ここまでの説明ですでにお察しいただけた方もいらっしゃるかも知れませんが、プリウスのブレーキペダルは単なる電気系統のスイッチに過ぎません。これって実は凄いことなんです。人間の踏力をブースター(倍力装置)を介して増幅させて利用する従来からある油圧ブレーキ・システムとは全く構造が違うからです。これを「Brake by Wire」と言いますが、メルセデス・ベンツが先々代のEクラス(W211)に導入して、大量のリコール問題に発展し、その後の開発を諦めたという極めて高い技術力が求められるブレーキ・システムです。それを1台700万円も800万円もするベンツではなく、200万円前半で買えるプリウスに採用したというのがトヨタの凄さです。