーそのものの人気がなくなり、アイスショー元締め最大手のIMGもショーにさほど注力しなくなってきたタイミングを見て、切り込みを図ったのかもしれない。過去の因縁もあるとはいえ、ATスポーツのIMGへの態度は極めて好戦的だ。

今回のショーが不入りだったのは、プロモーション期間が短かったこともあるかもしれない。だが、ぶっちぎりの点をオリンピックの晴れ舞台で叩き出したはずの五輪女王の演技をショーで見たいという人間が少ないこと、クワンに興味をもつファンももう減っていること、男子の花形選手も、ショーのゲスト出演ではさほどの集客力がないという現実をまざまざと見せ付けているように思う。

IMG系の事務所とキム・ヨナが袂を分かったのは、「マネージメントを真面目にやらない」とキム・ヨナサイドが憤ったのが原因と伝えられている。日本人のトップフィギュア選手でIMGと契約している選手は多いが、実際のところ、IMG TOKYOは何をしているのだろう? たとえば、浅田真央に対して。

なるほど、あちこちのショーにかりだされてはいる。浅田真央が出演すれば、客席はいっぱいだ。オリンピックシーズン後ということもあり、ショーの数が増えるのは当然といえば当然だが、ソチに向けて現役続行を宣言し、ジャンプのリフォームに取り組むという大きな課題を抱えた浅田真央に対するマネージメントとして、それが適切だろうか?

一度完全否定したにもかかわらず、また一部の週刊誌に、「非公式にオーサーにコーチを打診した」などと書かれても、正式なステートメント1つすら出さない。案の定、中国で氷上結婚式ショーに出演した浅田選手に対して、記者団から「オーサーにコーチを依頼したのか」などという質問がぶつけられた。海外では、これが既成事実化しているのだ。こうした誤解を解く努力をしないことを、「大人の対応」などと一部の日本人は思っているが、それは間違っている。事実無根のでっち上げに対して何も反論しないということは、それが事実だから。そう思われるのが「国際標準」なのだ。

オリンピックシーズン、ジャパンオープンからグランプリシリーズ2戦まで、まったくスケジュールに余裕がなかったことを、タラソワは次のように批判していた。「真央は所属事務所の関係でジャパンオープンへの出演を断ることはできなかった。だが、この難しいプログラムをこうしたわずかな期間のうちに演じきるのは無理」。

もちろん浅田選手は、「体力面でも全然大丈夫」と明るく言っていたが、結果はあのとおりだった。こうした問題でコーチが問題意識をもち、それが(たいての場合)正しくても、日本のフィギュア商業主義はコーチに絶対の裁量権をもたせてくれない。中野選手にとってもオリンピックのジャパンオープンは悪夢のようなものだった。不要な試合で肩を負傷。これが彼女にとって一番大切な集大成のシーズンでの調整を遅らせた。それをすべて選手の自己責任にしているのが日本だ。日本ではフィギュアの人気選手を取り巻く環境はいいようで、悪い。アイドル歌手並みの消耗品扱いなのだ。



だが、クワン以降、アメリカ女子から圧倒的に強いスター選手が出なくなる。「まぐれ勝ち」させてもらった五輪女王もいたが、かつての五輪女王がもっていた重みは明らかになくなった。

日本の現状はかつてのアメリカを髣髴させる。NHK杯に向けて、ジャパンオープンで不調の浅田選手に期待できないと見たのか、ニューヒロイン村上佳菜子をやたらと宣伝するメディアの論調が目立った。確かに村上選手は素晴らしい。荒削りだが、安藤選手とも浅田選手とも違うスケール感がある。だが、才能から言えば浅田真央には比肩できない。見ているものの想像力を刺激する演技、氷上に降り立っただけでうっとりさせるお人形のようなプロポーション(20歳であのほっそりした体形を保っているということだけでも奇跡に近い)。

かつて伊藤みどりが日本女子フィギュア成功の代名詞だったころ、「伊藤みどり2世」とメディアが呼ぶ選手が相次いだことがあった。だが結局、伊藤みどり2世が出なかったのは、今となっては周知の事実だ。伊藤みどりのジャンプは伊藤みどりとともに終わった。今では伝説となったあの芸術的なジャンプの持ち主を、日本人は、「表現力がない」などと言って、「伊藤みどりを勝たせたくない」勢力の尻馬にのって叩いたのだ。

同じように浅田真央2世も出ない。浅田真央の奇跡は浅田真央だけの奇跡だ。メディアのほうで、「次のスター」を売り出そうとしても、ファンのほうはわかっている。浅田真央は別格だと。拙ブログでは「一部の好事家のものだったバレエ鑑賞を大衆のものにした」と言われたヌレエフについても取り上げたが、日本での浅田真央も、マイナースポーツだったフィギュアを国民的な人気競技に引きあげたという意味で共通するものがある。

こうした何十年に一度出るか出ないかの圧倒的なスターを認め、育て、大輪の花を咲かせるのが、日本人はあまりに下手だ。浅田真央の才能をもっとも認めているのが、ロシア人だったりフランス人だったりするのは一体どうしたことか。

またフィギュアシーズンが始まり、自国に世界女王がいるのに、わざわざ「世界女王のキム・ヨナ」などと言ったりするテレビ局がフィギュア放送をするのかと思うとウンザリだ。さきほど女子ショートプログラムのNHKの放送を見たが、アナウンサーはかなり浅田選手の現状に配慮した発言をしてあげていた。ルールについても勉強している。ああしたアナウンサーは民放にはほとんどいない。ただ、「宿命のライバル」だのと言って煽り、自国の素晴らしい選手たちを差し置いてキム・ヨナを「フィギュア史に残る名選手」などと持ち上げ、演技途中にくだらないおしゃべりをして音楽の妨害をしている。

浅田選手がジャンプに失敗すれば、新聞は「真央、跳べない」「ジャンプ不調」とことさら書き立てる。今ジャンプがうまく行っていないのには理由がある。今シーズン初めからしばしばフリップが抜けてしまうのは、流れを止めずに跳ぶというプレパレーションの修正のほかに、恐らくルッツの矯正とも関連がある(それを最初にインタビューで言ってくれたのはフリップの矯正をしていた安藤選手だ)。安藤選手ほどのジャンパーでも矯正後のフリップは回転不足を狙われるせいか、今もフリーからはずしたりしている。矯正というのは、それほど難しいのだ。ショートにトリプルアクセルを入れるリスクについては、過去のエントリーですでに書いた。困難な挑戦だが、本人が「やる」と決めた以上、周囲は冷静に見守るべきだろう。

素人の目を侮ってはいけない。高いチケット代を払い、ショーや競技会に足を運んでくれるファンの多くは素人なのだ。点だけ吊り上げれば、スペシャルなスタースケーターを作れると思ったら大間違い。それをロスのショーが図らずも証明した。

日本のフィギュア人気もいつまで続くかわからない。クワン時代のアメリカの状況を記した古い書籍の一文が、今の日本のフィギュアとそれを取り巻く現状を言い当てているような気がしてならないのだ。






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最終更新日  2010.10.23 00:50:31


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