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大島和隆の注目ポイント

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2010.01.22
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<iPod touchが100円で買える?>



「それならば最初からiPod Touchで良かったじゃないか」という指摘が聞こえてきそうなのですが、やっぱり外出先で使う通信手段(公衆無線)は確保しておきたいじゃないですか。普段はほとんど使わないとしても、それがスマートフォンというものじゃないですか。今回はそんな話をしたいと思います。

<iPhoneやiPod touchの無線LAN機能を使う>

iPhoneというか、スマートフォンと呼ばれるカテゴリーの機器が最近特に注目を集め、また非常に面白い存在となりつつある理由の一つは、無線LAN機能を搭載したことだと思います。例えば、iPhoneに搭載されている無線LANの規格は801.11b/gですので、最大54Mbpsでの高速通信が可能です。一方、携帯電話の場合、最近の3.5Gと呼ばれる高速通信の速度でさえ下りが約7.2Mbps程度に留まります。

逆に、無線LANを搭載したPDA(携帯情報端末(けいたいじょうほうたんまつ、個人情報端末とも))とスマートフォンとの最大の違いは、スマートフォンが速度は無線LANに劣るとはいえ、数年前のADSL(出始めは1.5Mbpsでした)よりも格段に帯域幅の広い携帯電話としての通信機能を有するということです。微妙に解り難いかも知れませんが、これは面と速度の問題です。無線LANは「速度は速いが使えるポイントが限られる」一方で、携帯電話は「速度は遅いが使える場所はほぼ全国津々浦々にまで拡大している」ということです。

iPhoneのようなデバイスを、携帯電話としてだけ使う人は当然まずいないでしょう。動画サイトのYou Tubeを見たり、もちろん、iTunesから音楽や動画をダウンロードしたりするのに使うわけです。この時、無線LANを使うと何が良いかというと、格段にスピードは速いし、パケット代が発生しないということです。パケット使い放題みたいな契約にすれば気にしないで済むという見方もできますが、その料金だけはMAXまで払わないとなりません。無線LAN環境で使っている限り、速度も料金も気にせず(インターネットへの接続環境がない場合は別です)に済むというのは素晴らしいことだと思いませんか? なので、私は自宅で無線LANだけで使っているのです。その操作性の素晴らしさと、ポータビリティを満喫しながら。

<iPhoneやiPod touchでskypeを使う>

息子が私のiPhone購入と同時にiPod touchを買いましたので、二人で比べっこをよくしています。iPhoneとiPod touchの最大の違いは何かといえば、携帯電話機能があるかないかです。

そこで、今更説明など必要ないかも知れませんが、skype(スカイプ)ってご存知ですか?インターネットを使った電話と思っていただければいいのですが、skype登録者同士ならば普通に音声通話のみならず、USBカメラなどを使ったテレビ電話も無料でできます。有料で電話番号を取る方法もありますが、インターネットを使える環境にいて、アプリケーションを立ち上げていれば、普通に呼び出すこともできます。そして一番のメリットは海外との通話(国際通信)も一緒の取り扱いで、すべてインターネットの利用代金の中で賄える、すなわち最近のようなネット環境ならば、実質国際電話も無料だということです。

ただskypeが使える端末が常時インターネットにアクセスできる環境にあるかといえば、今までそれは案外と難易度の高い話でした。デスクトップPCならばインターネットに常時接続をしていると思いますが、本人がその端末の前に座っていないとなりません。ノートPCやネットPCならばもう少し可動範囲は拡がりますが、それでも無線LANの届く範囲に限られ、外出先だとそのスポットはかなり限られてきてしまいます。また何より、パソコンの場合、常に電源を入れてPCを立ち上げておかないとなりません。

しかし、iPhoneやiPod touchならば常時持ち歩くことが可能なのはもちろんのこと、 PDAの特徴としてのリアルタイムOSが常時待機になっています。そして当然skypeアプリをダウンロードして使うことができます。結果、無線LANが使える環境下にいれば、パケット利用を気にしないで、ネット端末として通話ができるということです。実際に息子のiPod touchと通信を試みてみましたが、残念ながら現状ではマイク機能がうまく活かせず電話の様に通話はできませんでしたが、iPhoneからパソコンのskypeへの通話は電話のようにできました。そして正直、これを試してみた実感として、いろんな可能性がこれから拡がることを実感しています。

<無線LANのアクセスポイントを持ち歩く>

最近「モバイル・ルーター」という考え方があります。無線LANのアクセスポイントとなるルーターを持ち歩くという考え方です。無線LANのアクセスポイントに端末を持っていくのではなく、アクセスポイント自体を持ち歩くという発想です。例えば、鞄の中にひとつアクセスポイントを入れておけば、持ち歩いている総ての無線LAN対応機器を自由にインターネットに繋げることができます。それがPDAでも、ノートPCでも、或いはPSPやDSなどのゲーム機器でも問題ありません。そしてポイントの一つはルーターですから同時に複数のデバイスの接続が可能だということです。

現在前述の携帯電話技術の3.5G、HSPA(High Speed Packet Access)方式のそれが実際に販売されており、冒頭の「iPod Touchが今なら100円」というのは最近ネットブックPCの販売形態で良く見られるこれらとの抱き合わせ販売なのですが、この流れの展開からは目が離せません。きっと遠からず下り速度40Mbpsを提供するWiMAXでも対応製品が出てくるでしょう。

<ひとりひとつのアクセスポイント>

まだWiMAXのような高速通信は普及初期段階なので人口カバー率が低く、どこに行っても高速通信というわけにはいきませんが、きっと遠からずそのエリアは爆発的に拡大するはずです。そして個々人が自分専用のアクセスポイントを常に持ち歩けば、身の回りにある総てのデジタル機器をインターネットに繋げることができます。そして身の回りに自分だけのネットワークを作ることも可能となり、PDAとノートPCとゲームなどをシームレスに繋いで使うなどという利用形態が生まれるでしょう。家に帰れば、そのままでも良いですし、家族や友人のアクセスポイントとは自動でリンクするようにしておけば、更に使い勝手は良くなると思います。

ユーザーはアクセスポイントの通信料を払うことになりますが、現在のパケット使い放題などの状況を見ていると、最大で月間3,000円~4,000円程度に収斂していく可能性は高いです。現在のワイヤレス関連のトレンドはそうした方向性へ向かっています。

<その時、携帯電話はどうなるのだろうか?>

会社や家庭にどんどんIP電話が普及している現在、携帯電話だけが独自の技術を維持していくというのは合理的でないかも知れません。つまりみんなIP化していくということです。それも従来のワイヤレス環境で考えられていたのとは格段に違う良質なものとして。その試金石となるのが、iPhoneやiPod Touchで無線LANを使ってskypeを利用するというような動きだと思います。

この流れが本気で加速した時、IT環境はもう一段違う世界へと変化していくと思います。ただその一方で、既存の携帯キャリアには厳しい環境が訪れるかも知れません。携帯キャリアは電力や水道のように、ただパケットを流すインフラを提供するだけとなり、付加価値は再びデバイス・メーカーが握るというような流れになるのではないでしょうか。ただいずれにしてもとても面白い時代になってきたと思っています。

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CEO兼最高運用責任者 大島和隆
(楽天マネーニュース[株・投資]第67号 2010年1月22日発行より) ==========================================================






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最終更新日  2010.01.22 11:42:22


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