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2011.10.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類


まず、支出の時期と概算金額を把握することが大切です。単身者であれば結婚が最初に訪れる大きなライフイベントでしょうし、子供のいる家計では学費の支出に占める割合が高まります。また、子供の成長につれて住居の問題も出てくることでしょう。会社勤めの場合、定年退職後の収入減への備えも大きな課題です。近い将来の出費に充てる予定の資金はリスクにさらすべきではなく、生活費の数カ月分の予備資金と合わせて預金口座に預け入れておくべきでしょう。足元の資産の状況と将来の資金収支の見込みから、リスク資産に投じることのできる金額を事前に把握しておき、そこから大きく逸脱しないように心掛けることが大事です。

次に、目標金額を明確にすることです。最近では、年金制度に対する不信感などから老後生活に金銭的な不安を感じる人が増えており、定年後の収入減にどう備えるかが大きな課題となっています。「家計調査報告(平成22年度)」によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の消費支出は234,555円でした。仮に月25万円の支出を前提にすると、20年間で約6,000万円、30年間では9,000万円ほどが必要で、ここから退職金と年金収入を差し引いた金額が自助努力で準備すべき金額となります。

そして、期待利回りと許容できるリスクのバランスを図ることも重要です。ここで、2,000万円を老後資金として用意しなければならないとしましょう。運用期間を20年間、期待利回りを3%として複利運用する場合、20年後に2,000万円を手にするためには(現価係数表から)1,100万円ほどの手元資金が必要となることが分かります。しかし、これが、5%の利回りであれば750万円、8%では430万円ほどの資金で済むことから、手元資金に余裕のないような状況では、つい高めの期待利回りを前提に資産計画を立てがちです。また、運用期間が短くなればなるほど、高めの利回りを設定する傾向はさらに強まります。

しかし、高い利回りの裏には高いリスクが潜んでいると考えるべきです。ここでいうリスクとは、期待されるリターンのばらつきのことを指し、リスクが高いということは大きく値上がりするのと同じくらいの確率で、大きく値下がりする可能性もあることを意味します。したがって、リスク資産に投じる金額は、最悪のケースを想定して、たとえ失ったとしても日常の生活に、またその後の資産形成計画に大きな支障を生じないで済む金額に留めるべきです。例えば、最悪のケースで資産の約3割を失う可能性のある金融商品に投資するとして、許容できる損失額が100万円であれば、投資金額は逆算から330万円程度に抑えるべきことが分かります。

以上のように、将来の収支を基に目標金額を決め、期待利回りと許容できるリスクのバランスを図りながら投資金額を判断すると無理のない運用計画に落ち着くことでしょう。

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ノーザン・トラスト・グローバル・インベストメンツ株式会社
ファンドマネージャー 相川雅宏
(楽天マネーニュース[株・投資]第106号 2011年10月14日発行より) ==========================================================






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最終更新日  2011.10.17 09:07:04


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